【7月15日(木)】


 SFファンダム旧勢力と第三勢力をめぐる摩擦がちょっとした火種になっている。発端は、小浜徹也(SFセミナー夜の部オープニング担当)が《SFオンライン》に書いた、「特別エッセイ 20年目のSFセミナー合宿」の一節。
サイトの主宰者同士の交流もさかんだが、思うところはある。大雑把な表現で語弊があったら申し訳ないが、決まった友達と会って帰っていくだけなら、コンベンションに出かける甲斐はない。好意的なレポートやコメントを寄せてくれるのは本当に有り難いのだけれど、コンベンションで得たものはそのコンベンションに返してほしい。セミナーは参加者同士の意見交換で成り立っている。

 これはおおむねDASACON勢批判と受け止められているわけですが、余計なお世話としか言いようがない。こんなの「サイトの主宰者同士」じゃなくたって、「ファンジンの主宰者同士」のあいだでも昔からあったこと。
 そりゃま、「せっかくコンベンションに来てるのに、知らない人と話しないのはもったいないよね」と思うわけだが、カネ払って参加してるんだから、どう楽しむかは参加者本人の自由でしょ。知らない人と話をするのが苦手な人だっているわけで。
 オレだって、ほんとは人見知りな性格なので(笑)、最近SF大会に行っても、ほとんどは「決まった友達と会って帰っていくだけ」だが、それで「コンベンションに出かける甲斐はない」とか、「コンベンションで得たものはそのコンベンションに返してほしい」とか言われたくないね。
 ファン活動しないやつはセミナー合宿に来るな、みたいな言い方は、いたずらに敷居を高くするだけで、SFセミナーにとってもマイナスでしょう。

 だいたいDASACONっていうのは、コンベンション(SFセミナーとか京フェスとか)で得たノウハウを使ってべつのコンベンションを開催し、その客を元のコンベンションに還流させているわけで、SFセミナー主催サイドとしては、むしろおおいに感謝すべき対象なのである。

 そもそも「合宿オープニング担当」である小浜徹也(「94年まではスタッフとして……」という書き方からすると、今はスタッフじゃないらしいけど)が、なぜSFセミナーを代表するような書き方で参加者に一方的な文句をつけるのか。

 まあ、どうして文句をつけたくなるのかは理解できるんだけど、そういうのはふつう年寄りの繰り言と呼ばれる。




【7月16日(金)】


 ThinkPad535Eが、535と同じ症状(液晶がブランクになり、表面をぐいぐい押すともとにもどる)に陥り、さらに悪化の気配(押してもなかなかもとに戻らない)なので、ふたたびSofmapシカゴ館7階のコンピュータクリニックで修理に出す。ついでに壊れてるACアダプタも入院。
 6.4ギガのHDは初代535に入れ替えたんだけど、なんかこっちのほうが調子がいい(笑)。。535Eはスリープからの復帰時にフリーズする不具合が頻発してたんですが、535ではだいじょうぶ。BIOSの関係かなあ。

 535のほうは、PCスロットの片方とFDインターフェイスが死んでるだけなので、代用マシンとしてはとくに問題ないのだった。

 最近のサブノートで気になるのは、東芝(笑)のDynabookSS3380。3330の液晶がXGAになったやつ。ThinkPadシリーズのXGAモデルがどれも気に入らないので、残るはDynabookしかないのだった。しかし3380もキーボードがなあ。PgUp、PgDnが独立したキーになってないのは嫌い。IBMは535のXGA版を出すつもりがないみたいだから、スティックポイントしか使えないオレとしては東芝製品を買うしかないのだが。

 東芝と言えば、若手社員を会議室に集めてマシンとIPを割り振り、誹謗中傷(笑)に対抗するカウンターキャンペーンをやらせているって話はほんとなんですかね。ばかばかしいとも言えないところが情けない。





【7月17日(土)】


 渋谷のロッキング・オン編集部で、今度創刊される季刊の男性向け総合誌《SIGHT》の書評コラムの打ち合わせ。インフォタワーの19階を占有し、《エスクァイア》より高い場所にあるかも。
 渋谷陽一社長は、新潮社で何度か見かけたことがありますが、話をするのは初めて。
「昔は熱心なSFファンでね、中綴じのころのSFマガジンもぜんぶ持ってる」とか、
「山野浩一の『X電車で行こう』は最高だよね」とか(笑)。
 書評欄を《このミス》的なバイヤーズガイドにしたいってことですが、はたしてどうなるか。大森の担当はSF・ホラー。
《アニメージュ》がリニューアルで書評ページが縮小されるし、《本の雑誌》の任期は今年いっぱい(12月号まで)なので、季刊でもSF新刊時評の仕事を受注できるのはありがたいんですが。

 馬場の芳林堂に寄ってからユタ。なぜか志村@シムラ式折紙の始祖がいる。いまは(というか元々は)東京の人なんだから不思議はないか。
 昔のコンベンションの合宿企画の話とか、DASACONの企画の話とか。ディベート大会とか連想ゲームとかを提案する。どちらも、スタッフ側の準備はほとんどいらないけど、出場者に多大の負担がかかるのが特徴(笑)
 しかし若い人は連想ゲーム見たことないんじゃないの、と言われて驚く。そうなのか。

