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その他スケジュール&報告

ここでは研究会や遠足以外のイベントの報告等を伝えていこうと思います

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99/10/25 shimono akiyoshi



1999.10.25 唐突アメリカ博物館ツアー報告(最後)


1999.10.11 エクスプロラトリアム(アルバムのページ)

国内の科学館に行ったことのある人なら、ここの展示品の半数は(似たものを)見たことがあるはずです。
体験型実験装置展示の草分けとして常にお手本とされているのは、研究成果を形にするスタッフの不断の努力があるからでしょう。
その関心は科学原理の不思議さだけでなく、それを観察可能にする技法の面白さにも注がれているように思います。こんな物を使って、こんな原理が説明できる!という感動です。
博物館は運営が重要であるとはよく言われますが、そのような一般論的なお題目ではなく、確たる方針を立てて常により良くしようとする心がけが必要なのですね。
デザインが単に“意匠”の問題としてしかとらえられかねない日本では、デザイン(設計)を外部業者に依託する事がほとんどだと思うんですが、プロである故にこれほど素朴な見かけ(あくまで見かけ)の物を並べることはできないのではないでしょうか。
様々な事情で、ある程度の専門性をもった人材を地方自治体の公務員として確保・定着させることが難しいという理由もあるんでしょうが。だとしたら現場の意識だけではどうしようもないということなんですかね。

ちょっと愚痴っぽくなりましたが、作りながら運営するというスタイルが日本ではなかなか見られないので、ついつい比較してしまいました。
ただ、噂に聞いていたボランティアのインストラクターや牛の目の解剖実験なんかは平日のためかまったくなく、期待外れでした(我々が他のお客さんに使い方を教える一面も)。
カエルの企画展会場でたまたま評価担当の人を捕まえ、少し話を聞くことができたのが救いです。
その人の話ではアメリカといえども展示評価の要員を4人も抱えているのはこのエクスプロラトリアムくらいだそうで、最多だそうです。その4人がどれくらいの報告をどのような形式であげるのかと聞いたところ、ちょっと勿体をつけて、ケースバイケースだとの返事。それはそうですよね。アメリカの場合、企画展にしても必ずスポンサーがあるので、そういう出資者への報告(プレゼンテーション)も重要な仕事なのです。もちろん新しい展示物を導入するにあたっても度重なるテストを行なうそうです。
以上が駆け足で行ったツアー報告です。滅多に行けないんで、ありったけ書いちゃいましたが、また行ってちゃんと確かめたいところもあります。辛抱強く読んで下さったかたがたも、国内外に関わらず博物館の体験、感想をお送り下さい。このコーナーで紹介しようと思います。それではまたいつか(写真は週末まで待って下さい)。


1999.10.24 唐突アメリカ博物館ツアー報告(続編かつ未完)


1999.10.11 シカゴチルドレンズミュージアム(アルバムのページ)

