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2200//士農工商 (1999/05/14 17:52:22)
MAIL::akaosug
昨日の朝日新聞だと、小野不由美さんは「ティーンズ向けホラー」を書いていたが、『屍鬼』という「ミステリ」で、ミステリ業界に参入したのだそうです。
「噂の真相」の記者が瀬名さんの本を読んでおらず、朝日の記者が小野さんの本を読んでないということもありえますが(僕も「屍鬼」は読んでないですが)、もしかしてホラー(SF/ファンタジー)作家→ミステリ作家っていうのはランクアップと捉えられてるのでは?
(で「噂の真相」の場合、無意味に相手を持ち上げるという厭味として使われる、とか)

2199//ジャンルの名称 (1999/05/14 17:42:55)
MAIL::小林泰三
>売れるはずなのに消える出版物、読者に気づかれないことによって結果として売れない
出版物をなくすため
>に、ガイドラインとして「ある新しい名前」をつけて、共通の特定の傾向を持った書物
が、作家や出版社の
>枠を越えて書店にずらっと並ぶことを考えると、わくわくします。SFの山の中から、
ミステリの密林の中
>から、もしくはホラーの海の中からそれらを探し出すよりも、読者には何倍も見つけや
すい状況になるでし
>ょう。

そう。今の状況だと、嗅覚がにぶいこともあって、どれが SF なのか
わからないので、とても苦労します。
で、いろいろな人や出版社が名前をつける試みをしています。
瀬名さんがおっしゃっていた「超絶エンターテイメント」の類ですが、
「ネオエンターテイメント」「サイエンスミステリ」「理系ホラー」(;o;)
などですが、みんなが使いたがらないため、普及しないようです。
#「サイフィクト」もこの流れの中にあるのでしょうか?

僕自身は「SF」というレーベルが最適だと考えています。

2198//げっ、入院していたのか! (1999/05/14 17:27:24)
MAIL::古沢(よ)
それは知らなかった。無事退院できてよかったっすな、と機会があればお伝えください>よしこさま
お見舞いは、マクドナルドのお食事券とか、2Lペットボトルコーラ一ダースとかが良いのかな……。

2197//海牛さんへ (1999/05/14 17:02:00)
MAIL::YHB

海牛さんへ。
以前の細田さんの掲示版での三枝さんの発言を抜粋して引用させていただきます。
ある程度の参考にはなるかと思われます。

引用開始。
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0954//やおいに関するまとめレス・3 (1999/03/21 02:11:11)

「邪推」は、本人の品性によるものだと、私は知っています。なぜなら、私という同じ一人の人間の見て、
相手の思うことは様々だからです。
私は白紙の部分の多い人間で、相手の対応を見るにつけ、しばしば「自分は鏡だ」と思うことがあります。
相手の心根のままに見える、色のない板なのです。
多くの人は、自分が一番怖れている物を、私に見ます。私はそういうふうに生まれついたようです。
恋をしたい男性には、理想の恋人に。
人から馬鹿にされないかと怖れている人には、高慢な自信家に。
思い上がっている人間からは、愚かなバカに。
自分の学歴を気にしている人間には、学歴自慢に。
知識だけは人より勝っていると思っている人間には、物知らずに。
私は多分、そのどれでもないはずなのですが。
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1320//RE:ひっかかった(RE:1314) (1999/03/31 17:08:22)
MAIL::三枝貴代
》自分が絡みやすい相手だって自覚はあるんですよね。したら、なんで絡みやすいのだと思いますか?

まず、第一に、私が発言すると発言しやすい雰囲気が、場にできるようです。
私は言葉としては難しいものを使わないようにしていますし、最初は「いかにも素人です」といった態度をと
る傾向があります。だから、「俺も言って良いのだ」と、読んでいる側、通常ROMの人が思ったりするわけ
です。

次に、私が発言すると、その掲示板のアクセスカウント数が跳ね上がるということがあります。
私の発言は、良くも、悪くも、人に「読みたい」と思わせるのです。
それが文句を言うためであっても、「とにかく、読みたい」という欲求を人に感じさせる。
これはある種文章の華でして、文の感じが良い、悪い、役に立つ、立たない、とは、全く別のものなので
す。天性のものでして、変更は利かないだろうと、多くの人の書き込みを読んだ結果、思います。
当然、読んでいる人が増えれば、発言者も増えます。
また、華があると発言は目立ちます。目立った発言にコメントすると、自分の発言も目立つので、関係した
いという人もいるのやもしれません。反対意見だと、特にそうですね。こちらからコメントがつくことも多くなり
ますし、自分の発言も目立ちます。
ちょっと、そういった気持ちはわかりかねる部分がありますが、一応、可能性の指摘として挙げておきまし
ょう。

第三が、私の発言の態度がフェアであることです。
私は「文法の指摘(形容詞がどこにかかるのか、など)」は、質問として致しません。
「誤読は発言者が悪いのだ」という、読み違えの居直りもしません。
また、「そんなことを言いましたか? 発言番号を示して下さい」などという、嫌がらせもしません。
さらに、「〜と思います」「〜だろうと思います」という言い方をすることによって、その後の指摘に対して、
「〜とは言っていない、断言もしていない」「ケースバイケースだ」などという責任逃れをすることも、まず絶
対にやりません。
また、相手の心理的ごまかしや、感情や、人格に対する攻撃は、基本的にしていません。
そういった明確なルールで、絶対に踏み外さない相手ならば、絡む側は安心して無茶が言えるのです。
安全な相手だと、思うのですね。ですから絡んでも大丈夫だと思うのでしょう。
それにこちらは自分の設定したルールの中にいて、絡む側はそのルールを踏み外すのは自由なのです。
その条件でなら、簡単に勝てそうに思えるのかもしれません。

第四には、私に絡んだ相手が負けそうになると、「三枝は人格に問題がある」「三枝は性格に問題がある」
という言い方がよくされるせいです。
そういった発言、人格攻撃は、他に文句が付けられない、議論の論旨に問題がないからこそ、関係ない部
分、発言者本人に文句をつけるほかないから、それゆえ、現れる発言です。
しかし、そういったことを沢山の人が言うからには(沢山の人が、その方角に逃げるしかなかったということ
なんですが)、三枝には本当に「人格的に問題があるのだろう」と、単純な人は考えるみたいなのです。
その場合、「悪者をやっつけてヒーローになりたい」という、単純な目立ちたがり構想を人に抱かせることに
なります。
たとえばニフティでは「賞金首」と呼ばれました。理由はなんであってもかまわない、言い負かしてみたいと
いうだけで、会議室間をストークして来る人間も複数いました。
私に反対することで、同じ目的を持った人が仲間として自分を応援してくれる、ちやほやしてくれるという部
分に、快感があるようです。
また、私に負けた人間が有名であったり、その場の責任者などであれば、おもねるという目的を達成する
こともできるのかもしれません。やおいの会議室で、私に反対する方角で意見が固まった理由は、これで
しょう。


第五が、私が大変まめで、ある意味礼儀正しいからでしょう。
自分の発言に対するコメントを無視することがあまりないからです。無視されても、次は「三枝さんへ」とで
もタイトルに入れておくと必ず返事をもらえます。
通信は孤独な人間の遊びだと言われています。その意見が正しいかどうかはともかく、みんな無視された
くないのだと思います。だから、確実に相手をしてもらえる人に、ついついかまってしまうのでしょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
引用終わり。
三枝さん自信がおっしゃりたいことが、かなり凝縮されていると思います。

2196//そうそう、もともとこっちに興味があったのだ (1999/05/14 17:01:14)
MAIL::たかみ
小林さん>SF の再生とはそういうことではなく、売れなくなってしまった分野
小林さん>(具体的にはスペースオペラを含む宇宙もの) を復興させることではな
小林さん>いかと。

もともと、サイフィクト構想というか、梅原氏の言動(サイファイ→ホラー→サイフィクト)はSFの再生を目的としたわけではないと俺は思っております。がゆえに、エンターテイメント路線のSFをジャンルとして立ち上げる場合の構想に大きな差が出てくるのは当然かと。

この意味ではサイフィクトとは別に、SF内サブジャンルとしてのエンターテイメント路線をどのようにして立ち上げるかを議論した方が建設的でしょう。
#成功した暁には梅原氏の作品を入れてあげるという嫌がらせもできるし:p

SF新人賞を核にということも考えられるんですが、「きっかけ」の後の「売る仕掛け」として、角川のように徳間SF文庫を立ち上げる気がなさそうなところに不安があったりするわけですよね。SFアドベンチャー復刊という奥の手も持っているはずなんですが。

ただ、その前にSFM誌上では徒労に終わった(というのが俺の感想なんですけど)「SFが冬と言われるようになった原因」の議論が必要だと思います。

梅原仮説では「SFは一般大衆に難しいと思われている」とのことですが、俺の周囲の人々の言動(別にアンケートとか統計とかを取ったわけではないですが)では、「SFが難しい」と思っている人は、SFの周辺系(アニメ系、ゲーム系)に多いみたいなんですよね。じゃあ、そうではない一般の人はというと、アニメやSFX映画が先に浮かぶようで、「難しい」というイメージはないみたいですね。
#SFファンについてはまた別^^;

2195//あなたの閾値論を間違えだと言っています。>たかみさん (1999/05/14 16:45:01)
MAIL::三枝
》まだ目の敵にされている(2182)ようなので

言ってもいないことを言ったとされ、謝罪を受けていないからです。
小林さんはちゃんと謝罪してくれました(2140)。たかみさんは、文句を言う前ふりに、謝罪をした形式だけを作りました(2193)。酷いことです。そもそもデマを言い出したのはたかみさんなのに。
私が「5万部を越えるとSFではない」と言ったかのようなことを書きましたね。たかみさんは。私はそういった偏狭な態度をとったと言われる筋合いはありません。むしろ私は、それがSF者の一番いけないところだと指摘し続けてきたのです。その一番いけないことをこそ、あなたに、やったとされたのです。やっていないのに。
私はそれを、たかみさんの「見当違いの批判」だと考えています。
きちんとした謝罪をしてください。

》映像化以前に売れていたことを認めました。
》どこに「勘違い」があるんですか?(2193)

》お聞きしてるつもりなんですけど。わかりにくいですか? (2131)

です。
ちゃんと、文庫になってから売れたと私が答えていたのに、このようにこちらが返事をしなかったことに(勝手に)して、一方的な勘違いで納得しています。

》誰がそんな理論を出したたのやら。(2193)

》あるレベルに閾値があって、そこを超えればジャンル内読者だけではなく、いわゆる一般大衆にも売れる状態になるんではないかと考えています(2123)

ですね。

》2141>ですから、対象者の目に留まる場所にちゃんと出るのならば、2,3万部ばらまけば充分なんです。
》という文脈での「2,3万部」のことです。(2193)

と理解されているのなら、それはたかみさんの理解違いです。
私が2141で書いたのは、「本には本来その本を求めているユーザーがある。そこに到達さえする形態、部数なら、2、3万部程度のわずかな数でも大きなヒットにつながるきっかけになりうる」ということでした。
個々の本を買う「一般大衆」などというものは、ある意味では存在しないのです。本には、その本の「顧客層」がそれぞれあるのです。その意味では、あらゆる本がジャンル小説です。その本を買うような顧客層が存在するという、ある種のジャンル的な性質を、個々の本が持っているのです。
ですから、「ある数を超えると、ジャンルから抜け出て、一般大衆(誰にでも)に売れる」などというたかみさんの閾値論は間違っていると思うのです。

「サイフィクト構想」とは、自分はSFが苦手だと考えていてサイフィクト的な物を求めている読者(顧客層)の元に、SFというレッテルをはずすことによって、きちんとサイフィクトが到達するシステムを確立しようという計画だと私は考えます。

2194//ということなので (1999/05/14 16:20:25)
MAIL::さいとうよしこ
うっかりお見舞いに行かないでね(笑)。
甘いモノもあげちゃダメ。

2193//ローカルルール違反かもしれませんが (1999/05/14 16:11:05)
MAIL::たかみ
議論中のところ、すみません。
なんか、まだ目の敵にされている(2182)ようなので、ちょっとだけ。

2135>「5万部を越えるとSFではない」という発言は(略)【質問】なんですが。
2135>「グインサーガ」はSFだと思っています。
2135>言ってもいないことを批判されても困ります。

俺は三枝さんをこの件について「批判」した覚えはありません。
“売れた”とは、どの程度売れたのかわからないので、過去発言にあった「5万部」という数を引用させていただいただけです。
「発言」はしたが、「意見・説」ではなく、「質問」であるという意味では「揚げ足取り」だったかもしれませんが、「批判」したつもりはまったくありません。

ギャラリーの方々に誤読・誤解を強要する可能性がある書き込みであることは事実なので、その点に関しては謝罪しますが、「批判した」というのは、それこそ「嘘、いいがかり」です。

2136>ハードカバーが打ち止めになった時に、映像化がされたことによって
2136>売れるようになったわけではないという話をしています。最初から。
2136>一方的に勘違いで決着するのはやめてくださいね。

映像化以前に売れていたことを認めました。
どこに「勘違い」があるんですか?

2139>》勘違いしているつもりもないんですけど。(2138)
2139>大嘘ですね。失礼な人だな。たかみさんは。
2139>》三枝説によると「5万部超えるとSFではなくなる」らしいので(2131)
2139>嘘です。大嘘。いいがかり。

2136で「5万部」の話が勘違いであると言っていただければ気がつきましたが。まさか、そう書いたつもりだったんですか?

2141>誰でも彼でも買うようになるはずの閾値を超えても、個々の本で、売り上げに差が出るのです。
2141>ですから、閾値論は、どこか間違っているのでしょう。

誰がそんな理論を出したたのやら。
俺が言っているのは
2141>ですから、対象者の目に留まる場所にちゃんと出るのならば、2,3万部ばらまけば充分なんです。
という文脈での「2,3万部」のことです。
個人的な感覚ではもうちょっと上かなと思っていたんですが。

この意味では2158の小林さんのフォローの通りです。
ありがとうございます。とっても光栄です。

これ以上の書きこみは無意味なので止めます。
続けたければ、せっかくのご好意ですので、くろきさんの掲示板ででも。
もっとも、俺も25過ぎのオジサンなんでだめでしょうけど。

2192//さかいくん情報 (1999/05/14 15:58:23)
MAIL::さいとうよしこ
西葛西駅前の森山病院で風邪の熱を下げて退院。
アパートに戻ったみたいです。よかったよかった。

2191// (1999/05/14 14:01:19)
MAIL::瀬名秀明
大森様
貴重なご意見、ありがとうございました。ロバート・ソウヤーのインタビュー記事は以前に拝読していましたが、すでに内容を忘れていました。初読時「ああ、ソウヤーは当分ベストセラー作家になれないなあ」と複雑な気持ちになったことを思い出しました。実際、アメリカでのソウヤーの本の扱いはあまりよいとは思えず、出版社側も気合いを入れているようにはとても見えません。一般読者が手に取りにくいタイプの本でした。一方、フィリップ・カーなどはコアなミステリーファンから猛烈な反発を喰らっていることが予想され(あくまで個人的な予想。根拠なし)、これまた複雑な心境です。海外のサイフィクト小説については自分なりに調査を続けてみます。またダン・シモンズについては非常に有用なご意見だと感じました。

梅原さんのサイフィクト構想は、小説を書くための戦略部分では非常に有用だと思いますが、営業的な戦略部分ではいくつか疑問を感じる、というのが率直なところです(サイフィクトという「ジャンル」のたち上げ、など。ベストセラーを結果的に「サイフィクトだ」と呼んで読者に共通意識を持たせることは可能だが、「サイフィクト」のレーベルをたち上げることには無理がある。また「サイフィクト」よりも「超絶エンターテインメント」などのほうが違和感がない。梅原さん個人が「自分の小説はサイフィクトだ」と主張し、それを自著の売り文句に用いる、ということだけならば有効)。また、梅原さんの考えの多くはクーンツの「ベストセラー小説の書き方」に依存しているように感じますが、「ベストセラー小説の書き方」は確かにいまでも有用な部分はあるものの80年代的な発想も多く、すでにやや時代遅れの本となってしまっており、「サイフィクト」も所詮80年代的な小説に甘んじてしまう可能性があるように思います。

それでも個人的には梅原さんの構想には大きく期待しています。
それでは失礼いたします。

2190//RE:サイフィクト構想の意義 (1999/05/14 13:13:08)
MAIL::三枝
》サイフィクト的な作品は現状でも売れているわけです。

ですが、それらは基本的にある特定のレーベル(角川ホラー)から出た物か、売れる作家(宮部みゆき、篠田節子、北村薫、等)の作品に限られています。
サイフィクト的なものをくくるキイワードがないので、読者は、レーベル名とか、作家名を見当にして、サイフィクト的な本を手探りに探し出しているのが現状だからではないでしょうか?
ですから、共通の名前を付けることによって、新人や、今まで無名の作家や、小出版社にも、サイフィクト的なベストセラーを生み出すチャンスを与えることができないでしょうか?

