ミニエッセイ [病気と健康]

Written by 中原 憬

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病気と健康に関するとりとめのない日々の短い
雑感です。

なお、専門的な医学知識に基づいた文章では
ありませんのでその点は予めご了解ください。

2006.12.30 更新

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No.4 ウィルス感染の盲点

最近、ノロウィルスの流行が広く報じられている。

ノロウィルスは、汚染されていた貝類を、生あるいは
十分に加熱調理しないで食べた場合に一次感染するという。

また、感染者の便や吐瀉物には大量のウイルスが存在し、これらの
ものに触れた手指などが口に触れることで二次感染する危険もあるという。

厚生労働省のサイトを見ると、次のように書かれている。

○ 患者のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるので、
(1) 食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。
(2) 下痢やおう吐等の症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
(3) 胃腸炎患者に接する方は、患者のふん便や吐ぶつを適切に処理し、感染を広げないようにしましょう。

ところで、私は昔から、トイレの流しの蛇口ほど汚いものはないと
考えている(センサー式の自動吐水口が付いていれば話は別だが)。

なにしろ、常に水分のある場所にあり、大勢の人が、陰部を
直接触ったりした手で、そのまま蛇口握っているのだから。
手をいくら洗っても、またその蛇口に触れるのだから、汚い。

微量の尿や糞便、吐瀉物、場合によっては経血や精液などが
付着している可能性もあるだろう。また、流しで歯磨きや
うがいをする人もいるから、唾液も飛んでいる可能性がある。

蛇口は、真っ白な便器と違って、汚くてもわからない。
いくら清潔好きな使用者だって、水を掛ける以上にきれいにはしないだろう。

そもそも、形状が複雑で掃除がしにくい。
清掃の人も雑巾でぎゅっとつかんで拭くぐらいではないだろうか。
便器と違って、酸やアルカリの強い洗剤を使うことも少ないだろう。

蛇口に触ったあとに、人は、そこにある鏡を見る。
顔(目や口)に触れる人もいるだろう。

*    *    *

そもそも、公共の場で、集中して人の肌が触れるところは限られている。
車内の吊り手、エレベーターのボタン、電灯やエアコンのスイッチ、
ドアノブ、便座、そして、水道の蛇口だ。

トイレは、そこにいる不特定多数の誰もが使う
すべての汚物の集中する特殊な場所だ。
その空間の中で、流しの蛇口だけは衛生上の盲点になっていると思う。

病院や老人施設などで感染が広がったというニュースを聞くと、
実は、トイレの蛇口から感染が広がっているのではないかなと
密かに気になっている。

あなたは、どう思います?



No.3 牛乳とアレルギー

牛乳は、3大アレルゲン(牛乳、卵、大豆)の一つです。

このため、両親とも花粉症であるような場合、
その子どもをアレルギー体質にしないようにするためには、
妊娠中から牛乳は避けるべきだといわれています。

次の表は「健康ネット」というサイトの「食物とアレルギー
をかんがえる」というページから一部を引用したものです。
http://www.health-net.or.jp/kenkozukuri/healthnews/100/040/p002/index.html

(1)母親は妊娠中、特に最後の3か月および授乳中はアレルゲンとなりやすい食物はさける。
(2)母乳栄養を少なくとも6か月続け、離乳食も消化牛乳カゼインのみにする。
(3)6〜12か月は米、野菜、肉を主とした食物を与え、1年過ぎて牛乳、次いでとうもろこし、酸味果物、豆類を与える。
(4)2年以降ではじめて鶏卵、3年でピーナッツや魚を与える。
(5)アレルゲンとなりやすい牛乳、卵、大豆は、理想的には1〜3歳まで避ける必要がある。
 |(後略)

食物アレルギーについて、とてもわかりやすく正確に書かれて
いると思います。妊婦さんや、小さいお子さんをお持ちの
お母さんには、ぜひ広く見てほしいものです。

ちなみに、親がアレルギー体質の場合、子どもがアレルギー性
疾患(アトピー、花粉症、喘息など)を生じる率は、
2〜3歳の時期で、次のとおりだそうです。

両親ともアレルギーの場合67〜100%
片親のみアレルギーの場合50〜58%



No.2 牛乳と潰瘍性大腸炎

私が潰瘍性大腸炎という難病に苦しんでいた頃、
どういう食品を食べると腸の具合が悪くなるか、かなり注意を払っていた。

最悪の食品は、牛乳。

正常だった腸の具合が、極端に悪くなる。
大腸の専門医にその発見を話すと、潰瘍性大腸炎の人には一切、
乳製品を摂らないよう指導している医者もいます、とのこと。

牛乳をなるべく避けるようにし、食べ物をきちんと選ぶようになってから、
潰瘍性大腸炎も非常によくなり(いわゆる「緩解」)、
普通の人よりもお腹の具合が良いと自慢できる位になった。
お腹が下ったり痛くなるのは、年に一度あるかないか。

