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クラシックデータベースの説明


2008.07.31. 掲載
2003年に180曲のクラシックについて「クラシック曲名・メロディー検索」を作り、曲名からメロディー検索が、メロディーから曲名検索ができるようにした。今回その全面的な改訂を行ったが、これはもう新版に限りなく近いと思っている。

目次
1.見本ページとその説明
2.このデータベースの特長
3.このデータベースを作った目的
4.参考にした資料
5.取り上げた作曲家
6.データベース情報の検索法

1.見本ページとその説明

見本ページ
作曲: バッハ 
曲名: シャコンヌ 
メロディーの譜例:
 
メロディーのMIDI: MIDI ←このボタンを押すと、譜例のメロディーがバイオリン音で流れる
メロディーのabc略譜: EEBBBcAGFEDCB,CDB,CA, ←メロディーの特徴を示す音名列

ジャンル: ヴァイオリン 
詳細曲名: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番第5楽章「シャコンヌ」 
原曲名: Chaconne, "Partita No.2" V 

作曲者フルネーム: ヨハン・セバスティアン・バッハ 
作曲者 生年〜没年 国籍: 1685〜1750 ドイツ 
作曲者原語名: Johann Sebastian Bach 
一口メモ:
これもヴァイオリニストのバイブルで、パルティータ第2番第5楽章(終楽章)。この楽章だけで他の4楽章を合わせたよりも長い。シャコンヌはメキシコ起源、スペインに渡来した3拍子の舞曲で、1つのメロディーのパターンを何回もくり返していく一種の変奏曲形式である。 

説明
作曲: ファミリー・ネームだけとし、区別が必要な場合はファースト・ネームを後につける。
曲名: 慣用的使われている略式曲名。この曲名だけで通常は通じることが多い。

メロディーの譜例: 原則として8小節の五線譜で表示したが、一部は4小節のものもある。
メロディーのMIDI: MIDIボタンのクリックで、譜例のメロディーがヴァイオリン音色で聞こえる。
メロディーのabc略譜: 音の長さを省略し、ハ調の音名だけで記した譜面。詳しくは こちら から

ジャンル: 交響曲、協奏曲、管弦楽曲、単一楽器中心曲、オペラ、歌曲、合唱曲など
詳細曲名: ジャンル、楽章、調号、作品番号なども記した曲名。これで正確な曲名がわかる。
原曲名: ただし、ロシア語は英、独、仏語などに代えて表示。これは海外サイトでの活用が目的

作曲者フルネーム: ファースト・ネームやミドル・ネームを付けた名前
作曲者 生年〜没年 国籍: 国籍は出身国を示し、国籍の移動は→で示した。
作曲者原語名: ただし、ロシア語は英、独、仏語などに代えて表示
一口メモ: 曲目のあらまし、エピソード、ことばの説明などを1〜2行で解説

2.このデータベースの特長

1)MIDI音声でメロディーが聴ける
Web上には、クラシック曲をMIDI音声で聴くことのできるサイトはあるが、聞き覚えのある有名なメロディーだけを聴くことができるサイトは見当たらなかった。このデータベースでは、400の名旋律のさわり部分だけをワンクリックで聴くことができる。これは書籍では不可能で、CDを添付する必要がある。

2)8小節(一部4小節)の譜例を載せている
クラシックの入門書、ガイドブックなどを調べてみたが、譜例を載せている書籍は皆無に近かった。専門書の音楽之友社刊「作曲家別 名曲解説ライブラリー」には譜例が載っているが、たとえば、モーツァルトはI、II巻に分かれていて、I巻390ページ4100円、II巻534ページ5200円もする高価なもので、誰もが簡単に購入できるものではない。

このデータベースではMIDI音声に対応する譜例を掲載した。すべてをハ長調(イ短調)に移調してあるのは、楽譜が読みやすいようにするためと、メロディーパターンから曲名検索をするには調性をハ調にする必要があることによる。