》われわれの知らないところで、消えていった名作が存在するとは想像できませんか?

そうなのです。私はハードカバーのリングを知らなかったし、初期の頃恩田陸の出版物を追いかけるのに大変な苦労をしました。(「不安な童話」出版予定日前後は、毎日二件の本屋に通いました。新書は本屋の棚に長く残りませし、その本屋に入るかどうかも不明でしたから。)
売れるはずなのに消える出版物、読者に気づかれないことによって結果として売れない出版物をなくすために、ガイドラインとして「ある新しい名前」をつけて、共通の特定の傾向を持った書物が、作家や出版社の枠を越えて書店にずらっと並ぶことを考えると、わくわくします。SFの山の中から、ミステリの密林の中から、もしくはホラーの海の中からそれらを探し出すよりも、読者には何倍も見つけやすい状況になるでしょう。
私が「サイフィクト構想」に期待するのは、まさにそれです。


2189//サイフィクト構想の意義 (1999/05/14 12:49:33)
MAIL::小林泰三
>三枝 様
>もし名前を変えるだけで、注目してもらえるチャンスが出来るのなら、やることは悪く
ないと、思いません
>か?
>ましてやそれが、SFの王道だけをすくい上げて集めたジャンルにするのだという話な
ら、(できるかどう
>かはともかく)とりあえず「やってみて欲しい」と思う私の気持ちって、想像がつきま
せんか?

想像はつきますが、積極的な意義が見いだせないのです。サイフィクト的な
作品は現状でも売れているわけです。それを集めて、ジャンルをたちあげよ
うと言ってるわけで、成功したとしても、なんだか元々成績のよい生徒を集
めてるので大学合格率が高い進学校みたいな気がするんですよ。

SF の再生とはそういうことではなく、売れなくなってしまった分野
(具体的にはスペースオペラを含む宇宙もの) を復興させることではな
いかと。

だからと言って、「サイフィクト構想」を否定するわけではありません。
情熱を傾ける理由が不可解なだけです。

>というより、はねのけるべき作品の基準に関して、SF編集者には一定の誤解があった
のではないでしょう
>か。その誤解が生じた原因を、私は「SFファンのスノッブ」だと考えています。知識
を競い合うオタク的
>なSFファンの感性がマニアックで難解な作品を評価し、その結果、そういったものが
一般の読者にもウケ
>るという誤解をSF編集者の間に生み出したのではないかと。

梅原仮説ですね。なんとか理論の検証を行なうことはできな
いものでしょうか?

>私が言っているのは、売れるようになった「きっかけ」と言われているものは、実はそ
の作品が売れるよう
>なものだったからこそ起こったことであるのではないかと。つまり「きっかけ」と「売
り上げ」は、卵と鶏
>なのだと。
>たとえば、ある賞をとったことによって売れ出した本があるとします。しかし売れるよ
うな本だからこそ、
>その賞をとれたとも言えるのです。

優れた内容であることは賞をとるための必要条件ではありますが、十分条件
とは限らないのでは? もし、売れる本が必ず売れるなら、「サイフィクト構想」な
ど、必要ないですね。
三枝さんは「リング」を初版から知っていましたか?
われわれの知らないところで、消えていった名作が存在するとは想像できませんか?

2188//リンク (1999/05/14 12:15:19)
MAIL::三枝
》こうした「リンク」を隠すのは勿体無いと思うのです。

「星界の紋章」とのリンクを隠すのはもったいなくても、そことリンクをとると、その結果もれなく「言壺」や「朝のガスパール」などとのリンクもついて来ちゃうのが、イヤなのでしょう。梅原さんは。

だったら、「星界の紋章」とのリンクはあきらめて、かわりに「パラサイト・イブ」とか「リング」とかとのリンクを取る。んで、その結果「黒い家」とか「墓地を見下ろす家」とのリンクがついて来ても仕方がないかとあきらめる。

そういったことじゃないのかなぁ……。

2187//これは物語論になってしまうのですが (1999/05/14 12:08:37)
MAIL::三枝
おもしろい話というのは、ある特定のパターンに当てはまってしまうものなのだそうです。
たとえば「自分の大切な物もしくは人を奪われた主人公が、戦ってそれを取り戻す」とか、「特殊な生まれゆえこの世ならない力を持って生まれた主人公が、その力ゆえに迫害されるが、最後にはその力ゆえ仲間や国を救う」といったもの、ですね。
むりに旧来型のパターンから外れようとすると、その結果はつまらない物語ができるだけなのだそうです。

2186//区分の仕方 (1999/05/14 11:56:01)
MAIL::やぶにらみ
たかはしさま、2124番のお返事です。話がズレてしまいましたが。

そもそも梅原氏の考えるサイフィクトも「お約束」を目指すものだと考えます。
読者は保守的で、昔も今も似たような作品を望むとSFMで発言していたので。
ですから、
>「サイフィクト」「スペオペ」「メタ言語SF」
ではなく、
「お約束(サイフィクト/スペオペ)」「メタ言語SF」
というのが、梅原さんの区分ではないかと想像するのですが。
要するに「売れるSF」「売れないSF」って事なんでしょうけれど。

>どこまでがお約束なのか、その範囲が決まらなそうですので。

確かに、時代劇と一口に言っても、
TVの『水戸黄門』から『吉原御免状』まで千差万別なように、
区分としてはあやふやかもしれません。

宇宙船が出てきてドンパチやる世界がスペースオペラと定義するなら、
『キャプテン・フューチャー』も『バベル-17』も同じですよね。
#後者はメタの抜けた「言語SF」でもありますが。

『結晶世界』だって、日常に始まって非日常へと読者を誘う秘境探検物ですが、
梅原さんは、絶対サイフィクトの仲間には入れてくれないでしょう。

『星界の紋章』は、『銀河帝国興亡史』と『ダーティペア』のどちらにより近いのか。
スペースオペラという形式や、商品価値からすれば、明らかに後者ですけれど、
内容に即した区分をすれば、前者だという意見は当然出るでしょう。
海法氏の言葉を借りれば、こうした「リンク」を隠すのは勿体無いと思うのです。








2185//くろきげんさんの掲示板が不調なので (1999/05/14 11:47:28)
http://web.topchoice.com/~ktsoft/bbs04/hosoda/ MAIL::細田
自分の掲示板を使ってみました(urlは指定のところ)。

ちょっとラブラブ度が高すぎたかなぁ、と反省。

2184//拡大解釈が多いです。るぅさん。 (1999/05/14 11:41:56)
MAIL::三枝
》こういうのを字義通りに解釈するのは、

私は思いますが、それならば、私の文章も字義通りに解釈して批判するのは、どうかと思います。以後のるぅさんの私に対する反論は、私の発言を字義通りに解釈されている。

》イチからレーベルを立ち上げる場合に比べて、読者対象が絞れるぶんだけ、

これはるぅさん、またもや知らない分野に関して、推測で「楽だ」と言っています。
やおいが立ち上がった頃、それを始めた出版社の大部分は小出版社であり、今のホラーの立ち上げ同様、まるで見通しが立たない状態だったのです。

》東さんのご意見が、「サイフィクト構想(または、”売れるSF”)を実現させるには、編集者個人の『戦略』だけが大事なのではなく、『営業力』も大事だ」というものであれば、

いいえ。そのようなことは東さんはおっしゃっていません。
あくまでホラーに限定したお話ということでした。

2183//私の解釈として (1999/05/14 11:35:03)
MAIL::るぅ

最初に。僕は、東さんの意見は、現場からのご意見で、たいそうおもしろく拝見しました。なので、ちょっと三枝さんより、東さんのご意見を好意的に解釈しているのでしょうね。僕が東さんのご意見を代弁するような愚かなまねはしたくないのですが、その食い違いについて少々ご説明させていただきます。

#もちろんそのはずです。ですから、「売れる本を作るつもりはない」#という、東さんの態度

これは、どこからのご引用でしょうか?
たとえば、

#小生自身は、もともと大部数の本をつくることに何の関心もない外道#な編集者

のあたりからでしょうか? こういうのを字義通りに解釈するのは、あまりよい読解ではないのでは? 「ただ大部数を売るためだけの本は作らない」
を照れ混じりに言うとこうなる、という。
とりあえず、東さんの文章を全体を通してみて、「売れる本を作るつもりはない」なんてことが読みとれる、とは私には思えませんでした。

》ま、やおい小説とかは部数読みが多少正確にできるかもしれないけれど。
#すいぶん、やおいの編集者に失礼な人ですね。やおいも売れる本と売#れない本では、大変な差があるのです。
#知らない分野を想像で、「仕事が楽」と言ってしまうのは、どうかと#思いますよ。

これは、

#広告うてなくても、やおいを出している弱小出版社は、とりあえず生#き残っているところが沢山ありますよ。

というご意見がありましたが、その理由を私なりに推測してみたというところです。知らない分野を想像で書いた、というご指摘はその通りです。しかし、ただ一言も「仕事が楽」なんて書いてません。失礼に思われたとしたら、それが本意ではありませんので、謹んでお詫びを申し上げます。
やおいを出している弱小出版社が生き残れるのは、イチからレーベルを立ち上げる場合に比べて、読者対象が絞れるぶんだけ、マーケティングの根拠があるのでは?という推測。「やおいも売れる本と売れない本では、大変な差があるのです」という発言と矛盾するものとは思いません。

#では、何もかもわかっている(私は餅屋)という東さんは、おもしろ#い本を作れないでしょう。
「餅屋」=「東さん」ではなく、「餅屋」=「角川書店」(角川の編集者+営業)という解説が、ご本人から入っております。尊重なさったほうがよろしいのでは?

まとめとして書くならば以下のようになります。東さんのご意見が、「サイフィクト構想(または、”売れるSF”)を実現させるには、編集者個人の『戦略』だけが大事なのではなく、『営業力』も大事だ」というものであれば、私には当然のことのように思えるということです。


2182//るぅさん、ごめんなさい。斉藤さん、注意してください。 (1999/05/14 11:34:32)
MAIL::三枝
ごめんなさい、るぅさん。斉藤さんのデマを鵜呑みにしてしまいました。
三枝が沢山のハンドルやIDを持っていて複数の人間のふりをしているというデマが、悪意をもってばらまかれているらしいので、つい、それを演じてぬれぎぬを着せる人が出たのかと、納得してしまったのです。

斉藤さん、人を批判する時は、少なくともそれが勘違いではないかくらいは確認してからやってください。(たかみさんの「5万部は三枝説」とか、そんな人ばかりだとうんざりします。)

2181//メールアドレス、似てますね(笑) (1999/05/14 11:30:05)
MAIL::るぅ
私には、同じアドレスは発見できませんが? どこにあるのか番号を書いていただければ幸いです。
2180//それはトラップではなくて (1999/05/14 10:18:43)
MAIL::三枝
アドレスの詐称です。斉藤さん。
2179//人のメイルアドレスを勝手につかうな〜 (1999/05/14 10:17:28)
MAIL::三枝
》るぅさんと、三枝さんのメールアドレスが同じですが……。

酷い! 人のメイルアドレスをつかうなんて。
厳重抗議をします。

2178//お暇ですか? (1999/05/14 10:10:04)
MAIL::斎藤
はじめまして。
ひとり遊びを、されているようですね。>三枝さん、るぅさん
るぅさんと、三枝さんのメールアドレスが同じですが……。
トラップとかですかねぇ。
お暇なのかなぁ。

2177//売れる努力を最初からしない編集者が、良い編集者か? (1999/05/14 09:40:03)
MAIL::三枝
》文芸の分野で「失敗することがわかってる」のに出版しようという酔狂なやつも、「成功することがわかってる」場合も、ないと思うのは僕だけでしょうか? みんな「ひとやま当てられるかもしれない」とか思っているだけなのでは?

もちろんそのはずです。ですから、「売れる本を作るつもりはない」という、東さんの態度は志が低いと思われるのです。
なによりも、(角川で)本が売れたことを宣伝力のせいにして、自分の方法論が間違っていた可能性を考慮しないのは、どうかしているでしょう。

》ま、やおい小説とかは部数読みが多少正確にできるかもしれないけれど。

すいぶん、やおいの編集者に失礼な人ですね。やおいも売れる本と売れない本では、大変な差があるのです。
知らない分野を想像で、「仕事が楽」と言ってしまうのは、どうかと思いますよ。

》*なんでわかっっている失敗をするななあ……。
》というあたりからは、面白いもんは生まれてこないのでは?

では、何もかもわかっている(私は餅屋)という東さんは、おもしろい本を作れないでしょう。
そんな問題ではないと、私は思いますが。
まあ、るぅさんのご意見としては。

2176//あれ、もう意見がすすんでる (1999/05/14 08:56:33)
MAIL::るぅ
撤退されたものかとおもった。まぬけな意見でどうもすみません
↓↓↓

2175//どちらの意見が読者にはありがたいか (1999/05/14 08:53:26)
MAIL::るぅ
東さんと、三枝さんの対話は面白く拝見しました。
ん〜もうすこし続けてほしかったけど、あれぐらいが引き際としてはみごとなんでしょうね(笑)。

読者としての立場から見ると、

*これからも機会を捉えては、様々な形でチャレンジしてみたいと思っ*ていますよ。それを信ずるからこそ、初版部数がたとえ数百、数千の*本であっても、真摯に本造りに取り組む出版人や、売り上げ至上主義*の上司を懸命に説得して企画を通そうとする編集者が、跡を絶たない*のだと思いますがね

という編集者はよい人です。そうでなければ、新しい内容の本は出来ないでしょうからね。多くの場合、会社が「もうけるとわかってる」本なんてのは、他社で実績がある場合か、もしくは(実用書などの場合でとくに顕著だと思いますが)極端に安く作れる場合とかでしょう。
文芸の分野で「失敗することがわかってる」のに出版しようという酔狂なやつも、「成功することがわかってる」場合も、ないと思うのは僕だけでしょうか? みんな「ひとやま当てられるかもしれない」とか思っているだけなのでは? すべての本が、正確に、「立ち上げの段階で、要求水準も市場の状況も計算していた」とおりになるものではないでしょう。編集者が「おもしろい」と思うから「売れる」とふんで出版する。思ったよりも売れないから撤退する。そういうことの繰り返しのなかで、たまたま売れるも出てくるというだけ。ま、やおい小説とかは部数読みが多少正確にできるかもしれないけれど。

以上、
*なんでわかっっている失敗をするななあ……。
というあたりからは、面白いもんは生まれてこないのでは?と思う、いち読者の意見として。

2174//あ、東さん。ここもすり替えていますね。 (1999/05/14 08:14:28)
MAIL::三枝
》小生がそう呼んでいるのは自分のことなどでは全くなくて、自社の体力とか得手・不得手をわきまえずにホラーに手を出す出版社に向けて、そう言ってみたまでのこと。(2169)

》>広告うてなくても、やおいを出している弱小出版社は、とりあえず生き残っているところが沢山ありますよ。
》ですから、「餅は餅屋」だと言っているのですよ!(2129)

いつから、やおいとホラーが同じジャンルになったんですか?

