竹の塚歌劇団

SMAPが演じる「竹の塚歌劇団」はまずそのタイトルが秀逸である。
東京以外の人は「竹の塚」が実在の地名であることを知らないだろう。
名前は知っていても、どんなところなのか知っている人は少ないはず。
「竹の塚」は、下町というほどの情緒もなく、かと言って都会的でもなく、まぁ、言っちゃあ悪いが私にとっては灰色っぽい印象の町だ。
山あり、川あり、温泉あり、動物園あり、遊園地あり。温暖で、豊かな阪神間にある、花やかな地「宝塚」とは雲泥の差である。
似たような地名でありながら、あまりにも違う地名をタイトルにもってきたところがよい。
木村拓哉の「男役」はそのヘアメイクがいさぎよく、(スタイルを除けば)そのまま宝塚の舞台に立てそうなほどである。
そして、「竹の塚歌劇団」の大テーマは「男になりたい」だ。 しかし、この作者はわかっているのかなぁ。宝塚スターは「男になりたい」なんて露ほども考えていないってこと。
宝塚スターがめざすのは、「男役」という様式なのであって、「男」なんて眼中にないんだってこと。
だって男なんてかっこ悪いじゃん!
それと「竹の塚歌劇団」にはカタルシスがないんだなぁ。
ま、言ってもせんないな、だってしょせん「男」だもん。
あ、そうそう、間違いが1ヵ所ある。木村くん、そのメイクのときは口紅は赤くなくちゃ、ね。