【10月1日(日)〜17日(火)】

 あーしんど。
 ってことでやっと社会復帰しました。
 9月の30日、土曜日に退院して、日曜と月曜でたまりにたまった原稿6本をかたづけ、んでもって火曜日、えーと10月3日から11日までは東陽町のホテル、イースト21で収容所生活。いわゆる缶詰(正式には館詰と書くらしい――でも旅館じゃないからいいや)ってやつで、ホテルの部屋からNIFTY-ServeとかのBBSには入れるんだけど、Dynabookにはインターネット関係のドライバがインストールされてないので(Netscapeだけは入れてある)、ircも日記更新もできないのである。
 イースト21っていうのは3年前にできた深川のシティ・ホテル(って謎だなしかし)で、シングルが1万5千円からっていうクラス。西葛西から地下鉄で2駅って距離なんだけど、深夜の移動とかも考えてスクーターで直行。フロント前に50ccでバリバリバリと乗りつけ、ドアボーイに、
「宿泊なんだけど、どこ停めればいいの?」
 というめったにできなことができたのでちょっとうれしいかも(笑)

 イースト21はユニーの生活創庫ってビルが隣接してて、前は多目的広場、周囲は複合モールっぽくなってて、VOLKSがりミスドがあり丼があり……という状態。道路をはさんだ向かいがイエスタデイズ、1分くらい歩くとスカイラーク(いまどき)がある絶好のロケーションなので、ファミレス翻訳者のわたしとしてはたいへんありがたかったす。ただ午前2時でみんな閉まっちゃうのはちょっとね。明治通りまで出ればジョナサンが開いてるからいいんだけどさ。
 ホテルのほうはやっぱりプールですね。あと風呂。宿泊客でもプラス3000円とるんだけど、その値打ちはあります。しかも全然客がいなくて、二回行ったけど二回ともプールはオレひとりだったもんなあ。プールサイドにはテーブルが置いてあるので、パソコン持ってって仕事してたという。室温上げてあるから裸でキーボードたたいてて暑くなるとプールに飛び込んでジャクージ入ってまた仕事ってパターン。
 9月いっぱいだとガーデンプールがオープンしてたんだけど、これがまた広くてすげーいい。来年の夏は自費で一週間くらい遊びに来てもいいなあ。
 ……などと書いていると優雅に遊んでいたようだが、仕事はちゃんとしてたんである。一日平均実働時間は12時間越えてるんじゃないすかね。といっても缶詰後半は、本の雑誌にSFマガジンに頓知に……と雑誌原稿は入ってきちゃうし、スニーカー新人賞の2次選考の長編10本読まなきゃいけないしで翻訳生産量は落ちてたんだけどさ。
 あ、土曜日には遊びに来た三村美衣あんど小浜徹也夫妻と飯食って軽くカラオケ行ったとかいう話は内緒ね。のはずだけどてんぷらページの日記じゃなくなった日記に既報なのでしょうがない。ちなみにさいとうよしこはこのカラオケのあとひとりで白石朗邸に行って白石ジュニアのご尊顔をQV10で撮ってきてカラオケページに貼ったりしてるけどぼくは無実だよ。
 缶詰中の外出は、スクーターで動いた範囲をべつにすると、火曜日にリトル東京のミーティングに出たのと、金曜日に「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の試写に行ったくらいかな。しかし週末は多目的広場でウルトラクイズの撮りがあったり、日曜日に堺正章ショーがあったりするのでけっこううるさい。結婚式でラウンジはめちゃ混みだし。でもベルキャプテンやってたコがかわいかったす>イースト21。

 缶詰自体は11日に終了してひさしぶりに家で寝たんだけど、仕事のほうはけっきょくどどんと残ってたので気分は仮出所。木、金、土、日、月と泣きながら仕事をつづけて、ようやく終わったのが19日火曜日の朝。缶詰開始からちょうど2週間でしたね。進行予定表からすると5日遅れだけど、まあ6日間の入院があったからしょうがないよねってことで。担当編集者様には心よりお詫び申し上げます。


【10月18日(水)】

 仮出所後、午後7時に起きる生活がつづいてたんだけど、きのうは夜中にばったり寝ちゃったので、起きたら4時半。それからアニメージュ特別編集ムック用のGHOST IN THE SHELLの原稿。ぼくはどっちかっつうとパトレイバー2派なので、アニメ版攻殻は、出来がよくないってわけじゃないけど、企画的にハマりすぎてやや物語ない。押井守と士郎正宗の衝突する部分があんまりなくて、きれいに融合しすぎちゃってるというか。まあしかし技術的には最高峰っす>GHOST IN THE SHELL。

 原稿を送ってから、WOWOWとバンダイの製作で撮影中の実写特撮SF映画「宇宙貨物船REMNANT」の撮影現場を見学にゆく。堺三保が科学/SF考証を担当、JSB社員の添野くんがSFアドバイザー(っていうかコーディネーター)。監修は押井守で、CG部分は樋口真嗣。今日は実写部分の撮影やってる大映の撮影所行ってセットを見てきたんだけど、予算○千万(!)だけあって、宇宙船のセットは超小型。カメラがはいんないから、撮影前にいちいち反対側の壁をはずさなきゃいけないという状況で、スタッフの苦労がしのばれることである。
「媒体はホームページってことで」(笑)と添野くんにいわれたのでちゃんと取材レポートを書こうかと思ったけどめんどくさいのでとにかくみなさんWOWOWが放つ宇宙特撮映画に期待しましょうね、ってことで。来春放送予定で、そのあと劇場公開見込みっす。


【10月19日(木)】

 1時半、八丁堀のJSBで映画情報ネットワーク会議の総会。なんかすげーひさしぶりな気がする。
 3時半、東映本社試写室でアニタ・ユン&レスリー・チェンの「君さえいれば 金葉玉葉」。ウェルメイドなロマンティックコメディでけっこうハマります。もろアジアン歌謡曲なディック・リーの主題歌が笑える。


【10月20日(金)】

 朝日新聞、小説トリッパーの名探偵特集に書く探偵プロフィール各4枚×5本(法月綸太郎、キッド・ピストルズ、メルカトル鮎、桜井京介、二階堂蘭子)の原稿のために、猛然と再読にとりかかる。一日で法月綸太郎モノを4冊、メモをとりながら一気再読。家庭の悲劇三部作相互のつながりがやっとはっきりわかってよかったよかった。しかしこの原稿、今日が締め切りなんだよな(笑)


【10月21日(土)】

 ひきつづき小説トリッパーの原稿。遅々として進まず。宝島社『このミステリーがすごい』用の書評エッセイ5枚、講談社文庫、阿井渉介『Y列車の悲劇』解説13枚に着手。


【10月22日(日)】

 強烈な頭痛で午前5時ごろ目が覚める。あまりの痛さに2時間ほど七転八倒。ようやく頭痛薬が効いてひと眠り。しかし午後は仕事にならず、ぼーっとする。ようやく復調した深夜から昨日書きかけた原稿をかたづける。


【10月24日(火)】

 午後7時、神保町で獏さんの写真展のオープニングパーティ。
 玉三郎が前を歩いていったり、一水会の鈴木邦男がいたり、中沢新一がスピーチしたり、けっこう謎なメンツ。SF関係者はわりとすくなめ。しかし徳間の関智氏の髪の毛が寝ているのに仰天。まるで別人のようである。
 北上次郎氏とは西澤保彦『七回死んだ男』話で盛り上がる。西澤保彦を評価しているのは北上次郎と大森望だけらしい(笑) しかし北上おやぢは倉知淳も評価しているんだよな。そのへんだけ妙に趣味が合うので困る。それにしても『スキップ』が今年のベストですか。そうですか。


【10月25日(水)】

 小説すばるカラオケ座談会のまとめ35枚を送ってから、新幹線で熱海。〈翻訳勉強会〉と呼ばれるSF翻訳者の集まりで、今回の参加者は浅倉久志、柴野拓美、高橋良平、鎌田三平、佐藤高子、嶋田洋一、白石朗、ジーン・ヴァントロイヤー……とぜんぶで十人くらい。ふだんは平均20人、多いときは30人を越えるんだけど、カニ食い放題にもかかわらず今日はすくなめ。ジュディス・メリルがまだ日本にいた時分、矢野、浅倉、伊藤の三巨頭がはじめたという由緒正しい会なんですけどね。ネイティヴを招いて翻訳上の疑問点を質問することから〈勉強会〉の名がついてるものの、あたしゃ今回は質問ないのでたんに温泉浸かって飲んで食って寝るだけ。
 カニ宴会後は日本シリーズ第四戦で盛り上がり、なんと三十年来のブレーブスファンという浅倉さん(突如イチローに転んだお嬢さんふたりが今日は神宮球場で観戦しているとか)の解説つきであのたいへんな試合を見る。
 試合が終わったところで、白石、小浜、塩澤、さいとう、大森の五人で熱海の街に出撃、おなじみのカラオケボックス、ナナで1時間歌ってからホテルにもどり、うだうだしてから寝る。


【10月26日(木)】

 起きたらいきなり喘息の発作。またかよ。しばらくじっとしてたら小康状態に復帰したものの、西葛西にもどってきたところでふたたび症状が悪化。しょうがないので新葛西病院に行って点滴して、ホテル・サンパティオ泊まり。
 ダイナブックは持ち込まないことにして、日本シリーズ最終戦(笑)とホラー大賞2次の原稿読み。


【10月27日(金)】

 午後5時、角川書店新社屋完成披露パーティ@飯田橋。東西線の飯田橋からとことこ歩いて深夜プラス1をのぞき、警察病院のほうに坂を上がっていくと、道沿いにずらっと角川社員が並んでゲストを案内している。新社屋前なんかほとんどどこかの組の襲名式かって感じ。11月にごそっと各編集部が引っ越してくる予定の新社屋の2、3、4階を使っての大宴会は出席者1200人とかっていうたいへんなもの。しかし著者関係の人数はえらくすくないような。幻燈舎系と角川春樹事務所系が抜けたせい?(笑) 富士見事業部系の著者はちらほらって感じ。SNEからは水野良が来てて、いまごろ地震の話を聞く。当然、安田社長も来ていて、ヴァーナー・ヴィンジの話をする(笑) 通信をはじめようと思ったら2400bpsで文字化けして困っているそうです。佐脇くんはなんとかしてあげるように。
 SF関係は眉村さんを見かけたくらいかな。訳書が20冊を数える風間賢二氏は来月の翻訳の世界に写真入りでインタビューが載るらしい。あと翻訳者系は東江一紀氏と羽田詩津子さんに会う。東江さんの七ヶ月七千枚計画はけっきょく半分しか達成できなかったらしい。やはり東江一紀も人の子である。「白石さんを見習いたい」のことでした。おれはべつにあんなにまじめに仕事したくないからいいや。来年は遊ぶぞ。
 ミステリ系は二階堂さん、綾辻さん、山口雅也さん、あと井上雅彦氏あたり。二階堂さんはあした島田荘司氏とご飯とたべるそうである。島田さんの新作は2400枚中1700枚までできて、上下巻で、年内に上巻だけ出るとか、吉敷物じゃなくて御手洗物だとか、未確認情報が乱れ飛ぶ。綾辻さんは、明日の推理作家協会麻雀大会のための上京。麻雀かカラオケでしか上京していないような気がするがきっと気のせいだろう。
 安田さんとか武田さん@ガイナックスとかとしゃべっているうちにミステリ作家連とはぐれてしまい、気がつくとなぜか篠田節子さん、小沢章友さん、それに「天地無用」のノベライズを書いてる長谷川さんていう女性と四人になって、神楽坂方面に向かってぶらぶら。んじゃカラオケ一時間かなあとか思っていると、とつぜん呼び止められてふりかえると綾辻さん。なんかみんなとはぐれてひとりになっちゃったから深夜プラス1に寄って、もうホテルに帰ろうとタクシーを待ってたところに遭遇したらしい。おそるべし綾辻。カラオケをかぎつける嗅覚は天性のものであろう(本人は否定)。
 んじゃやっぱりDAM行って「ノゾミ・カナエ・タマエ」歌うしかないっしょってことで(笑)神楽坂を上がってカーニバル1。しかし金曜ってことでDAMの部屋は満室。しょうがないのでGIGAを一時間半。いきなりグルグルのエンディングとオープニングではじまったんですが、あとは年齢相応の曲が中心。篠田節子さんの歌声が聞けたのでわたしは満足です。
 篠田さんといえば本は読んでるし(『贋作師』以降ぜんぶ)噂も聞いてるんだけど今日が初対面。小沢さんに紹介されてあいさつしたらいきなり、
「あ、大森さんてミステリマガジンでマキャモンお訳しになってたでしょ。あれの印象が強くて」
 といわれて茫然。このマキャモンの短篇ってのはブードゥーの呪術かなんかでちんちんが巨大化した男の話なんだよね(笑) やはり鈴木輝一郎氏と下ネタで盛り上がるという噂は真実であったのか。篠田節子おそるべし。


【10月28日(土)】

 きのう別口のカラオケから午前3時に帰ってきたさいとうよしこが39度の熱を発してダウン。病気の秋である。
 リットーミュージックの新雑誌SIFTのコミック評のためにマンガを物色するもいまいちぴんと来るものがない。レンタルビデオ屋で「金田一少年の事件簿」とか借りてきて読んでしまう(笑) まあいいんですけどね。「占星術」ネタってのはこれだったのか。
 いまいち元気がないのでGamewalker用のPS版「ときメモ」をはじめる。詳細は恥ずかしいので書きません(笑) タイプじゃない女の子についやさしくしちゃうのはよくないと思った。反省。


【10月29日(日)】

 NetWorksの映画評とMediaFrontのデジタル読書術。このミスのベストは、従来どおり国内編のみの参加。ついでだからそのまま引用する。

 ●このミステリーがすごい/私の選んだ今年のベスト6

 1『魍魎の匣』     京極夏彦
 2『痾』        麻耶雄嵩
 3『ソリトンの悪魔』  梅原克文
 4『らせん』      鈴木光司
 5『七回死んだ男』   西澤保彦
 6『ウロボロスの基礎論』竹本健治

 【コメント】
 「狭義のミステリー」から選ぶのを放棄したら、どれもこれも「SFもしくはそれ
 に準ずるもの」になっちゃったけど、今年は日本SF大逆襲の年だからしかたがな
 い(『痾』は『夏と冬の奏鳴曲』の続篇だから半分SFみたいなもんである)。惜
 しくも入れ損ねた『パラレルワールド・ラブストーリー』や『ローウェル城の密室』
 もSFだし。帯やカバーから「SF」の二文字が追放されようと、SFは読者の心
 の中にある。

 ってことです。われながらなんだかよくわからないベストだが、新本格一筋ということにしておこう(笑)


【10月30日(月)】

 アスキーDOS/V Issue、「私の逸品」その他の原稿を送る。「私の逸品」は10年前に買った留守番電話自慢(笑) ほんとは喘息スプレー(バイエル製薬のベロテック・エアロゾル)にしたかったんだけど、前号で糖尿病検査セットを自慢した人がいるので、
「病気がつづくのもなんですから」(笑)
 という担当編集者・吉田真木氏の指令により留守電になったわけである。SIFTの原稿はけっきょく、ほりのぶゆき『てれびさん』でお茶を濁す。
 ペントハウス編集部の桜井嬢から電話。次号のえっち物はインターネット系でやりたいという相談。問題はぶんか社にパソコンが一台も存在しないという事実。
「写真どうしましょうねえ」
「一応データ入稿はできるみたいなんですけど、フロッピーもらっても編集部では見られないんです」
「プリントすればいいんだけど、うちカラープリンタないしなあ」
 ということで、急遽、ぶんか社から徒歩30秒の距離にあるBNNのマシンの協力を仰ぐことにする。高橋ま@MediaFront氏に電話すると、「んじゃうちのカラープリンタで出力しましょう」の快諾を得たので、ものはついでと桜井さんを紹介してしまうことにする。どうせ古沢嘉通迎撃宴会で出かけるついでがあるからそっちに行きましょうってことで、4時過ぎに家を出て5時にぶんか社着。桜井さんを連れておとなりのBNNメディアフロント編集部をたずね、高橋氏と石井氏のマシンでえっち系サイトをまわってもらう。しかし社内アクセス者が多いせいか超遅い。ボディピアス関連ページで印刷可能な(笑)インパクトの強い絵をさがしているうちにまたたく間にタイムリミット。使用写真は明日までに決めることにして、高橋氏といっしょにBNNを飛び出し一路新宿へ。
 紀伊国屋書店エレベーター前に予定時刻十分押しで到着、毎度おなじみの台南までぞろぞろ歩いて古沢嘉通迎撃宴会。メンバーは主賓の古沢さんに、関口苑生(三橋暁とけんか中)、白石朗、五条弾(吉野仁)、柳下毅一郎(ナイトメア・ビフォア・クリスマスのヨーヨーとバスタブ模型ありがとうございました。その後、ヨーヨーはちゃんと遊べるようになったす>柳下さま)小浜徹也、三村美衣、さいとうよしこ。
 台南でさんざん食ってから蔵人に流れたあたりでタカハシ氏が機嫌のいい躍るおやぢ状態に突入。そんなに飲んでないのに最近すぐ躍るタカハシ氏である。まあ面白いからいいけど、グラスをひっくり返さないようにするのにさいとうは苦労していた模様。
 体調最悪状態のつづくさいとうは途中で帰り、残りメンバーは結局またしてもカラオケに流れる。といっても吉野仁氏とカラオケに来たのははじめてだな。なんか白石朗ががんがん歌っていたようだがよく覚えていない。関口苑生はアカペラでスワローズの応援歌を熱唱。ほとんどおやぢの世界のカラオケである。しかしたまにはこうして自分のほんとうの年齢を思い出すことが大切だ。もう34なんだからいつまでもAvex Trax系とかパーフリとか歌ってちゃいかんですよ。といいながらGIGAに「Dance is My Life系」が入っているのをこないだ発見したので練習しておこうと心に誓うおれだった。
 あー王様は熱海で歌ったからだいじょうぶだぞ>モロトミ。しかしディープパープルの原曲はハイウェイスター以外よくわからないぼくなのさ。若いからね。

 午前1時半に解散、白石朗、古沢嘉通と3人でタクシー帰り。古沢背後霊を従えてIRC少々。そういえば通称裏インターネット本、正式タイトル『インターネットとんでも活用マニュアル』(裏インターネット研究会著、徳間書店刊)が届いていて、そのネタで盛り上がる。あーこれはちょっとすごい本です。わたしは入院してたからデジタルボーイ再使用のエッセイ原稿を一本送っただけでよく知らないけど、堺三保とか柳下毅一郎とかいうひとが裏インターネット研究会のメンバーらしい(笑) 東京Toplessの工藤さんの原稿はさすがに面白いな。そういえば工藤さん安田さんと会った話は日記に書きそびれているのをいま思い出した。もうひとつ思い出したのは、そのふたりにおれを紹介してくれた新潮社の岩坂くんのクルマの後部座席に『銀河英雄伝説』第13巻のビデオテープが搭載されていたという事実だ。元フォーカス記者も銀英伝にハマったりするわけである。
 入院のゴタゴタでうやむやのうちに出てしまったものといえば、インターネットサーファー(エーアイ出版)2号の日記特集があって、当初の企画ではコラムがいっぱい入るはずだったのにけっきょく相関図と大森のいいかげんな原稿しか載ってなくて申し訳ないことである。金子さんのnikki.com関連原稿はなぜか無署名だし。なんか大人の事情があるんだろうか(笑) しかし二階堂さん@エーアイ出版にはいろいろとご迷惑をおかけして申し訳なかったす。ううむでもあの相関図にはたまげたな。あれの元原稿っていうのは、そうだ、工藤さん安田さんと会った夜、いっしょに流れていった日記者集会の会場のファミレスの机の上に置かれていたもので、だれが書いたのかよく知らないのをもらって帰って、そのままエーアイの編集部にファックスで送ったらこうなったという、なかなか謎な物件である。と、この「なかなか」の使い方には島田荘司の影響があるかも(笑)
 ……とさまざまなことを思い出しながら雑誌や本をめくるircであった。だいたい入院からこっち日記界と無縁の生活を送ってたからなあ。


