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「研究法について&論文の書き方―各自が考えるに当たって―のヒント」−メモ−
小山隆
T 研究において何が大切にされているか
「良い論文・良い研究」の条件とは何か。難しい。
裏返せば
「これは論文じゃないよ」「これは研究とは言えないよ」といわれる条件を求めてみることも大切
→ 査読項目を例に
<学会査読項目キーワード>
執筆要項 先行研究 研究目的 研究方法 概念・用語 論理
新しい知見 調査の方法と分析の方法 調査結果 文章表現
表題 要旨 理念・政策・実践との関連付け 倫理 省略後・単位・数値
図表と本文 図表の体裁 注・引用文献・資料
査読をしていて感じること。
主観的展開、研究プロセスの説明不足
仮説や内容自体への異論
「本当にそうなの?何故そういえるの?」 に答えられるか
「だからどうしたの?」 に答えられるか
U 論文のタイプ
例
論文―研究ノート―資料
原著―総説―短報
メタ論文は総説か原著か
ベテランが総説?
V 研究のプロセス
W 研究方法のいろいろ
先ず、この研究で何を実現/明らかにしたいのかを確認することが大切
思っていることを主張したいのか?
思っていることを証明したいのか?
一体どうなっているのかを知りたいのか?
どうしたらいいのかを知りたいのか? 考えたいのか?
実現/明らかにしたいことによって、とるべき方法が変わる。これが「研究法」
「研究法」(広義)と「研究法」(狭義) → 「調査法」との関係、違い
「リサーチ」イコール「調査」?「研究」?
X いくつかの視点
科学と哲学
帰納法と演繹法
定量的と定性的
質的調査と量的調査
実験群と統制群 ←→ シングルサブジェクトデザイン
因果関係 独立変数−従属変数 相関関係
グランデッドセオリー
実証的であることの大切さと疑わしさ
主観的、体験的ではアウト
記述的な研究に当たっては「恣意的であることを恐れよ」
一方
統計的な研究に当たっては「機械的であることを恐れよ」
エンピリカル → EBP(EBM /EBSW) → PBRとRBP
まったく別な脈絡でサムシングニューイズム/オリジナリティへの志向
→実証的/実験的(次善としての調査的)に向かう傾向
<調査のない研究への批判> ← 強くなってきている。
文学小説に見る了解 ベルカーブ
隕石の落下地点や伝染病の発生率
↓
疑うことの大切さ
「価値自由/価値中立」の大切さと疑わしさ
↓ ↓
研究は 研究は
自動化できる報告書ではない 商品や政党のパンフレットではない
改竄等の問題
↓
研究倫理の問題
同志社の諸君は、「人を対象とする研究計画等の審査委員会」の活用を
http://kikou.doshisha.ac.jp/rinri/index.html
再現可能性 法則定立性 説明可能性 了解可能性
サンプリングの意味→無作為化の必要性と不必要性
科学的であること →自然科学的であること → 数学的
物理学的
地学的
→哲学的であること
文学的であること
法学的であること
歴史学的であること
神学的であること
価値自由であることと価値志向であること
Y 社会福祉における研究倫理・実践倫理の問題
人に関わるからこそ、価値に関わるからこそ、
プライバシー(人のオープンにしがたい部分)に関わるからこそ......
繰り返しになるが、特に調査をするときは「人倫」の活用を!