蔓(つる)

 起り  : 殺人の依頼人
 蔓   : 依頼をうけた顔役
 仕掛人: 殺し屋

 

 羽沢の嘉兵衛   : 本所・両国一帯の盛り場を縄張りにしている香具師の元締め。
 
 赤大黒の市兵衛 : 赤坂・田町の桐畑近くに密集する娼家の束ねをしている顔役。六十をこえているのに、つるつるとあぶらの
              乗った手をしている。

 白子屋菊右衛門 : 大坂の道頓堀・相生橋北詰の、白子屋という大きな料亭の主人である。諸方の盛り場を牛耳っている香具師
              の元締。大坂町奉行所も一目をおく。

 田中屋久兵衛   : 神田・三河町一丁目で「人入れ稼業」をしている。三河町には四軒あり、「請負宿」ともいう。五代目の元締め
              で、彦次郎と同年輩の四十男。

 札掛の吉兵衛   : 本郷六丁目の善福寺門前に住む。本郷から下谷へかけて縄張りにしている香具師の元締。外見は物堅い
              風体の容貌。渋紙をもんで、むりにひきのばしたような顔つきをしている。

 音羽の半右衛門 : 小石川の音羽9丁目の料理屋〔吉田屋〕の主人。裏では小石川から雑司ヶ谷一帯を縄張りにし                      ている香具師の元締め。一寸法師に黴の生えたような爺さん。

 萱野の亀右衛門 : 五年前まで、目黒から渋谷へかけてを縄張りにしていた香具師の元締め。現在は百姓のおやじ。
          

 大井の駒蔵    : 駒込から板橋へかけて縄張りをもつ元締。王子稲荷の裏参道に妾・お政の料理茶屋がある。