【10月31日(火)】

 10時に起きて、ペントハウスのためにえっち系サイトめぐり。さっそく裏インターネット本が役に立つ(笑)
 タカハシ氏からはとっておきのボディピアスページのアドレスがメールされてきていたが、いくらなんでもクリトリスどアップは掲載不可でしょう(笑) 我孫子さんの情報によるとこのサイトは大原日記で紹介されていたところと同一らしい。いやまあインパクトはありますけど。
 あちこちえっち系サイトをまわったものの適当なものがなく、けっきょくShowbarのストリッパー写真で手を打つことにする。これは工藤さんネタのいただきです。どうもすみませんm(..)m GIFファイルをタカハシ氏にメールしてから、古沢さんを堺三保の家まで案内しミストラルで原稿。はやめに帰宅して「ときメモ」をクリア。バイク便で届いた「井出洋介の麻雀家族」をプレイ。とりあえず新学期大会は予選、決勝ともトップで通過する。あー推理作家協会の麻雀大会に出ればよかったかも(笑)
 堺んとこで借りた「新世紀エヴァンゲリオン」の最初の4話を一気に見る。これはいいっす。アニメのえらい人から、6話まで追いついていたほうがいい(というか5、6話の盛り上がりがすごい)と聞いてたんであわてて見たんですけど、これはTVアニメ界の「ガメラ」ですね。王道パターンを現代的リアリティできっちり見せるタイプ。新本格ロボットアニメといっても過言ではないな(笑) 貞本キャラの女の子はかわいいし、庵野さんも全開。武田さんの自信もうなずけるってやつですか。しかしこれがテレビ東京ほか4局ネットってのはなあ。まあLDはめちゃくちゃ売れるだろうけど。高橋洋子の主題歌もマルで(これは綾辻さんもお気に入りみたいだった)わたしはガイナックスページに行って思わず曲データを落としてきてしまいました。そしたらさいとうよしこがCDシングル買ってきてるし(笑) あーはやくカラオケに入らないかな。EDのFly Me to the Moonのほうはそらでも歌えるぞ、たぶん。


【11月1日(水)】

 月末で切ろうかと思ったけど明日から京都SFフェスティバルのために旅だってしまうので1日まで1ファイルにまとめることにしよう。
 昨日のえっち系サイトめぐりにつづいて、今日は東京ニュース通信社のTV2000の原稿のためにジャパニメーション系サイトめぐり。そういえばその途中で海外サイトにある内田友紀ページを見つけたので菊池さんにメールしようと思ったらねすけがフリーズしてくださりやがってそれっきりになってしまったのだ。なんかここんとこ凍りまくりでいいかげんにしてほしい。あーやっぱり柳下につづいて7500/100を買うかなあ。でもペンティアム133も欲しいなあ。あぶく銭が入ったら考えよう。
 url確認にまわってるのに入れないところが多いのもなんかいらつくー。bnnからは行けない率が高いように思うのは気のせいか。リソースリストにも行けなくて困ったけどリムから入ったらすぐ行けた。Kimono My houseのページとかできてて、いきなり鉄腕アトムとレオの絵が貼ってあるのは爆笑でした。さすが権利意識の希薄な商売をしてるだけあるわな。スタジオプロテウスは、アウトランダーズの海賊版グッズを出されたことに抗議してキモノマイハウスにねじこみ、契約書を交わしてロイヤリティをとったりしたこともあったのである。
 リムネットのゆーいち氏のページを見たら綾波レイのセミヌードのイラストがあったので思わずsaveしてしまう(笑) すっかりにわかえばげりおたくである。しかしこういう原稿書くときはつくづく大森英司ページがないのが不便。って今日くらいにリムネットに新装開店したりするのかも。あれ、今日が誕生日なんだっけか。おめでとうございます。大森英司にプレゼントをおくる。プレゼントをおくらない。でおくるを選ぶと三択になって……って「ときメモ」がまだ抜けてないおれ。
 その勢いでゲームウォーカーの原稿をかたづける。



【11月2日(木)】

 午前10時に起きてNetWorks「今月のHot List」の原稿。今回は家庭用通信カラオケシステムの話なので楽勝。X-55は関連資料があるし、マスターネットとローランド・ネットワークサービスと日テレパソカラ(情報提供:日経流通新聞(笑))の文字資料はゆうべ編集部の佐々木くんからfaxされてきたので、それもってミストラル行って一時間で書いてNIFTY-Serveで送ってからあわてて京都行きの荷造り。
 新幹線の中では藤田雅矢の今年度日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作『糞袋』のいゲラを読む。ディテールは面白いんだけど長編としては構成的にやや弱いっすね。優秀賞は妥当なところかも。
 なんでこんなものを車中で読んでるかというと、明日の京都SFフェスティバル朝イチの企画が京大SF研初の作家・藤田雅矢と、ファンタジーノベル大賞の先輩・北野勇作の対談で、その司会をすることになってるわけですね。京都SFフェスティバル、略称京フェスはおれが大学四年のときに突発的にはじめたイベントなんだけど、なぜかいまだにつづいていて、えーと今年でもう14回めですか。今回はNIFTY-Serve推理小説フォーラムの統一オフ(名古屋で開催)とぶつかっちゃったもんで(ガタコンともぶつかってる)、綾辻氏とはすれちがい。今夜は河原町で三村美衣と落ち合ってから一乗寺の我孫子武丸邸に行って、それから御蔭通りの和食屋・山里で夕食って段取りで、そのあとはたぶんカラオケ。法月さんも合流する予定だけど小説トリッパーの原稿はまだ5枚らしい(笑)という話は内緒かも。
 というわけで、夜に備えて、昨日まとめてどさっと借りてダビングしたシングルCDのテープを車中で聴く。TOKIOの「Ticket to Love」が笑えるです。イエローモンキーの「太陽が燃えている」もそうだけど、最近この手のGSっぽいのがはやりなんだろうか。コーネリアス待望のニューアルバムも持ってきたけどどうせこんなのいま聞いても無駄だ(笑) しかしもろコンセプトアルバムになっててカラオケには入りにくいような気がする。

 京都着は午後5時30分。先乗りして烏丸京都ホテルにチェックインしている三村美衣と四条河原町阪急前で落ち合って、一乗寺の我孫子邸。大学時代にしょっちゅうマンガを買いにきていた中規模書店の恵文社が大改装していて仰天。小説トリッパーに載ってた写真見てなんか感じが違うとは思ってたけどなあ。
 我孫子さんちで一服してから、奥さんの千織さんも含めて五人で山里。仕事中&風邪中の法月さんと仕事帰りの小浜徹也が合流して、総勢7人で懐石。といっても安い。学生のときはこの店のすぐ先に下宿してたんだけど、中で食べるというような発想はまったくなかったのだ。小浜徹也は「いつか金持ちになったらここで食ってやる」と心に誓ってたんだそうで、見かけによらず向上心のある男である。我孫子さんの話では下鴨茶寮のカジュアル版系列店なんだそうで、いざ入ってみるとまあお値段並みの和食屋。までも懐石自体はけっこうお値打ちかな。
 仕事中の法月さんは、食事のあと真面目に帰宅、残る六人はかつて京大SF研の例会場だった喫茶店らんぶるがあった場所にできたカラオケボックスビルJでX2000&Prologue4時間。千織さんがめずらしく全開。我孫子さんは数カ月来探し求めてきたウルフルズとついに遭遇、スットバスともう一曲を熱唱――って話は我孫子日記に発表されていることであろう。わたしは念願の「白雪姫の毒リンゴ」がやっと歌えたので満足。
 2時半くらいに切り上げて我孫子さんちにもどり、4時過ぎに寝る。


【11月3日(金)】

 9時半に起きて、10時過ぎ、京都教育文化センター着。北野勇作氏がいちはやく来ている。菅浩江嬢もおはやいお着き。あと合宿で朝イチ企画なんてほとんど人がいないんじゃないかと思ったけど、意外に客の出足がはやく、11時には7割がた席が埋まり、無事開会。
 藤田雅也+北野勇作対談はなぜか「ファンタジーノベル大賞受賞の秘密」というお得なタイトル(笑)がついている。肝心の受賞作「糞袋」が出てない状況ではどうかなあという心配は杞憂に終わり、持ち時間の一時間弱はまずまずの盛り上がりで終了。
 ロビーでうだうだしてるうちにみんないなくなってしまったので、北野勇作、小野不由美、小浜徹也と四人で昼食@教育文化センター一階のレストラン。
 午後イチの企画は橋本淳一郎氏の「人工意識は可能か」とかそういうタイトルの講演。ベイリーのロボット二部作のからみで、個人的守備範囲のはしっこのほうにあるテーマなので、めずらしく真面目に聞く。『皇帝の新しい心』を30ページくらい読んだだけで投げ出してある人間にとってはなかなか有意義。しかし話が佳境に入る前に終わってしまった観もあり、やや物足りない。司会でついた森太郎は芸風に磨きがかかっている(笑)
「復刊フェアを考える」とかなんとかっていう(プログラムブックが手もとにないのですみません)小浜徹也@東京創元社vs河野佐知@早川書房編集二課の対談(渡辺英樹司会)は話題が近すぎるので面白いかどうかはよくわからない。しかし出版事情に全然くわしくない人には復刻と復刊のちがいを最初に説明しておかないとぴんと来ないんじゃないですかね。解説目録とか注文書に入れて通常管理にまわる復刊と、増刷分売り切り限定管理復刊の違いとか。このへんはけっこうケースバイケースなのでおれもよくわかんない。合宿企画にまわしてがんがん質問受け付けたほうがよかった気もする。
 ラストは水玉螢之丞vs小野不由美対談……のはずだったんだけど開始時刻になっても水玉さんが来ない。司会を押しつけられた堺三保の危機管理能力が問われる(笑)企画になってしまったわけですが、健闘はしたものの修行不足を露呈。もっともわが身を犠牲にして自虐ネタでウケをとりにゆく姿勢には見習うべきものがあろう。小野さんはおたくいじりに燃えるタイプではないのでがんがんつっこむしかないんだけどつっこみかたがむずかしい司会者泣かせキャラかも。水玉さんは40分押しで登場、「さすが星雲賞二回受賞のひとは重役出勤ですね」とかそういうツッコミは堺の場合にはないのだった。しかしただのSFおたく系の人には難解度の高いパネルだったかも(笑)
 てなところでめずらしくずっと会場で企画を見た京フェス昼間企画はおしまい。とりあえず合宿所のさわや本店に荷物を置いて、近くの怪しいレストランで夕食。小野、菅、水玉その他とからふね屋でお茶して7時から合宿企画。
 我孫子日記既報の通り、現役学生仕切りのクイズ大会は、北野氏の活躍で異様な盛り上がり。ジェスチャークイズはすごかったす。大広間の一時間企画としてはなかなかの充実ぶりで、京大SF研もやるじゃんって感じ。しかし小浜徹也に優勝させてはいかんよ(笑)
 WORKBOOKが低迷している分、イベントはノウハウが蓄積されて、安心して参加できる京フェスになりつつあるような。あとは分科会企画にもうちょいテコ入れすれば万全かな。
 クイズ終了後、水玉、我孫子、北野、さいとう、水鏡子、菊池夫妻など総勢13名が百万遍のボックスに流れる。合宿所に残った大森は若者主催のファンタジー部屋と志村部屋を覗き、疲れたから寝ようかと思ったけどさすがにまだ早すぎるよねってことでタクシーで百万遍行ってカラオケに合流。13人収容の大ボックスはアニカラ部屋と化している(笑) 水玉女王のご尊歌をはじめて拝聴した人々は喜んでいたらしい。よく考えれば水玉螢之丞初の京都公演か(笑) 菊池妻もけっこう飛ばしてましたね。
 大森はひと足はやく出て、となりの中華料理屋の百万石で飯を食ってた寺さん、米村秀雄、宮前義彦、三村美衣と合流。我孫子さんと違って学生時代はそこそこ百万石を利用していたおれだが、しかしラーメンの味は昔とは一変しているような気がする。こんな天下一品系のラーメンじゃなかったぞ、たしか。もっとも昔はここでは定食ばっかり食べていたような気もする。
 宿にもどって大広間でうだうだしてからさあ寝ようと思ったら確保していたはずの部屋の、よそから持ってきて敷いておいた布団の上に見知らぬやつが寝ているではないか。怒。しょうがないから京フェス確保部分以外の部屋を探索し、アコーディオンカーテンで仕切られた向こうのエリアから鍵のかかっていない部屋を見つけ出し、勝手に布団しいて寝る。


【11月4日(土)】

 8時起床。大広間にもどると徹夜組の人々がどろどろしている。我孫子武丸は最強のどろどろぶりでウイスキーをがんがん飲んだあげくばったり倒れて大広間の真ん中で死んでいる。その上をがんがんまたいでゆく学生の人々。かまいたち長者の末路である。
 そろそろ動くという段になっても起きる気配がなく、足をくすぐって起こすと寝ぼけた顔で起き上がりしばらくにこにこしているがまた寝てしまう(笑) 日記によるとこのあと家に帰って奥さんに怒られたそうですがそれも無理はない。しかし日記はちゃんと更新しているからえらいのである。
 例によって十数人でぞろぞろからふね屋にはいり関西の人々とうだうだ。そのあとなぜか突発的に鍵善で葛切りを食うという話が盛り上がり、タクシー3台で祇園。さすがに午前中ってことで空いていて、十人で入ったら奥の座敷にそっくり案内されてラッキー。睡眠不足の体に黒蜜がしみわたりしみじみとうまい。
 11時半ぐらいに集団から分かれてタクシーで京都駅。小浜夫婦が乗ってるはずのひかりの指定券をとったけど発見できず、どろどろ状態で帰る。


【11月5日(日)】

 明け方目が覚めたら喘息でぜーぜー。薬を飲んでジョナサンに避難したけどやっぱり眠いので家に帰って寝る。夕方目が覚めてミストラルでホラー大賞二次の原稿を読む。がやっぱり眠いので家に帰って寝る。京都から帰って寝っぱなしである。年はとりたくないものだねえ。


【11月6日(月)】

 10時ごろ起床。寝過ぎたせいかぼうっとしている。まだ寝られそうな気がするがこのままではけだものになってしまうと思い直してミストラル。ホラー大賞2次の原稿はぜんぜん面白いのがないぞ。創作系の人は短篇部門が狙いめです。最終候補にはすぐ残れそうだ。ま、受賞してもあんまりいいことがない気がするけど。長編のほうもいまいち。
 小説トリッパーの黒須さんに電話してみると、法月さんの原稿は無事入ったそうです。ぱちぱちぱち。しかしメタフィクション仕掛けになってて、木曜日に山里で飯食った話とかも出てくるらしい。ウロボロス効果だろうか(笑)
 タイトーの加藤氏から携帯にtel。なにかと思えば、「X-55買いませんか?」だって(笑) なんでも爆発的に売れていない55は全社員に現物支給されることになったらしい。などということを書いていいのかどうか知らないが、寮生活の人とかそんなもん支給されてもどうするんじゃ状態らしくて買い手をさがしている模様。なのでX-55を安く買いたい人はメールしてください。我孫子さん、水玉さん、どうですか。
 つづいてY田N子@本の雑誌からもTEL。悪役勝ち抜き戦座談会をやるんだそうで、SF方面から3人、オールジャンルから2人の悪役をエントリせよとのお達し。
 小説中の描写で悪役度が決まるんだそうで、ぱっと思いつくのは〈敵は海賊〉のヨウメイくらい。エッドール人のボスって名前あったんだっけ。でなきゃデュケーンのほうか。
 あとのメンバーは茶木さんと菊池仁さんと北上次郎ってことなので、あんまりマイナー系は避けたいんですが。〈古き者〉とか出すのは反則だろうか(笑)
 というわけでSFに出てくる悪役募集中です。他ジャンルではきっとモリアーティ教授とか松永弾正とかヴラド・ツェペシュとかが出てくるんだろうから、それに勝てそうなやつをひとつよろしく。ノンジャンルでもなんか隠し玉があったらメールで教えてね。一応、小説の登場人物で、人間に限るそうです。採用者は日記で表彰します(笑)

 しかし最初にY田N子から電話がかかってきて、
「今度アクヤクの特集するんですが……」
 と聞いたときはてっきり○○とか××のことかと思ったおれだ。

 リテレールのベストはすっかり締切を過ぎている気がするが催促がない(と思ったらあった(^_^;))。コンプティークのパソゲーベストってのもあったな、そういえば。キネ旬のベストはたぶん今年は来ないだろう……って来ても投票できるほど見てないけど。柳下毅一郎がぜひやりたいそうなので関係者の人はよろしく。って見てないか。


【11月7日(火)】

 酔っぱらって朝帰りして奥さんに怒られた我孫子さんだが、Netscape立ち上げて三村美衣日記とかこのページの日記とかを読んでるときうしろからのぞかれて、酔っぱらった現場の描写を読まれてしまいますます怒られてしまったそうでご愁傷さま。
 ところで我孫子日記には大森の秘密の過去(笑)が曝露されてるけど、あれは学校じゃなくて保育園の話っす。まあ小学校でも音痴で通ってたし、いまでも音感はよくないけどさ。音痴が歌を歌って悪いか。ってボックスだと被害は最小限に止められるわけです。

 などという話ではじまったことからもわかるとおり、今週はわりとヒマ。のんびりテレビ見たり本読んだりマンガ読んだりしてるうちに一日が終わるのって新鮮。しかし『編集王』はまとめて読んだけどいまいちだぞ。
 といいながら、昨日日記を書いたあとリテレールとコンプティークからてきめんに催促が来たのでベストを選ぶ。リテレールはノンセクションでベスト10をやれというので、出版/SF関連のWWWページベスト10だ参ったか(笑)てなもんである。そのままここにコピーしておこう。




●ノンセクション 95年の注目すべき出版/SF関連WWWページ10選
1 BookWire(http://www.bookwire.com/)
2 PATHFINDER(http://www.pathfinder.com/)
3 BDD Online (http://www.bdd.com/)
4 Book Stacks Unlimited, Inc(http://melville.books.com/scripts/main.exe?)
5 Project Gutenberg(http://jg.cso.uiuc.edu/pg_home.html)
6 週刊新刊全点案内(http://www.trc.co.jp/trc-japa/SHINKAN.HTM)
7 Speculative Fiction Clearing House(http://agent2.lycos.com:8001/sf-clearing-house/)
8 大原まり子のアクアプラネット(http://www.bekkoame.or.jp/~ohara/welcome.htm)
9 ハヤカワSFマガジンホームページ(http://www.st.rim.or.jp/~tab/)
10 てんぷら☆さんらいずページ(http://www.st.rim.or.jp/~tempura/)