2173//SFの人も神経質に騒ぎすぎでしょう (1999/05/14 07:53:50)
MAIL::三枝
》SFとたもとを分かつのなら、あえてSFを敵視する必要もなかろうに。

それは、SFのやった失敗を繰り返さないためでしょう。
「SFは失敗した、ではどうするべきか」で始まった構想なので、SFを仮想敵国にせざるを得ないのは当然でしょう。

》最近の書簡を読む限り、梅原理論は完全に「陰謀論」モードに入っていますから、「『カムナビ』が売れなかった(評判が悪かった)のは、SF界のやつらのせいだ!」とか言い出さないか不安で(^_^;)。

それが心配でしたら、なおのこと、

》サイフィクト構想そのものには反対する気はないですし、必ず失敗するとも思っていません

という案に、やっきになって反対することはなくても良いのにと思います。
それに関しては、海法さんの行動も解せないものがあります。案として、そう問題もないと思いつつ、なぜ反対という結論だけがあるのか。
大森さんのように「そういう手もあるでしょう。でも、俺の利害には反してます。以上。それだけ」ですみませんかね?

2172//東さん (1999/05/14 07:42:49)
MAIL::三枝
》ジャンルについて「わかっている」ことと「企画の成功」とは、必ずしもイコールではないと思いますが?

すり替えないで下さい。営業戦略(市場状況)について、良く知っているという感じで解説されたので、「どうしてそんなに良くわかっていて、そうなるのですか?」と、お尋ねしたのです。作品に関する知識の問題を問うていたのではありません。

》それをいかに具体化し、成果を上げるかという局面で機能するのが「戦略」でしょう。

一般的な戦略という意味ではそうです。しかし、そのジャンルを始める時の話をしていたはずです。これもすり替えないで下さい。

》角川というのは非常に優れた組織であると、小生は常々感心しております。

これは大森さんも書かれていますが、角川という組織が優れているのではなく、宍戸さんという編集者個人がすぐれているのです。
個人の努力を組織のおかげといった評価にするのは、私はどうかと思います。

》やるからには腰を据えて取り組んで欲しい」と言明し、了承の上で始めた仕事です

でしたら、「時間をかけてやるというのは、えてして不可能となる。企画者と経営者が異なる場合」という解説が欲しかったですね。
それが他の企画者への有効な助言になるでしょうに、なぜそれを省いて話されたのか、わかりません。

》『屍の王』や『ALUMA』をはじめ、それなりの反響をいただけた作品を短期間のうちにも送り出せたわけですし

私は、だからそれが「広告が打てなかったから(宣伝が足りなかったから)」実際売れるはずの冊数より売れなかったとは、思えないんです。ちゃんと反響もあって、ホラー好きな人には、その本の存在は届いていたのではないでしょうか? 私だって知っていますし、本の品揃えの悪い近所の本屋ですら見ることが出来ました。
あの手の本格ホラーが、角川的なホラーより元々のニーズが少なかったから、角川のシリーズ程売れなかったとは、考えられませんか?
角川の売り上げの多さを、何もかも宣伝のせいにするのは、ちょっと問題があるのではないかと思うのです。
もちろん、実際にはどうなのかは、牧野修さんの本が角川から出た時、その売り上げ状況によって立証されると思いますが。

》出版の現場で黙々と試行錯誤をかさね、日々、悪戦苦闘している幾多の編集者の神経を逆撫でするような発言は、

売れたことを宣伝のせいにされれば、売れた本の著者の神経を逆撫でにするでしょう。そのことは、自覚された方が宜しいかと思います。
もっとも、この世には、売れない本を作った人が売れた本を作った人より多いので、神経を逆撫でする人数が小さいからやっても良いのだという理屈もあるのでしょうが。

2171//サイフィクトとか (1999/05/14 07:18:42)
http://www.asahi-net.or.jp/~gp4k-ytgi/ MAIL::谷田貝 和男
わたしはサイフィクト構想そのものには反対する気はないですし、必ず失敗するとも思っていません。ただし、もし失敗した場合、フィードバックが効かないだろうな、とは思いますけど。
具体的に形になっていない今の段階から、内ゲバに精を出して、コップの中の嵐を起こして喜んでいる節がありますから。
SFとたもとを分かつのなら、あえてSFを敵視する必要もなかろうに。

最近の書簡を読む限り、梅原理論は完全に「陰謀論」モードに入っていますから、「『カムナビ』が売れなかった(評判が悪かった)のは、SF界のやつらのせいだ!」とか言い出さないか不安で(^_^;)。
わたしが一番恐れている事態はそれなんですけど。『噂の眞相』じゃないですが、「売れる」も「評判になる」も多分に恣意的に決められますから、十分に売れて(評判になって)いるのに、上記のように思いこんでしまうということが……。


「超メタ言語小説」がいかなるものかというのは、答えは出てこないと思います。だって、梅原氏が考案した罵倒用のレッテルにしか過ぎないんですから(笑)。
左翼が「スターリニスト」とか「トロツキスト」とかいうのと一緒。

2170//修羅場続行中。 (1999/05/14 06:27:16)
http://www.ltokyo.com/ohmori/ MAIL::大森 望
なんかまたTP535Eの電源が不調。週末はまた京都なので、あんまり書けないと思いますがまあぼちぼちやってください。
あ、というわけで明日の土曜は馬場にはいけません>そのへんのひと。

>>天の声(笑)

「天の声」=角川春樹社長の声、のつもりでした。わかりにくくてすいません。
現場の編集者にとっては、天から降ってきた企画だった――と思う、ってことです。
マーケットリサーチの結果、「これからはホラーが儲かる」と判断して企画を立ち上げたとは思えないので。
もちろん、企画が降ってきたあと、現場の編集者は「どうしたらホラーで儲かるか」をテーマにマーケティングをしたはずで(なにしろ企画が動き出した頃は、天の声の人は塀の中だったはず)、それは東さんのおっしゃるとおりですね。
宍戸さんはたいへんに優秀な編集だと思いますし、ホラー文庫の成功は彼が採用した「なんでもあり」戦略のおかげじゃないかと思ってますが。

まあしかし、「天の声」説も伝聞に基づく推測なので、じっさいにはそれほど単純なもんじゃなかったかも。

>>リング

『リング』に関しては、本格的に火がついたのは、『パラサイト・イヴ』と『らせん』が出てからだという印象があります。
単行本は91年6月、ホラー文庫版は93年4月。『らせん』が95年7月で、飯田譲治脚本のTVドラマ(フジテレビ金曜エンタテイメント)が放映されたのはそのすぐあとぐらい。おお、さすがにはやいな、と思った記憶があります。

>>瀬名様

サイフィクト的な作品は、アメリカではSFのカテゴリーに分類されないことが多いようです。というか、カテゴリー別の棚に並ぶのはベストセラーにならない本がほとんどなので、「SF」の棚から脱出してはじめて一人前、みたいな。
そのへんの事情は、ロバート・ソウヤーがインタビューで多少しゃべってます(http://www.so-net.ne.jp/SF-Online/no7_19970918/special2_2.html)。
「アメリカの作家は、自分の属するカテゴリーを忠実に守ろうとする。そうしないと読者が逃げてしまうから」とか。
ガチガチの宇宙SF以外のものを書くときは、「SFファンにそっぽを向かれる」不安があるみたいですね。
バクスターやK・S・ロビンスンの売れ筋のハードカバーは数万部、でしょうか。最近の事情はそんなによく知らないんですが、「ベストセラー作家」というとちょっと違和感があります。J・P・ホーガンでさえ、「こんなんじゃ食えないから作家やめようかな」とか愚痴をこぼしてる(本気でやめるつもりはないと思うけど)らしいし。
ロバート・ジョーダンが売れるのはロードス島戦記が売れるのとパラレルで、SWとSTが売れるのは映像系の固定読者がたくさんいるからでしょう。

>サイエンス・フィクションにしろどんなジャンルにしろ、上述したような「多くの人に
>面白いと思ってもらえるために努力した小説」を書かないとベストセラーにならないの
>か? ということなのです。ただ、そういう考えで小説を書いた場合、すでにそれはジャ
>ンルフィクションではなくなってしまうのではないか……ならばジャンルフィクション
>がベストセラーになるということは論理矛盾ではないか、と考えてしまうので。ベスト
>セラーが結果的にSFであることはあり得ても、SFがベストセラーになるのは難しいので
>はないか。

というのはじつは僕も同感で、梅原説に対して感じる最大の違和感もそこにあるんですが、「どこからジャンル小説でなくなるのか」には議論の余地があるでしょう。
『ハイペリオン』……はともかく、『エンディミオン』みたいな方向なら、ジャンル小説でありながらベストセラーを目指せなくもないのでは。『ソリトンの悪魔』もわりとそういう位置づけなんですが。


2169//とばっちり、恐縮です (1999/05/14 04:00:43)
MAIL::東 雅夫
し、しかし……なんて誠実な人なんだ(笑)>中島様

たっての御指名がありましたので、その点についてだけ御返事しときましょう。

>そんなに良くおわかりで、なぜ失敗したのですか?と。

うーむ、どうやら小生が最初の表題に掲げた「餅は餅屋」という言葉に異様にこだわっているようですが、小生がそう呼んでいるのは自分のことなどでは全くなくて、自社の体力とか得手・不得手をわきまえずにホラーに手を出す出版社に向けて、そう言ってみたまでのこと。どうもハナから誤解があったらしいことに、いま気がつきました(笑)。
それはともかくとして、そのジャンルについて「わかっている」ことと「企画の成功」とは、必ずしもイコールではないと思いますが?
そもそも何について「わかっている」のでしょうか? ホラーというジャンルそのものについて理解することと、それを商品として制作・販売することとは、全く次元の異なる行為だと思いますが。
小生はマーケティングの専門家ではありませんし、まあ超弱小出版社を20年近くもやってきて、この業界についてそれなりの知見はありますが、それはあくまでも限られた分野と範囲での話。
学研とぶんか社の件に関しては、自分が当事者として関わったからこそ、その実情の一端を申し上げたまでです。
小生はどちらの場合も、与えられた範囲内で最善を尽くしたつもりですが、それは結局のところ「少しでも良質な作品を読者に届ける」という編集者としての責務にとどまるわけで、そこから先の流通・販売に関して、小生が介入できることなど微々たるもの。一介のフリー編集者である小生が、ひとつの会社組織のプロジェクトに参加して、個人の裁量で成し得る範囲というのは非常に限られているわけです。

ついでに言っておくと、たとえ「天の声」がきっかけで始まったものであろうと、それをいかに具体化し、成果を上げるかという局面で機能するのが「戦略」でしょう。その点、角川というのは非常に優れた組織であると、小生は常々感心しております。

あ、それからぶんか社に関していえば、小生は企画が持ち込まれた段階で、「ホラーが即商売になるなどというのは幻想である。やるからには腰を据えて取り組んで欲しい」と言明し、了承の上で始めた仕事です。それをちょいと経営が左前になったとたんにあっさり掌を返すから、ムカついたワケですがね〜(笑)。
決してこちらから実現不可能なオイシイ話を持ち込んだわけではありませんし、ましてや当初から版元に損をさせよう、などという気は毛頭ありませんよ、あったりまえのことですが。
また、ホラーに本気で関心を示す出版社がまだまだ少ない現状では、いかなる苛酷な条件であろうと、機会があればトライしてみることに意義があると小生は考えます。
事実、ぶんか社のHORRORWAVEシリーズからも『屍の王』や『ALUMA』をはじめ、それなりの反響をいただけた作品を短期間のうちにも送り出せたわけですし、その「流れ」は今、別の形で動き出そうともしています。

小生はいちおう評論家と二足のワラジであるゆえ、こうやって言いたいことを言わしてもらっていますが、出版の現場で黙々と試行錯誤をかさね、日々、悪戦苦闘している幾多の編集者の神経を逆撫でするような発言は、〈サイフィクト構想〉とやらいう未だ絵に描いた餅にも有害に作用するのではないかと危惧する次第です。
それでは本当にさようなら〜(笑)。

2168//教えて下さい (1999/05/14 02:09:33)
MAIL::瀬名秀明
前回は突然の書き込みで失礼いたしました。

私は「ドラえもん」や眉村卓作品のファンだったこともあり、中学・高校生のころは「自分はSFファンなのだ」と思いこみ、図書館に通っては角川文庫やハヤカワ文庫のSFを読んでいました。ガンダムのノベライズや「宇宙の戦士」もSFファンの友人に勧められて読みました。大学に入って同人誌サークルの先輩に勧められてコードウェイナー・スミスやティプトリー・ジュニアの本も読みました。ところがどうしてもあまり面白いと思えない。そうこうしているうちに海外モダンホラーが本格的に紹介され始め、ホラーに流れていった経緯があります。つまり私は「SFの面白さを理解できなかったおちこぼれ」という負い目があり、同時になぜか「SFから拒絶された」という感覚もしこりとして残っているのです。SF系の掲示板を拝見すると、しばしば「フレーマー」と断定される方のほうに自分の小説観が近いと感じ、当惑を覚えます。己も「フレーマー」なのではないかと強い不安に駆られることが多く、またその不安感のために自分はSFの者ではないと再確認したりもいたします。(あくまで小説観が近いと感じる、ということです。「フレーマー」と呼ばれる方に親近感を覚えるとか、擁護したいと思うとか、そういうことではありません)。

さて、「サイフィクト構想」に絡めて、最近疑問に思っていることを書きます。どなたかご教示いただければ幸甚です。

ここ数ヶ月間、海外に行き、その際書店を見て回りました。アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランスの4カ国すべてでサイエンス・フィクション&ファンタジーのコーナーは活気があると感じました。これらの国で特に印象的だったのは、「サイフィクト系」も「スペオペ」も「超メタ言語SF」もあまり区別されずに棚に並んでいたこと(純文学系は別。イアン・M・バンクスとか)、多くの人がサイエンス・フィクションを気軽に読んで親しんでいることでした。
ただし、親しみ方が日本とはずいぶん違っているようです。私がサイエンス・フィクションのようなものを書いているというと「ならばスタートレックは好きか」と聞かれることが数度あり、スタートレックがサイエンス・フィクションの代表例として挙げられることに驚きました(日本ではそういう感覚がなかったので)。またサイエンス・フィクションが好きだという人にどんなものを読むかと聞くと「ジャック・ヴァンスとクライヴ・バーカー」という答が返ってきたりして(理由は「イマジネーションが豊かだから」とのこと)、サイエンスの正確さにこだわる傾向はあまり感じられませんでした。(マニアックなSFファンの対応は違うのかもしれない。よくわからない)

そういうことがあって、「なぜ日本ではSF冬の時代といわれるような事態になったのだろう」と強く疑問に感じるようになりました(これについては日本独特の歴史的経緯があちこちで書かれており、おぼろげに理解できます)。またそれに関連して、「サイフィクト構想」も日本独特のものなのか、海外でも同様の運動があるのか、といったことに興味が出てきました。いわゆる日本のSFがどうかということを考える際に、海外との比較をおこなうことは有効だと考えているのですがいかがでしょうか。
ここで質問その1なのですが、
海外ではいわゆる「サイフィクト」系の小説に対して、SFファンの反応・評価はどのようなのでしょうか? 例えば「イエスの遺伝子」「ジュラシック・パーク」、フィリップ・カーの最近の作品、あるいはロビン・クックの一部非現実系作品など。やはり「あんなものはSFではない」といって反発しているのでしょうか、あるいはSFファンもこれらを楽しんで読んでいるのでしょうか?

