- 蒜場山からの縦走も3日目の後半に入り、いよいよ薬師岳から飯豊連峰の最高峰、大日岳への登りになった。ゆるい尾根の登りの先に大日岳が見えた。GW前半に降った新雪が10cmくらい積もっていた。足がもぐり歩きにくかった。三角点峰(西大日岳)は地面が出ていた。
- 潅木が雪の上に出ているところを少し登ると大日岳の山頂に着いた。地面が出ていた。雪解けが終わったばかりなのか、地面は少し柔らかかった。朝のうちに来たらしい登山者のアイゼン跡が地面に有った。
- 大日岳からの下りは急だった。雪はゆるんでいたのでピッケルを片手に一気に下った。鞍部付近で御西岳避難小屋から空身で往復する二人組とすれ違った。「さっき滑ってきた人たちですね」と言われた。遠目には滑るように見えたらしい。小屋への登りは最後になって勾配がゆるくなり時間がかかった。思いの外苦労した。
- 小屋は1階から出入りできた。外のトイレらしき建物は埋まっていた。着いたときは空身で往復する人のザックが有るだけで無人だったが、最終的には11人の宿泊になった。最後の一人は同じ蒜場山からのコースを追いついてきた下越山岳会の人だった。毎年のようにこのコースを歩いているそうで、「今年の残雪は平年並みだった。でも小屋付近は少なくて、いつもは2階から出入りしている」との事だった。福島県側からの登山者は「以前来たときは低気圧が来て稜線がカリカリになった」と言っていた。
- 4日目、朝の室温は11℃だった。石転び雪渓を下るつもりだったが、半日ほど早く行動できていたため予定を変更して、より安全な西俣ノ峰経由で下る事にした。
- 霧の中を出発した。最初、尾根の右寄りを下ってしまい、磁石で方向を確認して尾根に登り直した。新雪に隠れたクレバスを踏み抜かないよう注意しながら歩いた。天狗の庭付近でガスが晴れだし、幻想的な雰囲気の中、昨日通った大日岳が見えてきた。「天狗の庭」の標識は雪の上に出ていた。
- 鞍部を過ぎて烏帽子岳への登りにかかるところで、小屋で一緒だった同じコースを歩く単独行が追いついてきた。「石転び雪渓を下りて先を行く4人組と合流する」と言って先に行ってしまった。
- 烏帽子岳への登りは少し夏道が出ていた。烏帽子岳山頂に着いたら再び霧に覆われ、晴れるまで待った。
- 梅花皮岳への登りで、先程の単独行が北股岳に登って行くのが見えた。どうやら予定を変更して我々と同じ西俣ノ峰経由で下山する事に変更したらしかった。梅花皮岳から見ると石転び雪渓は昨年通った時より落石が多いように見えた。梅花皮岳から梅花皮小屋までは夏道が出ていた。