福祉

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同志社

小山隆
joycool


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20060413のウェブログで紹介したものの原稿です。
そこで、その時の僕の紹介文をそのまま引用しておきます。

朝日新聞社の『大学ランキング2007』が出版されましたが、その中の「資格・採用試験ランキング」のところで僕が短い文章を書きました。「買ってください」とはいいませんが、本屋でパラパラめくってみてください。ただし、僕の日頃言っていることを書いているだけですし、文字数制限があって、しかも福祉系に話を絞るのかその他の資格にも焦点当てるかがブレて、四苦八苦でしたから自信作ではないですが。



 社会福祉士・精神保健福祉士といった社会福祉に関わる仕事につく人々は、ソーシャルワーカーと呼ばれ、医師や弁護士、教師などと並んで対人援助の専門職です。本書の「資格ランキング」にも多くの対人援助の国家資格が掲載されています。実際、文系・理系といった受験系統や福祉系・医療系といった学問系統が違うにもかかわらず、医師に憧れるが弁護士にもなりたい人や、リハビリ関係の学部に進みたいが社会福祉系の学部学科も選択肢として考えているといった人もいるのではないでしょうか。

そして、これらの選択は受験戦術としては合理的ではないかもしれませんが、対人援助の仕事に就きたいと考えているという点ではある意味で自然なことなのです。何らかの支えを必要とする人々に、資格を生かして関わり援助していきたいという人々にとっては、「司法・行政系」リストも含めて、本書の「資格ランキング」は役に立つことでしょう。関心がある資格を取るのに有利な大学探しとしての利用法に加えて、新たな進路選択の参考になる資格探しという視点で本書を使ってみてはいかがでしょうか。

ここでは、対人援助の仕事に関心のある人に知って欲しいことをお話しすることにします。先ず、援助を受ける人の「遠慮」についてです。皆さんも高校時代に先生に対して言いたいことがあっても我慢してしまった経験や、怪我や病気でお医者さんに行っても訴えたいことを伝えきれずに残念な思いをして帰ってきたこともあるのではないでしょうか。援助の仕事につこうという人は援助を受ける人のこのような「援助者への遠慮」の気持ちを理解できる人であって欲しいと思います。第二には、コミュニケーションの力を大切にして欲しいということです。例えば、弁護士と医師と社会福祉士とでは行使する技術や必要とする知識は全く違います。しかし、いずれも相手との話し合いを通して行われる仕事という点では変わりありません。この力が低ければ、先ほどの「遠慮」の問題も解決できないことにもなるのです。是非、学生時代にコミュニケーションの力を磨いて欲しいと思います。

次に、ソーシャルワーカーになりたい人に大切にして欲しいことについて触れてみましょう。それは、社会福祉の専門職は「人々の社会生活」を大切にする仕事だということです。例えば、認知症のお年寄りがいる。元気な時は良く外へ出ておられた。けれども最近問題行動が目立つようになってきた。すると、介護をする家族は大変困ります。外へ出るにまかすわけにはいかず閉じこめてしまうことにもなりかねない。そして介護者自身も今まで続けてきた仕事を辞めなければならないことにもなりかねません。支えの必要な人ほど、どんどん仲間を失い孤立してしまう。そういった問題に焦点を当てて、孤立した状況から仲間がいて繋がり合う状態へと変えて行こうとする。共生社会を作る。この視点が、ソーシャルワーカーが大切にするべきポイントなのだろうと僕は思っています。

また、このように考えたとき、もう一つのポイントが見えてきます。福祉は目の前の援助を必要とする人に関わるだけではすまないということです。例えば、虐待を受けた子どもを発見し適切な機関・施設で守ることも福祉ならば、その子どもと家族を見守り支えてくれる地域を作っていくことも福祉です。さらには、児童虐待を防止するために必要な法律をつくることも福祉なわけです。子どもであれ、障害をもつ人々であれ、お年寄りであれ、社会から孤立させられがちな人々にしっかりと焦点を当てていき、個別的に支えることから、地域を変えていくこと、そして必要ならば法律や制度を作り上げていくこと。そこまでが社会福祉の役割となってくるのです。このように一人一人の社会生活を良いものにしていくために多面的な働きかけをしていくことが福祉であり、ソーシャルワークいう仕事の魅力ということもできるのではないでしょうか。

 ここでは、ソーシャルワークについて述べましたが、例えば、医療の専門職は「人の健康」に関わる仕事といっていいでしょうし、教育は「人の発達・成長」を促す専門職といえるでしょう。皆さんとしては各専門職が大切にするこれらの目標に焦点を当てて自分が希望する分野をしっかりと決めていって頂きたいと思います。

○参考になりそうなホームページ

・「社団法人日本社会福祉教育学校連盟」 http://www.jassw.jp/

 四年制大学を中心とした全国の福祉系の学校が加盟している連盟のホームページです。一定の高い条件をクリアした学校が加盟することのできる全国団体のホームページですので参考になるのではないでしょうか。リンク集もきっと役に立つと思います。

・「福祉のお仕事」https://www.fukushi-work.jp/

 中央福祉人材センターが運営するホームページです。福祉の職場・仕事に加えて、福祉の資格などについても網羅的に紹介されているので、受験生にも参考になるのではないでしょうか。

・「福祉関係者のホームページ」http://welfare.ac

 僕が個人的に運営しているサイトです。個人サイトですので、なかなか更新できませんが、受験生の人達の質問に答えるコーナーなども設けています。



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