また、海外においては、サイエンス・フィクションとして認知されている本でもハードカバーでベストセラーになっているものがあるようです(スティーヴン・バクスター、キム・スタンリー・ロビンスン、ロバート・ジョーダンの近作のこと。またスター・ウォーズやスタートレックのノベライズも人気があるようです)。彼らの作品はSFファンからも評価が高いのだと認識していますが、質問その2として、ではなぜ彼らの諸作はベストセラーに成り得たのでしょうか? すぐれた編集者がバックアップしたからでしょうか。どうやって彼らはベストセラー作家へと昇進したのでしょう。その方法論を学ぶことは有用だと思いますが、その方法論は日本でも応用可能でしょうか。

また質問その3として、海外でベストセラーになっているサイエンス・フィクションに、なにか傾向のようなものはありますでしょうか。その傾向は、他のジャンルの売れている小説と似ているのでしょうか。何を聞きたいかというと、ディテールを書き込んで話に厚みを持たせてリアリティを高め、一般読者が興味を持つような情報を盛り込み、社会性のあるテーマを取り上げ、かつオリジナリティを追求し、しかも面白いストーリーを構築する、という多くの作家がおこなっていることをサイエンス・フィクション作家がおこなって成功した場合に売れるのか、あるいはそうではなくてサイエンス・フィクションには特有の「売れ筋」があって「サイエンス・フィクションとしてのジャンル的な面白さ」が評価されているのか、ということなのです。いや、本当に聞きたいことは、サイエンス・フィクションにしろどんなジャンルにしろ、上述したような「多くの人に面白いと思ってもらえるために努力した小説」を書かないとベストセラーにならないのか? ということなのです。ただ、そういう考えで小説を書いた場合、すでにそれはジャンルフィクションではなくなってしまうのではないか……ならばジャンルフィクションがベストセラーになるということは論理矛盾ではないか、と考えてしまうので。ベストセラーが結果的にSFであることはあり得ても、SFがベストセラーになるのは難しいのではないか。
(ここでいうベストセラーとは、いわゆる「一般読者」、つまり多くの「ふつうの大人」が買う本のこと)

長くなりましたが、事情をご存じの方がいらっしゃいましたらご教示ください。

2167//明日のN−JAPANは (1999/05/14 01:45:51)
MAIL::まき
スター・ウォーズの特集らしいですぅ。

見たい人も見たくない人も注意しましょー。(といっててジョブズの時みたいにN−23とかぶったりして。

2166//っとに (1999/05/14 01:37:59)
MAIL::三枝
》海法は、売れるサイフィクトについて、そしてサイフィクトというジャンルができれば、もっともその代表作になりそうな作品について話しているつもりでした。

でしたら、最初からそう書いて下さい。
「グィン・サーガはSFではない」というような妙な言い方をせずに、「グィン・サーガを考えてもサイフィクトの参考にはならないでしょう」と、言って欲しかったです。

2165//RE:サイフィクト構想の考察 (1999/05/14 01:33:46)
MAIL::三枝
》個々の編集者にレーベルの性格に合わない作品をきちんとはねのける能力があるとするなら、なぜ SF 担当編集者はきちんとしていなかったのでしょう?

というより、はねのけるべき作品の基準に関して、SF編集者には一定の誤解があったのではないでしょうか。その誤解が生じた原因を、私は「SFファンのスノッブ」だと考えています。知識を競い合うオタク的なSFファンの感性がマニアックで難解な作品を評価し、その結果、そういったものが一般の読者にもウケるという誤解をSF編集者の間に生み出したのではないかと。

》方針のすり合わせを行うということはありません。

それをしないから、誤解が生じた時、SFがそうなったように、ジャンル全体が奇妙な方角へとどんどん転んで行ってしまって取り返しがつかなくなってしまうのではないでしょうか。
ですから、最初から方針を決めて始めたいというのが「サイフィクト構想」ではないのか、と。

》一人で一つのジャンル全体を監視するのは大変そうです。

そうですね。だから監視しなくてすむよう、まずきちんとした方針を立て、それに賛同する作家だけを集めると良いでしょう。

》それにそのような干渉を嫌う作家もいて、そんな面倒なことがあるなら、最初からサイフィクトを名乗らなくなるかもしれません。

サイフィクトにあった作品のみ、サイフィクトと言えば良いのです。全部の作品をサイフィクトにする必要はありません。他のものを書きたい時は、他のジャンルで書くと良いでしょう。
現在でも、ホラーも書くしミステリも書くとか、ミステリとSFを書くといった作家は沢山いますから。

》作品発表の場さえ与えられれば、喜んで書くことと思います。

ええ(笑)。作家は書きたいんです。場が出来ても書く作家がいないなどということは、まず絶対に起こりません。ですからサイフィクトも書き手がいないという心配をする必要はないでしょう。

》「どんなに内容のよい本でも、ベストセラーになるにはなにかきっかけがいるのではないか」と。

私が言っているのは、売れるようになった「きっかけ」と言われているものは、実はその作品が売れるようなものだったからこそ起こったことであるのではないかと。つまり「きっかけ」と「売り上げ」は、卵と鶏なのだと。
たとえば、ある賞をとったことによって売れ出した本があるとします。しかし売れるような本だからこそ、その賞をとれたとも言えるのです。

2164//最後に (1999/05/14 01:25:39)
MAIL::海法 紀光
>三枝様
>これは海法さんの一方的な誤解ですね。私は売れるSFという
>ことで、国内唯一のSF専門誌の看板作品の名を挙げました。

了解です。海法は、売れるサイフィクトについて、そしてサイフィクトというジャンルができれば、もっともその代表作になりそうな作品について話しているつもりでした。

2163//海牛さんへ (1999/05/14 01:14:15)
MAIL::三枝
お名前を間違えて失礼しました。
ところで、「社会学」には、解析作業でかえって本質から遠ざかる方法論がしばしばあります。ある方法論には必ずそれと反対の方法論があるような分野です。実行時には充分注意されることを、忠告しておきます。

2162//名前を変えるだけなら (1999/05/14 01:10:01)
MAIL::三枝
》「サイフィクト的な作品こそが日本SFの王道であった」という点には異論はありません。だからこそ、レーベルは「SF」のままでいいのではないかと考えています。

もし名前を変えるだけで、注目してもらえるチャンスが出来るのなら、やることは悪くないと、思いませんか?
ましてやそれが、SFの王道だけをすくい上げて集めたジャンルにするのだという話なら、(できるかどうかはともかく)とりあえず「やってみて欲しい」と思う私の気持ちって、想像がつきませんか?

2161//SFの人の考えるSFって (1999/05/14 01:02:24)
MAIL::三枝
》「売れるサイフィクト」を市場分析するためには、

これは海法さんの一方的な誤解ですね。私は売れるSFということで、国内唯一のSF専門誌の看板作品の名を挙げました。
しかしもしかしたら、

》グィンは一般に異世界ファンタジーとして認知され、多くのSF要素を含みつつも、それらはSF的要素として認識されていない可能性が高い。

といったように、色々な理由で、SFの人は、あれはSFらしくない、これはSFではないと、色々な小説をSFからはじき出して来たのかもしれないと、再確認はしました。

2160//考察 (1999/05/14 01:00:55)
MAIL::小林泰三
>たかはし様
>そんな、海法さんと真っ向から対立するようなことを(^^;;

いえ。「真っ向から対立する」つもりはないんですが、たとえこけても現状
維持だという意味なので。
海法さんは

>海法の意見を補足しておくと、サイフィクト構想は一度コケると、二度目にやるのは難しくなるので、万全の注意を払った方がいい。その点での失敗するデメリットはある、と思います。コケる要素はできるだけ排除しておくべきでしょう。

というご意見ですが、さほど深刻に考えなくてもいいのではないかと思いま
す。
#というか、僕自身は「サイフィクト」を立ち上げる必然性自体あまり感じていない
#のです。

>はい、それはもちろん実証されてない(と思う)んですが、それとは別に「サイフィクト的な作品こそが日本SFの王道であった」、という意見もあるわけで。こちらは検証可能かと思います。
>これでもサイフィクト的な作品レーベルを立ち上げる根拠になりますよね?

「サイフィクト的な作品こそが日本SFの王道であった」という点には異論
はありません。だからこそ、レーベルは「SF」のままでいいのではないか
と考えています。

>ええっと、「サイフィクト」かどうか、というのは、「エンターテインメントか否か」という曖昧な基準だけではなく、『現実的で日常的な舞台設定から物語の幕が開いて、徐々に超科学・超自然の世界へ、客をいざなっていくストーリー・パターン』という実証しやすい基準があるわけですよね。この基準なら梅原さんでなくても検証できます。
>これに照らし合わせれば、作品の傾向の絞込みがある程度うまくいくのではないか、というのが梅原さんの狙いではないかと。

ジャンルというのはホラーやミステリの例をあげるまでもなく、流動的なも
のなので、統制するのはなかなか骨だと思います。もちろん、実行されるこ
とには異論はありません。

>>(2) SF レーベルでのベストセラーを作るべく画策する。
>>などの方策の方がより、効率的な気がします。

>梅原さん青山さんは、こちらに絶望しているようですが……私はこれでもいけると思うんですけどねえ。駄目なんでしょうか。

僕も「サイフィクト」を認知させるよりもこっちの方により可能性があるように
思います。

2159//なるほど。 (1999/05/14 00:50:04)
MAIL::海牛
2146
>いやというより、個人のことに興味を持つなんてのは、つまらないこ
>とだし、下らないと思いますよ。

そうですか?
まあ、私が三枝さんに興味を持ってもらえなかったことは納得しましたが。
名前、間違えておられます。私はウミウシです。
些細なことですが……。

私は三枝さん個人にというより、人間に興味があります。
興味本位には違いありませんが、社会学の一環とでもいうと少しはカッコいいでしょうか。
ま、どんなアンケートにも無回答という人はいるものですしね。
まっすぐな回答は、実はあまり期待していませんでしたが、なるほど。反応をいただけただけで満足することにします。
ありがとうございました。
失礼します。

2158//サイフィクト構想の考察 (1999/05/14 00:36:49)
MAIL::小林泰三
>破綻しないレーベルは、レーベルとしての枠組みがきちんとしているのでしょう。編集者が、たとえば「難しすぎるもの」「後味の悪いもの」など、レーベルの性格に合わない作品をきちんとはねのける能力があるのだと思います。
>レーベルとしての方針がはっきりしているということですね。それができれば、個々の作品の出来が悪いことはあっても、少なくとも「わけがわからない」作品を出すことだけはなくなるでしょう。

レーベルの方針というのは誰が立てるのでしょう? 少なくとも毎年各出版
社のミステリ担当が集まって方針のすり合わせを行うということはありませ
ん。仮にそんなことをしなくても、個々の編集者にレーベルの性格に合わな
い作品をきちんとはねのける能力があるとするなら、なぜ SF 担当編集者
はきちんとしていなかったのでしょう?

>その点、梅原さんの妙に頑固な性格はお誂え向きですよ(笑)。サイフィクトの名で、サイフィクトでない(娯楽性がない)作品が出れば、大騒ぎして抗議しそうですもん。

確かにそうかもしれませんが、やはり一人で一つのジャンル全体を監視する
のは大変そうです。それにそのような干渉を嫌う作家もいて、そんな面倒な
ことがあるなら、最初からサイフィクトを名乗らなくなるかもしれません。

>また、作家さんも「ホラー(恐怖)」というしばりをかけられずに娯楽SFを書きたいと考える方が必ずいらっしゃることでしょう。大人向けの話を書きたいと思い始めたヤングアダルトの作家さんもいらしゃるでしょう。そういった作家さんのエゴが、良い方角でサイフィクトを回して行く可能性があるのではないでしょうかね。

これはきっと今でも多いですね。サイフィクトに限らず、作品発表の場さえ
与えられれば、喜んで書くことと思います。
#そんな場の一つが『異形コレクション』ですね。

>私は、「本というものはある冊数売れたら、あとは社会現象になるのでドミノ倒し的に売れる」という言い方は、間違いだと考えています。

もちろん、そんな乱暴な理屈はなりたちません。たかみさんも「どんな本で
も一定数売れれば後は自然に売れる」とおっしゃってるのではなく、ベスト
セラーになるに相応しい内容の本を前提に書かれていると思います。
「どんなに内容のよい本でも、ベストセラーになるにはなにかきっかけがい
るのではないか」と。
#誤読していたらすみません。>たかみさん

>ですから、対象者の目に留まる場所にちゃんと出るのならば、2,3万部ばらまけば充分なんです。「リング」は、その数字に、文庫本になって初めて到達して、本来の売り上げに至るきっかけをつかみました。

ということは「リング」の場合、閾値は2, 3万部であったということではない
のでしょうか?

2157//なんか話が出てきてるので… (1999/05/14 00:34:10)
MAIL::海法 紀光
>三枝さん
>「5万部を越えるとSFではない」という発言は、グィンサーガを海法さんが「SFではない」とおっしゃ
>ったのに対しての、【質問】なんですが。

海法は、「売れるものはSFじゃない」と言ったかのように受け取れる文章ですので補足しておきますと、そうじゃありません。
グィンは一般に異世界ファンタジーとして認知され、多くのSF要素を含みつつも、それらはSF的要素として認識されていない可能性が高い。
「売れるサイフィクト」を市場分析するためには、まず、クライトンの「ジュラシック・パーク」みたいなものを分析したほうが、よいのではないか?ということですな。


>>もちろん、「サイフィクト構想」を行なうに当たってのデメリットはないですね。
>>最悪でも、現状維持ですから、やる価値はあるという考えも成り立ちます。
>そんな、海法さんと真っ向から対立するようなことを(^^;;

えーと、もちろん対立するのは全く構わないわけですので冷や汗を流されないでも…。
海法の意見を補足しておくと、サイフィクト構想は一度コケると、二度目にやるのは難しくなるので、万全の注意を払った方がいい。その点での失敗するデメリットはある、と思います。コケる要素はできるだけ排除しておくべきでしょう。
残りの反対は、梅原氏の文章や行動の比較的細かい部分に関わるもので、氏の意見を大きく
「エンターテイメント系SFを、新レーベル、新ジャンルとして売り出す」ことと取るなら、反対していません。

2156//素直に謝ります (1999/05/14 00:29:16)
MAIL::中島晶也
>三枝様
ほんとだ、「天の声」って言ってます(しかも直後に)。私の全面的なミス
です。謝ります。冷静でなかったのは私の方ですね。一つ借りにしといて下さ
い。ごめんなさい。

>>これは、中島さんの「印象」に頼った発言ですね。

そうなんです。ついでに言うと、大森さんのも「と理解しています」とある
ように、印象に頼っている部分があるのかも知れません。
ほんとうはどうだったのかは、当事者でなきゃ判らないことでしょう。でも、
当事者が何でもかんでもあけすけにしゃべれるかというと、何らかのしがらみ
があって言えないことだってあるはず(だから東さんも自分の関わった仕事に
ついての話を止め、退場されたのかも)。そういうデリケートなことを推測で
公開の場にあれこれ書くのは、非常に難しい。ですから、できるだけ情報源は
広く求められた方がいいです。「大森さんが言ってるじゃない」って、業界的
に当事者に近い人に反論しちゃうのはどうだかなあと思うのです。

>>たびたび思いますが、中島さんは、梅原さんに対する見当違いの偏見をお持ち
>>のようです

「さもないと『女梅原』」というのは、「けっこう良いこと言っているのに皆
が相手にしないのはなぜ?」という三枝さんの疑問にお答えしたつもりだった
つもりだったのですけどね。梅原さんの様子を見ていると、基本的に正論を言
っているのに周囲の感情の機敏が読めなくて暴論になってしまい、学級会で孤
立しちゃう生徒みたいな感じがしません? サイフィクト構想自体は面白いん
ですが、いろんなところに根拠の薄い推測を付け加えて他人の台所事情とか論
じちゃったりして、本来味方に付けなくちゃならないところにまで反感を買っ
ているのではないでしょうか。この辺は梅原氏の想定する「味方」の範囲が私
にはよく判らないので、微妙なんですけどね。