 本チャンの単行本/文庫本ベスト3のほうは、




●95年単行本ベスト3
1 ダン・シモンズ『ハイペリオンの没落』早川書房
2 京極夏彦『魍魎の匣』講談社
3 梅原克文『ソリトンの悪魔』朝日ソノラマ

●95年文庫本ベスト3
1 キム・ニューマン『ドラキュラ紀元』創元推理文庫
2 ルーディ・ラッカー『ラッカー奇想博覧会』ハヤカワ文庫SF
3 スティーヴン・バクスター『時間的無限大』ハヤカワ文庫SF

【コメント】
「95年は新本格SF誕生の年である」というのが今年の個人的スローガンで、海外代表が『ハイペリオン』二部作、(多少格落ちながら)国内代表が『ソリトンの悪魔』ってことになる。
 ポイントは一見古めかしいまでにオーソドックスな設定と、ジャンルに対する強い自意識。つまりミステリの世界における新本格ムーブメントとパラレルな関係にあるのが新本格SF≠ニいうわけだが、現実にはむしろ、瀬名秀明『パラサイト・イヴ』と鈴木光司『らせん』の二大ベストセラーによってSFがモダンホラーのサブジャンルに吸収され、ノンジャンル・エンターテインメント≠フ名の下に各ジャンルがアイデンティティ喪失に向かう可能性が高い。
 むろん娯楽小説に関するかぎり、「面白ければなんでもいい」という立場はつねに最強の説得力を持つのだが、ジャンル小説の強固な形式的制約が「あんまり面白くない小説」を救済してきた歴史的事実を忘却すると、エンターテインメント自体がゆるやかな死を迎えることになるかもしれない。




 パソゲーベストのほうは国産ゲームを全然やってなくて困る。「このミス」方式で国内/海外が分かれてるんだけど、しょうがないから国内はイタチョコの「うそつきと私」一本。海外は、

1 神々の怒り・日本語版(ナムコ/ギャガ)
2 テーマパーク(EAV)
3 Alone in the Dark 2
4 SimCity 2000
5 デイドラス・日本語版

 って思いきりぬるいよなー。こんなやつに選ばせていいのかー。一回ことわったんだけどさ。まあいいや。


【11月8日(水)】

 昼過ぎに起きてスクーターで南砂町。田辺書店で竹本健治の文庫の古本を漁るが(これは『殺人ライブへようこそ』の解説資料用)全然ない。これはいよいよ本棚の各所に散らばる単行本を発掘するしかないか。しかし「自分が持っているはずの本」をさがすのが最後の手段(笑)という状況はなんとかしたいもんである。あ、SFのほうは一応ちゃんと整理してあるんですけどね。
 かわりに綾辻行人文庫を仕入れていこうと思ったらこれも全然、古本に出物がない。本格系の読者は読んだ本を売り飛ばさないのだろうか。講談社ノベルズは一昨年まとめてさいとうの実家に送った段ボールの中なので、文庫で集め直すつもりなんだけどなあ。まあ新刊で買えばいいんだけど。『十角館』と『人形館』だけ拾って江東区南砂図書館で調べもの。
 いったん帰宅してから秋葉原に出撃、我孫子さんに頼まれていたPHS‐パソコン接続用のセルラーケーブルを買う。消費税入れてやっぱり4120円でした>我孫子さん。
 ノートのキーボード端子に接続する怪しいライトが980円だったのでついでに購入@Tゾーンミナミ。今日の主目的はMDウォークマンなので、さいとうと合流してから石丸電気。近所で41000円だったシャープの世界最軽量MDプレイヤーが36000円で出ていたのでとりあえず買っておく。が、録音機材がないのでただの箱である。しかし家電は相場とか全然わかんない。シャープの3連CDとMDを搭載するマイクロコンポがばかみたいに安いんだけどデザインが最低。さいとうはケンウッドのK’sに固執しているが、20万コースだからなあ。きっとシャープのCDラジMD(笑)を買うような気がする。

 6時40分くらいに渋谷のパルコブックセンター。綾辻さんのサイン会中。ふつうのサイン会だとサインを待つ人の列があるだけだが、綾辻ファンはサインが終わっても帰らず、キラキラの瞳で綾辻氏を見つめながら写真を撮りまくる人々が群れをなしている。7時にサイン会がお開きになると、今度はプレゼントをわたす女の子たちが殺到。
 中のひとりはとうとう感極まった声で、
「綾辻さまぁっ」
 というわけでみんな、今日からは「綾辻さま」とおよびするように。

 サイン会に来ていた乱歩賞作家の桐野夏生さんと社長秘書(笑)のかめやっこさん、それに新潮文庫で綾辻担当の私市(きさいち)くん、小説すばるの関口さんと連れだって、一階の喫茶店で綾辻さまをお待ちする。やがて綾辻さまと小説すばるの遅塚嬢が合流、しばらくプロレス話その他で盛り上がってから、綾辻、遅塚、桐野、私市、大森、さいとうで夕食@へいちんろう。綾辻さまの今回の上京の主目的は明日の竹書房主宰著名人麻雀最強戦。「優勝したらどうしよう」とかいろいろと悩みはつきないらしい。推理作家協会の麻雀大会では参加36人中36位という爆発的な成績を記録した桐野さんの体験談が最高におかしい。なにしろ36人中、女性は桐野さんただひとり、しかもトイレは男女共用が一個しかないという悲惨な状況(笑)
「しかたないからいっしょのトイレに入るんですけど、おじさんたちはみんな手を洗わないんですよ。チャック上げながらそのまま出てきてそれで卓を囲むんです。その手で牌をさわるんですよっ」
 まあしかし桐野さんもトイレでは茶木さんと「連れション」(桐野さん談)しながらずっとしゃべってたそうだから、この環境に敗因を求めるわけにはいかないと思う。
 食後は桐野さんが先に帰り、残り五人でJOYSOUND1時間半。m.c.A.T.の「ごきげんだぜっ」はむずかしい。岡村の新曲がいちはやく入ってたけどまだ歌えないっす(;_;)


【11月9日(木)】

 NIFTY-ServeのFADVで関口批判の嵐が吹いてるとかそういう話をしばらく前に聞いて、どれどれと見にいったんだけどどこの会議室かわからなくてまあいいやと忘れていたんだけど、きのうかめやっこさん(元・自衛隊調査部)にMES 6だと教わったのでさっそく見にいく。えーと基本的にはシスオペの人がプロ評論家バッシングをやってるんだけど、それに激怒反論を寄せているのが堺三保(斎門雷人)で大爆笑。構図としては堺三保が関口苑生擁護の論陣を張っている(直接擁護してるわけじゃないけど)わけで、いやはやなんとも。あんまり面白いので1年ぶりくらいに表の会議室に書いてしまった(笑)

 しかしやっとヒマになったと思ったら毎日十時間寝てるし、論争に首をつっこむし、小人閑居して不善をなすの典型みたいなもんだな>おれ。夜中は夜中で「エヴァンゲリオン」のビデオまた最初から見ちゃったす(笑)
 

【11月10日(金)】

 今日もだらだらで起きたら4時だし。高知がらみ原稿を書くことになっている氷室冴子『海がきこえる』とその続篇を読み直し、解説を書くことになっている『殺人ライブへようこそ』を読み、なんかだらだらしているうちに時間が過ぎていくのだった。微熱がつづいてるせいかな。あーでもだらだらは気持ちいいかも。

【11月14日(火)】

 土曜日に買ったのに初期不良で動かず日曜日に交換に出したシャープのMDスタジオ(買値4万68000円――ただし旧型)がやっと届いたので、globeのSweet Painとか小沢の「さよならなんて云えないよ」とかをMDに落とす。携帯用のMDウォークマンもシャープのMD-S20なんだけど、しかしリチウムイオンの長時間バッテリーを装着すると倍くらい重くなってしまうのだった(笑)
 というわけで、『海がきこえる』ムック用の謎のエッセイ(笑)を送ってから、午後6時、引越直前の角川本郷ビルでホラー小説大賞2次選考会。メンバーは、縄田一男、池上冬樹、茶木則雄、三橋暁、坂東齢人、風間賢二、東雅夫に角川のS戸氏とM浦嬢。去年はけっこう白熱したんだけど、今年は締切が早まったせいか応募総数が少なく、意見が割れるような作品もほとんどゼロ。長篇賞の候補なんか2本だけでいいんじゃないかってくらいで(笑)選考会は一時間で終わってしまったのだった。三年連続一次選考通過の西秋生(古手SFファンのあいだでは有名人)は今回たぶん最終候補に残るでしょうが、しかし個人的には去年のやつのほうがよかったと思うな。
 選考会終了後は例年通り本郷の喜寿司で宴会。笠井潔の『小説メフィスト』掲載の縄田一男&長谷部史親罵倒エッセイとか、ミステリマガジンのS口苑生のM橋暁あてこすり原稿とか、もはや旧聞だけどS保H久×U田Y夫バトルとか、最近の火種を中心に盛り上がる。ミステリ界はいろいろあって楽しそうだなと思う。
 9時半、C塚嬢@小説すばるから電話。集英社三賞授賞パーティ(が選考会とぶつかったので今年は行けなかったのである)流れ組が帝国ホテル17階のレインボーラウンジに集結しているというので、ひと足はやく本郷を抜けてタクシーで帝国ホテル(ちなみに他のホラー大賞予選メンバーはこのあと麻雀に流れて、角川のS戸氏は7万ガバスの大怪我をしたらしい。勝者は当然、茶木則雄氏。茶木さんいわく、「いやいやぼくはどうせ蜜蜂だから。集めた蜜はみんな目黒さんとこに行っちゃうんですよ〜」 それにしても朝5時まで麻雀をしていたばかりか、最近は競輪競馬にもつっこみまくっているS戸氏はとてもサラリーマンとは思えない。編集者のカガミであろう)。
 着いてみると、レインボーラウンジに残っていたのは井上夢人、薄井ゆうじ、山口雅也、我孫子武丸、二階堂黎人、加納朋子、貫井徳郎……の面々。最近、京都の北のほうに土地を買った我孫子さんは、ノーパンしゃぶしゃぶとランジェリーパブに関する権威となったらしく、微に入り細にわたる講義を披露。
「我孫子クンはK木さんに連れられてランパブ行って名刺を配りまくってそしたら手紙が来ちゃって『バッカじゃないの』といわれている」
 との証言もあるが、これだけ芸域が広げられればモトはとったというべきであろう……ってべつに自腹は切ってないんだけどさ。しかしK社の編集部はランパブの経費も落ちるのか。次はコスプレイメクラだな。「飛び出せ! 全裸学園」の第二話まで買ってしまった以上、これはもう接待で高田馬場With Youに行くしか。あーでもそしたらちょっと連れてってほしいかも。巣鴨のプルプルハウスでもいいっす(笑)
 しかし土地買ってノーパンしゃぶしゃぶとは急速におやぢ化への道を驀進しているような気もする。見習っていきたい。
 接待関係の仕事をすませたC塚嬢が石田汗太記者@読売新聞を連れて11時ごろ登場。貫井くんとC塚さんと三人で、FADV6番会議室関連の話題で盛り上がる(笑)
 レインボーラウンジが12時閉店なので、カラオケ組7人がタクシー二台に分乗して神田のビッグエコー。念願の「ノゾミ・カナエ・タマエ」がやっと歌えたけどけっこうむずかしいのだった。ガイドメロディがないも同然だし。
 井上さんは元プロ(宿屋の飯盛ってバンドに在籍していた)だから当然というか、めちゃくちゃ音域が広くて歌がうまい。後半は洋楽縛り状態に突入、あらゆる歌にコーラスをつけて喝采を浴びる。島田荘司・山口雅也・井上夢人トリオでひと晩ビートルズを歌いつづけている現場を目撃したのをべつにすると、井上さんの歌をちゃんと聞いたのははじめてかも。
 しかしDAMはglobeも小沢もエヴァもまだ入ってなくてがっくり。やっぱりギガに行くしか。


【11月15日(水)】


 1時に起きようとして起きられず、泣きながら2時に起きて、内緒の仕事の初校チェック(といいながらファイルで直しているのだが)。途中でタイムアップになり、電車の中でも仕事をつづけ、アスキーに寄ってFDわたしてから本の雑誌20周年パーティ@パークハイアット。1万5000円の会費でたいへんな話題を巻き起こしているパーティだが、「これでも本の雑誌社がひとり3000円ずつ負担してるだから」と発行人の人は語っている――という話も有名になってるけど。
 しかし会費が高すぎたせいか(笑)満員の会場内で目につくのは編集者ばかり。15000円が気軽に出せる書評系ライターは少ないと思うぞ。と思っていたらなぜか西原理恵子が来ていてびっくり。なんでも中場利一の大ファンなので会いにきたらしい。
「いやもうあの本はねー、自分のこと書いてるんかと思うたくらいでー」
 ヤンキーはヤンキーを知るってやつですか。しかし西原さんが中場ファンってのはわかりやすすぎだな。そもそも土佐女子に行ったのがまちがいであろう(笑) そういえば、ちょうど『海がきこえる』ムック用に書いたエッセイの締めくくりで西原理恵子を勝手に登場させてべたべたの土佐弁をしゃべらせたところだったので、一応了解をとっておく(笑) ついでに我孫子さんのQV10借りてめちゃくちゃな写真をとりました。えーと我孫子さんお手数ですがファイル名をsaibara.gifにしてsdwの/abikoの下に置いておいてくださいね。置きましたか? はいどうも。
 ……などと書いたままftpをさぼっているうちに問題の写真はすでに我孫子ページに掲載されてちゃったんでした。ってことでみなさんもう見てるでしょうが、これです。
 西原理恵子は綾辻さんの麻雀についても一家言あるようで、
「ゆうたら悪いけど、綾辻さん、麻雀がヘタやわ」
 と力説。
「なんかミステリの人てイメージがあるみたいで、あたしがマンガに描いたがでもえらい怒っちょったねえ。けんど妙に中途半端でしょう。あれはもっと突き抜けんと麻雀に勝てんねえ」
「こないだも原稿がもう落ちるゆうときに電話がかってきてぐちぐちゆうきよ、『ほんならええこと教えてあげます。いまからがらっとイメージチェンジして、『京都よさこい温泉殺人事件』。探偵がOLで舞台が温泉で列車もので時刻表トリック。挿画はあたしが描く』ゆうたら、『うーん、そうかあ』それで二、三日して電話がかかってきて、『サイバラさん、しばらく考えたけどやっぱりあれは無理だね』ってそんなもんまじめに考えるか、ふつう」
「なんかでもあたしが麻雀の話をマンガで描いたやか。そしたらファンの人から手紙が来たみたいで、『そんな人とは思いませんでした』(笑) けんど麻雀はヘタやきしょうがないわねえ」
 というような話をあんまり書いていると綾辻さまのご勘気を被るので(もう遅いって)、時の人、新保博久氏の話。内田康夫との一件はすでに噂の真相にも登場、各所に波紋を広げているが、新保さんは、
「いやーワタシにもやっと春がめぐってきましたネ。これまで十何年書いてきてずっと鳴かず飛ばずだったのに、とうとう脚光を浴びましたよ」
 と、いたって元気である。しかしシンポさんといえば、会場でいきなりスタスタとこちらにやってきたかと思うと、
「オオモリさん、ボクは泣きましたよ。いやホントに」
「は? どうしたんですか?」
「『ドゥームズデイ・ブック』ですよ。ボクが本を読んで泣いたのは、『ふりだしに返る』依頼ですネ。いや、まさかこの本で泣くとは思いませんでしたネ」
 まったく同感である(笑) まさかあのシンポさんがねえ。ゲラを読んだうえで解説を蹴飛ばしてくださった北上次郎おやぢに「シンポさんは泣いたそうですよ」と伝えると、「だったらシンポくんに頼めばよかったじゃないか」といわれたけど、シンポ教授が『ドゥームズデイ・ブック』を絶賛するとはお釈迦様でも気がつくめえ。ちなみにシンポさんは『頓知』次号の絶賛書評でこの本をとりあげてくださったそうで、原稿のコピーまでもらってしまった大森である(新潮文庫『タイム・トラベラー』の浅倉解説が引用してあったりしてなかなか渋い)。
 シンポさんといえば、近著『名探偵登場』には幼少時の読書体験の話を書いたコラムがついていてなかなか面白い。オレも子どものころはミステリとSFを併読してたんだけどなあ。SFじゃなくてミステリに転んでいたらいまごろはもっと儲かってたかも(笑)
 
 二次会は例によって珍林房。貸し切りなのにそれでも満員で身動きもならない感じ。朝日ソノラマの上岡さんとは初対面。『ソリトン』はソノラマの文芸書はじまって以来の売れ行きらしい。我孫子さんじゃないけど、『パラサイト・イヴ』が70万部なら『ソリトン』は100万部でもおかしくないよなあ。京都で思いついたネタだけど、今年はソリトン、ハイペリオン、エヴァンゲリオンの年なのである。
 昔話で盛り上がっているあいだにふと気がつくとみんないなくなってて、しょうがないから新潮文庫の長谷川といっしょにルルへ。香山二三郎氏とミステリマガジンの竹内編集長と井家上隆幸氏がいる……が関口苑生大兄の姿はない。一時間くらいうだうだしてから新潮社のタクシーチケットで帰宅、内緒の本の初校チェックを終えて寝る。


【11月16日(木)】

 夕方まで爆睡。今日はヒマなのでぼーっとしたままびよびよ。プレステのRPGの「Beyond the Beyond」ってやつなんだけど、これが爆発的につまんない。いやーこんなになんの工夫もないRPGも珍しいんじゃないですかね。まあ次世代マシンでふつうのRPGがやりたいと叫んでた以上、文句をいうスジじゃないんだけど、十年前のクズRPGをリプレイしてるような気分。10時間ぐらいだらだらプレイしたところで見放す。連射パッドなしでやるゲームじゃないっす(歩行中連射してるとエンカウントしないとか、戦闘中連射してると必殺の一撃が出やすいとか、ほとんど無意味な新機能が搭載されているのだった)。


【11月17日(金)】

 珈琲館で晩飯食ってからアスキー。内緒の仕事の再校が今日と明日に出てくるので、その最終チェック。新宿ワシントンホテルに部屋をとってもらったので、おなじくチェック要員に借り出された福岡洋一氏といっしょにタクシーで行ってとりあえずチェックイン。フロ入って仕事して、ガスライトのナイト麺食べながらもうちょっと働き、それからタクシーで東口に出てゼニス。ゴーゴーカラオケ団の例会に参加する。といってもメンバーは水玉螢之丞、さいとうよしこ、堺三保の三人だけ。まわりの人たちがアニソンで盛り上がっているのを無視して歌えない新曲を入れつづける(笑) さいとうは「残酷な天使のテーゼ」に二度挑戦して失敗、「CDシングルまで買ってどうしてそこまで覚えないかな」と水玉さんに罵倒されるが、やはりOPを早送りして番組を見ているのが問題だろう。ゼニスはキーが変えられないので大森はパス。5時まで歌ってからひとりホテルにもどると、夜中の2時半に出たという後半の再校が届いている(笑) 1Fのティールームで午前9時まで仕事して10時ごろ寝る。


