【5月19日(金)】

 午後一時、惰眠を貪っているところに突然Dana Lewisから電話。いま東京にいて、月曜にはワシントンに帰っちゃうけど今日はヒマなの……ってことで、夕方、西葛西で会うことにする。
 デイナはむかしSF短篇を書いてたり、SFマガジンに謎の英文エッセイ連載を持ってたりしたこともある人で、日本歴は20年近く、当然日本語ぺらぺら。現在はニューズウィーク日本語版の特派員としてワシントン在住、月に二本くらいは署名入りの記事をニューズウィークに書いているえらいジャーナリストである――んだけど、スタジオ・プロテウス創立メンバーでもあって、いまだにプロテウスのために日本マンガの英訳の仕事もつづけている。まあマイクロソフトでいうとポール・アレンだな(笑)
 2年ぶりくらいに会っていろいろしゃべってると、ひとり息子のクリストファーくんはすでに大学生、国際基督教大学に通ってるんだけど、同人誌の世界にも足を踏み入れて、こないだミプロで開かれた即売会(ってどれのことだかよくわかんないけど大森英司がフォローするだろう)では蓬莱学園系のサークルで売り子してたらしい(笑) RPGマガジンとかにイラストを投稿してて、マンガ家志望なんだけど、デイナによれば、「あんまりうまくない」だって。厳しい親だな、って専門家だからしょうがないか。
 とまあそんな話題からはじまって、政界やおい物、白泉社ラヴェンダーロマンスその他についてすっかり取材されてしまった(笑)
 AOLにアカウントがあってホームページもつくりたいのとかいってるので、をれの最高にこんびにえんとなデスクの上でWWWする。布教活動もとうとうワシントン進出だぜ(笑) しかし同僚がぜったい喜ぶからとTOKYO TOPLESSのURLとかメモしてるんだからもうなんだかよくわかりません。やっぱり男女を問わず外人用にはえっちサイト紹介かな。
「だめ、写真はぜったい載せないで」といわれたのでデイナの写真は載せませんが、けっこう美人(やや太め)。40歳だけど。
 デイナを駅まで送っていってファミレスのビルディでぼちぼち仕事。帰ってきてHDの環境設定をいろいろやってたら、とつぜん外付HDがマウントしなくなる。STACKER入れてるとなんかデータは飛ばないけどドライバがよく壊れるんだよなあ。今回は接続を切ったら無事Silver Liningのインストールに成功したのでほっとひと安心。念のため、全データを内蔵1.3ギガにフルバックアップ、内蔵だけで動かすことにする。ま、結果的にめざましい速度向上を見たからいいんだけどさ。


