【10月1日(日)〜17日(火)】

 あーしんど。
 ってことでやっと社会復帰しました。
 9月の30日、土曜日に退院して、日曜と月曜でたまりにたまった原稿6本をかたづけ、んでもって火曜日、えーと10月3日から11日までは東陽町のホテル、イースト21で収容所生活。いわゆる缶詰(正式には館詰と書くらしい――でも旅館じゃないからいいや)ってやつで、ホテルの部屋からNIFTY-ServeとかのBBSには入れるんだけど、Dynabookにはインターネット関係のドライバがインストールされてないので(Netscapeだけは入れてある)、ircも日記更新もできないのである。
 イースト21っていうのは3年前にできた深川のシティ・ホテル(って謎だなしかし)で、シングルが1万5千円からっていうクラス。西葛西から地下鉄で2駅って距離なんだけど、深夜の移動とかも考えてスクーターで直行。フロント前に50ccでバリバリバリと乗りつけ、ドアボーイに、
「宿泊なんだけど、どこ停めればいいの?」
 というめったにできなことができたのでちょっとうれしいかも(笑)

 イースト21はユニーの生活創庫ってビルが隣接してて、前は多目的広場、周囲は複合モールっぽくなってて、VOLKSがりミスドがあり丼があり……という状態。道路をはさんだ向かいがイエスタデイズ、1分くらい歩くとスカイラーク(いまどき)がある絶好のロケーションなので、ファミレス翻訳者のわたしとしてはたいへんありがたかったす。ただ午前2時でみんな閉まっちゃうのはちょっとね。明治通りまで出ればジョナサンが開いてるからいいんだけどさ。
 ホテルのほうはやっぱりプールですね。あと風呂。宿泊客でもプラス3000円とるんだけど、その値打ちはあります。しかも全然客がいなくて、二回行ったけど二回ともプールはオレひとりだったもんなあ。プールサイドにはテーブルが置いてあるので、パソコン持ってって仕事してたという。室温上げてあるから裸でキーボードたたいてて暑くなるとプールに飛び込んでジャクージ入ってまた仕事ってパターン。
 9月いっぱいだとガーデンプールがオープンしてたんだけど、これがまた広くてすげーいい。来年の夏は自費で一週間くらい遊びに来てもいいなあ。
 ……などと書いていると優雅に遊んでいたようだが、仕事はちゃんとしてたんである。一日平均実働時間は12時間越えてるんじゃないすかね。といっても缶詰後半は、本の雑誌にSFマガジンに頓知に……と雑誌原稿は入ってきちゃうし、スニーカー新人賞の2次選考の長編10本読まなきゃいけないしで翻訳生産量は落ちてたんだけどさ。
 あ、土曜日には遊びに来た三村美衣あんど小浜徹也夫妻と飯食って軽くカラオケ行ったとかいう話は内緒ね。のはずだけどてんぷらページの日記じゃなくなった日記に既報なのでしょうがない。ちなみにさいとうよしこはこのカラオケのあとひとりで白石朗邸に行って白石ジュニアのご尊顔をQV10で撮ってきてカラオケページに貼ったりしてるけどぼくは無実だよ。
 缶詰中の外出は、スクーターで動いた範囲をべつにすると、火曜日にリトル東京のミーティングに出たのと、金曜日に「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の試写に行ったくらいかな。しかし週末は多目的広場でウルトラクイズの撮りがあったり、日曜日に堺正章ショーがあったりするのでけっこううるさい。結婚式でラウンジはめちゃ混みだし。でもベルキャプテンやってたコがかわいかったす>イースト21。

 缶詰自体は11日に終了してひさしぶりに家で寝たんだけど、仕事のほうはけっきょくどどんと残ってたので気分は仮出所。木、金、土、日、月と泣きながら仕事をつづけて、ようやく終わったのが19日火曜日の朝。缶詰開始からちょうど2週間でしたね。進行予定表からすると5日遅れだけど、まあ6日間の入院があったからしょうがないよねってことで。担当編集者様には心よりお詫び申し上げます。


【10月18日(水)】

 仮出所後、午後7時に起きる生活がつづいてたんだけど、きのうは夜中にばったり寝ちゃったので、起きたら4時半。それからアニメージュ特別編集ムック用のGHOST IN THE SHELLの原稿。ぼくはどっちかっつうとパトレイバー2派なので、アニメ版攻殻は、出来がよくないってわけじゃないけど、企画的にハマりすぎてやや物語ない。押井守と士郎正宗の衝突する部分があんまりなくて、きれいに融合しすぎちゃってるというか。まあしかし技術的には最高峰っす>GHOST IN THE SHELL。

 原稿を送ってから、WOWOWとバンダイの製作で撮影中の実写特撮SF映画「宇宙貨物船REMNANT」の撮影現場を見学にゆく。堺三保が科学/SF考証を担当、JSB社員の添野くんがSFアドバイザー(っていうかコーディネーター)。監修は押井守で、CG部分は樋口真嗣。今日は実写部分の撮影やってる大映の撮影所行ってセットを見てきたんだけど、予算○千万(!)だけあって、宇宙船のセットは超小型。カメラがはいんないから、撮影前にいちいち反対側の壁をはずさなきゃいけないという状況で、スタッフの苦労がしのばれることである。
「媒体はホームページってことで」(笑)と添野くんにいわれたのでちゃんと取材レポートを書こうかと思ったけどめんどくさいのでとにかくみなさんWOWOWが放つ宇宙特撮映画に期待しましょうね、ってことで。来春放送予定で、そのあと劇場公開見込みっす。


【10月19日(木)】

 1時半、八丁堀のJSBで映画情報ネットワーク会議の総会。なんかすげーひさしぶりな気がする。
 3時半、東映本社試写室でアニタ・ユン&レスリー・チェンの「君さえいれば 金葉玉葉」。ウェルメイドなロマンティックコメディでけっこうハマります。もろアジアン歌謡曲なディック・リーの主題歌が笑える。


【10月20日(金)】

 朝日新聞、小説トリッパーの名探偵特集に書く探偵プロフィール各4枚×5本(法月綸太郎、キッド・ピストルズ、メルカトル鮎、桜井京介、二階堂蘭子)の原稿のために、猛然と再読にとりかかる。一日で法月綸太郎モノを4冊、メモをとりながら一気再読。家庭の悲劇三部作相互のつながりがやっとはっきりわかってよかったよかった。しかしこの原稿、今日が締め切りなんだよな(笑)


【10月21日(土)】

 ひきつづき小説トリッパーの原稿。遅々として進まず。宝島社『このミステリーがすごい』用の書評エッセイ5枚、講談社文庫、阿井渉介『Y列車の悲劇』解説13枚に着手。


【10月22日(日)】

 強烈な頭痛で午前5時ごろ目が覚める。あまりの痛さに2時間ほど七転八倒。ようやく頭痛薬が効いてひと眠り。しかし午後は仕事にならず、ぼーっとする。ようやく復調した深夜から昨日書きかけた原稿をかたづける。


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