現代の牛乳は、身体の免疫システムの要(かなめ)である大腸の
機能を著しく落としてしまう非常に健康に悪い食品だと思う。

均質化(ホモジナイズ)によって酸化した脂質の問題や、
消化酵素が少ない人における乳糖(ラクトース)の問題や、
カルシウムが逆に失われるなどの問題もいわれるが、
最も重要な問題はアレルゲンとなる異種タンパクの存在だと思う。

牛乳アレルギーの場合、牛乳中のタンパクの一部が、
腸管壁の肥満細胞のIgEと抗原抗体反応を起こす結果、
肥満細胞よりヒスタミンが遊離され、
腸管の平滑筋収縮や血管透過性亢進を誘起するという。
花粉症と同じようなメカニズムですよね。

現代の牛乳は、さらに熱殺菌によってタンパク質が変性している。
もはや、これは加工食品と呼んだ方がよいだろう。

もちろん、潰瘍性大腸炎と腸の牛乳アレルギーは別物だが、
潰瘍性大腸炎の病状の悪化や発症には牛乳が関連している
ケースが非常に多いのではないかと思う。

スギ花粉症と潰瘍性大腸炎を両方患い、情報を集め、
両方とも治した経験(スギ花粉症は減感作療法によって)
から言わせてもらえば、両者はどちらも根が同じ、
自己免疫の異常による疾患なのだと強く感じる。

「病気にならない生き方」というベストセラー本で、
親戚の子どもの潰瘍性大腸炎を、乳製品を断つことで治した経験が
書かれており、自分と同じケースだと納得しながら読んだ。

現代の牛乳の持つ危険性について、著者はこのように書いている。

「日本ではここ三十年ぐらいのあいだに、アトピーや花粉症
の患者が驚くべきスピードで急増しました。その数はいまや
五人に一人ともいわれるほどです。(中略)さまざまな説が
いわれていますが、私はその第一の原因は、一九六〇年代
初めに始められた学校給食の牛乳にあると考えています。」


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[補足]
でも、牛乳はおいしいのですよね・・・。
私も、牛乳を完全に断っているわけではありません。

コーヒーに牛乳と砂糖を入れれば、魔法をかけた
ようにおいしくなりますよね。

デザートは牛乳や乳製品の独壇場です。

アイスクリーム、プリン、ヨーグルト、チーズケーキ、杏仁豆腐は
牛乳をメインに使って作るものですし、
パフェもケーキも、牛乳がなければクリームができません。
イチゴやカキ氷に掛ける練乳もしかり。

おいしい料理に欠かせないバターも牛乳からできますね。
バターをたっぷり使わないフランス料理なんて
ちっともおいしくないことでしょうね。

ピザに欠かせないチーズも牛乳からできますね。
熱々のピザのおいしさは、かなり魅力的です。

案外、世の中のおいしいもの全般に、牛乳というのは
深くかかわっているなとつくづく思います。

現代の牛乳が健康に悪い食品だという声が大きくならない
最大の要因は、このように広く使われている牛乳に関して
マーケットに携わる人の多さがあると思います。

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[補足の補足]
そうそう、コーヒーに添えられる小さな容器に入った
白い液体ですが、あれは牛乳ではありません。

牛乳の香りを付けた水と油なんだそうです。詳しくは
次の本を読んでくださいね。

どちらを入れるべきかは、悩ましいところですが。
(・・・どちらも、入れなければいいですね。)

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
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私はこの「食品の裏側」と、「病気にならない生き方」という
本を同時に読んだせいで、食品観ががらりとかわりました。
どちらも、かなり衝撃的ですよ。



No.1 腰痛と怒り

腰痛は怒りである、という主張があるらしい。
なんとなく、ふむと言ってしまう説得力があるような。

さて、私のいる会社は完全なデスクワークなので、腰痛持ちさんが、
結構多い。そこで、私は腰痛を患う人に共通の傾向を発見しました。

それは、腰痛になる人は、座っていても姿勢を変えない、ということ。
腰痛持ちさんというのは、ずーっと同じ姿勢のまま座っているのです。
1時間後に見ても、2時間後に見ても、同じ姿勢でいる。
これは、腰にとって良い訳がない。腰痛を患っても不思議ではない。

それらの腰痛持ちさんには共通の性格傾向があることを感じます。
それは、クレッチマーの三大性格分類でいうところの、粘着性気質です。
粘着性気質は、体型的には、筋骨型で、粘り強く、義理堅く、几帳面、
丁重、頑固、凝りやすく、怒りっぽいという性格傾向があります。

怒り受け流さずにストレスを溜めてしまうという性格傾向が心因的な
負担を増加させているのも一因としてあるのでしょうが、
私は、なにより、姿勢を変えずにじっとしているという粘り強い性格に
起因するところの物理的な要因が腰に負担を与えているのだと思うな。





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