【11月18日(土)】

 午後1時に起きてチェックアウトして3Fロビー横のティーラウンジで仕事。6時ぐらいまで働いて、できた分をピックアップに来た人にわたして、残りは東西線の中でかたづける(笑) 家に帰って再校の残りとその他もろもろの書類をバイク便で出してから、スクーターで白石家の子誉め会へ。白石夫人が出してくれるものをむさぼり食い、ようやく人間らしい気持ちになる。白石ジュニアの悠太は、とてもあの性格の悪い男の血を引いているようには見えないのだが、まあ性格の悪さってのは獲得形質だから遺伝しないんだろうな。子誉めの参加者はほかに添野知生・小江雅美夫妻。添野はWOWOWを辞めるとかぐしゅぐしゅゆっているが、辞めてなにをするのかまったくよくわからないところがすごい。まあ小江さんのほうが学校の先生だから、主夫になるんだろうな。しかし今岡さんとちがって主夫能力に秀でているとも思えないぞ。翻訳家にもライターにも向いていない気がするのでサラリーマンをやってるのがいちばんいいだろうに。給料もらって会社でSF映画つくってればいいんだから、どうして辞めるのかよくわからん。って、給料もらってSFを編集していた会社を辞めた人間がいっても説得力はないな。
 葛西駅前の巨大カラオケビルでDAM1時間歌って解散。家に帰って、レンタル屋で借りたCDをMDに落としつつプレステの「戦国サイバー 藤丸地獄変」。要するにスーパーロボット大戦というか、タクティクス・オウガの戦国版ね。久米明のナレーションが笑えるけど、文章がひどい。シナリオをなんとかすればなあ。しかし、いきなりバックに女性ボーカルの洋楽がかかるオープニング(の前半3分の2まで)はめちゃくちゃかっこいい。次世代機ソフトのオープニング大賞をあげたいくらいの出来である。移動と戦闘のアニメをオフにすると、ゲーム自体もまあ楽しく遊べる。ただしマップが見にくいし操作性はいまいちかも。3面くらいやったところで寝る。


【11月19日(日)】

 午後10時半までこんこんと眠りつづける。ぼんやりテレビを見ながら「藤丸」のつづき。しかしプレステの接触が悪いらしく、面の途中でいきなり落ちてしまう。怒。きのう借りたCDの残りをMDに落としてからレンタル屋に滑り込み返却してジョナサン。なんか寝過ぎたせいか仕事をする気力がない。
 小説すばる12月号が届いている。カラオケ座談会はやはり異様(笑) 通信カラオケに行かない人には意味不明ではないかとちょっと思うけどまあいいや。歌った曲リストはカラオケゴーゴー団団長がエクセルで作成したものです(笑)
 ヒマなのでASCIIとMACLIFEを読む。22日の夜はやっぱり秋葉原かな。95発売オールナイト営業に群がるおたくの人々を観察してから神田のボックスに流れるツアーってもアリかも。どーですか>三村美衣様。しかしソフマップと石丸電気以外はどこがオールナイト営業するのかよくわかんないな。やっぱりタコ焼き屋とか大阪焼き屋とか出ていてほしいと強く望みたい。
 という日記をジョナサンで書いてから家に帰ってIP接続してメール見たら、なんと加藤浩一氏と友成純一氏からお初メールが同時に来てやがんの。爆笑。ワセミスの人は仲がいいなあ。加藤さんのほうは自前の純文学ページまで開設してるんだそうで、リンク希望メールだったんだけど、自分のページのURLが書いてないぞ(笑) トモナリせんせのほうはなんかMIXのページに大森ページの紹介があったんで見に来たそうなんですがいったいどう紹介されてるんだろう……。しかしいよいよ40代のヒトにまでWWW者が広がってきてみたいでこれから楽しみなことではある。友成ページとかできたら凶悪そうだもんなあ。


【11月20日(月)】

 ジョナサンで一週間分の日記をまとめてから、家に帰ってftp。我孫子日記がほぼリアルタイム更新されているので、おれの日記のネタはほとんど旧聞になっているのだった。西原写真はとっくに上がってるしなあ。QV10写真は大量に溜まってるのに加工してftpがめんどくさくて手つかず。from surfersも原稿欄も数カ月いじっていないし。ちょっとずつでもなんとかしよう。
 金子さんとこの日記を見てたらNetscape2.0bの話が出てたので、ああそうだと思い出して期限つき試用版をダウンロード。しかし2メガ近くあるぞ。メールとかニューズグループ関係が便利になってもあんまり意味はないんだけど、ブックマーク整理が飛躍的に簡単になっているのがうれしい。というわけでサルのように整理してしまう。
 一週間前が締切だったはずの徳間文庫の解説(竹本健治『殺人ライブへようこそ』)はその後まったく音沙汰がない。のをいいことに七割がた書いたところでほっぽってあるんだけどどうなったんだろう。電話の依頼のときは締切を三日のばしてくれというのにも難色を示されたのに(笑)
 図書新聞のエンターテインメント書評がぼちぼちデッドなので、鈴木光司『生と死の幻想』と綾辻行人『眼球綺譚』の二本立てで書く。どっちも連作のホラー系短篇集なんだけどまったく対照的でおもしろい。鈴木光司の「紙おむつとレーサー・レプリカ」には感心しました。思想的には敵だけどさ(笑)


【11月21日(火)】

 ビルディでモーニング食べてから、我孫子武丸『腐蝕の街』とヴァーナー・ヴィンジ『遠き神々の炎』を持ってエグザス。プール→サウナ→デッキチェアを4セットこなすあいだに『腐蝕の街』を読了。小説推理版で一回通して読んでるんだけど、近未来SFとしてのディテールに関する違和感はほぼ払拭されている。歴史的背景についての地の文での説明は一切とっぱらっちゃうのが当世風(というかポストサイバーパンク風)近未来小説だと思うんだけど、我孫子さんはどうもオーソドックスな近未来ものがやりたかったみたい。
 しかし著者の「浅見光彦のように清潔」な日常生活を反映してか(笑)猥雑な舞台がいまいち板につかない気がする。プロット的には速水三兄妹シリーズもかくやって感じのドタバタで、ほとんどギャグ(やたらドンパチに巻き込まれる主人公とか、爆笑のベッドシーンとか)なんだけど、「私」の一人称ハードボイルドっぽい語りといまいちそぐわないっていうか。
 うーん、某登場人物の絵に描いたようなマッドサイエンティストぶりとかを考えると、これはそのへんのミスマッチを楽しむべき小説かも。リアルな警察ハードボイルドとして読むには主人公が暴走しすぎな感じだし、いっそ警察民営化とかそういう設定をつくっておいたほうがよかったのでは。
 ヴィンジのほうは史上初のインターネット型スペオペ(笑) まだ上巻の半分だけど、なんかデイヴィッド・ブリンみたいで、あのヴィンジがこんなSF書くかねえって感じ。山岸真が解説で書いてるとおり、背景設定はベイリーばりのバカSFノリで笑える。インターネットのアナロジーでここまで押し通す蛮勇は買いたいけど、しかし汎銀河のニューズグループまであるってのはなあ。イヌ型群体知性のエイリアンが最高。

 家に帰って、一日遅れでSFマガジンの95年SFマイベスト5を送る。




●海外作品
1 ハイペリオンの没落(ダン・シモンズ)
2 ラッカー奇想博覧会(ルーディ・ラッカー)
3 ドラキュラ紀元(キム・ニューマン)
4 黎明の王 白昼の女王(イアン・マクドナルド)
5 ヴァーチャル・ライト(ウィリアム・ギブスン)

●国内作品
1 ソリトンの悪魔(梅原克文)
2 ムジカ・マキーナ(高野史緒)
3 青狼王のくちづけ(久美沙織)
4 鉄塔 武蔵野線(銀林みのる)
5 戦場の女神たち(高瀬彼方)

【コメント】
 一説によれば、『未踏の時代』復刊にSFM1〜3号の復刻、小松左京選集や『「科學小説」神髄』刊行の相次いだ95年は、「日本SFパノラマ視現象」((C)新保博久)の年だそうだが(「午後の恐竜」ね、つまり)、個人的には「新本格SF」の年だったと思っている。その代表が御{ルビ:オン}の字3連発のソリトン、ハイペリオン、エヴァンゲリオンで、これに新「ガメラ」を加えれば、新本格SFの共通項は一目瞭然。古典的エンターテインメントSFの意匠+ジャンルに対する強烈な自意識がポイント。小説的には小松左京的なものの復活が鍵を握る。SFモドキが跳梁跋扈するいまこそ、新本格SFの爆発に強く期待したい。
 以下蛇足。国内では乱歩復活型の京極夏彦『魍魎の匣』が本来ダントツ一位なんだけど(リストに入ってないのはあんまりだと思う)、それだと「このミス」のベスト6と一緒になっちゃうので思い切ってミステリ系(『らせん』『七回死んだ男』)をはずしました。海外で『時間的無限大』『赤い惑星への航海』が落ちちゃったのはハイペリオン効果かも。




 中間集計ではやはりハイペリオン組がダントツで、『時間的無限大』が健闘している模様。出たばかりの『ドゥームズデイ・ブック』を入れてくださってる方もけっこういるそうで、ありがたいことである。国内は『魂の駆動体』『「科學小説」神髄』『ソリトンの悪魔』が三つどもえとか。まあ順当なとこでしょうね。わたしはSF大賞組は意識的にはずしました(神林長平の受賞作は『言壺』のほうだけど)。『駆動体』は嫌いじゃないけど、思考実験がナマで出てて、小説としての肉付けに乏しいのが難。二、三年前ならこの方向を押してたかもしれないけど、やっぱりこっち方向で突っ走ると日本SFは滅びるという気が最近してるので、新本格SF主義者(笑)としては、ここしばらく、小松左京レベルへの戦略的撤退に賭けてみようかと。「深化と矮小化」に向かってきた日本SFの進化の方向性をいったん否定して、北上次郎にもわかるSF(笑)から再出発すべきではないか。……なんて書いてるとまるで二十年前の水鏡子みたいでとってもいやかも。
 でも現実に、モダンホラーとして売れている『パラサイト・イヴ』が70万部突破の事態はきちんと受けとめたほうがいいし、逆にあれを喜んで読んでる人にプロモートすべき本格SFをきちんと用意すれば、日本SFの夏が来ると思うんだけどな。……なんて書いてるとすっかり北上おやじ的思想に洗脳されてしまったみたいだが、最近ミステリ畑の人から同情されるのにはうんざりなので(笑)一点突破全面展開をめざしたい。
 以上、わたしが『ソリトン』を絶賛する理由、でした。

「藤丸」はどんどんキャラが死んでいくのでもう最初からやり直すしかない気がしている。FCGAMEMのPS会議室のログをライブラリからまとめて落として読んでると、どうも途中ハングはソフト側の問題らしい。操作性の悪さもがんがん指摘されているのだが、まあそれなりの評価みたい。しかし「ビヨビヨ」を誉めてる人がけっこういるのは納得できん。みんなファミコンのRPGやってないのかっ。


【11月22日(水)】


 きのうは久しぶりに泳いで疲れたのか7時ぐらいに寝てしまい、夜中にちょっと起きてヴィンジを読んでまた寝て、7時ぐらいに起きる怠惰な生活。
 起き出してビルディに行って日経を開くと、なんと40面のうち13面までがパソコン関係の全面広告(笑) 窓95祭りは全国的に盛り上がっている模様で、これはもう夜中に秋葉原に行くしか(笑) ゆうべの高橋誠@BNNからの電話によると、店によってはカウントダウンもやるらしい。んでもって1時2時には閉店してしまう模様。11時45分くらいに秋葉原集合かな。午前1時にはTゾーンミナミ前にいるはずなので、物好きで秋葉にいるヒマな人は集合だっ(笑) 各店閉店後、神田に流れて朝までカラオケの予定。と思ったら三村美衣は夫の人が誕生日なので行けないそうである(笑) 



 と書いた日記をftpしようとしたらなんか犬が走りつづけててsdw.comに入れない。のでとりあえずリムのほうだけ更新してから、悪役座談会用に『宇宙のスカイラーク』と『闇に待つ顔』を読みはじめる。いやあスカイラーク面白いっす。とくにスカイラークできるまでの展開がグーな感じ。  のんびりした話を読んでるうちに眠くなってきたので2時間ほどうたた寝して、11時過ぎ、ピックアップにやってきた白石パパ朗のクルマで秋葉原。ものすげーひとである。こんなにたくさん物好きな人間がいるのかって感じで、ザ・コン館横の道にまちがってつっこんでしまった添野・小江ペアの乗るクルマなんか20メートル進むのに30分くらいかかってたぞ。白石クルマは奇跡的にすんなりザ・コンの駐車場に入れて、店の前の黒山の人だかりを茫然と見ていると、をを、そこにいるのは小林そーみん氏では。と思ったらその向こうにはいしかわじゅん・藤臣柊子夫妻。あらあらどうも、Macintosh9500買いに来たんですか?とか話してると、京大SF研OBで日経新聞記者の小玉くんとも遭遇。さらに佐々木千之@NetWorksもいる。ADDNETのコウタン氏を横目に見つつ、BNNのカメラマンの人としゃべってるとやがて高橋誠氏が現われ、をを、木村和久がいるじゃんと思っているとチバレイ&加藤賢宗が前を通ってゆくというたいへんな騒ぎ。
 携帯のおかげで、ツアー参加を表明していた遅塚久美子@小説すばるとも無事合流、ゲームライターの平野裕子女史も加わり、ぞろぞろと秋葉を放浪。んでもって石丸本店の3階では青木光恵嬢&オガタ氏にもばったり会ってすかさず光恵ちゃん写真をゲット。これは西原写真と並べるしか(笑)  てな状況で予定通り二時まで秋葉で遊んで神田のカリブで2時間半歌っていま帰ってきてこれから寝るのであとはよろしく。ってなにが。(この話は明日につづく)

【11月23日(木)】

 今朝は白石パパのクルマで5時半に帰ってきて、それからsdwのほうにftpのついでに日記を追加更新して、ircに行ったら大森英司がいたのでしばらくうだうだして、『宇宙のスカイラーク』を読んで寝て、起きたら夜中の11時だったのにはさすがにびっくりしたかもしれない。怠惰な暮らしにも磨きがかかっているぞ>おれ。

 ところで窓95祭りは、数こそ少なかったもののヤキソバ屋とか95円おしるこ屋とか、Win95対応コロッケ3個で100円とか出てて、あれで雨さえ降らなければねえって感じだったんですが、肝心のお店のほうが全フロア開放してるとこがすくなくて残念。95冷やかしついでにGMの冷蔵庫買って帰るという野望はあえなくついえたわけですが、ヤマギワのパソコン館が24時間営業に踏み切ったりしてて、まあそこそこ遊べる。いしかわさんはザ・コンに並んで入場したみたいだけど、さすがに石丸電気の新本店とかは1時半ごろ行くとがらがらで、これが夜中の二時の石丸なのか〜とか思うとそれなりに感慨深い。
 ソフマップシカゴ館前のカウントダウンでは花火が派手だったそうですが、ザ・コンの前は人出のわりにけっこう地味で残念でした。
 昼間の秋葉原もほとんど知らないオアシスユーザーの遅塚さん@小説すばるはすっかり目が点になってましたが、とりあえず一年はパフォーマでつなぐ方向に決めた模様。パフォーマ630を10万で買って本体は一年で捨てるってのは正解かも(笑) PCは選択肢が多すぎてたいへんだなしかし。シャープのメビウスはけっこうきれい。640*480のノートで95使う気はしないな。1024*768で2キロを切る95ノートの登場を待ちたいおれ。
 しかしADDNETの人はけっこうたくさん見かけたけどtokoyaさんはいなかったような。あ、来てたかどうかは日記で確認すればいいんだな(^_^;) そういえばEYE-COM軍団も見なかった気がする。駅前広場関係はノーチェックだったせいだろうか。

 そのあとのカラオケは、秋葉帰りにいつも寄るカリブに行ってBeMAXだったんですが(BeMAXなら日光堂系に限ると同居人の通信カラオケ評論家のひとは主張している)、阿部毅SFマガジン編集長の歌うガンズの「You Could Be Mine」が絶品で、平野裕子嬢など涙を流して感動していた。しばらく聴かないうちに歌唱力に磨きがかかっているようである。とはいえウェイターがウーロン茶とか運んできても平然と「ピンクのフリルのついたやつ〜」とか「おそうじおばちゃん」を絶唱するところはやはり阿部さんである。
 ところで高橋誠氏持参のSFマガジン最新号では水玉さんの「SFまで10000光年」が注目の的。京フェスのジェスチャークイズでサナギを演じる山岸真の姿はあまりにもラブリーといえよう。我孫子武丸、古沢嘉通、菊池誠、堺三保などの似顔絵も総登場なので関係者は要チェックでしょ。

 それにしても16時間も寝てしまうと起きてもなにもする気がしない(笑) いっそまた寝てしまおうかと思ったがそれではけだものなのでぼんやりニュース23を見てからロイヤルホストで朝ごはん。日経流通新聞と、なんかEYE-COMそっくりになってしまったCAPE-Xをぺらぺらしているうちに時間が過ぎてゆく。あーしかもこのCAPE-Xって合併号だったの(笑)
 しかしさすがに長い休暇にも飽きてきたので、ラッカーの最新長編、10ページくらいやったところで放り出していたHacker and the Antsを再開する。年内に終わったら上等だな――って無理か。一応、1月5日目標ってことにしておこう、うん。
 さいとうがカラオケショウでもらってきた葉月里緒奈のスタンドPOPがモニタの横に立ってるんだけど(それもふたりだ)なんかとっても不気味でよい。


【11月26日(日)】

 つーことで幕張メッセの初心会ソフト展示会、いわゆるファミコンスペースワールドってやつに出かける。うちからだと西船橋→南船橋→海浜幕張で、連絡さえよければ30分少々で到着するのでけっこう気軽。とはいえ会場までが遠いんだよね。
 到着してから気がついたが、わたしはこの一年以上スーファミにさわってない(笑) それもこれもGamewalkerで毎月PSとSSの新作をやらされてるせいなんだけど、まあいいや、ニンテンドー64ソフトを見た話を書けば次回の枕くらいにはなるか。
 ってことで「スーマリ64」ですが、すでにろむ蔵さんが日記に書いちゃってるとおりでもうぐりぐり。あの3Dコントローラってのはちょっと詐欺だと思いますが、さすがに任天堂が勝負かけるソフトはすごいねえ。もっともまともに動いてたのはこれだけで、どこでもかしこでもスーマリ64。ちょっとだけ動いてたのが「カービイボウル」だけど、これは発売されるとしても全然ちがうゲームになってるだろうな。あとはプロモビデオの嵐で、見てる分には「をを」と目が釘づけ系のグラフィックが少なくないがゲーム性は謎。
 SFCソフトではやっぱり須藤真澄原作+キャラデザインの「ご近所物語」でしょう。ゆずのドット絵をはやくとりこみたい(笑) 「蓬莱学園」のRPGもバカっぽくてよい。「サウンドノベルツクール」はゲーム機でやるもんじゃないと思うな。自分でテキスト入力できないんじゃ無駄では。
 笑ったのはバーチャルボーイ用麻雀ゲーム「バーチャル役満」。このプラットフォームを採用する意味がまったくないところがすばらしい。なんかみんな投げやりに開発してるよな。気持ちはわかるけど。
「ドラクエVI」とか「シレン」とかのビッグタイトルはちょっとさわったくらいじゃなんともね。スクエアではあの龍のシミュレーションがよさそうでした。