よけいなお世話でしょうが、同じ危険性を三枝さんにも感じたんですよ。も
う少しうまく対話すれば、東さんからヤバイ話も聞けたかも知れないのにって
(笑)。もったいないですよ。

私個人の梅原氏に対する感情については、少なくとも「しばらくはホラーを
隠れ蓑に」という、本格ホラー・サイドの事情を無視するような発言は許し難
いなと。私が梅原氏を嫌っているのはその一点のみです。つまり、利害が対立
しているからなんです。ただ、周囲の理解を得られない経営戦略が果たして成
功するのだろうか? というごく常識的な疑問は感じます。これじゃまるで公
害企業じゃないですか。

あ、それと三枝さんは本格ホラーの行く末を案じて下さっていたようですが、
想定読者数×千人の世界は永遠に不滅ですので大丈夫ですよ。意外に思われる
かも知れませんが、こちらの方面では世界でもひょっとしたらトップの大国で
すからね。

それでは、一万部超の経営論の話は私には判らないので、これにてイデア論
の国へ帰還します。最後にもう一度お詫び申し上げます。失礼いたしました。

2155//私はその作業をしたくないかも (1999/05/14 00:03:07)
MAIL::三枝
》例えばSFファン以外も対象にした国内SFのオールタイムベスト、なんていうのはないんでしょうか。

SFファン以外は(もしかしたらSFファンも)何がSFかがわかっていませんから、例を挙げて、そこから選んでもらうのが良いですね。
「日本沈没」「パラサイト・イブ」「ダーティペアの冒険」「百億の昼と千億の夜」「東海道戦争」「クロスファイア」「言壷」「ソリトンの悪魔」「グイン・サーガ」「アド・バード」「吉里吉里人」「夏のロケット」「銀河英雄伝説」「スキップ」「ガダラの豚」……。
などと言った感じで、露骨なSFから、SFと呼ばれていないSFまで、ぐちゃちゃっと混ぜて。
でないと、SFのベストなのだからと、非常にSFらしい本(宇宙に出る話ばかり)を挙げなくてはならないと思い込む人がいて、データにバイアスがかかるでしょう。
問題は、その例を挙げる作業と、例に全部目を通す作業が大変だってことだな ^^;;)。

2154//Re:「サイフィクト構想」の考察 (1999/05/13 23:45:54)
MAIL::たかはし
小林泰三さん:
>もちろん、「サイフィクト構想」を行なうに当たってのデメリットはないですね。
>最悪でも、現状維持ですから、やる価値はあるという考えも成り立ちます。

そんな、海法さんと真っ向から対立するようなことを(^^;;

>(1) 理論的な根拠の弱さ
>「サイフィクト構想」は「梅原理論」に基づく訳ですね。僕が理解している限り、
>この理論は
>i) 過去に SF のレーベルで、非エンターテイメント系の小説が発行された。
>ii) それを読だ読者は SF はおもしろくないものだと認識した。
>iii) 結果として、SF というレーベルを付けただけで、読者は避けるようにな
>ってしまった。
>iv) エンターテイメント系 SF だけを別レーベル「サイフィクト」ととして
>再出発すれば、読者の拒絶反応がなくなる。

>ということになるのですが、これはあくまで梅原さんのたてた仮説であって、
>実証されたものではありませんね。

はい、それはもちろん実証されてない(と思う)んですが、それとは別に「サイフィクト的な作品こそが日本SFの王道であった」、という意見もあるわけで。こちらは検証可能かと思います。
これでもサイフィクト的な作品レーベルを立ち上げる根拠になりますよね?

#ここで大切なのは、梅原理論はサイフィクト的な作品群の立ち上げよりも、
#SFとの切り離しの根拠になっていることで。SFにとって、サイフィクト的な
#作品を後押しすること自体は、梅原理論とは独立に検討してもいいんじゃない
#かと思います。

例えばSFファン以外も対象にした国内SFのオールタイムベスト、なんていうのはないんでしょうか。それがもし、サイフィクトな作品ばかりであれば、何らかの傍証にはなるかと思うのですが、どうでしょう。

#っていうか、そんなこと抜きにして面白そうですよね(^^)

>また、うまく立ち上げに成功したとして、「サイフィクト」内で発生する非
>エンターテイメント系の小説をどう防ぐかが問題になります。すべての作品を
>梅原さんが検閲して、許可を出すというのも現実的ではないでしょう。

ええっと、「サイフィクト」かどうか、というのは、「エンターテインメントか否か」という曖昧な基準だけではなく、『現実的で日常的な舞台設定から物語の幕が開いて、徐々に超科学・超自然の世界へ、客をいざなっていくストーリー・パターン』という実証しやすい基準があるわけですよね。この基準なら梅原さんでなくても検証できます。
これに照らし合わせれば、作品の傾向の絞込みがある程度うまくいくのではないか、というのが梅原さんの狙いではないかと。

>(1) すでに、実質 SF の代替レーベルとなっている「ホラー」もしくは
>「ヤングアダルト」に力を注ぐ。

これが現状の梅原さんの戦略ですよね。10年、20年計画という。

>(2) SF レーベルでのベストセラーを作るべく画策する。
>などの方策の方がより、効率的な気がします。

梅原さん青山さんは、こちらに絶望しているようですが……私はこれでもいけると思うんですけどねえ。駄目なんでしょうか。

2153//表現は変えた方が良いよな (1999/05/13 23:39:06)
MAIL::三枝
》そうでない作品をみんな「超メタ言語的文章」で書かれた小説、というのはさすがに辛いんじゃない?、と思うんですよ。

そうですねえ。作家さんにこういうのもなんですが、表現が下手としか言い様がないかも知れませんね。
「純文学化した神経症的な娯楽性のない小説」とでも言っておいた方が良いのでしょうか。それとも「抽象的で観念が主体となった現実味のない小説」とか。
なんか、悪口になっちゃうなあ(笑)。不必要に喧嘩を売っている((c)海法さん)ような気が。

怖いことに、「表現が正確ではない」と思いつつ、私もたかはしさんも、梅原さんがどんな作品を問題視しているのかだいたいわかるという部分が……(笑)。
だから、表現だけの問題なんですよね。区分けが不可能というような問題はないでしょう。

2152//RE:きっかけ (1999/05/13 23:29:16)
MAIL::三枝
》派手にアピールし、販促に利用する、ということはあまり行われていなかったのではないでしょうか。

作家が誉めたというのは、「パラサイト・イブ」で初めてやられた手法ではなかったと思います。
その前年に京極夏彦の売り出しで、「姑獲鳥の夏」の帯がありますから。
それで「パラサイト・イブ」に前後して、作家による絶賛帯は「墓碑銘に接吻を」とか「されど修羅ゆく君は」「Cの福音」「ビンゴ」などでもつけられていたらしいです。
もちろん、売れた本も売れない本もあります。

2151//中島さん、酷いです。 (1999/05/13 23:15:24)
MAIL::三枝
すみません、中島さん。私もきつい言い方をしなくてはなりません。なぜなら、中島さんの発言は大変沢山間違っているからです。

私も宍戸さんのインタビューは幻想文学以外に別の媒体でも読んだ記憶があります。宍戸さんがホラーをやりたいと会社側に提案したのではなかったはずです。

》マーケティング・リサーチが何も無かったとは考えにくいです。

これは、中島さんの「印象」に頼った発言ですね。
開始を決定する時に、リサーチがあったという話は聞いていません。始めなくてはならないので、そのためにリサーチをしたのです。

》さもないと「女梅原」とか言われて

たびたび思いますが、中島さんは、梅原さんに対する見当違いの偏見をお持ちのようです。そのことで、親しいはずの倉阪さんの発言の真意まで誤読するほどでした。
そういったことを続けますと、「いくら正論を言っても誰にも相手にされなくなるかも(笑)。いや、マジでそう思います。」と、私もいわざるを得ません。

》それから、大森さんの該当発言2043は正確に引用すると、 (中略)
》「天の声を聞いた」だなんて、大森さんはそこまで意地悪ではないです(笑)。

》マーケティングの結果じゃなくて、天の声。(2043)

と、あります。

》他者の発言は正確に引用するようにと警告したご本人の発言を

正確な引用です。「天の声」という言葉は私のオリジナルではありません。

》2145の「東さんは、過去ログを読まないで発言される方のようですので」なんて、ぜんぜん言う資格無しと言わざるを得ません

むしろ中島さんは、ちゃんとある2043中の文字を編集してないかのように引用し、私がでっち上げを言ったかのようにしてしまうのですね。酷い人です。

私は東さんに聞きたいことがあったんですが。
そんなに良くおわかりで、なぜ失敗したのですか?と。
もう、お帰りなんですね。永遠の謎になりそうです。

2150//超メタ言語的作品 (1999/05/13 23:13:39)
MAIL::たかはし
三枝さん:
>》さらに、クライトンばりの娯楽作品でなければ「超メタ言語的作品」、ってのにも無理がありそうな。

>クライトン程度には、現実との接点を持てってことではないですか?
>「パラサイト・イヴ」だって「クロスファイア」だって、日常との接点があると
>いう意味では、クライトン程度かそれ以上だと思いますが。

なるほど。でも、サイフィクトとしてはそれでいいんでしょうけど、そうでない作品をみんな「超メタ言語的文章」で書かれた小説、というのはさすがに辛いんじゃない?、と思うんですよ。「果しなき流れの果に」とか「百億の昼と千億の夜」とかも超メタ言語的作品と言われてしまうと、かなり辛いです。

そして、「虚無回廊」の続きを書く、と言っていた梅原さんの立場もないじゃないですか。もちろん梅原さんも「虚無回廊」は大衆娯楽SFだと思っているでしょうから、その居場所を作らないと。
#もしかして梅原さんとしては「スペースオペラ」になるのかな?


2149//Re: きっかけ (1999/05/13 23:10:12)
MAIL::たかはし
>》「選考委員全員大絶賛帯」の威力
>それはちょっとぉ……。そう書かれて売れない本なんていくらでもあるわけでして。

や、もちろんそうです。だから、発売当初に話題になった理由、発売当初から売れた「きっかけ」として、ってことで。

>帯の文句で売れるんなら、作家は苦労しませんって。

「帯の文句」というより、著名なエンターテインメント作家が、自ら選んだ作品に対して推薦の辞を書く、というところでしょう。
これはつまり、(SFセミナー99での文庫の話題の時にも出ていた)「本におけるオピニオンリーダーのような著名人による宣伝(帯)があるとないとでは売れ行きが違う」、という手法の一種ですよね。
つうわけで、「文句より人選」かと。

もちろん、それまでにも選考委員が一致して良い評価を与えた作品もあったはずです。でも、それを雑誌や巻末に掲載された選評の場でだけでなく、派手にアピールし、販促に利用する、ということはあまり行われていなかったのではないでしょうか。
#そんなことない? ここはちょっと曖昧……。

もちろん、こういう帯が続くとさすがに慣れてくる・飽きてくるので、みんな真似しだすと使えなくなるかもしれません。なので、SF新人賞及びサイフィクトの賞(もし作ったとして)にも応用できるかどうかまでは、ちょっと怪しいのですが。

2148//不幸な再会 (1999/05/13 22:26:24)
MAIL::中島晶也
>三枝様
またお会いしましたね。今回はちょっときついことを言います。

>>マーケティング・リサーチもへったくれもなく、社長の聞いた天の声で始まっ
>>たという大森さんの話

『幻想文学』41号のインタビューで角川ホラー文庫の宍戸健司さんが、ホラ
ー文庫を立ち上げる前に読者にホラーについての意識調査を行ったようなこと
をおっしゃられていますね(ちょっとはっきりしない発言なんですけど)。そ
れを抜きにしても、ホラー大賞&ホラー文庫立ち上げ時の熱の入れようを思い
起こせば、マーケティング・リサーチが何も無かったとは考えにくいです。印
象や伝聞(しかも今回は単一のニュース・ソース)ばかりに頼るのではなく、
論じる対象をご自分でもう少し詳しく広範囲にお調べになることをお勧めしま
す。さもないと「女梅原」とか言われて、いくら正論を言っても誰にも相手に
されなくなるかも(笑)。いや、マジでそう思います。

それから、大森さんの該当発言2043は正確に引用すると、

>>角川書店がホラー文庫、日本ホラー小説大賞をはじめたのは、角川春樹・角川
>>書店社長(当時)の鶴の一声によるものだったと理解してます。

ですね。

「天の声を聞いた」だなんて、大森さんはそこまで意地悪ではないです(笑)。
他者のい発言は正確に引用するようにと警告したご本人の発言をかくも邪悪に
変更してまうようでは、2145の「東さんは、過去ログを読まないで発言さ
れる方のようですので」なんて、ぜんぜん言う資格無しと言わざるを得ません
よ。

もう少し落ち着いて下さい。

>東様
ありゃ、もうお帰りですか?

2147//いやはや (1999/05/13 22:02:45)
MAIL::東 雅夫
大森掲示板の醍醐味、堪能させていただきました(笑)。
またそのうち遊んでくださいねー。

2146//海生さんへ (1999/05/13 21:14:54)
MAIL::三枝
いやというより、個人のことに興味を持つなんてのは、つまらないことだし、下らないと思いますよ。
2145//東さんは、過去ログを読まないで発言される方のようですので (1999/05/13 21:13:14)
MAIL::三枝
「読者の目にふれないと本は売れない」という件につきましては、2142で餅屋さんに教えていただけるまでもなく、2141に私自身が細かく書いていることです。参考までに。
過去ログは読んで発言された方が良いです。老婆心ですが。

2144//三枝さんへ。興味本位の質問で…… (1999/05/13 21:09:55)
MAIL::海牛
失礼します。
ちょっと好奇心がうずきまして。
SFとも、今なされている議論とも関係ないので、本来ならメールでお尋ねすべきなんでしょうが、差出人不明ということで捨てられてしまいそうなので、この場をお借りします。
簡単な質問ですが、別に強制じゃありません。単にお聞きするだけですから。嫌味のつもりもありません。でも、いやなら無視してくださいね。

2087で、

>第一には、私が移動すると、そこのカウンタが跳ね上がるんです。

とおっしゃってますよね。
「さもあろう」と思いましたが……三枝さん自身は、その理由についてはどう思っておられるのでしょう。
どうしてだと思われますか?