月曜で休みだと思っていたチルドレンズミュージアムが、実は学校の休みの関係で開いているとのこと。
フィールド博物館のデパートのようなミュージアムショップを後にしてタクシーでネイビーピア(ショッピングモールや遊園地のある複合施設)へ。
モールの一店舗のようなミュージアムショップが1階にあり、受付はエスカレーターで上る2階から入る。
チケット代わりにタコのスタンプを手の甲に押される(どうでもいいけどこのスタンプ、一回シャワー浴びた位では落ちませんでした。大丈夫なのかな)。
中に入ってまず驚くのは、空中を子どもが移動していること。階段室の吹き抜けに渡したネットの中を、子どもたちがくぐって遊んでいる(写真)
この”空中を歩く”という体験が何かの役にたつのか、教育学の立場ではどうなんでしょう。いや、最初に見た時は驚いて夢中で写真を撮ったんだけど、凄ければいいのか?という気持と、なんだか遊園地との違いが判らなくなってきたので。
体験を通して何かを学ぶという点ではアスレチックのような物もあるかも知れないけれど、概念としてそこまで分化していないという事なのでしょうか。
だって、”空中網くぐり”って大人になってから直面したことあります?
それとも、”精神的空中網くぐり”状態がアメリカの大人の中には存在しているのでしょうか。
面白かったのは病院を模した一角、松葉杖を使えるところがありました。子どものころ使ってみたかったんだよね、幸か不幸か未だにその機会はありません。
以前に染川さんと重盛さんたちが来た時には工事中だった恐竜発掘のコーナーができていました。古タイヤのチップでできたサイト(砂場)は大盛況で、子どもたちは一心不乱に作業していました。
水遊びのコーナーも人気があり、以外と大きな子も遊んでました。逆に水路の高さが異様に高く(日本人の)大人でちょうどいいくらい。おかげでせっかくレインコートを貸してもらった子どもも肘まで水に浸かってかえって気持ち悪いんじゃないかと思えました。
9月のチルドレンズミュージアム研究会で紹介されてた差別やいじめをテーマにした“Face to Face”のコーナーも駆け足で見たんだけど、明らかに他のコーナーとは対象年令が違っていて、残念ながら子どもは一人もいませんでした。ターゲットとされている子どもたちはこのコーナーの存在をどうやって知るのでしょうか。それとも将来そういう年頃になる子どもたちを持つ(今は他のコーナーで遊んでいる幼児に付添って来ている)親に向けられた物なのでしょうか。
以上駆け足で見て来たものをさらに駆け足で紹介しましたが、シカゴの博物館見学はこれだけです。シカゴは建築の街としても有名で、今回見なかったもので建築関係の施設もあるらしいので、いつかまた行きたいところです。
次回はサンフランシスコに移動し、エクスプロラトリアムの報告をします。これが本当の最後。
つづく


1999.10.14 唐突アメリカ博物館ツアー報告(未完)

1999.10.10 機上の人

11:45成田発ユナイテッドエアライン884便にてシカゴへ向う。
シカゴで先発の染川さん、会社の同僚吉原さんと合流予定。
一人で海外に出るのは初めてなのと、ましてやシカゴなんて行ったこともない。成田に来るのも10年振りという状態。多少緊張している。

とかなんとか言てる間に着いてました。

1999.10.10 シカゴ科学産業博物館

現地時間の9:00にオヘア空港に到着。コーラを飲んでいるところを染川さんらに発見される。
一旦ホテルに荷物を預け、タクシーで“シカゴ科学産業博物館”へ。
街のいたるところで牛の彫刻を見る。市ぐるみでアートイベントをやっているようだ。
で、シカゴ科学産業博物館。とにかく大きい。
外観は国会議事堂かホワイトハウスのよう(カラフルなバナーがあるおかげですぐに判るけど)。
階段を降りて受付へ。
ここにも市内のいたる所にあったのと同じ牛のオブジェがあった。しかも科学館のテーマに合せて、それぞれ宇宙服、船、機関車、それから孵化しかけのヒヨコ!
染川さんがアメリカ博物館協会のメンバーだったので、全員無料で入場できました。 案内の地図を貰うが、これが判りにくい。建物のイメージと一致しないのだ。フロア毎の平面図の方がよっぽど判りやすいはず。

科学、産業とくれば、リサイクル。
このコーナーではゴミ収集場の分別作業を体験できる。ベルトコンベアに乗って流れて来るゴミを、洗って使えるもの、再資源化できるもの、土に帰すもの、燃やせるものに該当する箇所でボタンを押し、正解か、不正解かを教えられるというもの。ゲーム仕立てだけど非常に判りやすい。ベルトコンベアがループ状になっていてエンドレスだから、手放しで運営できる優秀な機械だと思う。

軍港がそばにあるためか、なんとNAVYのコーナーが確立していて、魚雷の探知のしくみなんかを教えてくれる。
潜水艦の模型がちゃちで可愛いんだけど、水面を通して船体に映る影が妙にリアルで雰囲気があった。
笑ったのが、艦載機の翼のたたみかたをわざわざモデル化して触って動かせるようにしてあること。アルミソリッドできっちり作ってありました。