 ってことで2時間ぐらい流してうちに帰って、貫井徳郎『失踪症候群』読みながら寝る。冒頭はスパイ大作戦みたいでかっちょいい。メインのアイデアも悪くない。でもなんか話がぎくしゃくしてる感じ。若者の失踪が増えてるって出発点からあーゆーふうに展開されるとどうも釈然としないものが残りますね。事件の全体像と、捜査チームの人物像と、悪者側の人物像とか噛み合ってないっていうか。講談社から出るらしい新作に期待。


【11月27日(月)】

 なんか24時間起きてて12時間寝るサイクルに突入した模様で、夕方寝たのに起きたら朝だった(笑) ビルディでモーニング食べてリットーミュージック「Sift」のコミックレビュー。というか今回は無理やり『新世紀エヴァンゲリオン』なのでほとんどアニメの話である(笑) 貞本版のコミックは話がわかりやすくてよいかも。参考にFGAINAXのエヴァ会議室を落とすかと思ったらすでに4メガくらいある(爆笑) ROAD5で入って圧縮ログを1メガ分くらい見つくろってダウンロード。ぱらぱら読んでますが爆発してますねえ。あーでもときメモ特設会議室よりはましか。
 家に帰って、昨日メディアフロントから届いたマルチメディアSFエンサイクロペディアをブラウズ。若干重いけどまあよくできてますね。ビデオに登場する作家名が再生しないとわかんないのはちょっと。MOVIEファイルのうち一個は再生しようとするとなぜか必ずFPUエラーが出てしまう。謎。そんなにおれに7500を買わせたいか。まあでも内緒の仕事であぶく銭が入る予定だから買ってもいいかも。nbkz氏が8100買ってるんだもんなあ。岡林課長などWin95をCD-ROM版とFD版と両方買うくらいお金が余っているのだ。よし、とりあえず12月になったら7500ね。と心に決める。
 
 届いた郵便物を持ってミストラル。リテレール別冊の『単行本・文庫本ベスト3』をぱらぱら見てたら、天沢退二郎のところで仰天。文庫本ベスト3が、1位『魍魎の匣』、2位がなしで3位が小野不由美『過ぎる十七の春』だって(笑)
 コメントがまたすばらしく、

「3も、これを入れるのはなかなか不本意で空欄にすべきところかもしれない――何しろ一九九四年に『東亰異聞』で私たちを瞠目させ、講談社X文庫で二系列の連作長編の、矢づきばやの連打で圧倒した小野不由美が、今年この旧作焼き直し一篇しか出さなかったというのは、去年書き過ぎて「手が壊れてしまった」ためということで無理もないとして、近々の再登場を切望しつつ、ここにこの一篇を挙げておくのである。とはいえ、この作品もとくに駄作というのではなく、舞台の鮮明な感触も、怨霊出現のこわさもリアリティもさすがこの作者のものであって、好もしいリヴァイヴァルではあるが、全体に甘さが残り文章ひとつとっても多義性の濃密さが足りない気がする。(後略)」


 だってよ、おい。『東亰異聞』の解説は天沢退二郎で決まりかな。しかしこう書いてるってことは〈悪霊〉シリーズも読んでるんだろうか。ううむ。
「小野不由美の新作の読めない代用として(?)読んでみた他作家の同類ジャンルものに比べると、やはりこの人の文章の新鮮さは際立っているとみた」ということなので、ひょっとしてスレイヤーズとか読んでるのかしら。立派な人である。
 しかし『過ぎる十七の春』は、『呪われた一七歳』にくらべると格段によくなっているとはいえ、わたしはあんまり買えません。『過ぎる十七の春』だったら、氷室冴子の銀金に軍配を挙げるな。『海がきこえる2』のほうが好きだけど(笑)

 単行本ベスト全体では、『恋愛太平記』『エッフェル塔試論』『ねじまき鳥』なんてところが人気。まあ順当でしょう。ってエッフェル塔は読んでないや。松浦寿輝ってサンリオSF文庫で解説書いてた人でしょ――とか思うSF者ももはや少ないだろうな(笑)

 さて、ぼちぼち原稿を書くので今日はこれまで。


【11月28日(月)】

 Siftのコミック評を無理やり角川版の「新世紀エヴァンゲリオン」ででっちあげ(ほとんどアニメの話しか書いてない(笑))、小説すばるの書評を『魂の駆動体』で書く。たぶん史上初のURL入り文芸書(笑)『オタクと三人の魔女』にしようかとも思ったけど、やっぱりわたしはリーベント下高井戸のほうが好きだな。『駆動体』が好きかというとこれも疑問だけど。
 家から各所に原稿を送ってから「幻の光」の試写@ユニジャパン。ユニジャパンと映倫試写室の場所がいつもごっちゃになるので確認のため出かける前に柳下に電話。
「なに見るの?」
「「幻の光」」
「あーあのアンゲロシャオシェンね」
 とゆわれて見るのをやめようかと思ったが(笑)このアンゲロシャオシェンはけっこう好きかも。いちいち重そうな鞄持ち歩くのはやめてほしいと思いますが、まあこのへんがアンゲロ成分なのか(笑) シャオシェン成分は前半に集中している。しかし冒頭のおばあちゃんのセリフの「宿毛」という固有名詞を聞きとれる人が何人いるだろうか。
 うーんでもこれで4枚原稿書くのはけっこうつらいかもだなあ。と思いながらメディアフロントを開くと轟夕起夫の映画評が(笑) まあ12月9日公開だもんなあ。

 さてなんかノドが痛いなあと思いながら近藤書店に寄って「幻の光」の原作を買ったりしているうちにノドは急速に腫れはじめ、前回の入院の前々日状態に突入。そういえばあのときも銀座で発症したのだった。銀座が鬼門か>おれ。しかし今回はべつに体調悪くなかったのになあ。おかしいなあ。あーひょっとしたらそのメディアフロントに載っていた諸星友郎デビゥ原稿を読んだのが悪かったのかもしれない(笑)と思いながら帰って早々に寝る。
 明日はSF大賞&本の雑誌「悪役を語る」座談会なのにはたしてだいじょうぶか? 刮目して明日の日記を待て!

だからカラオケでノドが腫れたんじゃないってばよ>そのへん
【11月29日(水)】

 8時に起きて、9時に新葛西病院。抗生物質の点滴を受け、薬を出してもらう。血液検査によれば白血球は12000とかなので前回よりは全然すくない。一応、水も飲めるし、固形物も無理すれば食えないことはない。
 まあなんとかなるでしょってことで、笹塚の本の雑誌編集部。駅から歩くとけっこう遠いんだよな、これが。と思いながら歩いていると、前方に文庫本を読みながら歩く中年男。ヴァクスの『ハード・キャンディ』を座談会に備えて読み直す茶木さんだった。熱心なことである。  問題の悪役座談会は、まあそのうち本の雑誌に載るでしょう。わたしはノドがノドなので根気がなく、SF系の悪役たちは惨敗。四人中三人が初戦敗退だもんなあ。まったく申し訳ない。だいたいマーク・デュケーヌがドクター・ノオに負けるなんてのはぜったいまちがっている!  と怒る気力もあんまりなく、はいはいわかりましたー的敗北主義の1時間半を経て、ふたたび東京を横断、日本SF大賞@東京會舘。

 会う人会う人に「体だいじょうぶ?」と聞かれるんだけど、たまたま今日だけはだいじょぶじゃないので、
「いやー、パーティに出るために点滴してきましたからだいじょぶですよ、ははは」
 とか答えてすっかり病弱な人だと思われているかもしれない。なんか最近そのほうが得なような気もちょっとするけど(笑) ご心配いただいてる皆様にはたいへん申し訳のないことです。
 申し訳ないといえば、悪役エントリーではダン・シモンズ『殺戮のチェスゲーム』の著者をロバート・マキャモン(笑)と誤記(白石朗氏よりメールで指摘)、さらにゲームの話では「バーチャコップ」を「サイバーコップ」と誤記(我孫子武丸氏より日記で嘲笑)しておりました。えーとそれからQV-10の画像一括処理についてはすでにツールが存在します。「QV10 FAQをメールしたのに読んでないんすか、とほほ」的メールを下さったきむらかずしさま、たいへん失礼いたしました。その手前のところまでは読んでたんですが(笑)
 というわけでQV-10のGIF化に悩んでいる人は、QV-10 FAQ を見にいこう!(あーしかしなんでこのページを見てないのかというと、bnn-internet経由だとリムの個人ページ表示が最強に遅まるからなんですね。リムからはいったときに見ればいいんだけどつい忘れてしまうという(^_^;))
 なお、高橋誠@メディアフロント様、柳下毅一郎@特殊翻訳家さまからも同様の指摘をいただきましたm(..)m

 しかしSF大賞のパーティではQV-10を持っていくのを忘れたので、当分このべんりなツールを試すチャンスはないかも。山田正紀、横田順彌、鈴木光司あたりの写真をgetし損ねたのは痛いかも。ってなにが。
 今年のSF大賞はSF界生え抜き(笑)の野田・神林ダブル受賞のおかげか、SF人の比率が高く、古いSFの人にたくさん会う。が、まともに話ができないのでジェスチャーゲーム状態でたいへん。柴野さんの奥さんには真剣に心配されてしまう。
 あ、そうだ、SF大賞のパーティとしてはひょっとすると十年ぶりくらいに安田均氏が来ていたのだった。古沢さんは「安田氏としゃべったんは十年ぶりとちゃうか」とゆっていたが、伊藤典夫・安田均の会話は交わされたのだろうか。ううむ。

 パーティ後は一階のティールームで小説トリッパーの人と新人賞下読みの打ち合わせ。一本4000円ってのは安いねしかし。ファンタジーノベル大賞の半分(笑) だいたい小説誌の新人賞ってのは当落基準があいまいなので一次選考側の負担が大きい。ヤングアダルト系の賞とちがって、内容的にも辛気くさい話が多くなるし。までも年末年始はヒマだからいいや。この調子でどんどん受注していると賞の下読みだけで生活できるようになるかも(笑)
 しかしこれだけ大量の新人賞があるのにSF関連の賞が一個もないってのはなあ。SF大賞受賞記念に、東京創元社でSFの長篇賞立ち上げるってのはどうですかね。400枚以上とかにすれば応募はせいぜい100本くらいだし、創元でSFの賞なら一本千円くらいで下読みするやつはいっぱいいるでしょ。鮎川賞方式なら間接経費はほとんどかかんないし。日本SFは小松左京に回帰するって大森理論からいえば、「小松左京賞」だな。アスキーもしくはジャストシステム主催も可。選考委員は伊藤典夫、笠井潔、森下一仁とか。総予算は五十万くらい(笑) パライヴ、ソリトン効果が期待できるいまがちゃーんす。ほんとは早川がやるのスジだけどさ。

 トリッパーの打ち合わせ後、伊藤典夫・森下一仁・山田正紀・高橋良平各氏のテーブルに移り、SF翻訳の話。伊藤さんは着々と「アインシュタイン交点」の翻訳を進めている模様。いろいろと恐ろしい話を聞いた気もするが熱のせいかよく覚えていない。
 9時をまわったところで、三村美衣さいとうよしこと3人でタクシーに乗り銀座四丁目の二次会場。神林同盟と宇宙軍の古手ファンたちが大挙集合している。なんかSF大会のパーティみたいだと思いました。司会は元ガイナックス・現オニロの井上さん。特別賞の『「科學小説」神髄』は高橋良平編集・野田昌宏著ってこともあって、スピーチ関係はわりとこっちに偏ってた気がする。スーツの高橋さんが否応なくどんどん壇上でしゃべらされてたのはけっこう見物だったかも。
 しかしSF大賞初受賞で大興奮の小浜徹也@東京創元社ははしゃぎすぎ。うーんでも鮎川賞の司会よりSF大賞の司会がやりたいとずっと思ってたんだろうか(笑) いやそれも創元でSFの新人賞をはじめれば解消できるぞ(笑)

 3次会はおなじビルの8Fのティーラウンジ。出版芸術社の溝畑アニソンのえらいひと康史が徳間の中小路くんの携帯でいきなり大森英司を呼び出す。
「いまSF大賞のパーティのあとなんだけどさ、これからカラオケだから。えっ、なに、来るの、ほんとかよ」
 っておまえが呼んだんだろ、溝畑。といっても夜中の一時半に銀座までアニカラ歌いにくる大森英司も大森英司である。
 三次会場ではスパゲッティ・ミートソース大皿事件とかいろいろあったけど、わたしは頭がずっとぼんやりしていたのでなにも知りません。ひとつだけいえることは、溝畑は悪人ということだな。
 午前一時からおなじビルの6階に12人が流れて大カラオケ大会。JOYとDAMと集中管理の第一興商LDに総合歌本一冊っていうアレサの変型システムなんだけど、巨大パーティルームで午前1時から8時まで歌って1万円ぽっきりってのは爆発的に安い。場所も銀座の真ん中だし、ここは押さえておくべきかも。電話番号とくわしいシステムについてはいずれさいとうよしこのカラオケページに発表されるでしょう。
 大森はとりあえず「さよならなんて云えないよ」を入れて様子を見たがやはり末期的に声が出ない。それにくらべて溝畑の声はすでに人間ではない。マイクなしで部屋のいちばん奥で歌ってもマイク持ってるやつより声がでかいんだもんなあ。やはりアニカラの人々とは一線を画したいと強く思うおれ。しかし大森英司はあんまり声がでかくなかったな。あとから合流した阿部毅は「ラブ・ファントム」で攻める。LD版があると自動的にそっちが優先されるシステムなので、珍しい絵が見られてよかった。安室の本人出演版とか考えてみるとはじめて見たもんな。
 歌えないのにいてもしょうがないので(笑)午前3時ごろタクシーで帰宅。


【11月30日(木)】

 昼飯食ってから午後一で新葛西病院行って抗生物質点滴。多少はよくなっているような気がする。紹介状書いてもらって明日は朝一で順天堂浦安病院に行くことになる。明日はドゥームズデイ・ブック打ち上げ宴会なんだけどなあ。
 3時半に九段下で佐々木@NetWorksと落ち合って日本武道館。坂本龍一・原田大三郎のDアンドLの取材。なんかえらそうな服を着た桝山さんが登場し、取材陣を引率、舞台裏見学ツアー(歩いているうちに小崎さん@デジタルボーイからコラム原稿を頼まれる。歩きながら依頼されたのははじめてかも(笑))パラボラアンテナ見てから地下に潜り、会議室でブリーフィング。途中から技術主任のたけなかさん登場。
 たけなかさんといえば日記ランキングでは10位にがんばってて、狂乱西葛西日記のベストテン入りを一週間くらい阻止しつづけている。おれなんか点滴まで打って更新してるのに。
 コンピュータ室はなんかたいへんな状況。えらい機械がいろいろあるらしいがよくわからない。佐々木くんはこのあと慶応SFCに直行してM-boneの実況生中継イベント取材。おれも同行する予定だったが体力に自信がないのでパス。家に帰ってStream Worksでも見ようかと思ったら、
「LCだとほとんど実用になんないっすよ。デコードに時間がかかりすぎて。それにMacintosh版は映像出ません」
 とたけなかさんにいわれてしまったので方針を変更し、BNNに電話(笑) 半蔵門線でひと駅のメディアフロント編集部のWin95マシンでアクセスすることにする。
 単行本担当の人にマシンを起動してもらい、メディアフロントの石井さんの協力を仰いでStream Worksでつなごうとするがうまくいかない。とうとうBNNからアスキーに電話して、NetWorks編集部で接続作戦中の岩本さんの指導を受ける。まったくなにやってんだか>おれ。  悪戦苦闘のすえ、IIJにつないで番組名を出すところまでは成功したが音も絵も来ない。最終的にpcm用のドライバがないことが判明し(あとで聞いたらサウンドカード入れてなかったんだってさ。わたしたちの苦労はなに(笑))あきらめてMacintosh版でやりなおそうってことになって、石井さんがStreamworkをダウンロード。映像は来ないけど、Windows版でもなかなか映像受信には成功しないみたいだからいいや。ってことでMac版でトライ。2、3秒の受信には成功するがすぐにエラーメッセージが出て切れちゃうの。藤沢行ったほうが疲れなかったかもしんない(笑)
 まあでもだいたいの様子はわかったので、8時ごろに引き上げる。やれやれ。石井さんどうもありがとうございました。
 ところでこのあいだじゅう高橋誠はどうしていたかというと金子誠と秋葉原で飯を食っていたらしい。金子さんは単行本の仕事で火の車らしいが飯はゆっくり食うのが正しい態度だ、うん。

【12月1日(金)】

 午前7時起床。メトロセンターのロッテリアでモーニング食べて浦安。タクシー代1210円使って(医療費控除の対象になるな――と思ったが領収書もらい忘れた)順天堂浦安病院。順天堂大の付属病院がなぜ新浦安にあるのかよく知らないが巨大。コンピュータ管理されてて、再診の受付は診療カードを機械に食わせるだけとか。あとはインターネット経由で初診の受付をしてくれれば完璧だな。
 というようなことが書かれている『ビル・ゲイツ、未来を語る』という本がアスキーからもうすぐ出るんだけど、そのUncorrected Proof(ゲラのコピーを簡易製本したやつ)がすでに各社に送られてて、同梱されている西和彦の訳者あとがきを呼んだ谷口さん@日刊工業新聞から、
「内緒の仕事ってもしやこれでは」の指摘あり。ばれたか(笑) まあバラしたのは社長のひとなのではおれのせいじゃないもんね。
 というわけでわたしがビル・ゲイツに魂を売った大森です。そしてそのカネでPowerMAC7500買うぞ、みたいな。でも契約書交わしてるから詳細はひみつ。まあしょせん大森の魂なのでそんなに高くないのである。
 コンピュータライズドされてるおかげなのか順天堂病院の待ち時間は規模の割に短くて、一時間強で処理が完了。しかし耳鼻科の専門医が診てもたちどころに診断が下されるわけではなく、けっきょく来週CTスキャンと超音波検査を受けることになる。新葛西病院でもCTスキャン受けたんだけどなあ。CTスキャンといえば、なんかレコード会社のほうのアップルと関係あるんだっけか。「ヒポクラテスたち」の中に、ビートルズの印税のおかげで開発された技術なんだよとかいうセリフが出てきたことをふと思い出したが記憶が定かでない。
 それにしても順天堂病院の専門医の人はけっこう豪快。主治医がノドの腫れを触診しながら首をひねり、同僚を呼んで、「これこれこうだっていうんですがねえ」と病状を説明。なんだか専門的な会話(テックトークつうやつですね)を交わしながら、同僚の人が大森の口の中にぐぐぐぐっと指をつっこみ、
「どう、痛くない?」
「いや、あんまり」
「ふうん。ここはどう?」
「(そりゃ口の中に無理やり指つっこんでぐいぐい押してるんだから痛いに決まってるだろ)それほどでもないです」
 しばらくオレのノドの腫れた部分をじっと見てから、くだんの医者がひとこと。
「急に太ったってことはないよね」
「…………」
「ノドだけ太るわけないか。わはは」
 だってさ。しかし出してもらったクスリはけっこう効いたような気がするので許してやろう。
 浦安のファーストキッチンでスープパン(フランスパンをくりぬいた穴にクリームスープがはいってるやつ)を食べて帰宅。昼寝しようと思ったけど眠けが去ったので、「バーチャコップ」に挑戦。我孫子さんにならってライフとクレジットをそれぞれ9に増やして挑戦するが、やはり3面のボスに勝てない。ヘリコプターにやられてしまう。くそ。向いてないかも。はやくどらくえがしたいです。