3)聞き覚えのあるメロディーで選曲した
このデータベースに収めた曲はすべて聞き覚えのあるメロディーを含む曲である。私は40年以上ほとんどクラシックを聴かず、もっぱらポピュラー音楽を聴いてきた。だから、クラシックについては中高生から大学初年のころに聴いたものがほとんどで、大衆的通俗的なものばかりである。ただし、高校生のころの精神的な支えだったシューベルトの歌曲、とくに「冬の旅」は例外かもしれない。

4)詳細曲名を付けた
普通は慣用的使われている略式曲名だけで通じるので、クラシックの入門書やガイドブックに載っている曲名もこれだけのことが多い。しかし、たとえば見本ページに載せたバッハの「シャコンヌ」は、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番第5楽章「シャコンヌ」であると分かる方が、より理解が深まると思う。そういうわけで、正確な詳細曲名も付けておいた。

5)欧米語曲名を付けた
最近「YouTube」で簡単にクラシック曲の演奏を鑑賞することができるようになった。また、「Classical Music Archives」のような無料でクラシック音楽(MP3、MIDIなど)をダウンロードできるサイトもある。これらのサイトでは日本語曲名で検索できる曲はわずかで、ほとんどは欧米語曲名で検索しなければならない。そこで、400曲すべてについて欧米語曲名を付けた。そのほとんどが原曲名であるが、ロシア語は欧米語で代用した。

6)abc略譜を付けた
コンピュータに適した楽譜としてabc記譜法がある。このデータベースに掲載したメロディーのMIDIや譜例はすべてこのabc記譜法を使って作成した。abc記譜法を使ってハ調でメロディーを書き、そこから音の長さを省略し、音名だけで書いた楽譜を私はabc略譜と名付けているが、これによってメロディー・パターンを簡単に表現できる。クラシック曲名検索では、abc略譜を使ってメロディー・パターンから曲名を検索する方法も加えているのでご活用いただきたい。

7)一口メモを付けた
クラシック入門書やガイドブックでは個々の曲について詳しい解説の載っていることが多い。それはそれで役に立つこともあるが、もっと簡単な、一口で書けるような情報が欲しいこともあるだろう。私は、雑然とした未整理の膨大な情報のままでは把握することが難しく、自分なりに情報を要約してはじめて理解したり、記憶することができるタイプなので、これは自分のためのメモとも言える。

8)声楽曲をかなり収めた
クラシックのガイドブックに載っている曲は器楽曲が中心で、声楽曲はわずかである。しかし、私にとって音楽は歌が中心であり、声楽曲を103曲、全体のほぼ4分の1分収めた。その内訳は、歌曲60、オペラのアリア29、合唱曲9、ミュージカル5である。ミュージカルはバーンスタインのウエストサイド・ストーリーの中のアリア5曲である。

器楽曲の合計は297曲で、全体のほぼ4分の3を占める。その内訳は、管弦楽曲112、ピアノ72、交響曲53、協奏曲32、ヴァイオリン14、ギター4、チェロ3、オルガン2、フルート2、アルペジオーネ1、クラリネット1、トランペット1である。アルペジオーネは今は存在しない楽器のため、チェロで代用されている。だから、実質チェロ4となる。

9)スペイン、中南米、北米の曲をかなり収めた
クラシックのガイドブックには、スペインや中南米、北米の曲はあまり載っていないが、私はこれらの国の音楽も好きなので、積極的に収めた。アメリカは6作曲家19曲、スペインは6作曲家18曲、メキシコは2作曲家2曲、ブラジルは1作曲家1曲で合計40曲となり、全体の1割を占める。

10)400曲、100作曲家
クラシックのガイドブックに載っている作曲家は多くて50名程度、曲数は多くて100曲程度であるが、このデータベースでは作曲家100名、400曲を収めている。

3.このデータベースを作った目的

1)クラシック曲名からメロディーを知りたい
メロディーを聞き覚えているクラシック曲はかなりあるのだが、曲名からメロディーを思い浮かべたり、声に出すことはかなり難しい。CDを聴くなり、譜面があればそれを見ることで解決できるが、それはかなり面倒である。PCで簡単にそのメロディーを表示できれば最小の努力と時間でそれを得ることができる。

