Neko−1の設計目標は、安く簡単にTNCを作ることでした。フルキットで17000円程度で1200bpsと9600bpsのモデムを搭載したTNCを作ることが可能なものです。CPU等のフラットLSIを自分で半田付けすると安価に製作できますし、腕に自信が無い人や半田付けに失敗した人はAKI80を乗せて作ることもできます。
Neko−1の特徴は、JS1RSV局が作成したワンチップマイコン(i80C31)を使用した9600bpsモデム(RSV96)が搭載されていることです。構成は、Z84C015を使用したTNC-2クローンのTNC部分に、RSV96 (9600bps)とTCM3105 (1200bps)のモデムを付けた、 9600/1200bpsモデム内蔵のTNCです。一般のTNCと大きく違っている部分は、9600bpsモデムにRSV96を使用している事と、NRZI変換をi80C31内部で行う事でICを減らしローコスト化した事です。そのため、一般のTNCの回路とは大きく異なる所があります。
鳴く猫の実験プログラムとは、32KBもあるモデム側のROMの中に音声データを入れて、Neko-1を鳴かせてみようというプログラムです。開発の意図は、フォーンとパケットが共存する周波数で、フォーン運用局に「周波数が使用中である」ことをマイクを握ることなく知らせるためのものです。音声データは各自で自由に作れます。