 SFマガジンでファンタジー時評を担当している中野善夫からメール。研究室のMacにこっそりホームページを開設したらしい。平日の朝6時から9時まで(要するに中野が出勤してから、ほかの人たちが出勤してくるまで)しかアクセスできないし、すぐにやめちゃうかもとか書いてあるけど、見に行ったらちゃんと表示されたのでさっそくリンクに追加する。中野くんは本フェチの人なので、インターネットは主に本を注文するための道具だと思っている。したがって主にそういう人のためのページになっているわけだが、それだけじゃなくて読書日記まであるのでお得かも。
 ……と日記に書いておかないと、SFマガジンの阿部さんみたいに西葛西日記しか見ない人は永遠に気がつかないので注意が必要(笑) リンクページは日記ページに注ぐ頻度で新ページが追加されているのでチェックしてね。

 5時になったので家を出て早川書房。塩澤くんの横にすわってSFマガジンベストの結果を見せてもらう。ベスト10中、3つがハイペリオン関係(笑) 1位がハイペリオン二部作、3位がハイペリオン、6位か7位に「没落」だったと思った。ハイペリオン外のトップは『赤い惑星への航海』で、つづいて『時間的無限大』。『ドゥームズデイ・ブック』は10月末の刊行にもかかわらず大健闘の5位。みんなよくあんなぶあつい本読むよなあ。まあ最後まで読まずにいれた水鏡子師匠のような人もいるが。
 国内では『ソリトン』が僅差で『駆動体』をかわし首位。よしよし。あとは『トンデモ本』が5位かなんかにランクされているという惨状である。『魍魎の匣』は、膨大な量の候補作リストにはいってなかったにもかかわらずベストテン入りしている。考えてみるとこのミスのベストテンとけっこうだぶってるかもだな>国内ベスト。
 あんまり書くと怒られるかもしれないので(もう遅いかも)あとはSFマガジン1月号を待っていただくとして、今日はなんで早川にいるかというと『ドゥームズデイ・ブック』と『SF翻訳講座』とワーシング二部作の合同打ち上げなんですね。

 FT担当K藤K子嬢と校閲担当のお局さまこと竹内みと嬢、SF文庫担当・河野佐知嬢に、マガジン編集部の阿部、塩澤、清水の野郎三人組を加えた早川勢6人とともに近所の台湾料理屋・海老寿に移動し食いまくり。早川のひとはよく食うねしかし。
「だから菅野さんは○○なんですよー」的な発言や、愛のメール発覚事件、編集長自爆事件がつぎつぎに勃発、メートルは上がるばかりである(笑) しかし阿部さんはエロサイトにはやけにくわしかったな(笑)

 カラオケゴーゴー団の団長が合流したところでジョッコに流れてJOYSOUND4時間半。みと嬢のフラメンコを見損ねたのは残念だが、一昨日のうらみは半分くらいはらしたからだいじょうぶさ(ふたんよりキーは2音下でした)。しかしこの一週間は阿部さんの歌をやたらに聞いたような気がする。
 

【12月2日(土)】

 こんこんと眠りつづけて昼ごろ起きると、ノドの痛みはほとんど消えている。さすが順天堂病院。ってほっといても治ってた気もするけど。
 すでに締切を過ぎてしまった『殺人鬼』の解説に着手。綾辻作品再読プロジェクトは7冊読んだところで止まっているのだが、よく考えるとあんまり関係ない(笑) んーでも『人形館』は『殺人鬼』の姉妹篇といえなくもないかもしれない。暴露系の原稿にしようかと思ったが綾辻さんが嫌がりそうなので正攻法。
 しかししばらくだらだらな日々をつづけているうちにすっかり筆が遅くなっている。ワンシッティングではとても書き上がらないのであきらめて家に帰り、心を入れ替えて「バーチャコップ」に再挑戦。2度め(通算7度めくらいか)のトライでようやくエンディングを見る。9ライフ×9クレジット使いきり、みたいな(^_^;) しかし精進すればワンコインクリアできるようになるんだろうか。ううむ。練習モードでは最初の面が全然クリアできないしなあ(笑)


【12月3日(日)】

 10時間睡眠で11時半起床。メール見てNIFTY-Serve読んで(某パティオではとつぜん関口苑生大兄が爆発している)からミストラルでお昼。
 あ、そだ、ねすけ2.0では1.1Nで正常に見えるページの表示がおかしくなるケースがいくつかあるみたいで、Yoshiko's Color-OK Pageなんかはたぶんタイトルタグ複数入れてるせいだと思うんだけど、かめちゃんめった切り書評のParadise Viewは、アクセスカウンターのせいで乱れているみたい。その件で保守担当というか大家さんのzentaさんにメールしたら返事が届いていましたが、やっぱり対症療法しかないみたいで。みんなどうしてるんでしょうね。変わったことしてる人は自分のページを2.0でチェックしてみたほうがいいかも。
 ドラクエVIを予約するかとメトロセンターのきりんへ行ったら「予約受付終了しました」の札。あわてて「おやじの店」(話好きの大言壮語おやじがいるのでわが家ではこの名で親しまれている)ことピットインに走っていったらまだ受け付けてもらえた。「前日の夕方には入ってると思います」とのこと。8日は病院行くから早起きなんだよなあ。昼寝して備えるか(笑)

Eudora Proの試用版目あてにインターネットマガジン買ったらWindows版のみ収録だった(;_;) 最近この雑誌はすっかりWinシフトしたみたい。ダイナブックにメモリ増設してWin95入れるかなあ。悩ましい。Wintelの軍門に下るほうが幸せなのはわかってるけど、まだMacを捨てる踏ん切りがつかない。悪女の深情けか(笑) まあぼくの場合、被害金額は少ないんですけどね。

 解説のつづきを書いてから家に帰るとX-55があった。という話は明日につづく。


【12月7日(木)】

 午前10時にとなりの部屋の父親からの電話で起こされる。いばらき京都ホテルのティーラウンジでモーニング食べつつうだうだ。ゆうべの新幹線に乗り遅れて(しかし午後9時半に東京駅について、便がないので茫然としたという間抜けなやつ)けさのひかりでやってきたJUNE編集部勤務の弟:英保未紀(あー『Visual Tambi JUNE』はデスクでも副編でもなく、たんなる編集後記担当(笑)だそうです)と合流して、一家四人でタクシーに乗り茨木市営斎場。
 きのうがレッカ社の忘年会でお通夜をパスしたさいとうよしこは焼香の順番が来ても式場にたどりつかない大遅刻。まーそーゆーやつだ。
 やたら新しい斎場は、座敷じゃなくて椅子にすわるタイプの告別式場なのですげー楽。でもなんか教会式のお葬式みたいでした。
 告別式終了後、別室でおべんと食べて骨上げ。つづいてすぐ初七日の法要があって、お坊さんがインドのお話を関西弁でえんえんしてくれたのがちょっと面白かった。
「浄土真宗の阿弥陀さんは立ってござる。奈良や鎌倉の大仏さんはすわってはりますが、浄土真宗の仏さんは自分から来てくれはるんですな」てな具合。
 しかし相当なご高齢でお経あげてる最中にしばしばどこを読んでるかわからなくなって沈黙してしまうので、短気なばーちゃんは骨壷の中でヒステリー起こしてたかも。
 8時過ぎののぞみで帰京。ばったり寝る。


【12月8日(金)】

 3時ごろ起きて飯でも食いにいくかと出かけようとして気づく。今日ってドラクエ搬入日じゃん。うちの近所のおやじの店(ピットイン)は前日フライング発売(というか問屋から入荷したらすぐ売りはじめる)があたりまえの店で、
「8日の夕方には入ると思いますから寄ってみてください」
 といわれていたのだった。つーことでスクーター飛ばして入ってみると「DQ6入荷しました」の張り紙。しょうがないので即購入、コンビニで食糧調達して帰宅し、スーファミを立ち上げる。久々に聞くザザッのSEが快感。しかしあーなんか地味。なのはいいとしてもなにこいつ。全然感情移入する気が起きないぞ。と文句をいいつつ二時間プレイしたところで、渡辺4号@アニメージュとの打ち合わせのためにミストラル。なんかコラムページまとめて、うち1ページを書評に当てるんだそうで、新刊時評+関連旧刊紹介を担当することになる。徳間の人々の消息とか、鈴木光司の話をする。
 速攻で家に帰ってどらくえのつづき。超たるい。いまさらラーのカガミでこんなにひっぱるなよー頼むからさあ。ノスタルジー抜きじゃ遊べないゲームつくって楽しいか、堀井。IVもVもそれなりに評価してるおれだが、7時間やった範囲ではVIはもうほとんどドラクエもどきRPGのワンノブゼムだよね。シナリオの感情移入能力を失ってしまっては、出来の悪いFFにしかなんない。ドラクエだから許されるウィンドウシステムの使いにくさも、こうなってはうっとうしいだけだぜ。疲れたので2時ぐらいに寝る。


【12月9日(土)】

 キネ旬ベストの投票用紙が襲来し、アタマを抱える。見てる本数からいうと棄権したほうがマシなんだけど、締切までに20本見ればなんとか格好はつくかと計算をはじめる(笑) 問題はドラクエをいつ捨てるかだな。11月のヒマこいてる時期になんとかしておくべきだった……と思ってももう遅い。ほんとは邦画を投票したいんだけど、両方はとても無理だから洋画に絞るしか。

 午後二時、元宝島の田中さん@SPA!編集部が取材で来訪。96年のミニブーム予測ってことで、とりあえずマイブームなネタのメインはX-55。さいとうがきのうの真夜中、タクシーでレッカ社から運搬してきた安室奈美恵の等身大POP(当然X-55宣伝用のやつね)を組み立ててテレビの横にセット。ビデオで「エヴァンゲリオン」を流す上に「Fly Me to the Moon」ブレンダ・リー版の歌詞を流し、X-55のマイクを握ったポーズで写真撮影(笑) きっぱりバカだね。広角レンズで視野が広いため、安室の全身もばっちりフレームに入り、なんかデュエットな感じ(笑) 「残酷な天使のテーゼ」がはいってれば完璧だったんだけどなあ。
 つーことで、これでX-55とエヴァと新本格SF(笑)の3点をマイブームで消化、あとはお約束のにっきな話を混ぜて取材終了。岡村靖幸とコーネリアスの話で妙に盛り上がる(笑)

 取材後はドラクエのつづき。すでにしゃかりきでやる気はほとんどないが、となりでテレビを流したまま半分惰性でつづける。しかしゲームバランス悪すぎ。ほとんど全滅なしですいすい来たのに、前半のラスボスが倒せない。フバーハないんだもんなあ。ワンターンでサブキャラ2人いっぺんに殺されたりするのでもうヒットポイント上げるしか。「たかじんのバー」見ながら二時間かけてレベル上げ。しかしまあ最初の村にある7000Gのかっちょいヨロイを買うためにカネを貯めるという目標を設定すると、ひとりでにレベルは上がるのだった。このヨロイはそのためにあるのか(笑) カジノ遊びで特殊兵器入手コースもあるかもしれないがよくわからない。転職も魔物使いもないこの段階でカジノで時間費やす気はしないしなあ。ルカニ+スクルトで攻撃はハッサン主体という超単調な戦闘のあげく二人目の***を倒してようやく前半(というかオープニングか、これ)終了。ここまでのお話は5時間以内におさめるでしょ、ふつー。


【12月10日(日)】

 本篇突入後は船とひょうたん島で世界周遊。魔王が倒れて世界は平和になったので、やることは自分でさがさなきゃならない。シナリオ的にはちょっと面白い趣向。仲間にしたモンスターをダーマで転職させられるってのはけっこう笑えるっす。くさったしたいを踊り子にするとかさ。ってそれじゃ「らくだ」だって。でもかんかんのうの能力は取得できないのだった(笑)
 三村美衣から電話。前篇ラスボス戦闘で5回全滅して怒り狂っている(笑) レベル上げを推奨する。つづいて夜中に水鏡子師匠から電話。ラス前ボスの戦闘で3回全滅。ラーのカガミを使いまくっても効果がなくて困っているという(笑) しかし***との一回目の戦闘はそんなにきつくないはずなのになあ。戦闘方法を根本的にまちがっているのでは。MPが足りないとかゆってるから、いやしのつえ使ってないのかも。中ボスが待ってる通常ダンジョン歩くときは「じゅもんをつかうな」が基本でしょ。しかし今回のAI戦闘は、どうぐ系をほとんど使わない気がする。前作のアルゴリズムのほうがかしこかったような気がするな。とくぎコマンドが増えたあおりかもしれないけど。
 しかしおれのほうも本篇にはいったあと、アモス関連とテリー関連のイベントを消化したら目的消失状態。くさったしたいとレッサードラゴン以降、戦闘をくりかえしても仲間は増えないし。だらだらするのにも飽きてきたのでそろそろ見切り時かも。バーバラはあっという間におどりこをきわめてしまったのであそびにんに転職、スーパースターの道をめざしてますが、いまいちやりこむ気がしないぞ。駄作かもの確信は深まりつつある。あっと驚く展開がはたして待っているのだろうか。
 うんざりしたところで電源を落とし、プロテウス仕事。あしたは午前11時に中野の久保書店詣でだ。やれやれ。

【12月11日(月)】

 徹夜で中野区の久保書店@11時am。哲学堂のやや南くらいの閑静な住宅街の木造住宅の二階がいきなり編集部で、青林堂みたいな雰囲気。あ、もうちょっと広いかな。30年前の小学校の職員室とか、そういうタイプの編集部でなかなか渋い。
 スタジオプロテウス関連のアダルト系コミック版権交渉に行ったんですが、帰り際にSFの話になって、久保書店SFノベルズとかQTブックスとか読んでましたというと、久保社長の口からSF翻訳者たちの往年のエピソードがぞろぞろ(笑) ちゃんとインタビューすると面白いかも。ってこれは高橋良平の領分だな。
 自宅に直帰してつまんないゲームのつづき(笑) アモスくんに真実を告知すると仲間にならないという問答無用な展開はすばらしい。ってアモスいないと不便だけどさ。でもやっぱり癌になったら告知してもらいたいとおれは思うぞ。


【12月12日(火)】

 「クイズ・ショウ」「蜘蛛に抱かれた女」「王妃マルゴ」をビデオで連続観賞。「蜘蛛」はゴミ。「クイズ・ショウ」はまじめが取り柄。しかしたかがクイズだぜ。「マルゴ」はイザベル・アジャーニ観賞用。ご立派すぎて、ってやつですか。


【12月13日(水)】

 6時、天王州アイルのラ・カーザなんとかってお店で恒例のミステリー忘年会。まあ正確にいうと海外ミステリ翻訳関係者忘年会ですね。翻訳者が半分くらいで、残りが編集者と書評家。名前だけは知っている人が大量に歩いているが、あたしゃ翻訳ミステリはほとんど読んでないので知らない人とは話ができないのだった。
 木村二郎(仁良)氏とはWWWページの話で妙に盛り上がる。どうでもいいけど、木村さんはしゃべり方とか表情がたこいきよしに異常に似ていると思う。って両方知ってる人はほとんどいないか(^_^;) 夏来健次○○○○事件とか、関口×三橋○○○○事件とかいろいろあったみたいだけど詳細はひみつ。あ、そういえばWIREDの人も来てましたね。
 おなじ会場の二次会につきあってから、11時ごろ、鎌田三平・白石朗・古沢嘉通・堺三保と5人でタクシー二台に分乗し、早稲田奉仕園セミナーハウスで開催中の翻訳勉強会忘年会に流れる。
 途中、遅塚さん@小説すばるからは、長谷川@新潮文庫&恩田陸嬢とカラオケ中なのですぐ来たまい、タクシー代出すからさ的お誘いがかかるが、合宿忘年会を脱け出すわけにもいかず涙をのんでパス。そういえば恩田さんにはずいぶん会ってないのだった。
 勉強会は伊藤(典夫)さんがマガジンの締切にひっかかって来られず、さらにわたしが細美透湖を寝かしつけているあいだに(笑)約半数が飯を食いに消えてしまったので、話題はもっぱら内田昌之(『無限アセンブラ』重版決定!)の女性関係に集中。なんだかデパガ専門らしい(笑)


【12月14日(木)】

 大部屋でいびきがうるさい人が約一名いたため寝るのをあきらめて始発の東西線で帰宅。夕方起きると、水鏡子師匠が居間でふんぞりかえって自分の家から持ってきたドラクエをやっている。しょうがないので外で仕事。


【12月15日(金)】

 3時、ペントハウス編集部の福山嬢来訪。例のパソコン特集(笑)でワールドワイドちんけ系ホームページを紹介するコーナーの担当をまかされたんだけど、まだ一度もホームページの実物(っていうか、印刷物じゃなくて画面上に映ってるもの)を見たことがないってことで、編集部にはついに!先週末にPerforma 5210が導入されたもののまだインターネット接続には成功しないらしくて、じゃあ実物(笑)を見ながら打ち合わせしましょうという話になったわけですね。バーチャルプチプチを見せたらなんか喜ばれていましたが、どういう構成になるのかは謎。
 
 7時、神保町のイタリアンレストランでビル・ゲイツ本の打ち上げ。日暮雅道氏、アスキー第一書籍編集部長の佐藤さん、おなじみ中村さん、プランク木村さんなど、総勢7人くらいでえんえん4時間くらい。
 11時に抜けてタクシーで半蔵門のぶんか社にまわり、「どうしてもインターネットにつながらないんですぅ(;_;)」という涙の訴えにこたえてセッティング。編集部の人は主に、ファイルひとつFDにコピーしただけで「わぁMacってすごーい」と感動するクラスなので、とりあえず途中までのセッティングは出入りのライターの真柄さんっていう女性がやってたんだけど、ConfigPPPのOPENボタンがアクティヴにならないとかそういう話。うちから持ってきた設定ファイルとドライバ類をそのままぜんぶコピーして再起動かけてこれでどうだと思ったら世の中そううまくはいかない。システムフォルダの中を掘ってみると、InterconnectPPPがバンドルされてて、機能拡張もそっちのPPPだったんですね。インターコネクト関係をはずして再起動かけると無事につながり、しばらく油を売ってからタクシーで帰宅。
 