2)メロディーからクラシック曲名を知りたい
曲名からメロディーを知ることよりもはるかに難しいのは、良く知っているメロディーの曲名を知ることで、普通なら、思い当たる曲にいちいち当るより方法がない。そう言うわけで、これは曲名からメロディーを知ることの何倍いや何十倍もの困難を伴う。

今から10年前の1998年にメロディー・パターンを表示する「メロディー略譜」という指標を考案し、これを使ってメロディーから曲名を検索する方法を確立した。この「メロディー略譜」をabc記譜法で表示したのがabc略譜で、使い方は「メロディー略譜」とまった同じである。

この「abc略譜」で、メロディーパターンから曲名検索することができる。

3)いろいろな方法でクラシック曲の情報を知りたい
メロディーからだけでなく、ジャンル、日本語曲名、欧米語曲名などから、該当するクラシック曲のデータ(情報)を知りたいと思うのも自然であろう。そのためにデータベースにそれらの項目を設定し、クラシック曲名検索を使ってそれを可能にした。

4)メロディーをMIDI音声と例譜で表示したい
運よく今年に入って、「abc記譜法」の存在を知り、これを使って、MIDIや例譜を作る方法を会得したので、メロディーのMIDI音声と例譜を加えたこれまでに例のないデータベースを作りたいと思った。

5)知っているクラシックの曲を簡単にまとめたい

長い間クラシックを聴くことがなかったが、意外と多くの曲のメロディーを覚えていた。また、幾つかの理由からクラシックを聴く必要に迫られて聴いてみると、思っていた以上に良いものだと感じることが多かった。今年に入って、ウィーンやベルリンで本格的にクラシックを聴く機会に恵まれ、その後もクラシックづいたので、この機会にメロディーを聞き覚えているクラシック曲だけでも、自分用のまとめをしておきたくなった。

4.参考にした資料

1)選曲
最初から400曲を想定したわけではなく、蒐集した結果が430曲あまり、作曲家の数も100数名となった。そこで、切りの良い400曲100作曲家にしぼったという次第。自分ではうまく選べたと思っている。

まず、楽譜、クラシック関連書籍、Web上のクラシック関連サイトなどから、自分が知っているかも知れないクラシック曲を選び出した。次に、その曲を手持ちCDやWebサイトからMP3ファイルでPCにダウンロードして保存した。そのPCに保存したMP3ファイルをすべて実際に聞き、聴き覚えのある曲を選んだ。この作業にかなり時間をとられた。

2)譜例作成
●参考文献
「クラシック名旋律集」 鈴木静哉編 ドレミ楽譜出版社
「作曲家別名曲解説ライブラリー J.S.バッハ」 音楽之友社
「作曲家別名曲解説ライブラリー モーツァルトI」 音楽之友社
「作曲家別名曲解説ライブラリー モーツァルトII」 音楽之友社
「作曲家別名曲解説ライブラリー ベートーヴェン」 音楽之友社
「作曲家別名曲解説ライブラリー シューベルト」 音楽之友社
「カラー 図解音楽事典」 白水社
「世界名歌110曲集1」 全音楽譜出版社
「世界名歌110曲集2」 全音楽譜出版社
「世界名歌選集 中声用」 右近義徳編 全音楽譜出版社
「独唱名曲100選」 音楽之友社
「オペラ名アリア集 テノール」 音楽之友社
「オペラ名アリア集 バス・バリトン」 音楽之友社
「オペラ名曲選集」 松山祐士」編 ドレミ楽譜出版社
「ミュージカル ウエスト・サイド・ストーリー」 シンコー・ミュージック

●聴音書取り
譜面のない曲はPC上にダウンロードしたMP3を聴きながら、聴音で書取りを行い、それをMIDIファイルにしてPC上のMP3曲と聞き比べて修正を行なう作業をくり返して完成させた。素人の悲しさで、複雑な器楽曲の場合は非常に難しく、1曲について1〜2時間かかることも稀ではなかった。

