【8月14日(土)】


 起きたら午後1時。あわてて着替えてチェッカー無線のタクシー呼んで東京ビッグサイト。コミケ二日め。朝は大雨でたいへんだったらしいですが、もう全然へいき。そのせいかわりと人が少なくてラッキー。
 順路にしたがって、まず傾城傾国さんところに寄る。
「大森さんに会ったらぜったい聞いてくれって友だちに頼まれたんですけど……」
「なになに?」
「あの……白薔薇さんってどういう人なんですか?」
 (笑)。今日は本人が来てるはずだから自分で見てくれば? と言ったんですが、けっきょく目撃できなかったらしい。
 新刊の名探偵コナン本と黒猫の三角本を拝受。ありがとうございました。

 ついで、河内実加さんの《ものぐさ堂》へ。おーもりTシャツがほんとうに完成していた(笑)。しかも3Dフルカラー、一点物、非売品。ブースのテーブルに出しておいたら「これ、売り物なんですか」と聞く人が五人ぐらいいたそうですが(みか日記参照)、どこへ来ていくんだどこへ。あ、ダーツの的ですか、失礼しましたーーー。
 すでに完売している『まんまあびこくん』も、登場人物特権で一冊拝受。さらに『まんまわんこ』も頂く。ゆかいな仲間だとお得なことが多い。

 甲影会ブースでは白薔薇の人発見。紐育から巴里に移住する途中、東京に立ち寄ったらしい。しかし『別冊シャレード』の新刊三冊(城平京、天城一、光原百合)をくれたので、きっといい人に違いない。

 あとは法月貞雄ラブリー友の会とか、ストロボ式とかをまわって新刊を購入。高里椎奈本とか、六枚のとんかつ本とか出てたのが笑いました。あとは麻耶雄嵩、西澤保彦関連を少々。

 しかし到着が二時過ぎだったんで、ちょっと回ってると、もう店じまいをはじめるところが続出。やっぱあと一時間はやくこなきゃだめだね。
 川越のサーコン妻は、大雨と神経痛で挫折したらしい。

 終了後は例によって東ホール2Fつきあたりのコルドン・ブルーでカレーを食べ、ゆりかもめで帰宅。やっぱり人が少なかったのか、5時なのに余裕ですわって帰れてらくちん。




【8月15日(日)】


 コミケ二日目。勇気を出しておーもりさんTシャツを着てゆくことにする。しかしTシャツ一枚だと乳首が目立つので、ニップレスを用意して……じゃなくて、上に半袖の開襟シャツを一枚羽織ることで対処。
 このTシャツをふつうに着られるぐらい痩せてみろという河内さんの愛の鞭に違いない。しかし大森柄のシャツを着た大森というのはメタ言語SFかも。ザクはザクのTシャツ着てないし、グレイもグレイのTシャツ着てないぞ。だからサイファイ?

 きのうの反省で本日は午後1時到着。
 東館の評論系をざっとまわって、《樽の真相》とか《新装の噂》とか、フォークゲリラの歌本復刻版(笑)とか買ってから、『こたくんといっしょ』に立ち寄り、国樹由香嬢からフルカラー箔押しカバーの豪華な新刊をいただく。ゲスト原稿が爆笑。
 こたくんスペースのお隣は、偶然にも金澤尚子さんのぴよぷー本舗。こんなところで日本代表に会えるとわ。ゲームぎゃざの話とかひとしきりしてたら、新刊のカレー本を頂きました。もらうばっかりで恐縮なり。
 雑破業のところに寄ったが、本人は不在。すでに完売して、挨拶まわりに旅立ってしまったらしい。新刊が読めなくてちょっと悲しい。

 しょうがないので東に見切りをつけて西のSF方面へ。田中香織@東洋大SF研からスターウォーズ・ボトルキャップ(ペプシ表記はSWにナカグロなし)3個を拝受。この3対3トレードで、揃ってないのはあと3個なり。
 ついでに、東洋大ブース前で、河内さんに見せる『おーもりさんTシャツ』写真を撮影。右手の先には煙草があります。

 はしもとさちこさんちの新刊は『十兵衛ちゃん』のコピー本だったそうですが、売り切れで買えなくて超くやしいなり。

 そのうちサーコン夫婦とか柳下毅一郎とかがやってきたので、西ホール中二階のオープンなカフェで休憩。荷物を置いて企業ブースに出撃し、斉藤友子……じゃなくて斉藤友之Tシャツが売られているところを見物する。さすがに企業フロアでは売れ行きいまいちだそうで、東で売ったほうが売れたんじゃないかとかガイナのひとは言ってましたが、そもそもデザインに問題あると思うな。コスパとかにさんざんライセンスしてるんだから、自社制作の場合、せめてそれに負けない程度のクォリティを目指してはどうか。
 ……と言いつつ、あまりに暑いので友之Tシャツに着替えてしまうオレ。それでコスパのキャラ入り紙袋さげてると絵に描いたようなおたくですね。減量だ。

 ビッグサイトの向かいのビルに五人で流れ、大混雑の中、エアポケットのようにすいている和食の加賀屋で晩飯。懐石弁当はけっこうお値打ちでした。

 のんびり食べてるうちに八時をまわり、外から東京湾岸華火の音が。ここからじゃ見えないとかいう話だったけど、前の芝生に人がたくさん出てるので降りてったら、遠いけどちゃんと見えました。これが見物する人々だ。




【8月16日(月)】


 話題沸騰中の東野圭吾『白夜行』をやっと読む。もっとけれん味のある話を予想してたので思いきり裏切られたなり。これって東野版『火車』では。
 終盤の説明はもっと減らして、最初殺人の動機とかはむしろにおわせるだけで書かないほうがよかったんじゃないかと思いましたが、まあそうもいかないか。どういう話なのかがおぼろげに見えてくる前半がいちばんわくわくするね。後半、その確認作業になってしまうのが惜しい。




【8月17日(火)】


 おそれていたコミケ後遺症もそれほどなく、順調に翻訳作業を続行中。『白夜行』の勢いで天童荒太『永遠の仔』を読みはじめる。




【8月18日(水)】


 朝6時までロイヤルホストで仕事。261pまで。
 家に帰って、天童荒太『永遠の仔』のつづきを読む。大森の趣味からするとややつくりすぎのところはあるけど、評判が高いのもうなずける力作。泣かせのポイントはついてるので、抵抗できない人は多いでしょう。ただ、個人的には、心の傷をそこまでひきずってしまう話があんまりぴんとこないのと、人間の壊れかたがあまりにも理路整然としすぎている(原因があって結果がある)のはどうか。
『家族狩り』のときも思ったけど、すごく理に落ちる話を書く人で、リアリティ志向にはややそぐわない気が。宮部みゆきの『理由』とか、高村薫の『照柿』みたいなアプローチのほうがよかったのでは。
『白夜行』がこれと比較されちゃうのはよくわかりますね。

 夜はロッキン・オンの《SIGHT》創刊号用書評原稿。今年上半期の新刊ガイドにしようと思ったら、点数を入れすぎてぎゅうぎゅうになってしまったことである。反省。

 文藝別冊のSW本がもう出ているらしいのだがまだ届かない。




【8月19日(木)】


 明日から箱根なのでどんどん仕事。いや、箱根でも仕事するんですが。
 SF新人賞の箱をちょっと開けてようすを見、また閉じる。これは来週だな。

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