- あだたら高原スキー場のレストランで腹ごしらえしてから出発した。今回は8人の山行だった。
- 雪が降っていて風も強かった。雪が深いのですぐワカン持参の4人はワカンを付けた。スキーリフトから右手へ進むところで間違えてリフト沿いに登ってしまい5分ほどロスした。
- 「馬車道」と標識に書かれた道が時々交差していた。雪が踏まれて硬くなっているところも多かった。標高1040m付近でつぼ足組はアイゼンを付ける事にした。初めて付ける人もいて少し手間取った。標高1230m付近はダケカンバの森だった。
- やがて右手がカラマツ林になった。勢至平(せいしだいら)分岐まで風が強く修行をしているみたいにつらかった。勢至平分岐を過ぎると右下がりのトラバース道になり風が少し和らいだ。硬い所ではワカンでは少し歩きにくかった。「くろがね小屋」が前方に見えてほっとした。
- 「くろがね小屋」は福島県の新型コロナ蔓延防止の影響で人数制限をしていていた。他の登山客は3人だけだった。温泉に入って温まり、小屋で販売の地酒を飲んで翌日への英気を養った。夜間は外の風の音がうるさかった。
- 二日目、朝の室温は2度だった。風に吹かれながら小屋前でアイゼンを付けて出発した。
- 最初の急坂はアイゼンがよく効いた。尾根に出てからは尾根伝いにしばらく登った。前方が急になった所から左手の谷の方向へのトラバースになった。雪が深く霧も出てきてルートが分らなくなった。万一のなだれの事を考えて、間隔を30mずつあけて進んだ。かすかな踏み跡を何とか見つけて進みトラバースを終えた。
- 更に少し先の「峰の辻」まで登った。山頂までの残り標高差150mだった。風も強く視界も悪いので、リーダー判断で、ここまでとして下山することにした。
- 帰りは勢至平を経由した。平坦な潅木帯でルートが分りにくかった。赤テープも分らなくなり、コンパスとGPSを頼りに進んだ。まっすぐ道の無いところを進むと行きに通ったルートに出た。正面のカラマツ林が目印で勢至平分岐の少し下方だった。天気は良くなり青空が広がって来た、昨日、風で苦労しながら通ったのが嘘のように穏やかだった。
- ゆっくり下っていると女性単独行が登ってきた。この先のルートを聞かれたので「小屋へのトラバース道になると雪が多い。道の無いところを通ってきたので引き込まれないように」と教えてあげた。
- 奥岳で温泉に入り、タクシーで二本松に出て祝杯を上げた。