それだけなんですが。
よかったら、教えてもらえますか?無論、憶測で十分です。
お邪魔しました。

2143//また餅屋がわけのわからないことを…… (1999/05/13 21:05:23)
MAIL::三枝
》当たり前でしょう。何千万(何億!?)とかかるプロジェクトを、何の戦略や展望もなしに始める企業はないと思いますが。

マーケティング・リサーチもへったくれもなく、社長の聞いた天の声で始まったという大森さんの話はどうなったんでしょう? もしや東さん的には「天の声も、展望の一つ」なんでしょうか。
すげえや。さすが、「幻想文学系」(爆笑)。

》広告をうつ、というのは営業戦略の基本中の基本では? 少なくとも一定以上の営業力なしにベストセラーが継続して出ることは非常に稀である、とは言えると思います。

え? やおい、自社出版物以外に宣伝無しでベストセラーを続けた出版社なんていくらでもありますよ。

》おいおい。私ゃ、歩く出版社かーい

出版社なんて、一人でも作れるじゃないっすか。

》わっははは。ぶんか社だって、最初から撤退するつもりでホラーを始めたわけじゃないんですよ

ああ、矛盾している。

》学研やぶんか社の場合は、会社側の期待するレベル(2129)

が、最初からわかっていたんじゃないですか?
それとホラーの実態が一致していなかったから撤退したんでしょ。立ち上げの段階で、要求水準も市場の状況も計算していたのでは?
だったら、なんで始めたんでしょう? もっと要求水準の低いところでやるか、もしくはちゃんと広告うってもらえることを約束をとりつけてから始めないと、「失敗することがわかっていて、失敗する」ってことになるでしょ。餅は餅屋で、良くおわかりなんですから。
なんでわかっっている失敗をするななあ……。

》これからも機会を捉えては、様々な形でチャレンジしてみたいと思っていますよ。
》それを信ずるからこそ、初版部数がたとえ数百、数千の本であっても、真摯に本造りに取り組む出版人や、売り上げ至上主義の上司を懸命に説得して企画を通そうとする編集者が、跡を絶たないのだと思いますがね

ということで、東さんに編集を頼むと、売れない本も「説得して」出して、出版社にソンをさせる可能性がありますので、ちょっと注意した方がよさそうですね。

2142//なるほどなるほど(大苦笑) (1999/05/13 19:53:41)
MAIL::東 雅夫
ギャラリーの方には説明不要かとは思いますが、言わずもがなの付言を(やれやれ)。
はじめに「たとえば角川商法のような周到にして強力な営業戦略なり、あるいは5年先10年先を見据えた長期的戦略なりが不可欠だろう」という小生の一文の読み方から「解説」しますね。
「角川商法のような」は「営業戦略」までにかかる形容詞で、「あるいは」以降とは直接関係がありません(そのために「あるいは」という語を挿入しているわけですね)。
噛み砕いて説明すると、短期間で即成果を挙げたいのなら、角川のようにメディアミックスによる大宣伝方式でいくべきだろうし、それだけのリスクを負う覚悟や資本力やノウハウがないのなら、じっくり腰を据えて自前のメディアなり作家なりを育て、その中から「売れる」作家が出るチャンスを待つ(これが「長期的戦略」ということね)しかないだろう、ということです(もちろん、それはそれで基礎体力のない出版社にはムズカシイことですが)。
それと、誤解のないように言っておきますが、上記はあくまでも角川的な大部数を前提とするメジャーな商売をするなら、という話であって、前回も書いたように、中小規模の版元が自社の身の丈に合った出版物としてホラー路線を考えるのであれば、そんな大宣伝を打つ必要はないわけですよ。

>角川って、戦略あって始めたんですか? ホラー。

当たり前でしょう。何千万(何億!?)とかかるプロジェクトを、何の戦略や展望もなしに始める企業はないと思いますが。

>東さん、お金があって広告が打てたから売れた(2127)と書かれていた記憶があるんですが。

はぁ!? 広告をうつ、というのは営業戦略の基本中の基本では? 少なくとも一定以上の営業力なしにベストセラーが継続して出ることは非常に稀である、とは言えると思います。

>長期的展望ってのなら、東さんの方が、角川よりずっと長期的見通しでやっていたのではないんですか?

おいおい。私ゃ、歩く出版社かーい(笑)。小生がここで問題にしているのは、編集者個人の心構えではなくて、会社組織としての戦略・展望ということです。

>宣伝が巧い会社なら売れるってのなら、角川の本は全部ベストセラーになるじゃないですか。でも、そんなことはないでしょ。売れた本は、売れるだけのものがあったから売れたと言いたいですね。でないと、売れた作家さんに失礼だと思うので。

そういう話をしているのではありません。「売れる」作品がそれなりの魅力なり内実なりを備えているのは、あったりまえのこと(たまに例外もあるけどさ)。そういう作家や作品を求めて、角川だってホラー大賞の募集をやっているともいえるわけじゃないですか。事実、角川ホラーが送り出した作家たちは、いずれも抜きん出た実力の持ち主ばかりだと小生は評価していますよ。
しかし、いかに「売れる」要素をもった本でも作家でも、それが読者の目に触れなければ、大部数売れるはずはない。目に触れるためにはどうするか? 宣伝するしかないでしょう。そして一冊でも多く、長く、書店に置いてもらうしかないでしょう。
多くの人の目に触れる媒体に広告を打つには、巨額の広告費がかかる。効果的な対書店営業をするには人件費がかかる。そういう至って単純な(そして情けない)事情を言っているのですよ。
ちなみに卑近な一例を挙げると、倉阪鬼一郎という作家の(許せ、鬼さん)本が、幻想文学出版局で出した時には千部そこそこしか売れず、出版芸術社で出した時にはウン千部しか売れず、幻冬舎で出した時にようやく一万部の大台(笑)に達した……というのは、版元の営業力の差が直接最大の要因ではないかと思うんですがねぇ(彼くらい頑固に「変わらない」作家も珍しいわけで)。

>なら、最初から撤退しなくてすむところでホラーの雑誌を作ったらどんなものでしょう?

わっははは。ぶんか社だって、最初から撤退するつもりでホラーを始めたわけじゃないんですよ(当然だけど)。いまどき新たに文芸誌を立ち上げるなんてハイリスクなことに、ましてやホラー小説専門誌なんてものに手を出す出版社は滅多にないし、そういう稀なチャンスだからこそ、小生も敢えてチャレンジしてみたまでのこと。その意味で、ぶんか社には感謝しています。もちろん、これからも機会を捉えては、様々な形でチャレンジしてみたいと思っていますよ。

>だって、続かないと、100年先に本は残らないじゃないですか。

商業的成功と本(というよりは作品ですな)が残る残らないということは、関係ないのですよ。極端な言い方をするなら、たとえ数百部の自費出版本だって、それが真に優れた作品であるならば(そして若干の幸運に恵まれれば)、いずれどこかの研究家なり好事家なりの目にとまり、そこからより幅広い層へと広まっていく……ラヴクラフトなんか、その典型だと思いますが。
それを信ずるからこそ、初版部数がたとえ数百、数千の本であっても、真摯に本造りに取り組む出版人や、売り上げ至上主義の上司を懸命に説得して企画を通そうとする編集者が、跡を絶たないのだと思いますがね。

2141//閾値論 (1999/05/13 19:36:00)
MAIL::三枝
私は、「本というものはある冊数売れたら、あとは社会現象になるのでドミノ倒し的に売れる」という言い方は、間違いだと考えています。
それでは「パラサイト・イブ」が160万部売れて、「黒い家」が80万部辺り(だったかな、数字うろ覚えですが、その程度)で売り上げが停まった理由が、まったく説明できないのです。
まさか、80万部が「社会現象になるある冊数(閾値)」を越えていないとは、言えないでしょう。
誰でも彼でも買うようになるはずの閾値を超えても、個々の本で、売り上げに差が出るのです。
ですから、閾値論は、どこか間違っているのでしょう。
本は、その本にふさわしい冊数売れるのです。

もちろん、その本の存在が読者に気づかれないことによって、その本にふさわしい冊数売れないことはあります。
ハードカバーで出た時の「リング」や、文庫本で出た時の「六番目の小夜子」、ノベルズで出た時の「女囮捜査官」のように。
要は、本来その本を買うような人たちにきづかれるようになることが、売れなかった本が売れるようになるきっかけなのです。
ですから、対象者の目に留まる場所にちゃんと出るのならば、2,3万部ばらまけば充分なんです。「リング」は、その数字に、文庫本になって初めて到達して、本来の売り上げに至るきっかけをつかみました。
しかし「六番目の小夜子」は対象読者と本の形態がずれていたので、少なくとも1万部以上は刷られたはずの文庫でも、読者に気づかれずに消えました。
「女囮捜査官」は、新本格好きな人が日常チェックする講談社ノベルズで、本格にふさわしい装丁で出ていたなら、本来の売り上げをとっくの昔に確保したでしょう。

だから広告も、どこでもかしこでもうてば良いってものではないと思うのです。
地下鉄のつり広告が本当に効果があるのは、地下鉄で通うサラリーマンのお父さんが読むような本、「三本の矢」や服部真澄の新作なのではないでしょうかね。

2140//誤解が拡大する前に (1999/05/13 19:07:19)
MAIL::小林泰三
「サイフィクト」構想の話題は長くなりそうなので、後に回
させていただいて、先に誤解しそうな部分を明確にしておきます。

>「5万部を越えるとSFではない」という発言は、グィンサーガを海法さんが「SFではない」とおっしゃ
>ったのに対しての、【質問】なんですが。

了解しました。

>売れない作家(新人)が売れるようになるきっかけの話をしているのに、「ベストセラーの実績がある作家
>」の話をして、どうしようと言うんですか?

これはたかみさんの 2123 の発言を踏まえたものだったんですが、
作家そのものと個々の作品の話が紛らわしかったですね。三枝
さんは新人作家のみについて考えておられたということですね。
となると、ジャンルの立ち上げの話とはフェーズがかわりそう
なので、別々に議論したほうがいいでしょう。

それから、議論に関係ない人を悪い意味の比喩として突然登場
させるのは、できれば避けていただきたいのですが。(--;)

2139//嘘を言うな (1999/05/13 19:03:05)
MAIL::三枝
》勘違いしているつもりもないんですけど。(2138)

大嘘ですね。失礼な人だな。たかみさんは。

》三枝説によると「5万部超えるとSFではなくなる」らしいので(2131)

嘘です。大嘘。いいがかり。

》三枝さんの過去の言説から5万部以上(2138)

これは、私が出した数字ではなくて、どこかの編集者さんが大森さんに話した数字ではなかったですかね?

2138//なんか気に障ること書きました? (1999/05/13 18:55:29)
MAIL::たかみ
べつに批判しているつもりも、勘違いしているつもりもないんですけど。

結論:映像化前に『リング』は売れていた。

どのくらいというのは三枝さんの過去の言説から5万部以上(海法さんに反論するためとはいえ、この数字を出したのは三枝さんですよね)と推測した。
実際はどのくらいだと思いますか>閾値

それとも、閾値理論も間違いですか?
少なくとも、ローカル書店に十分に流通したり、一般の雑誌で話題になるには、ある閾値を超える必要がありますよね。

2137//念のため。いいがかりをつけられるのがいやなので (1999/05/13 18:42:10)
MAIL::三枝
2135のタイトルを「それは私の発言じゃありません>たかみさん、小林さん」ではなく「それは私の意見じゃありません>たかみさん、小林さん」に訂正しておきます。
2136//論旨が混乱していますね>たかみさん、小林さん (1999/05/13 18:26:58)
MAIL::三枝
》ある程度売れたことによって、映像化のチャンスをつかんだんですよ
っていうのはどの程度? と最初からお聞きしてるつもりなんですけど。(2131 たかみさん)

ハードカバーが打ち止めになった時に、映像化がされたことによって売れるようになったわけではないという話をしています。最初から。
一方的に勘違いで決着するのはやめてくださいね。

》ベストセラーの実績がある作家の場合、初版数十万部ということもあるのですが、この場合最初から閾値を越えているのでしょうか?(2133 小林さん)

売れない作家(新人)が売れるようになるきっかけの話をしているのに、「ベストセラーの実績がある作家」の話をして、どうしようと言うんですか?
それじゃ何が言いたいのかわからないクララちゃんでしょう。


2135//それは私の発言じゃありません>たかみさん、小林さん (1999/05/13 18:20:05)
MAIL::三枝
「5万部を越えるとSFではない」という発言は、グィンサーガを海法さんが「SFではない」とおっしゃったのに対しての、【質問】なんですが。
私は、5万部を越えようが、日販週間売り上げ文庫本ランキング初登場1位(事実)であろうが、「グインサーガ」はSFだと思っています。
言ってもいないことを批判されても困ります。
(私の意見ではないので、私の意見と整合性がとれないのは、当たり前です、たかみさん。いいがかりはやめてください。)

2134//RE:「サイフィクト構想」の考察 (1999/05/13 18:11:32)
MAIL::三枝
》例えば、どんなジャンル、作家も常に秀作ばかりを産み出すことは不可能ですね。なのに、必ずしもすべてのレーベルが破綻しなのはなぜかという説明ができません。

破綻しないレーベルは、レーベルとしての枠組みがきちんとしているのでしょう。編集者が、たとえば「難しすぎるもの」「後味の悪いもの」など、レーベルの性格に合わない作品をきちんとはねのける能力があるのだと思います。
レーベルとしての方針がはっきりしているということですね。それができれば、個々の作品の出来が悪いことはあっても、少なくとも「わけがわからない」作品を出すことだけはなくなるでしょう。
サイフィクト構想は、ジャンルにふさわしくない作品をはねる基準をあらかじめ確認しておいて出発することによって、ウケる作品が出る打率を高めるという構想だと思うのです。
100%ウケるということではなく、ジャンルとして打率をSFより高めることで、ジャンルとしての信用を得ようと話ではないのでしょうか?

》「サイフィクト」内で発生する非エンターテイメント系の小説をどう防ぐかが問題になります。

そうですね。「サイフィクト構想」をいかに徹底させるかは、後続の作家の質と同様、成功の鍵になると思います。
その点、梅原さんの妙に頑固な性格はお誂え向きですよ(笑)。サイフィクトの名で、サイフィクトでない(娯楽性がない)作品が出れば、大騒ぎして抗議しそうですもん。

》せっかく、「ホラー」がうまくいっているのに、うまくいくかどうかわからない「サイフィクト」にそれらの作品を譲ってくれることはまずないと思われます。

最初は、良い作品で、ホラーに向いていなくて、サイフィクトに向いている作品のみで始めるしかないでしょうね。
「ソリトンの悪魔」や「日本沈没」のような作品はホラー向きなので、ホラーはサイフィクトに譲ってはくれないでしょう。しかし、「Y」や「時をかける少女」「秘密」のような作品なら、ゆずってくれると思います。
また、作家さんも「ホラー(恐怖)」というしばりをかけられずに娯楽SFを書きたいと考える方が必ずいらっしゃることでしょう。大人向けの話を書きたいと思い始めたヤングアダルトの作家さんもいらしゃるでしょう。そういった作家さんのエゴが、良い方角でサイフィクトを回して行く可能性があるのではないでしょうかね。

2133//閾値 (1999/05/13 18:01:05)
MAIL::小林泰三
>どうも三枝説によると「5万部超えるとSFではなくなる」らしいので、その辺がジャンル村を越えて繁栄する
>基準なんだろうか。
>少なくとも、角川メディア戦略に載る前に、必要なモメンタムは確保していたわけですね。ふむふむ。
>たしかに、それが5万部程度なら、新文庫創刊の宣伝効果で売っちゃいそうな気がしてきましたね。角川なら
>。

ベストセラーの実績がある作家の場合、初版数十万部という
こともあるのですが、この場合最初から閾値を越えているの
でしょうか?

2132//「サイフィクト構想」の考察 (1999/05/13 17:43:56)
MAIL::小林泰三
>三枝 様
>ですから、「サイフィクト構想」は、やらないより、やった方が良いんです。
>少なくとも、「失敗するからやらない方がいい」だなどど、根拠のない反対はしないで
もらいたいと思いま
>すね。

もちろん、「サイフィクト構想」を行なうに当たってのデメリットはないですね。
最悪でも、現状維持ですから、やる価値はあるという考えも成り立ちます。

ただ、僕は「サイフィクト構想」にはいくつか弱点があるような気がするのです。

(1) 理論的な根拠の弱さ
「サイフィクト構想」は「梅原理論」に基づく訳ですね。僕が理解している限り、
この理論は

i) 過去に SF のレーベルで、非エンターテイメント系の小説が発行された。
ii) それを読だ読者は SF はおもしろくないものだと認識した。
iii) 結果として、SF というレーベルを付けただけで、読者は避けるようにな
ってしまった。
iv) エンターテイメント系 SF だけを別レーベル「サイフィクト」ととして
再出発すれば、読者の拒絶反応がなくなる。

ということになるのですが、これはあくまで梅原さんのたてた仮説であって、
実証されたものではありませんね。
例えば、どんなジャンル、作家も常に秀作ばかりを産み出すことは不可能で、
すね。なのに、必ずしもすべてのレーベルが破綻しなの
はなぜかという説明ができません。

また、うまく立ち上げに成功したとして、「サイフィクト」内で発生する非エンターテイ
メント系の小説
をどう防ぐかが問題になります。すべての作品を梅原さんが検閲して、許可を
出すというのも現実的ではないでしょう。

(2) 対出版社の問題
現状で「サイフィクト」を立ち上げた場合、かなりの部分が「ホラー」と
重なってしまうことになります。せっかく、「ホラー」がうまくいってい
るのに、うまくいくかどうかわからない「サイフィクト」にそれらの作品
を譲ってくれることはまずないと思われます。

個人的には、弱点が多い「サイフィクト構想」に情熱と時間を注ぎ込む
よりは、
(1) すでに、実質 SF の代替レーベルとなっている「ホラー」もしくは
「ヤングアダルト」に力を注ぐ。
(2) SF レーベルでのベストセラーを作るべく画策する。
などの方策の方がより、効率的な気がします。

どう思われますか?