3)詳細曲名と原曲名
●参考文献
「クラシック音楽作品名辞典」 井上和男編著 三省堂

4)作曲家名
●参考文献
「クラシック作曲家事典」 渡辺和彦監修 学習研究社
「クラシック音楽作品名辞典」 井上和男編著 三省堂

5)曲に関する一口メモ
●参考文献
「クラシック名旋律集」 鈴木静哉編 ドレミ楽譜出版社
「クラシック音楽作品名辞典」 井上和男編著 三省堂
「クラシック作曲家事典」 渡辺和彦監修 学習研究社
「新音楽辞典」 音楽之友社
「カラー 図解音楽事典」 白水社
「200クラシック用語事典」 立風書房
「音楽用語・楽器名・由来事典」 遠藤三郎著 シンコー・ミュージック
「新版 クラシックCDの名盤」宇野・中野・福島著 文藝春秋
「名曲ガイド101」 志鳥栄八郎著 音楽之友社
「さわりで覚えるクラシックの名曲50選」 中経出版
「さわりで覚えるクラシックの名曲50選2」 中経出版
「さわりで覚えるクラシックのピアノ名曲50選」 中経出版
「さわりで覚えるバッハの名曲50選」 加藤浩子著 中経出版

5.取り上げた作曲家

●頻度順作曲家名(合計100名)
42曲:モーツァルト
39曲:シューベルト
33曲:ベートーベン
27曲:チャイコフスキー
17曲:バッハ
14曲:ショパン
11曲:ビゼー
10曲:ブラームス
 9曲:ドヴォルザーク
 7曲:ヴィヴァルディ、ヴェルディ、ヘンデル、メンデルスゾーン
 6曲:グリーグ、シューマン、プッチーニ、ヨハン・シュトラウス2世
 5曲:アルベニス、ガーシュイン、ドビュッシー、バーンスタイン、ファリア、
     リムスキー=コルサコフ
 4曲:ハイドン、フォーレ、ワーグナー
 3曲:ウエーバー、クライスラー、サラサーテ、スーザ、タルレガ、トスティ、
     フォスター、ムソルグスキー、リスト
 2曲:アンダーソン、エルガー、オッフェンバック、グノー、サティ、
     サン=サーンス、パガニーニ、マスネ、ラフマニノフ、ラベル、
     リヒャルト・シュトラウス、ロッシーニ
 1曲:アルカデルト、アルビノーニ、イヴァノビッチ、ヴィターリ、ヴィラ=ロボス、
     ヴェルナー、ヴォルフ=フェラーリ、カプア、グラナドス、グリンカ、
     グルーバー、ケテルビー、ゴセック、ゴダール、コレッリ、シベリウス、
     シャブリエ、ジョプリン、スッペ、スメタナ、ソル、タイケ、デュカ、
     トセリ、トマ、ドリーブ、ドリゴ、ドルドラ、ネッケ、バダジェフスカ、
     ハチャトゥリアン、パッヘルベル、パラディス、フリース、フロトー、
     ベルリオーズ、ボッケリーニ、ホルスト、ポルムベスク、ボロディン、
     ポンキエッリ、ポンセ、マルチェッロ、マルティーニ、
     ヨハン・シュトラウス1世、ララ、ラロ、ランゲ、ルービンシテイン、
     レスピーギ、レハール、ロドリーゴ、ワルトトイフェル、

6.データベース情報の検索法

データベースの個別情報を、いろいろな角度から検索できるようにすることで、データベースの価値は何倍にも増す。作曲家別の情報でも、データベースから直接全情報を選び出すよりも、作曲家名 曲名 ジャンル メロディーのMIDI音声の情報だけを一覧で見る方が役立つ場合もあるだろう。

そこで、クラシック曲名検索を、1.作曲家から、2.ジャンルから、3.日本語曲名から、4.欧米語曲名から、5.メロディー・パターンから の5つの角度から行なうことができるクラシック曲名検索を作っているので、ご活用いただきたい。



(2008.7.31.)



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