【12月16日(土)】

 昨日着いたばかりのチャールズ・プラット(およびそのガールフレンドでニューヨーク在住の日本人エディトリアルデザイナーのえりこさん)と新宿駅南口で10時45分に合流して、山岡謙氏の弟さんがやってるというフレンチレストランでRAY会忘年会。RAY会ってのは柴野拓美(小隅黎)氏を囲む翻訳者の月例会で、ふだんはめったに出ないんだけど、忘年会だけはマメに出ているわたし。
 そういう人はほかにも多いらしくて、20人を越える大盛況。柴野拓美、高林慧子、小木曽絢子、小野田和子、梶元靖子、坂井星之、赤尾秀子、嶋田洋一、内田昌之、山岸真、金子真、酒井昭伸、白石朗、牧眞司、伊藤典夫……とか。プラットは伊藤さんと昔話に興じたりしてけっこう楽しそうにしていてよかったよかった。まあほとんどの人が英語しゃべれるしプラットのことを知ってるしな。しかし、「ここにいる人はみんな英語オッケーだから話しかけてだいじょうぶだよ」と教えてあげたら、いきなり水鏡子に話しかけてしまったのには爆笑。その場で凍りつく水鏡子。
 それを見ながら伊藤さんいわく、「あー、やっぱりプラットはつくづく運が悪いんだよ」
 しかしその後プラットのとなりにすわるハメになってしまった水鏡子師匠は、5分間の沈黙のあと、ついに意を決して一言。
「にゅーわーるず、あしすたんと、えでぃたー」
 つまりその当時からあんたのことは知っとるよといいたいらしくて、その意味内容はきちんと伝わり、「この人はちゃんと英語がしゃべれるじゃないか」とプラットはゆっていました。

 しかし会場に到着するなり、プラットが、
「それでこの集まりはどういう系統の派閥だ?」とたずねてきたのには大笑い。アメリカとちがってそんなに派閥はないんです。
「小川隆は来てないのか? べつの派閥なのか?」とか(笑) プラットが冷たくされている日本人のひとの話とかも聞いたけどここには書けません。

 2時で一次会はお開きになり、十数人が新宿三丁目近くまで流れて喫茶店に入る。プラットが帰ったあとの今日のスターは小木曽さんのお嬢さんのゆきさん。銀座某所に勤務する24歳の美女。写真はこれです――といいたいところだが、なぜか内田昌之が強硬に反対するので、とりあえずこの問題に決着がつくまで保留ね。
 その後さらに十人ばかりでゼニス……と思ったら7時まで満室という事態。けっきょく15分待ちのベルボアに入ったときには4時半。くっそー、おれは5時からペントハウスでWin/Mac対決座談会なのに〜。
 まあしかしどうせ鹿野司かだれかが遅れてくるに違いない(笑)と踏んで5時まで歌い、20分押しでぶんか社着。予想通り鹿野司はまだ来ていなかった。あーそれならもう一曲歌えたのになあ。(なお、水鏡子の報告によると、カラオケ組はその後一時間延長し、食事のできる店を求めて30分さまよい、11時近くまでうろうろしていたらしい。中には手をつないで帰った若人たちもいたそうだが、そのうちのひとりが俺と同い年だと思うとちょっと悔しいかも(笑))
 対決座談会の決着は……まあ客観的に見れば圧倒的にMac派が不利なんだけど、なにしろWindows派の人々はWindowsを愛してないので差が出るってゆうか。わたしはビル・ゲイツに魂を売った人間なので、ちゃんと95を誉めましたけどね、ファイル管理システム以外は。その顛末についてはペントハウス2月号だか3月号だかのパソコン特集に載ることでしょう。
 座談会終了後、ダイヤモンドホテルでタダ飯。10時半に解散になったところで、創元ミステリ系忘年会流れ組と合流した遅塚嬢@小説すばるから携帯にtel。いま飯田橋でこれからビッグ1だよんというタイムリーな情報にしたがってタクシーで飯田橋。カラオケに残ってたメンバーは綾辻行人、法月綸太郎、貫井徳郎……という顔ぶれであとから香港帰りの桐野夏生さんが合流。午前2時まで歌って帰ると、白石朗が水鏡子と遊んでいたので、X−55でもう2時間ばかりちいさい声で歌う(笑)


【12月17日(日)】

 我孫子武丸氏から夜中に電話。何事かと思ったら、パソコンがぶっこわれてIP接続できなくなってしまったという話。時期が時期なので年内は日記更新が不可能、京都インターネット宛のメールも読めないとのこと。このさいもう一台のプレサリオにWin95をインストールするしか、とゆってるんだけど。
 水鏡子師匠はわたしが寝てる隙に競馬に負けてすごすごと加古川に帰っていきました。

 ちなみにこの日はぱらんてぃあ忘年会。なにが行なわれていたかについては、某所に発表された山岸真氏のレポートを無断引用する。

 翻訳学校で宮脇さんに教わっている、黒田さんという三十歳くらいの女性のかたがきていた。京都生まれの立命館卒。綜合社でリーディングやっていて、きょうは別の仕事であっていた小林さんにさそわれた由。SFはやりたいがファンというほどででなく、スリップストリーム(ということばは知らないみたい)がほんとは好きとか。ほか参加者は、尾之上、中原(夫のみ)、山田(パソコン買って通信はじめた)、川口(朝ドラを録画するほどの管野美穂フリークと判明。わからんやつ)。
(ところで、自由国民社SF総解説のむかしの欄外で、「熱烈なSFファンがミステリの翻訳家になった、なぜSFをやらないかときかれて『だって初恋のひととは結婚しないものでしょう』」というのがあって、これは宮脇さんのことだとどこかできいた気がするのですが、ちがったでしょうか?)
 例会の話題:ぶいぶい表紙は『神の目』に似てる(上が青で下が緑、タイトルに神とつく)ほかぶいぶいのこと。起動すると本になるナノマシンができれば保存スペースがすくなくていいのに(自己増殖して本のかたちになって、ページごとにプログラムどおりに活字をならべていくという……それって「ウェブスター」か)。今年の米英の新作は新人は多くてにぎやかだけど、質的にいまひとつ。マガジンベスト、マクドナルドを尾之上がシモンズ二部作のつぎに、おれが三位に推す。神保町のバーゲンで千円だったので、ベアのLEGACYを買ってしまった小林さん。クルートSF:ILLUSTRATED ENCYCLOPEDIA見せびらかし(先週につづいてあきないおれ)。SFMのヒューゴー/ネビュラ特集の解説者と訳者ふたりで、まあまあまあまあまあ。太陽系SFうちあわせ、月SFってなにがあったっけ(はい、『無限アセ』チェック済みです)。パソコン話。


 大森のほうは久々の休養日でキネ旬用映画消化のつづき。「バットマン・フォーエバー」はバツ。「SFW」はまあまあ。あと一本はなんだっけ、忘れちゃった。どのみちたいした映画ではないでしょう。ドラクエは中断中。


【12月18日(月)】

 4時・秋葉原駅でチャールズ・プラット&えりこさんと合流、コミック虎の穴に連れていく。日本製アダルトコミックをぜひ買いたいってことだったのでそれなりにリサーチしてるのかと思ったら、固有名詞をひとつも知らない(笑) 虎の穴まで奮発(?)する必要は全然なかったって感じ。ついでに買おうと思ったコミケカタログはまだ入荷してないし。
 朝から歩き回って疲れたというふたりをザ・コンの地下のWOODに落とし、ちょっくらTゾーンミナミまで行ってダイナブックSS450用のメモリ8メガとバッテリー購入。合わせて6万近い出費(;_;) なんか泥棒に追い銭という気がしないでもない。

 6時早川書房。編集部の人々&高橋良平氏と合流してから会場の〈東園〉に向かう。阿部、塩澤、嘉藤、河野、上池の早川勢と、山岸真、白石朗、高橋、大森が迎撃メンバー。レイチェル・ポラックは性転換で男になってしまったとか、ラングドン・ジョーンズは作家を廃業して時計職人になったとか、バリントン・ベイリーは食えなくて炭坑で働いていたことがある(笑)とか、貴重な話をたくさん聞いた気がする。まあプラットも、いまじゃアメリカではだれも覚えてないような昔のSF友だちの名前をことごとく知っている日本人たちと話ができてうれしかったにちがいない(笑)

 10時半くらいで解散になり、そのあとコミックビームの忘年会の二次会に合流しようという予定だったのに、先に行ってるはずのさいとうよしこがはるばる一次会場のセンチュリーハイアットまでたどりついたときにはすでに移動のあとで、どこでやってるんだか場所がわからない。水玉さんの携帯も通じないってことなので、とっとと帰ってビデオを見る。


【12月19日(火)】

 12時半起床。1時、SPA!の取材ふたたび。ミニブームの特集の次の号でインターネット特集だそうで、年末にWin95マシン買って正月休みですでにネットサーフに飽きちゃった人向け(笑)という鋭いコンセプト。デジタルボーイに書いた原稿を読んだらしくて、取材されたのは日記の話がほとんど。まあいいんだけど、さすがにおなじ話がつづくと飽きるよね。
 EYE-COMのときとほぼおなじパターンで写真撮影。今日はネコなし(笑)

 4時、ミストラルでアスキー電子書籍編集部の人々と怪しい単行本(の一部)に関する打ち合わせ。モンド・コンピュータだって(笑) 量が多そうなので堺三保をヘルプに呼び、責任分散をはかる。対談でもオッケーって話なので、座談会にしてさらに責任を分散しようと画策中(笑)

 夜はSiFTの原稿と、ベストテン用のビデオ3本。「フランケンシュタイン」はまともすぎてつまんない。あまりにも凡庸。「プレタポルテ」は全体としては退屈。イッセイ・ミヤケのショーでピチカートファイブの「トゥイッギー・トゥイッギー」がいきなり鳴り出す不意打ちにちょっと感動。しかしあの結末はアルトマンにしてはあまりにも予定調和ってもんでは。今日のベストは「レオン」。やっぱり女の子は12歳だね(笑)

 Win95はまだ手もとにないので、とりあえずダイナブックの増えたメモリの有効活用のため、atok8.dicをramdiskに置くことにする。


【12月20日(水)】

 ビデオ3本見た勢いでそのまま銀座に出て映画4本ハシゴ。「007ゴールデンアイ」はオープニングだけマル。「ショウガール」はただのソフトコアポルノ(笑) 劇場でも完全にヘア解禁なんだなあ、しかし。「クイック&デッド」は途中半分寝てたけど、「風穴をあけてやるぜ」を実践するシーンがばかばかしくてよい。わりと趣味。タランティーノのオムニバス「フォールームス」は、最後の「南から来た男」の話だけならよかった。……とこれだけ見ても今年公開の洋画で消化したのは40本足らず。
 その乏しい中から選択したベストテンは、

●外国映画ベストテン
1 エド・ウッド
2 君さえいれば 金枝玉葉
3 マスク
4 レオン
5 シリアル・ママ
6 クイック&デッド
7 未来は今
8 フォー・ルームス
9 S.F.W.
10 プラン9:フロム・アウター・スペース

 ってことでした。やれやれ。さあこれからゲームウォーカー用のゲームだぜ。


【12月21日(木)】

 うっかり寝過ごし30分押しで午後二時WOWOW着。映画情報ネットワーク委員会(だっけ?)の総会。「宇宙貨物船レムナント号スタッフ」(SFマガジン二月号より)の添野知生はついに来年二月で退職を決めたそうで、すっかり晴れ晴れしている。しかし会社辞めたあとでなにするんだろう。謎だ。
 今日の議題の中心は来年公開予定の新作情報で、めっきり映画情報に疎くなっているわたしにはほとんど出る幕がない。が、そこは洋画生き字引の稲田隆紀氏と邦画生き字引の野村正昭氏がいるのでノープロブレム。会議終了後、Mac購入計画中の稲田さんとお茶飲んで帰宅。
「VF2」「RRR」をさらっと流してから、3DOの「未来少年コナン」データベースをじっくり見て、制作者のモンスリーおたくぶりに感心してからゲームウォーカーの原稿を書く。マクラでドラクエVIを思いきり罵倒(笑) しかし後日SFマガジン2月号を見ると水玉さんは絶賛している。ううむ。ところで水玉さんといえば、高円寺商店街の福引きでタマネギ10kgをみごと当てたそうでおめでとうございます。

 原稿をメールしてから、終電まぎわの東西線に乗り、馬場で西武新宿線に乗り換えて沼袋。藤原カムイさんとこのスタジオ2Bの毎月恒例の打ち上げ宴会に乗り込み、カラオケスナックで4時近くまで歌う。「ノゾミ・カナエ・タマエ」がようやくちゃんと歌えるようになったので満足(笑) カムイさんはほとんど寝ている。アシスタントの遠山さんはグイン・サーガとリフト・ウォー・サーガを欠かさず読んでいることが判明(笑) 主にわたしの読んでないSF/FTを読んでいるらしい。

 沼袋からタクシーで馬場に出てジョナサン。飯食って始発で帰ろうと思ってたんだけど、とつぜんデジタルボーイの締切が今日だったことと催促電話が来ていたことを思い出し、X-55宣伝原稿(笑)を30分ででっちあげてから電車で帰宅する。(その後、ダイムかなんか見てたら本物の(笑)記事広告が出てて、しかも全然つまんない内容なのでむっとする。どうせ書くなら記事広告のほうが原稿料いいのになあ(笑))


【12月22日(金)】

 昼過ぎに起き出して郵便をとりにいくと、寺島令子さまから直々に新刊二冊が届いている。まったくありがたいことである。それにしても寺島さんの実家のネコは躾がいきとどいているらしく、うちの三バカ駄ネコとは大ちがいである。母ネコのコハマ(推定年齢10歳)だけは野良猫暮らしの長い苦労猫なのでネコができていたが、最近は寄る年波に勝てず実の息子との死闘で連戦連敗、失意の日々を送っているせいか、ボケ老猫のきざしがちらほら。内弁慶のドラ息子ばかりか、弱虫のバカ娘までカサにかかっていぢめるもんだからメンタルケアがたいへんなのである。
 しかし、さいとうよしこの「アスキー・コミックビーム忘年会合流失敗深夜の放浪事件」はしっかり寺島さんにも伝わっていたらしい(笑) ということでここで御礼をいっておけばきっと某ルートから伝わるにちがいないと不精な考えで(なにしろここ数年、かたつむりメールは年賀状以外出したことがない)どうもありがとうございましたと書いておくのだった。えーごぶさたしておりますが、またそのうち歌いにいきましょうね。(と伝えて下さい>宮地様もしくは光山ビルのだれか様)
 
 菊池鈴々様が編集する関西系内輪SF誌THATTA最新号も届く。酒井昭伸様のロストワールド翻訳手記がいきなり載っていて仰天。なんとハードカバー上下二巻のあの大作を酒井様に置かれましては40日で訳了されたとか。某翻訳入門書の筆者は某翻訳者を「一ヶ月に八百枚訳す男」と書いたばかりにおそるべき筆禍に喘いでいるんだけど、おなじ葛西近辺在住者でも白石朗(って変換するだけで指が震えたり(笑))のかわりに酒井昭伸にしておけば無事だったかもしれない(笑) しかし酒井様は一ヶ月ちょいで訳した原稿をさらに一ヶ月以上かけて磨き込んでいくんだそうで、右から左にメールしてしまう大森とはえらいちがいである。

 ところでそのTHATTAでこの日記にやたらめったら言及して下さって恐悦至極であるところのSF評論家・岡本俊弥様に置かれましては、WWW上でオンラインレビュー誌を発刊する準備を整えているらしく、これまた恐ろしいことである。

 渡辺麻紀絶賛・柳下毅一郎罵倒の「セブン」を見ようと銀座に出るが電車に乗り遅れて遅刻。しょうがないのでイエナ・近藤・山野楽器をのぞき、ケンタで軽く仕事してからアルカディア市ヶ谷の角川書店富士見事業部忘年会。
 大森は非招待者なのでビンゴにも参加せずおとなしくうろうろしていたのだが、ガイナックスのてんちょさんはめでたくビデオデッキを引き当てる。考えてみると俺は数年前のガイナ忘年会でボトムズのLDボックスセットを当てて以来、まったくクジに恵まれてないな。

 携帯電話に着信。なにかと思えばペントハウスからのヘルプコール(笑) どういうわけかConfigPPPの設定ファイルが消えてしまい、つながらなくなったらしい。電話番号その他の設定が出先じゃわからないけど、前にペントハウスのマシンにインストールした設定用ディスクがコートのポケットに入ったままだので、それをわたすことにする。というわけで8時にアルカディア市ヶ谷のロビーで福山さん@ペントハウスと会って設定方法を伝達しFDを託す……がけっきょくふたたび接続に成功したのは真夜中過ぎだったらしい。いやまあ、やっぱりなんにも知らない状態だとインターネットもまだまだたいへんなのである。

 角川のパーティのときに武富さん@ドラゴンマガジンに紹介された孤独なSFおたく出身の長谷川さんが来てて、どういうわけか空いてるカラオケボックスを求めてさすらうことになってしまう。ところで聞くところによると、長谷川さんがやってる「天地無用」のノベライズは初版15万の世界だそうで、今度出る6巻めでトータル百万部とか。おそるべし「天地無用」。大森英司は多数派だったのか(笑) ビッグ1、カーニバルその他数軒に電話しまくるがどこも満室。暗雲漂うなか、飯田橋の二次会場のとなりのボックスが奇跡的に予約できて、10時半から4時間ばかり。日光堂系のBeMAXにははやくも「痛快ウキウキ通り」(まだ半分しか歌えなかった)とか「ね」とか、岡村靖幸のニューアルバムの曲とかが入ってて仰天する。日光堂系のみ大幅にシブヤ系を増量してるので、もはやBeMAX4系列は同列に論じられなくなっているのだった。


【12月23日(土)】

 よそさまの忘年会も昨日で一段落したことだし、クリスマスだしねってことで、突発的にうちでX-55宴会をやることに決定。ついでに例のモンド・コンピュータの座談会もいっしょにすましちゃえってことで、柳下毅一郎&添野知生をゲストに呼び、ミストラルで5時〜7時までバカ話。やっぱり「マニトウ」と「デモン・シード」がいちばんえらいというのが結論(笑)
 そのうちメンバーもそろってきたので、食糧を買い込んでわが家にもどり、X-55とバーチャコップとVF2とRRRで遊ぶ。バーチャコップの画面の上に歌詞出してるとめちゃくちゃやりづらいことがよくわかった(笑) しかしそれにもかまわず黙々と悪漢を射殺しつづける柳下毅一郎。三村美衣はやたら民間人を殺しまくるし、添野は狙いをつけるのが慎重すぎていつも先に打たれちゃうし、つくづく性格が出るゲームではある。
 小江さんはさいとうのMacに向かってPhotoshopでえんえんまきがめのコマデータを作成。そのコマはこれなのでテキトーに使って下さい。Winな環境でも使えるんだろうか。たぶんだいじょぶだよね。
 堺三保と小浜徹也はなんかえんえん軍隊の階級の話をしている。謎だ。途中から高橋誠@メディアフロントまで参加してはてしなくわけがわからなくなってゆくのだった。
 高橋誠はさいとうよしこの原稿執筆状況を監督にきたらしいのだが、わたしがうっかりIRCに入ると、「いまから原稿書きますから」とタカハシ氏に言質を与えたはずの金子誠が事務所からIRC中(笑) しかも某編集部の人と遊んでいる事実まで判明、思わず画面の前でむっとする編集者(笑) まあそういうものである。