>たかみ 様
>個人的にはあるレベルに閾値があって、そこを超えればジャンル内読者だけではなく、
いわゆる一般大衆に
>も売れる状態になるんではないかと考えていますが、問題は**賞だとか、**文庫創
刊とかだけで、それ
>までまったく売れなかった小説が閾値を超えられるかどうかなんですよね。(もちろん
直木賞とか芥川賞は
>別格なんですが)

ホラー大賞をとった作品も必ず閾値を超えているように思えます。(サンプル数2)(^^;)
ただ、残念なことに、大賞以外の長編賞、短編賞にはそのような効力はないようです。

2131//個人的には決着しました (1999/05/13 17:41:59)
MAIL::たかみ
ふーむ。
三枝さん>ある程度売れたことによって、映像化のチャンスをつかんだんですよ
っていうのはどの程度?
と最初からお聞きしてるつもりなんですけど。わかりにくいですか?
#またメタ化するんで打ち切りか?

どうも三枝説によると「5万部超えるとSFではなくなる」らしいので、その辺がジャンル村を越えて繁栄する基準なんだろうか。
少なくとも、角川メディア戦略に載る前に、必要なモメンタムは確保していたわけですね。ふむふむ。
たしかに、それが5万部程度なら、新文庫創刊の宣伝効果で売っちゃいそうな気がしてきましたね。角川なら。
もっとも、SFの大半は5万部も売れていない(三枝説)ならば、ハードカバーで数千部ってのは「かなり売れた小説」に分類されるべきでしょう。

#恐るべきはホラー文庫ではなく、角川書店ってことですね。小林さん。

2130//餅屋の論理はわからない (1999/05/13 17:29:26)
MAIL::三枝
》角川商法のような周到にして強力な営業戦略なり、あるいは5年先10年先を見据えた長期的戦略なりが不可欠だろう、ということ

角川って、戦略あって始めたんですか? ホラー。
東さん、お金があって広告が打てたから売れた(2127)と書かれていた記憶があるんですが。
長期的展望ってのなら、東さんの方が、角川よりずっと長期的見通しでやっていたのではないんですか?
「100年先に残る本」

私は、広告がうてたから売れたという言い方はイヤだな。いいわけとして言いたいだろうとは思いますけど。
宣伝が巧い会社なら売れるってのなら、角川の本は全部ベストセラーになるじゃないですか。でも、そんなことはないでしょ。売れた本は、売れるだけのものがあったから売れたと言いたいですね。でないと、売れた作家さんに失礼だと思うので。
角川だって売れない本は沢山ありますよ。横溝賞受賞作だって、売れない本が沢山あるでしょう?

》そこそこ売れてくれればやっていける出版社もたくさんある

なら、最初から撤退しなくてすむところでホラーの雑誌を作ったらどんなものでしょう?
だって、続かないと、100年先に本は残らないじゃないですか。

2129//なるほど(苦笑) (1999/05/13 16:46:58)
MAIL::東 雅夫
>広告うてなくても、やおいを出している弱小出版社は、とりあえず生き残っているところが沢山ありますよ。
ですから、「餅は餅屋」だと言っているのですよ!
一冊の本が生み出すことを要求される利潤のレベルは、その出版社の規模とか経営状況とかによって上下するわけで、特に宣伝などしなくても、そこそこ売れてくれればやっていける出版社もたくさんあるわけです(国書刊行会とか『幻想文学』の場合なんか、まさにソレですが)。
学研やぶんか社の場合は、会社側の期待するレベルと、ホラー市場の実態(=特に大宣伝を打たなくても動く部数ってことね)とのあいだに落差があったので撤退した、というだけのこと。
で、その壁を破るためには(つまり数千、数万という部数を、数十万、数百万という単位に引き上げることね)、たとえば角川商法のような周到にして強力な営業戦略なり、あるいは5年先10年先を見据えた長期的戦略なりが不可欠だろう、ということです。
これは別に「言い訳」などではなくて、ひとつの「教訓」として言っておきたかったまでのこと。「今、ホラーがブーム」などという浮っついた風潮に踊らされて安易に手を出すと、痛い目をみまっせ〜、というね(笑)。

>だって私、藤木凛の広告って、そんなに見た記憶ないんです。
たとえば新刊が出るたびに、一本立ちの地下鉄中吊り広告(やたらカネがかかる)を打ってるでしょう。新人としては破格の扱いかと。

2128//餅屋の言い訳か…… (1999/05/13 15:06:14)
MAIL::三枝
広告うてなくても、やおいを出している弱小出版社は、とりあえず生き残っているところが沢山ありますよ。
本の広告、宣伝って、どの程度採算が合うものなんでしょう? だって私、藤木凛の広告って、そんなに見た記憶ないんです。服部真澄なら、かなり見ましたけど。

2127//餅は餅屋!? (1999/05/13 14:55:04)
MAIL::東 雅夫
はじめまして。こちらの掲示板、よく拝見しておりますが、このところ「ホラーウェイヴ」(←これが正しい表記です!)だの「学研」だの、胸が痛む名前が続出するのにいたたまれず(笑)、一言発言させていただきます。
角川ホラーが成功して、ぶんか社や学研が失敗した理由は至ってカンタン。パブリシティを含めた営業力の圧倒的格差に尽きると思います。
仕事先の悪口めいたことは言いたくないのですが、自社媒体以外、満足に広告一本打てないのでは、ハナから勝負にならないのですよ(その意味で、角川と並ぶ営業上手の徳間が、本気でSF新人賞に取り組む気なら相当に期待できるとは思います。なにせ藤木凛なんぞを、あれだけ売り出しちゃうんだからな〜)。
あ、それからぶんか社が撤退したのは、ホラーが商売にならないと判断したためではなくて、経営状態が急激に落ち込み、文芸書のような手間ヒマかかって利の薄い分野を維持する根気と体力がなくなったから、なのですがね(それで最近は安直なタレント本ばかりを必死で量産している)。
ぶんか社でのホラー路線立ち上げを相談された際に小生が提案したのは、「角川がやらないことをやる!」でした。まあ、そもそも「文庫」と「新人賞」などという湯水のようにカネのかかる分野は、参入したくても出来なかったとは思いますが。
それで「ハードカバー叢書」「雑誌」「ランキング本」という地道な三本柱を立てて、いわば「ホラーにおける早川・創元」路線を狙ったわけですが(笑)、一年もガマンできずに投げ出してしまったのは残念でありました。
あ、ちなみに「雑誌」はカネがかかるだろうと突っ込まれそうですが、『ホラーウェイヴ』は体裁こそ雑誌ですが、流通的には書籍扱いで、おまけに人件費が限りなくゼロに近い(何故かは聞かないでね、哀しくなるから)という条件下で実現したものなので、あくまでゲリラ的産物なのです。
小生自身は、もともと大部数の本をつくることに何の関心もない外道な編集者ですし、「100万部売れる本より100年先に残る本を」というのがポリシーですので(笑)、学研でもぶんか社でも、それなりの仕事はさせてもらえたかな、と実のところ個人的には納得しているのですけれどね。

2126//お約束の世界 (1999/05/13 14:03:12)
MAIL::三枝
じゃあ、「お約束」と言うより、「別世界物」と言うべきなのかな?
しかしそう言ってしまうにはあまりにも、お約束というかパターンの積み重ねがありすぎるような。
これがもし一つの世界なら、クトゥルーっよねえ。

2125//売れたから映画になったんでしょ、リングは。 (1999/05/13 13:56:35)
MAIL::三枝
TV化や映画化したから売れたのではなく、ある程度売れたことによって、映像化のチャンスをつかんだんですよ、「リング」は。
映像化が売れるきっかけにならなかった例には、村上春樹の「風の歌を聴け」があります。村上春樹のブレイクは「風の歌を聴け」の映画化から何年もあとの「ノルウエイの森」出版まで待たなくてはなりませんでした。「ノルウエイの森」はたしか映像化されていないはずです。

2124//お約束の世界 (1999/05/13 13:23:16)
MAIL::たかはし
やぶにらみさん:
>スペースオペラは「非日常」ではなくて「日常」なのだと思います。
>私も含め今の読者は、子供の頃から、アニメや映画で、あの手の世界観に馴染んでいます。
>時代劇なんかと一緒で、いわゆる「お約束の世界」ではないでしょうか。

ええっと、ちょっとこの発言の意図がとれないのですが……。

やぶにらみさんとしては、梅原さんの分類、「サイフィクト」「スペオペ」「超メタ言語的作品」というものに対して、「サイフィクト」「お約束なもの」「超メタ言語的作品」にした方がより良い、ということですか? で、「お約束のもの」というのは、「必ずしも日常的ではないにせよ、テレビや映画などで馴染んでいるような作品」、ってことで。

でも、そうすると分類としては使いにくいですよね。どこまでがお約束なのか、その範囲が決まらなさそうなので。

2123//お詫びと問題の明確化 (1999/05/13 13:22:32)
MAIL::たかみ
重ねて申し上げますが、「***はクズだが、タイアップのおかげでベストセラーになった」などと言うつもりはまったくありません。
が、色々な形のタイアップがその原作を、さらに、売り上げるという効果は否定しきれないと思います。
たしかに、瀬名さんをはじめ、プロの作家のみなさんがご覧になる場では不適当(不穏当?)な発言だったかもしれません。気分を害された方には深くお詫びします。

ただ、小林さんの疑問である「リング敗者復活の秘密」(なんかプロレスみたいな字面)を探る上で、小説『リング』初版発行→ホラー文庫化→TVドラマ化→映画化決定→映画公開→TV再ドラマ化という歴史の中で、売上の推移を見ることは重要な意味があると思うんですよ。
ホラー文庫化の時点で売上が跳ね上がっていたというならば、三枝説が正しいんでしょうね。

#実売上部数が外部からはわからないのは承知の上で、ベストセラーリストとか、書評での取り上げ方とかから間接的に推し量るしかないとは思いますが。

個人的にはあるレベルに閾値があって、そこを超えればジャンル内読者だけではなく、いわゆる一般大衆にも売れる状態になるんではないかと考えていますが、問題は**賞だとか、**文庫創刊とかだけで、それまでまったく売れなかった小説が閾値を超えられるかどうかなんですよね。(もちろん直木賞とか芥川賞は別格なんですが)

つまり、「『リング』はどの時点で閾値を超えたのか?」が俺の疑問なわけです。
三枝さんの解答としては「ホラー文庫化ですでに超えていた」でよろしいんでしょうか。
あと、他に詳しくご存知の方がいらっしゃったら、教えて欲しいです。

2122//[] (1999/05/13 12:34:16)
MAIL::三枝
》「選考委員全員大絶賛帯」の威力

それはちょっとぉ……。そう書かれて売れない本なんていくらでもあるわけでして。
帯の文句で売れるんなら、作家は苦労しませんって。

2121//きっかけ (1999/05/13 12:29:07)
MAIL::たかはし
「リング」の方はちょっと覚えてないんですが、「パラサイト・イヴ」の方は「選考委員全員大絶賛帯」の威力が大きかったと思います。発売当初から話題になったのはあの帯と宣伝のせいではないかと。
#もちろんそれ以降は別ですよ。

この年(1995年)はこれと「テロリストのパラソル」(これも選考委員全員大絶賛)の帯が強烈だった、と記憶しています。

2120//時系列 (1999/05/13 11:57:00)
MAIL::三枝
『リング』の二時間TVドラマ版は、「リング」がある程度売れてからですね。『パラサイト・イブ』のゲーム化に至っては、100万部以上売れたあとですし、『黒い家』と「和歌山カレー事件」では、2年近いタイムラグ付きで、事件の方がはるかにあとです。(とっくの大昔にベストセラーでした。「黒い家」は。)

それらのイベントが本が売れるきっかけになったと言うのは、「星界の紋章」が売れたのをアニメ化のおかげだというようなもので、見当違いですし、作家さんに対して失礼でしょう。

2119//きっかけ (1999/05/13 11:46:38)
MAIL::たかみ
どーも気になってて、思い出せないことがあるんですが、『リング』の二時間TVドラマ版(確か主演は高橋克典かだれかで、当時話題の脱ぎ系アイドルが貞子をやったやつ)って、『リング』が爆発的に売れる前でしたっけ、後でしたっけ。あやふやな記憶では、TVドラマ化の段階で、ポップ付きの平積みになっていたような気もするんですが。もちろん映画化決定後に、“さらに”爆発的に売れたのはいうまでもないんですよね。

あと、『パラサイト・イブ』もゲーム化までされてしまってますし、貴志祐介氏の場合も(『黒い家』でしたっけ?)和歌山カレー事件で有名になったんじゃなかったでしたっけ。

ホラー関係はまったく弱いので時系列関係がわからないんですが、売れ行きのグラフとイベントの関係を見てみたくてしょうがありません。

別にタイアップがあったから売れたと主張する気はありませんが、売れるきっかけとしては、賞取り云々よりは信憑性がありそうな気がして。(あくまでも仮説ですけど)
#こうなると、タイアップ無しで、無名作家のホラーが売れた実例が欲しいなぁ。

2118//要はきっかけなんですよ (1999/05/13 09:47:18)
MAIL::三枝
》この辺りはなんとも言えませんが、それを言うとプロパーなホラーも同様ではないでしょうか?

「ホラーウエイブ」出していたところは、雑誌も叢書シリーズも撤退でしたね。
ベストセラーが一冊出ていたら違っていたと思うのですが。

》一発ベストセラーが出れば、「冬の時代」とか、「サイフィクト」 とか言っていたのが懐かしくなるかもしれませんね。

そう。
私はホラーで学研がこけて角川が残った理由を、たまたま鈴木光司、瀬名秀明、貴志祐介と、良い具合の間を開けて良い作家が続けて出たおかげだと考えています。
で、なぜそういった作家が学研では出なくて、角川で出たかというと、角川は「横溝賞」と「ホラー大賞」という新人賞を持っていたからでしょう? 新人賞ってのは、人様の注目をあつめる「きっかけ」になるんですよ。特に第一回受賞作ってのは。
もちろんそれは「きっかけ」であって、確実に売れるための「仕掛け」にはなりません。実際、第一回ホラー大賞で佳作に残った3人の作家さんのその後はものすごい差であることを見れば、誰にだってわかることです。

「SF新人賞」は、きっかけになると思うんです。
「今更、SF? でも何年ぶりかの新人賞ってどんなものだろう」と、とりあえず「読んでみよう」と思わせるきっかけがある。もちろん、読んでもらえておもしろかったら売れるでしょう。
そうやってベストセラーが出れば、「SFもおもしろい」と思われる可能性があります。今のSFのベストセラー(「クロスファイア」とかですね)と違って、ちゃんとSFと名付けられて出される本ですから、おもしろい場合、「宮部みゆきはやっぱりおもしろい」ではなく、「SFはおもしろい」と言ってもらえる。
その勢いで、あと2、3冊同じタイプのヒット作がSFと名付けられて出たならば、一気にSF冬の時代は終わるでしょう。
しかし、SF新人賞がSF者にしかウケない、一般の人にはどこがおもしろいのかさっぱりわからないような作品を選んでしまったならば、たぶんSFの冬は、さらに厳しく続くと思います。
今度の新人賞の責任は大きいと思いますよ。

で、今回の新人賞がこけて、きっかけがつかめなかったならば、やはり「サイフィクト構想」でもやらないと、SFの立ち直りは無理ですしょう。
今の状態のままでは、「SF? それ、いいよ。(見なくても、つまらないって)知っているから」ってことで、読者からは門前払いですから。でも、「サイフィクトです。SFと違います」と言うことで、「(つまらないかもしれないけど、違うと言うのならば)とりあえず見てみようか」ということになる、チャンス、きっかけがありますから。

ですから、「サイフィクト構想」は、やらないより、やった方が良いんです。
少なくとも、「失敗するからやらない方がいい」だなどど、根拠のない反対はしないでもらいたいと思いますね。

2117//パルマ強し。 (1999/05/13 04:47:58)
http://www.ltokyo.com/ohmori/ MAIL::大森 望
ってUEFAカップなんか見てる場合じゃないんだが。

>>噂の真相。
瀬名さんの書き込みのおかげで、うちには最新号が二冊になってしまいました(笑)。両方が買うほとんど唯一の雑誌なんでダブりがちですが。
それにしても意図のよくわからない記事。どうせなら「綾辻行人スランプ」とか(笑)
まあしかし、小説家の人は、小説以外の仕事はみんな余技だと思われるからたいへんですね。余技だけで生計をたててると楽かも。
いやそうすると今度は「そろそろ小説書いたらどうですか」とか言われるんだけど(笑)

2116//Re: リング (1999/05/12 23:54:08)
MAIL::小林泰三
>問題は、作家名ではまだ売れない新人のSF作品で、ホラーとかミステリとかで売り出されたものなのですが。
>「レフトハンド」とかですかね。村田基さんのホラー文庫で出た短編集とか、「シンカー 沈む者」とか、「金のゆりかご」とか。
>かなり売れたのでしょうか?