【5月20日(土)】

 よみうりランドの取材に行くというさいとうよしこを午前7時にたたき起こし、仕事本を読みつつ午前11時ごろ寝て、さいとう弟からの電話で起きたのが午後7時(笑) しまった今日は7時から加藤洋之・後藤啓介原画展のオープニングパーティがあるんだぜ、とあわてて家を飛び出し、一時間押しで阿佐ヶ谷コミックボックス・ギャラリー。
 コミックボックスといえば、社員大量脱退事件の前まではわりと長めの書評とかを書かせてもらってたんですが、最近はすっかりご無沙汰。コミックボックスの前身のぱふの前身のだっくすは高校のころから愛読してたので(その前身の漫波コミックは高知では買えなかった)、コミックボックスから原稿依頼があったときはうれしかったな、なんとなく。この世界では有名な(というか悪名高いというか)社長の才谷遼氏とは初対面。才谷氏をめぐるエピソードは高校/大学を通じて読んできているので感無量(笑)
 主賓の加藤さんはなぜかニワトリの扮装なんだけど、
この写真じゃまるきり第七サティアンでドラッグ漬けにされてすっかりおかしくなっちゃった元信者(笑) 後藤さんのほうはイメージ通り(?)黒猫の扮装。あいかわらずクールである。
 出席者には意外と知り合いが多くて、
 「レナス」のゲームデザイナーの柴尾英令さん(ワセミス出身、Gamewalkerのレビュアー仲間)とゲーム業界美女度ランキング一、二を争う(ってそれじゃ中村宏美@アスキーだって(笑))アスミックのプロデューサー細谷淳子さんとか、
 SFマガジンの塩澤くんに日本作家担当の細井さん、
 うちのご近所のシミュレーションノベル作家、伊吹秀明こと大出秀明氏(西葛西駅前の明和書店では「あやしい客」として知られているらしい(笑))、
 かつてNOVA MONTHLYのデザインでお世話になった美人エディトリアル・デザイナー(だけどいまはスラムダンクに転んでアダルト系SDやおい本を出している)日向淳子さんとか、
 アスキー編集部の増田尚美さん(A編ではよく小谷野氏のデスクのそばで油を売ってるので、席が近所の増田さんとは顔を合わせてるんだけど、ちゃんと話をしたのは今日がはじめてだったりする)とか(アスキーの加藤後藤連載4コマをはやく本にしてね)。あ、この日記を読んだアスキーの人は社内メールで増田さんにここのURLを教えてあげてください(笑)
 あと、えらい人では開田裕治ご夫妻もいらっしゃいましたが、ちゃんとお話したことはないのだった。
 おひさしぶりは元〈ぱらんてぃあ〉でいまリットーミュージックのギターマガジンにいる久野耕一郎(須美久って名前でSFマガジンに音楽系の原稿を書いてる人)。なんでも若い子向けの音楽誌をこの秋に創刊するためライター募集中だそうです。よくわからないので柳下とか添野とか町田とか、(会ったことないけど)川崎和哉氏とかを紹介しておく。新しめの洋楽に強くて原稿がおもしろくて仕事さがしてる人はメールください(笑)
 ファンだという女子大生ふたりを紹介される。中村さんと村上さんだったと思うけどよくわからない(笑) 東京外語大のモンゴル語科っていうんだからまあふつうの女子大生じゃないよね。中村さん(たぶん)のほうはお父上が二〇年来のSFマガジン読者で、実家に帰るたびに数カ月分まとめてトイレでSFMを読むんだそうである。翻訳講座のページをちぎって便所紙にしていただいても一向にかまいませんと伝えたが向こうがかまうかもしれないのはまたべつの問題であろう。それにしても彼女、若いころの山尾悠子に似ていると思いません?>そのへんの古い人。
 さいとう弟も飛び入りで来てたんだけど、こいつがまんだらけ/タワーレコード帰りで、カバンからとりだした森山塔とか洋楽CDで女子大生ナンパにつとめていた。しかし彼も芳賀町役場勤務だからな。あたたかい目で見守りたいものである。
 なんだかかんだで60人ばかりがごった返した一次会が終わり(加藤さんから撮影したイラストの掲載許可をもらったので、急遽、加藤後藤museumを建設することにしました。3枚しかないけど(笑) これの価値はですね、原画から撮影した部分写真だってところにあるんですね。CD-ROM画集がバンダイビジュアルから出る企画が進んでるそうだけど、このページに貼ってあるやつはそれよりずっと軽くていいぞ(笑))二次会は近所の居酒屋。20人で予約した席に30人以上が無理やり詰め込まれcompact proな雰囲気である。
 まだまだ書くことがあったような気がするが写真の整理があるので(笑)日記はここまで――などと書いているのは中野〜西葛西間の東西線の車中だったりする。