エイズのコーナーもちゃんとしていて、なにもそこまで、と言うくらいにコンドームの宣伝をしていた。

乗り物のコーナー(飛行機や自動車をうまく言い表す言葉はないだろうか。兎に角「飛ぶ」とか「速く走る」とか、交通機関のイメージではない)で最初に迎えてくれるのは“スピリット・オブ・アメリカ号”。1964年に世界最速を記録した「自動車」。他の二人はこれが「自動車」だとは思わなかったようで、説明して分ってもらえた。
まあ、ボディは円筒ベースの流線型だし、車輪は翼の先についてるし、ジェットエンジンだし、ブレーキはパラシュートだもんね。
でもって、染川さんからは「乗って何処かに行けないと意味がない」との現実的な御意見を頂きました。はい。

生命のコーナーの導入は胎児のホルマリン漬け。なんらかの事情で死んでしまった子供たちだろうか、導入部の通路左側の壁に受精数日後からほとんど新生児まで、段階を追ってこれでもかと並んでいる。人の動きは最終日の美術展の様に壁に沿ってカニ歩き状態。素通りする人は皆無だった。

ただ見てるだけなのに、子供たちがべったり貼りついていたのがヒヨコの孵化。丁度卵からかえる段階のものを孵卵器に入れて周囲から覗けるようにしてある。思わずみんなで応援してしまった。

染川さんも初めておとずれたらしい「チルドレンズミュージアム風」の一画 “IdeaFactry”に感激していた。確かによくできている。遊びながら「工夫」したり「共同作業」をしたりすることが体験できるようになっている(「知識」ではない点が「博物館」と一線引いときたいところ)。
シューターで遊ぶ子供が送りだすシートの形状が次々に変化していくのを見ていると、先カンブリア期からの生物進化を見ているかのようだった。
インターフェースは「遊び」や「おもちゃ」なので、インストラクターなんかいなくても、ほおっておいても子供は飛びつく。
スタッフらしき人影は、入口で子供だけの入場を防でいる高校生ぐらいの女の子。 保護者がいなければここでは遊べないらしい。そういう思想に裏付けされた厳確さが日本の施設にも欲しい。

夜はホテルのそばのメキシコ料理。マネージャー以外は本場の人のようで、愛想は最低だったけど、味と値段(3人で40ドル以下)はOK。

99.10.11 シカゴフィールド博物館(アルバムのページ)

この日はバスで“シカゴフィールド博物館”へ。
この建築も非常に美しい。

博物館一個分の迫力があるのが、“Under the ground”、ドラえもんに出てきたようなトンネルを通って極小の世界へ。怖がりの子供だったら、泣きだすかも知れない程度の怪しげな(そして気持悪い)空間。
学術的な押さえは当然として、テーマパーク系のノウハウも随所に見られる。キャーキャー言いながら勉強になる、とてもお得な施設である。

“Nature wark”はジオラマのオンパレード。クラシカルなケースに種毎に野生生物が収まっている。なによりも建築との調和が美しい。

期待していた“SUE”のクリーニング作業は一段落したとのことで、次の作業ステップに向けての改装中でした。

“Africa”は民族学の展示かと思うとさにあらず。言語や地勢に始まり、キリンの消化器の長さを見せたり、アフリカ系アメリカ人の歴史など、まさになんでもありで“博物”館の王道。

ほとんどの物が古臭さを感じさせないが、唯一進化に関するところだけが地味な感じがした。恐竜化石のコレクションや見せかたは素晴しいのに、生命の系統樹なんて何十年も前の物だし、“Under the ground”と比べるととても残念。

この後、月曜で休みだと思って諦めていた“シカゴチルドレンズミュージアム”が、たまたま学校の休日にあたり開館していると判り、タクシーでネイビーピアへ。

つづく


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