 午前3時、ぞろぞろ家を出てカラオケボックスを求めてさまよう。そのうち約一名は安室の等身大立て看板をかついでいたりする(笑) 小浜徹也はこの安室を連れ帰るためだけに西葛西までやってきたらしい。しかしこれを川越まで電車で運ぶってんだから、愛の力は偉大だよね。安室も本望にちがいない(笑)

 ところでこれは明日の話なんだけど、水鏡子師匠が持ってきたFDの中の800Kくらいある巨大ファイルを分割して水鏡子書評エッセイアーカイブをつくったので、水鏡子の高名をご存じの人は読んでやってください。全部読むと疲れるけどぱらぱら読むと面白いっす。でもこんなの喜ぶのはよっぽど年寄りのSFおたくだけかもなあ。


【12月24日(日)】

 駅前のカラオケボックスを午前5時に出てお開き。添野夫妻あんど柳下が電車で帰ったあと、腹が減ったという小浜夫妻となか卯で朝飯。小浜徹也はてんぷらうどんを食ったあと肉うどんをおかわりする。見習いたい食欲である。一時間ばかり昔話をしたあと解散、うちに帰って爆睡する。
 夕方一回起きたけど、ケーキの残りとフライドチキンの残りを食べてまた寝て、ちゃんと起きたのは夜中。起き出してレンタルCD屋に行くとなんでも一泊100円サービス日だったので、MDに落とすためにピチカート・ファイヴのベストとか松任谷由実の新譜とかどさどさ借りてロイヤルホスト。ステーキ食って日記書いて水鏡子の原稿ファイルをいいかげんに整理して帰宅。モロトミじゃなかったトモロウの人とircしながら大量の水鏡子ファイルをftpして日記更新。しかし十年近くにわたって書きつがれてきた総計千枚ちかい書評的エッセイの原稿ってのはWWW上では画期的かも。

 水鏡子のプロフィールを書くのを忘れていたので、思い出したついでにいま書いておこう。
 水鏡子の読み方は「すいきょうし」。どこまでが姓なのかは不明(笑) えーと、たしか1953年ごろに西のほうで生まれてどこかの高校を卒業して神戸大に進み、SF研究会に所属。在学中からSF評論を手がけ、独特の文体で注目を集める(ほんとか>おれ)。異様なペンネームはウォルター・ミラー・ジュニアをなまって発音したものに無理やり漢字を当てたもの。ティプトリーに漢字を当てた鳥居定夫(テイプ・トリイ)名義で旧(第二期)奇想天外誌の短篇SF書評欄を担当。80年代には、SFマガジンのSFレビュー、週刊読書人のSF時評なども手がけた。ほかに、創元推理文庫巻末の文庫データボックスに連載された「50年代SFノート」など。著書に『水鏡子乱れ殺法SF控』(青心社文庫)がある。「鬼面人を驚かす」論法を得意とし、「面前罵倒人間」とも呼ばれ、若かりし日々には数々の筆禍・舌禍事件を起こしたが、ゲームと競馬にハマった80年代半ば以降はすっかりまるくなっている。三味線のバチにパーマ頭をのせると水鏡子の出来上がりと似顔絵まで披露したのは堀晃だが(『マッドサイエンス入門』新潮文庫参照)、着実な体重増加にともない、いまでは顔もかなりまるくなってしまった。SF界ではもっとも「キャラが立っている」評論家のひとりなので、水玉さんははやく水鏡子似顔絵をつくってください(笑)


【12月25日(月)】

 アンダースン&ビースン『無限アセンブラ』★★★(ハヤカワ文庫SF)、J・P・ホーガン『時間泥棒』★(創元SF文庫)読了。『無限』は前半けっこう面白かったんだけどなあ、結末がこれではあんまり評価できない。もう少し盛り上げようがあったのでは。ナノマシン関連の描写はなかなか。まあ中の上ってとこでしょうか。
 一方、ホーガンのほうは、こんなもん一冊にして出すなよって感じ。なんか半世紀前のSF読んでるようなテイストで、おなじ時間泥棒の話なら『モモ』のほうがまだましか。いや、『モモ』も説教くさくて嫌いなんですけど。


【12月26日(火)】

 中野善夫からメールが来て、中野ページは年末で一時閉鎖になるという。あーNetWorksで紹介しちゃったのに〜ってことで、その場で中野ページのファイルをget、http://www.sdw.com/m/ltokyo/ohmoriの下に/nakanoをつくってputする。というわけで、中野ページ暫定ミラーサイトはここにあります。SF者にはこのほうが便利かも(笑)
 
 クライトン『ロスト・ワールド』★☆を読む。後半はほとんど小説じゃないな。ま、ノベライズだと思えばこんなもんか。無理やり作品に美点を見つけ出して救っている訳者あとがきは、訳者あとがきのカガミ。もっともあっという間に読めるのでそう腹は立たないのだった。


【12月27日(水)】

 なぜか午前6時起床。昼間はなんかうだうだしてたような気がする。tokoyaさんの日記まとめ読みしたりとか。しかしそうですか、飯山の21インチモニタは問題ありですか。ううむ。やっぱり17インチモニタセットのデスクパワーHとか買って、そっちのモニタを630につなぐかなあ。オールインワンのデスクトップ機の同梱モニタ比較とかどっかでやってないんだろうか。ま、どっちみち入力2系統持ってるディスプレイはセット物だとほとんど存在しないにちがいない。あの手のモニタは実売6、7万クラスのやつなんでしょうか。
 それにしても高円寺猫日記の爆走ぶりはすごいっす。とても勤め人の書く日記じゃないね(笑)

 それに刺激されて――というわけでもないが、3時に秋葉原。DOS/V機をざっと見てまわったけどなんだかなあ。必要性に乏しい買い物なのでどうも決断力がない。まあ今年は一台買ってるから、来年まわしだな。
 4時にラオックスMac館で三村美衣と待ち合わせ。ダイナフォントパック(年賀状用)とか買ってソフトをぶらぶら見てるところに遅塚久美子@小説すばるが到着。遅塚さんはついにMac者になる決意を(いまどき)したってことで、Macハードを見てまわり、けっきょくPerforma6210スペシャルセット208000円に落ちつく。キャッシュバックが2万あるから188000円で、800メガHDに16メガRAMのパワーMacが手に入り、スタイルライター2200までついてくるんだからまあ安いでしょ。パフォーマ630が10万切ってるってのもお得だけど、メモリとプリンタを買い足したら、実質的な差額は2、3万だもんな。
 三村美衣はMacwayのキーボード、遅塚さんは親指シフト対応のRボードをTゾーンミナミ/ソフマップでget。大森は途中でタイムアウトになり、ひと足先に神田へ行って、北口でチャールズ・プラットをpick up、いっしょに早川書房へ。『挑発!』(富士見ロマン文庫)の現物を見せたら、印税は一銭も入ってないという。無版権本かと思ったらちゃんとユニを通じて版権とってるんだよね。契約先の版元はすでにつぶれてしまっているそうなので、いったい著者印税の支払いはどうなってるんだろう? 印税とりもどしてくれたら半額きみにやろう(笑)といわれたが、ううむ、ユニに電話してみる手だろうか。
 プラットは早川で上池さんと河野さんにニューヨーク土産をプレゼントし、喜ばれる。食事の約束があるとかでプラットが帰ったあと、星雲賞候補エディトリアルデザイナー、吉永和哉系の忘年会@三州屋。参加者は、阿部、塩澤、河野、嘉藤、高山、星野、竹内(以上早川書房)、三村美衣、小浜徹也、山岸真、添野知生、さいとうよしこ、富川泰次、小牧和巳(光栄メディア事業部出版部)、柳下毅一郎……など総勢20人。
 3時間くらい飯食ったあと、残った10人で11/22の95な夜に行ったカラオケボックス、カリブに流れる。前半戦は、小山田派の高山祥子とパーフリ対決。しかし「Slide」で逃げられてしまったし、しょせんDAMの部屋だったので歌い倒すところまではいかなかったのだった。まあかわりに高山と星野がはてしなく踊りつづけていたのでよしとしよう(笑) 阿部編集長と「ノゾミ・カナエ・タマエ」を絶叫しているところへ水玉夫妻も合流、いきなりディープな世界に誘われる。後半2時間は鉄道縛り。「裏切りの街角」とか「檸檬」とか「名残り雪」とか「東京」とか。画面に電車が出るとポイントが高い(笑)
 というような馬鹿なことをやっているうちに夜が明けて、神田の吉野屋で牛丼食って午前6時帰宅。なんか十二月はこんなことばっかりしてるような(笑)


【12月28日(木)】

 夕方起き出して部屋を申し訳程度にかたづけたりしていると、Toren Smith&トモコ・サイトウ・スミス夫妻が到着。今回のトーレンは正月を言葉の通じない栃木の辺境の地で過ごすという無謀な計画。ってチャールズ・プラットほど無謀じゃないか(笑) なんか最近ではFoundation誌にも名前が載ってたそうで(山岸真情報)ひょっとしたらえらいかも――などと思うのは年寄りの海外SFおたくだけだな(笑) まあプロテウス仕事が繁盛してくれればわたしも収入が多くなるわけですが、仕事が増えるのはいやかも。
 トモコ・サイトーはさっそく電話ラッシュに突入。あしたはうたたねさんとこの売り子の手伝い、あさっては自分の本を売る――というわけで当然コミケに合わせて今日帰ってきたわけですね。んで明日は6時起きとか。おれは30日だけ遊びに行く予定。しかし友子関係者もカタログ持ってないらしくて、ほんとにミステリ系は30日なのか。ううむ。
 夜中に四人でラーメン食って、スミス夫妻就寝後は徹夜で年賀状準備。一年発起して住所録データをエクセルに移し、ファイルメーカープロで出力の計画を立てる。やっぱ400枚も宛名書きしたくないっす。例年だとこの時期に京都でSF忘年会が入ってるので、タイムリミットになって新幹線車中で宛名書きコースだったんだけど、今年は東京にいるからまだ2日も余裕があるぞ、えっへん。
 などということをしているうちに友子が起きてきて単身晴海へ向かう。と思ったら11時ごろパニック状態で電話がかかってくる。去年は美少女系の個人誌出して数千部を売りさばき小金を稼いださいとう先生ですが、今回は原点にもどって洋楽ロック系同人誌。んで例年通り、洋楽は2日目だとタカをくくってたんだけど、行ってみると今日のブースがとれていた。ところが肝心の同人誌はうちの玄関前に置かれた段ボールの中。
 というわけで妹思いの姉は徹夜のまま晴海まで同人誌を運搬に行きました。やれやれ。なんか入口のところで交通整理してるガイナックスのてんちょさんとばったり会ったりしたらしいんだけど、てんちょさんはなぜそんなところに。謎だ。
 友子ちゃんが手伝ったうたたねさんとこのエヴァ本は今回いちばんの行列ではてしなく人が並んでいたらしい。初版一万部なのになぜ並ぶ(笑)
 
 というような右往左往をよそに大森は昼過ぎに倒れて6時まで寝る。んでもって、一時帰宅で2時間仮眠したさいとうよしことともに原宿、BNN系の自主忘年会。7時20分くらいに着いたら宴会はほとんど終わりかけ(^_^;) 鳥よし名物の手羽先唐揚げを嵐のように食いまくる。日記ウォッチャー河合あみこ夫妻も来てて、時節柄コミケネタで盛り上がる。
 その勢いで新宿に出て総勢18人、3部屋に分かれてZenith。で、ペガサス館の前まで行ってエレベーターに乗ろうとしたら。ああもういやっ。どうして。男ばかりのあやしいおたく集団横にいるのは

大森英司でわ。


 最近ゼニスがアニカラ者でいつも混んで迷惑的苦情は多数寄せられていますが、それもこれもアニメソングを歌う会の重鎮(笑)溝畑康史にこの店を教えてしまったわたしのせいざます。海よりも深く反省。それで大森英司は寮を追い出されて行くあてもなくコミケがあくまで時間をつぶす宿命らしい。勝手に野宿しろ。
 といいながらボックスにはいる。あみこ様は一次会では借りてきたネコのようにおとなしかったくせに、ボックスに入ったとたんアニカラ女王様。せらむんと幽白関連曲はひとりでぜんぶ歌いますわよ、みたいな。下々の者はあたしの歌を聴くざます。というか。
 しかしこういう、

まちがったアニソン


 が我が物顔でのさばるのを許してわ。こうなたったら山本正之で逆襲するしか。というわけで高橋誠@メディアフロントを援軍に、「アニメがなんだ」「タイムボカン・メドレー」で戦うざます。外で飯食ってもどってきた大森英司も合流。しかし大森英司は戦力にならん〜。合いの手ばっかり覚えてやだねこの子はほんとにね。やはり最終兵器・溝畑を用意すべきだったか。しかしよく考えたらおれアニソン嫌いだもんね。

 それにしても年末のアレサはHDの更新を怠っている。キーが変えられないからピチカートファイブも歌えないし、「痛快ウキウキ通り」もないんじゃなあ。混んでると曲順変更の嵐だし。やっぱり飯田橋に出ればよかった。
 ほかの人がだれも曲を入れないので、放っておくとあみこ女王のディナーショーになってしまうため、気は進まないがぼちぼち曲を入れてぽつぽつ歌う。しかし女王はせらむん以前のアニメをなにもしらない。「エルガイム? なんですか、それ?」みたいな(笑)ま、「アニメは大人になってから」を実践する達人ともいえるが、「マクロス7」の歌を歌う前に「マクロス」を見てほしいと強く思うざます。

 年末らしく延長不可状態だったので11時過ぎにゼニスを追い出され、行くあてのない大森英司はそのままキノトロに拾われてゆく。BNNのアニソンな人たちは朝までコースに突入するも、年賀状とコミケの待つわたしはおとなしく帰宅。さいとうはめちゃめちゃ後ろ髪をひかれていたようである(笑)

【12月30日(土)】

 なんか8時ごろに目が覚めてしまったのでビルディに出かけて年賀状住所ファイルの整理。推理作家協会手帳が役に立つ。
 昼前に家にもどってから、トーレン・スミスといっしょに晴海に出撃。なんか7時ごろから出かけていった斉藤友子&国樹由香嬢と午後一時に新館前で落ち合ってトーレン・スミスを引き渡し、新館2Fへ。めちゃくちゃ暑い。
 コスモス最新号一冊と引き替えにお茶大SF研ブースに荷物&コートを置かせてもらって、SF系ミステリ系十二国系をぶらぶら見てまわる。今回のコミケカタログのマップにはついに!「十二国」というエリアが出現していて仰天したんだけど、出てる本の数も尋常じゃない。ぜんぶ集めてたら段ボール一箱十万円コースになりそうなので、人気の白泉らら『よりぬき十二国』だけ買って、あとは京極本収集に走る。京極堂ハッピを着た女の子たちもいたりして萌え萌え。某京極・島田本の最後に4コマがついてるんだけど、これが爆笑。京極キャラを新本格作家にあてはめるという趣向で、

 関口巽=綾辻行人
 京極堂=竹本健治
 いさま屋=法月綸太郎
 榎木津=麻耶雄嵩
 木場修=我孫子武丸

 だって(笑) そのページをコピーして我孫子さんちにファックスするためだけに購入(笑) しかし京極堂=竹本は無理があるよな。京極堂=京極夏彦でしょ、やはり。いさま屋=法月は絶妙かも。京極本はあっという間に十冊近くたまり、万札が飛んでゆく。
 ミステリ系ブースには小森健太朗氏の姿もあり、そこで新本格評論本を購入。小森さんは届いたばかりの『鉄鼠の檻』の見本に「非売品」の紙を貼って見せびらかしていた(笑) 小森さんの新作は「バカミステリじゃないです」とのこと。

 あらき企画のブースであしかの人と油を売る。彼女は我孫子さんちのネコになりたいという変わった人で、スタンダップのあらきりつこ氏と対談本を出してるんだけどこれが爆笑で、「このミス」匿名座談会より面白いかもしれない。コミケ系の情報をミステリ作家に流しているのは大森さんでしょうと疑われるがそんなことはないです。悪人は溝畑。ちがうか(笑) 我孫子=木場修説の妥当性について議論する(笑)
 そのうち小浜徹也・三村美衣夫妻も到着、あらきブースでなごむ。3時過ぎてやってきた堺三保は15分も歩かないうちに体力がつき、一冊も買わずに帰る。まったくなにしにきたんだか。

 しかしもっと謎なのはトーレン・スミスで、ウロボロスのブースの奥の壁ぎわにに立ったままずっとじっとしていた。ま、目印になるからいいけどさ。ウロボロスのエヴァ本はきのうの午前中で完売したそうで、今日は委託の本を売っている。斉藤友子はそっち系の人々と猪鍋で打ち上げだそうである。

 評論系のところで少女マンガ家三千人超のデータベースとかLaLa全目次とかのデータFDを購入、ぶらぶらしてるうちに四時になったので日記な人々の集会をのぞきに植え込みのところにいく。ROM蔵さんの実物を確認できて超ラッキー。nbkzの人は二日で20万以上使ったらしい。なかひろ氏はヒゲが生えていた。大森英司は浮浪者のコートを着ていた。

 新宿に出るという日記集団と分かれて、小浜夫妻と白石邸へ。朝子さんの豚カツとノルウェー料理とサーモン&ひじきマリネをごちそうになり、寝転がって「巨人の星」を読むしあわせ。自宅待機だったさいとうよしこもやってきて、10時過ぎから一時間、葛西のボックスでGIGA。

 家に帰ってから、もしやと思ってガスメーターボックスの中をのぞくと、講談社ノベルス1月新刊の箱が入ってて超ラッキー。京極夏彦『鉄鼠の檻』とともに過ごすネズミ年の寝正月(^-^) いやあよかったよかった。こんな800ページもある本が、休み明けに届くのといまあるのとじゃ大ちがいだもんなあ。ふっふっふ。

 というわけでにこにこしながら寝床に持って入ってちょびちょび読みながら寝る。


【12月31日(日)】

 10時半、さいとうよしこが寝るのと入れ替わりに起き、寝てるあいだにタックシール貼りが終了していた年賀状の束を持ってミストラル。一筆添えるだけとはいっても、ふだん手で字を書くという作業をまったくしないもんだから、100枚も書くといいかげんいやになってくる。小説家志望の27歳のエディターの右手にペンだこなんかないと思うぞ>リンドバーグ。わが家ではあれはうちの弟のことを歌った歌だともっぱらのウワサだけど、弟の指にもたぶんペンだこはないな。大森は34歳なのでちょっとだけあるけど退化中。

 そのペンだこを駆使して(?)3時間かけて300枚分書いて、家に帰って荷造り。スミス夫妻はひと足はやく行ってしまい、長女のよしことその夫はこれから栃木の実家に向かうわけである。
 というわけで、今年の日記はここで打ち止め。みなさま旧年中はたいへんお世話になりました。96年もよろしくね。
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