【5月21日(日)】

 きのうの日記と加藤後藤パーティ写真その他の山を犬に運ばせてたら突然エラーメッセージが出現、「あなたのディスクスペースはいっぱいで、これ以上ファイルを転送できません」とかいわれてしおしお。あっというまの夢の3メガ。ひと月半でいっぱいとはね。ってこれは主にQV-10のせいだな。
 しょうがないので自動返信アドレスにメールを送って追加ディスク申込書を取り寄せ、5メガ追加を申し込む。追加1メガあたり月200円だと思ってたら100円だったからまあいっか。大森英司ページによるとこの料金設定は早稲田大学とおなじである。まあしかし、こうなったらそのうちどこかに引っ越すことになるかも。リムネット限界の20メガまで増量してからだと引っ越しもたいへんなので、そろそろ真剣に検討しなければ。
 ところで現状では、ファイルを一個一個イヌにくわえさせて運ばせてるんですが(つまりMacintosh用のFetchっていうサルでも使えるFTPプログラムを使ってるのね)、いっぺんに30個のGIFファイルを転送したりするときはめんどくさくてしょうがない。複数ファイルを一括アップロードするいい方法はないでしょうか。Apple Script使えとかQuick Keys使えってのは却下(笑) あ、スクリプトとかマクロを書いてくれるのは歓迎です。QV-10写真を自動的にGIFに落とすマクロとかもほしいな(笑)
 エディタでHTML書くときも、いまは辞書に「りんく」変換で「」とか、「きょうちょう」変換で「」とかってのを登録してるんですが、やっぱりマクロ使うほうがいいんだろうなあ。でもdos時代にはバッチファイル書くのが面倒だからという理由でコマンドを辞書に登録してたくらいだから(たとえば住所録ファイルを開いてだれかの電話を検索するときは、コマンドラインからfepオン状態で「じゅしょ」とうちこむと、「BFIND -D c:\temp\AD」に変換されるのね(笑) んでカーソルもどして検索対象を入力するという……トホホの人はトホホなりに考えている(笑))、むずかしいこといわれても実行しない可能性が高いけどさ。
 わからないことといえば最大の元凶がUNIXで、ホストに置いてあるログファイルから自分のページへのアクセス記録を拾ってくるなんてことも簡単にできるらしいのに、見よう見まねでシェルからegrep起動して検索結果を自分のディレクトリのファイルにリダイレクトさせようとしてもなんかうまくいかない。羽山老師の入門書はデスク導入のどさくさで行方不明だしなあ。UNIXのシェルで動くファインダーのエミュレータとか(笑)VZのエミュレータとかないんだろうか。せめてDOS(笑)
 
 大森英司の日記のむかしのやつを読んでないのを思い出して、2月から4月までを一気読み。あーと、美少女コミックの英訳版はすでにべつのところから出てるっすよ。しかしこの日記はたいへん面白いので、媒体の人ははやくスカウトするように(笑) 届いたLOGiNをぱらぱら見てたら千葉大picles spinnの寺本秀雄氏がいきなりコラム書いててびっくり。WWWからがんがんライターがデビューするようになると競争率上がってさあたいへんって感じですが、まあこれは世の中の趨勢ってもんだね。CapeXとかGAZAPEEの人も毎度おなじみのメンツに頼るじゃなくてリスキーな人選が必要でしょ(笑) というわけで大森は大森英司を推薦するです。ただし電話とかオフラインだと要領を得ない可能性が大なので(←おたくのポイント(笑))、メールで原稿依頼だな。つうことで佐々木くん金子さんよろしくね。なんたってヒマそうなところがいいよな(笑)

 きのうは一日遊んじゃったし、きょうは起きたら午後11時だったので(笑)月曜朝一締切クリアのために働かなければ。というわけで、ビルディ経由でロイヤルホストに移動、通訳翻訳ジャーナルの「もう一度、訳者あとがき」と、翻訳の世界の辞書エッセイを書く。をを、まるで翻訳者みたいじゃないか(笑) 通訳翻訳のほうの原稿は、オースン・スコット・カードのThe Worthing Sagaの前半部分にあたる『神の熱い眠り』について。木曜日に見本ができてるはずだけどまだ手もとにはないのでどんな本だかわかりませんが、けっこういい小説です(笑) 追加ディスクが来たら書影と訳者あとがきを上げておくことにしよう。柳下ページに対抗して、訳書をかたっぱしからQVして貼りつける手もあるな。しかしこのワーシングサーガの後半部分はまだ5ページくらい残ってて、いまそれをぼちぼちやってるのだった。あしたは秋葉に行く予定だからそれまでに終わらせてしまおう、うん。などと殊勝なことを書いても担当者はWWWな環境にないから無駄か。阿部さんよろしく伝えておいてね。あ、そういえば阿部ページはどうなったんだ。はやくしてよ、なにしてるのよ、って古くてすみません。最近、九宝瑠璃子歌ってないな、しかし。まあ水玉さんには「シブヤ省裏の実行部隊」とか「カラオケシネシネ団」とか命名されてるくらいなので、わたしに歌われないほうが瑠璃子もしあわせであろう。辞書エッセイは、とりあえずThe Hacker Dictionaryでお茶を濁すことにする。