この辺りはなんとも言えませんが、それを言うとプロパーなホラー
も同様ではないでしょうか?

>今度のSF新人賞は、適切な受賞作さえあれば、「SFと銘打った久々に売れるSF」になるかもしれません。

一発ベストセラーが出れば、「冬の時代」とか、「サイフィクト」
とか言っていたのが懐かしくなるかもしれませんね。

2115//角川関係者とは (1999/05/12 23:47:34)
MAIL::細田
『噂の真相』関係者が行くような場所(新宿ゴールデン街とか)で飲んでいる角川の人間でしょう。ホラー文庫とか瀬名さんの担当編集者じゃないと思います。

2114//昨今は三日休んでもスランプと言われかねないですから (1999/05/12 23:22:06)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ray_fyk/ MAIL::冬樹蛉

>瀬名秀明さま

先日は『小説と科学』をご恵贈くださり、ありがとうございます。たいへん
面白かったです。“難しさ”と“面白さ”は両立するということを、少なくと
も『BRAIN VALLEY』に関してはデータを挙げて論証していらっしゃる点、非常
に興味深く思いました。本来、こういうことはさまざまなジャンルの小説にわ
たって、出版社がやるべきだと思ったことです。もっとも、やってはいるが他
社を利する義理はないので情報を公開しないだけかもしれませんが……。

〈噂の真相〉って、National Enquirer のバッタものみたいなあの雑誌のこと
ですか?

>どんな凄いことが書いてあるかと思えば、外しまくりで拍子抜け。誤解される
>方がいるといやなので、以下に訂正とコメント。

誰も誤解しやしませんよ(笑)少なくとも、私の知っている人はみなあの媒
体を報道ではなく娯楽として認識しています。たまたま結果的に“ほんとうの
ことが書けてしまった”ときには鼻高々なんでしょうが、嘘八百だったことに
関して誠実な謝罪と責任ある訂正・フォローがあったという話は寡聞にして知
りません。あの媒体に「竹下登は宇宙人に誘拐されていた!」という記事が出
ても、私は全然驚きません。あれはあれで一部の国民に娯楽を提供しているわ
けですから、そういう意味では社会に貢献しています。作っているのは悪い人
たちではないでしょう。洒落だと思ってないとやってられない仕事でしょうが。

書かれるほうは迷惑でしょうけど、まだまだ瀬名さんは、記号として消費可
能な存在だということが証明されたわけですよ。消費し尽くして、ゴシップの
商品価値すらないということになったら、そのときはほんとうに心配なさるべ
きです。記号としての瀬名秀明がどう書かれようが、作家としての評価とはまっ
たく関係ないでしょう。

だいたい、作家が一年や二年や三年や四年や五年や六年、新作を書かなかっ
たからといって、それのどこが「スランプ」なんでしょうね。そのいう考えか
た自体が、悲劇的にせっかちだと思います。十年に一作のペースでコンスタン
トに本を出すのが最も調子のいい状態だという作家だっているでしょうに。思
うに、先日ちょっとスポットを浴びたあとたいしたネタがなくて、〈噂の真相〉
のほうがスランプに陥ってるんじゃないすか。〈噂の真相〉は岩波書店という
出版社を知らないとか(笑)。

>「スランプ」といわれないためにも、今後は小説以外の依頼を一切断ろうかと思案中。

仕事のなさりかたに関しては、瀬名さんがご自分で決められることですから
私ら読者にはなにも言えませんが、“記号”として使い捨てられないようには
お気をつけになってください。私は「歌う女」(小松左京)が唄うのを待ちま
す。


2113//「リング3(4)部作」の発行間隔 (1999/05/12 20:54:37)
MAIL::三枝
「らせん(2作目)」と「ループ(3作目)」間の出版時期の間隔が、「リング(1作目)」と「らせん(2作目)」間よりも詰まった理由は、作者への「らせん(2作目)」の執筆依頼が「リング(1作目)」が売れたのを確認してから後になったのに対して、「ループ(3作目)」の発注が「らせん(2作目)」と同時か、「らせん(2作目)」執筆終了直後であったためではないでしょうか。
また「ループ(3作目)」と「バースディ(4作目)」の間が詰まるのは、「バースディ(4作目)」が2作目〜3作目執筆の頃に書いた短編を含んでいる(半分すでにできていた)せいであったためと考えます。

2112//re:なぜ疑問なのか疑問 (1999/05/12 20:05:30)
MAIL::haster
#2111の三枝発言
>はい。この時はホラー文庫としては出なかった記憶があります。
>違うのでしょうか?

ハードカバー発売時と角川ホラー文庫発売時を混同してました。
そのため、「三枝さんはリング発売時に角川ホラー文庫と言う形態で発売したので、注目され、売れたと主張しているが、小林さんは初版が余り売れなかったと違う意見を言っている」と言う風に誤解しました。
比較する時期がずれてては話になりませんよね。申し訳ありません。

ただ、「リング→らせん」の出版間隔が、「らせん→ループ→バースディ」の出版間隔より長かったように思ったので、

#2107の三枝発言
>つまり「リング」を出した時の鈴木さんは新人の鈴木さんであって、作家名では売れなかったので、適切なジャンル表示が必要だった。

と言ったように、適切なジャンル表示(角川ホラー文庫)で出たら、すぐ売れたように感じられなかったですよ。(ま、続編が出なかった期間が長いから売れてないわけじゃないですよね。ただ、売れた後の続編の出版ペースを見るとそう感じてしまったわけで……)

2111//なぜ疑問なのか疑問なのですが (1999/05/12 19:15:07)
MAIL::三枝
》これだと文庫が立ちあがった直後に注目を受けたようなニュアンスにとれたのですが、

はい、そうだったのではないですか?

》「リング」がハードカバーで発売された時、初版数千部 で、打ち止めだったのは有名な話です。

はい。この時はホラー文庫としては出なかった記憶があります。
違うのでしょうか?


2110//疑問なんですが (1999/05/12 18:00:17)
MAIL::Haster
枝葉の事かも知れませんが、一つ確認を。

リングについてですが

#2107の三枝さんの発言
>毎年何作かある「横溝賞の候補作の一つ」ではなく、「新しく立ち上げた文庫シリーズの中の一冊(で、ほぼ新人の作品)」であったというのは、より注目を集めるきっかけになったろうと思います

ですが、これだと文庫が立ちあがった直後に注目を受けたようなニュアンスにとれたのですが、それでは

#2097の小林さんの発言
>「リング」がハードカバーで発売された時、初版数千部
>で、打ち止めだったのは有名な話です。

と矛盾するのでは無いですか?(だから小林さんは「敗者復活戦」と
言う表現をしたと思う)

個人的な意見としては、梅原さんが言う「サイファクト」等の売れる
レッテルを選択すると言うのは「基本」(と言うよりそれだけでは
不充分)でそれにプラスα(マルチメディアな宣伝とか、口コミ、
影響のある紹介誌に載る、etc)な戦略があったのではないでしょうか?

2109//注目されるという意味で (1999/05/12 17:43:33)
MAIL::三枝
今度のSF新人賞は、適切な受賞作さえあれば、「SFと銘打った久々に売れるSF」になるかもしれません。
2108//2107補足 (1999/05/12 17:39:35)
MAIL::三枝
「パラサイト・イヴ」が売れたのも、ホラー大賞「最初の」受賞作ということで、注目されるきっかけがあったということだと思います。
もちろん、いくら注目されても、作品がおもしろくないと売れないと思いますけど。
しかしとにかく注目されるきっかけがないと、新人の本は売れにくいことも確かでしょう。

2107//RE^3:「リング」 (1999/05/12 17:34:54)
MAIL::三枝
》2) 内容とレッテルが合致したからこそ売れた。つまり、「リング」はホラーなのにミステリとして売ろうとして失敗したが、ちゃんと、ホラーだと正直に申告したので売れた。

はい、それもあると思います。
あともう一つは、「ホラーという売れなさそうなジャンル」を角川が立ち上げた。どんな作品が出されたのだろうと、興味を持って見られたということがあるでしょう。
毎年何作かある「横溝賞の候補作の一つ」ではなく、「新しく立ち上げた文庫シリーズの中の一冊(で、ほぼ新人の作品)」であったというのは、より注目を集めるきっかけになったろうと思います。
「やおい」の場合などは、新しい出版社がジャンルに参入した時には、その最初の配本では、明らかに作家の実力以上に売れたという事実があります。ほかのジャンルでも似たようなことが起きていないでしょうか?
「リング」の場合は、作品自体に力もありましたし、注目される理由、きっかけさえあれば良かったのでしょう。

》だとすると、SF は SF だと正直に申告せずに、「ホラー」だとか、「ミステリ」だとかのレッテルを付けても、ベストセラーになるのはなぜだと思われます?

そうですね。「Y」などは、レッテル貼りをしていませんね。露骨なSFではないので、それでも通るかもしれません。

次に、「Brain Valley」とか「クロスファイア」、「ループ」とかは、売れる作家が書いた作品であったからだということだと思います。
つまり「リング」を出した時の鈴木さんは新人の鈴木さんであって、作家名では売れなかったので、適切なジャンル表示が必要だった。で、「ループ」を出した時の鈴木さんは、大鈴木光司であり、ジャンル名より作家名で売れる段階に入っていた。(これと同じ方法で、メタ言語的なSFでも、筒井康隆が書くと売れるという事情が説明可能になると思います。)

問題は、作家名ではまだ売れない新人のSF作品で、ホラーとかミステリとかで売り出されたものなのですが。
「レフトハンド」とかですかね。村田基さんのホラー文庫で出た短編集とか、「シンカー 沈む者」とか、「金のゆりかご」とか。
かなり売れたのでしょうか?

2106//Re: 「リング」 (1999/05/12 17:01:15)
MAIL::小林泰三
>あたしはそれを、本には「つけるレッテルが重要」という意味にとりました。だから、
サイフィクト構想を
>評価するのです。
>「ミステリ」の横溝賞候補では売れなかった本が、「ホラー」文庫なら売れた。

もう少し、詳しく聞かせてください。
これは、

(1) 「ミステリ」というジャンルにはベストセラーを産み出す力はないが、
「ホラー」にはある。

という意味ではないですね。当時も今もミステリは売れている。しかし、
ホラー文庫以前のホラーは売れてなかったのですから。
となると、

(2) 内容とレッテルが合致したからこそ売れた。つまり、「リング」はホ
ラーなのにミステリとして売ろうとして失敗したが、ちゃんと、ホラー
だと正直に申告したので売れた。

ということでいいのでしょうか? だとすると、SF は SF だと正直
に申告せずに、「ホラー」だとか、「ミステリ」だとか
のレッテルを付けても、ベストセラーになるのはなぜだと思われます?

2105//ああ、キィワードだ。 (1999/05/12 14:03:32)
MAIL::三枝
やぶにらみさんが言ってくれた「お約束」ですね。「お約束の世界」、シチュエーションドラマのような。
拡大解釈スペオペは、シチュエーション・オペラとでも呼べないかな。長いか ^^;;)。

2104//RE:「リング」 (1999/05/12 13:57:50)
MAIL::三枝
》この凄まじい敗者復活の原因分析が SF の復権にも繋がるような気がしますね。まだ読者が成熟していなかったという意見はまとはずれに思えるし...

そうですね。読者の問題ではないんでしょう。
あたしはそれを、本には「つけるレッテルが重要」という意味にとりました。だから、サイフィクト構想を評価するのです。
「ミステリ」の横溝賞候補では売れなかった本が、「ホラー」文庫なら売れた。

2103//そうねえ……>たかはしさんへ (1999/05/12 13:52:23)
MAIL::三枝
》・宇宙を舞台にしたもの(これは広義のスペースオペラ?)
》・未来を舞台にしたもの
》・異世界(or パラレルワールド)を舞台にしたもの
》くらいは思いつくので、これらを全部ひっくるめられるような用語が求められます。なんかないすかね。

そうですね。それ全部で、ひとまとめでしょう。問題は、スペース・オペラと呼ぶのが適切ではないってことですね。どう考えても、語源が「宇宙」じゃ。
しかしファンタジーというと、また別の意味になりそうで。難しいですね。

》さらに、クライトンばりの娯楽作品でなければ「超メタ言語的作品」、ってのにも無理がありそうな。

クライトン程度には、現実との接点を持てってことではないですか?
「パラサイト・イヴ」だって「クロスファイア」だって、日常との接点があるという意味では、クライトン程度かそれ以上だと思いますが。

》えと、青山掲示板に移ったほうがいいんでしょうか?

いや、得には。たかはしさんは別口でやれって、大森さんには言われていないっしょ? ただ、青山さんの掲示板なら、梅原さんの主張を読まずに反対する人が少なくて良いかなと、思っただけです。たかはしさん、読んでいるもん。

》「星新一」です……。

あ、ごめーん。書いたあとから、筒井さんだったっけかな、小松さんだったっけかな、星さんだったかなと。
だって、だって、新井さんがデビューした頃には、あたしまだ、小学生だったはずなんだもん。その頃には翻訳SFしか読まなかった。(←いいわけ)

2102//つまんない話しかできないばるどあんさんへ (1999/05/12 13:37:27)
MAIL::三枝
》海法さんは梅原先生に「命令」なんてしてないよな。

じゃあ、何を絡んでいるんでしょうかね。

》「理由はない」って何かしら。理由は海法さんとかが、散々言うとりますな。リンク切らない方が得よって。

得な理由もないのに「得よ」って言うのは、理由がないってことですよ。
実際、得だから薦めているのではなく、自分の好きな作品の出版援助のために、そういった作品を見捨てないで欲しいと言っているだけなんでしょう。困ったものです。

2101//日常の基準 (1999/05/12 13:21:41)
MAIL::やぶにらみ
>たかはしさま

スペースオペラは「非日常」ではなくて「日常」なのだと思います。
私も含め今の読者は、子供の頃から、アニメや映画で、あの手の世界観に馴染んでいます。
時代劇なんかと一緒で、いわゆる「お約束の世界」ではないでしょうか。
そうした安心感に立脚しているから、敷居が低く、より一般的な読者層が見込めると。