 セミナー合宿で突発的にはじめたSF連想ゲームは、キャプテンがSF(タイトル、登場人物名、作家名など)からヒントを出し、回答者に(SFとは関係ない、特定分野の)答えをあてさせるというもの。
 答えは、動詞シリーズとか、形容詞シリーズとか。たとえば擬態語・擬音語シリーズでは、「わくわく」「どんどん」「じゃりじゃり」なんかが答えになるわけですね。連想ゲームなので、客のほうにはあらかじめ回答がわかってて、キャプテンの出すヒントに、いちいち「なるほどー」とか「えーっ?」とかリアクションを返すと。

ABC組キャプテン:『気球に乗って5週間』
回答者A:……びゅんびゅん。(ブー)
イロハ組キャプテン:『リトル・ファジー』
回答者イ:まるまる!(ブー)
ABC組キャプテン:『重力が衰えるとき』
回答者B:かるがる!(ブー)
イロハ組キャプテン:ジェイムスン教授
回答者ロ:ふわふわ!
司会者:正解です。イロハ組に35点。

 とかそういうの。はやく正解するほど得点が高い。加藤芳郎の物まねをすると吉。第二勢力対第三勢力の対決とかどうか。あるいはホラー組はホラー出題OKとか。

 クイズ《ジャンルの差なんて》っていうのも考えたけど、DASACONではむずかしいかも。

 ディベート大会のほうは、2人ひと組のチームをつくり、あるテーマについて、イエスかノーかを選択。立論・第一反駁・第二反駁・結論が各一分とかで議論を展開し、客の判定で勝ち負けを決める。
 前にやったテーマでは、
「SFは短篇に限る」とか、「SFファンはSFファンと結婚するほうがよい」とか、「SFマガジンはコンビニで買えるほうがいい」とか。
 だれが見てもイエスだろうというテーマであえてノーを選択すると有利になったりするのがミソ。日ごろの立場と正反対の議論でウケをとるとか。

 あとはスター・ウォーズ話とマトリックス話。

 いなば掲示板で山形浩生が、
なんかタイでは「マトリックス」を見て、「ああおれも生まれ変わって日本のゲームデザイナーになりたい」といって自殺したおバカな方がいて話題になってるそうな。 どうしてあれを見て、日本のゲームデザイナーなんて発想が出てくるのかはきかないでくれ。
 という話を書いてて、ウラをとろうとあちこち検索したんだけどネット上では関連情報が見当たらず、山形くんにメールで問い合わせたら、新聞記事をファックスしてくれました。
 自殺したのは14歳の少年。もともと日本のマンガ、ゲームの大ファンで、前々から友だちとかに、「生まれ変わったら日本のゲームデザイナーになりたい」と言ってたそうなんだけど、『マトリックス』を見て、「ボクもNemoみたいになる!」とか大興奮。その翌日に首吊り自殺しちゃったんだそうです。
『マトリックス』に対する理解が浅いとしか言いようがないね。

 しかし、自殺まではいかないにしても、あのネタをマジで受け止めてるひとはけっこういるらしくて、わたしには理解できない。そりゃオレだって、小学校のころは《ナルニア》にハマり、洋服だんすの中に隠れて、扉が開かないか実験したりしたもんですが、扉が開かないことはとっくの昔に学習してるぞ。みんなそんなにこの現実が嫌いか。謎。
 とか言ってたら、柳下毅一郎から、
「それは現実に満足しすぎなんじゃないの」
 と言われた。そうかも(笑)

 さいとうよしこから電話がかかってきて、西葛西のローソン(船堀街道沿い)でSWボトルキャップつきペプシが箱買いできるという話。速攻であるだけ買って、ペプシはその場で捨ててくるとかできないところが中途半端な大人のおたくですね。常識が邪魔をするというか(笑)
 けっきょくさいとうはひと箱(24本)だけ買って、28種類まで揃えたらしい。

 伝言板をROMってる飯野文彦氏は、三村美衣のトレード要請投稿を読むなり東京創元社に電話、「三村さんって小浜さんの奥さんですよね。家の電話番号教えてください」と言って自宅に電話をかけ、3対3の大型トレード(笑)を成立させたそうである。
 ちなみに飯野さんは150本買って、スペシャルはゼロだとか(笑)。

 一方、ジェダイマスターの渡辺麻紀は、実家に頼んでペプシを大量購入してもらい、ボトルキャップだけ送らせるという奥の手でコレクションを増やし、あと一種類ってとこまで来てるそうである。みんな大人だなあ。

 わたしはどっちかというと、タコベル、ケンタ、ピザハットのSWトーイを集めたいんだけど。

 ようやく目先の原稿がだいたい片づいたので、コパ・アメリカの三位決定戦を見る。サラスのいないチリはサモラノに全然ボールが入らず、決定力がた落ち。




【7月18日(日)】


 起きたら午後6時でした。仕事しなきゃ。
 というわけで、ロイホ〜MAG TIMEとまわって仕事。

 消息不明だった高瀬彼方@『女王様の紅い翼』(講談社ノベルス)から久々のメール。懸案の新作がついに完成したらしい。1000枚超の大作だそうで、今から楽しみ。ついでにウェブサイト、「どうにかこうにかやってます」もオープンしてるので、高瀬ファンはゴーだ。しかしスパロボ系のコンテンツがないのはなぜ。

【お知らせ】

 virtualaveが大々的に落ちてます。新・大森もサイファイもあとだまグループも全滅。
 と思ったら、くろきさんがすばやくTytekに分館を設立。
こだまのあとだまTytekのほか、あとだま研究所・分館もできてます。各関連掲示板の最新情報はここでチェックしてね。『失礼』『ケララ』はじめ、グループ参加の掲示板はすべて分館あり。

 また、大贋にかわって、『大杜なんでも伝言板 Tytek』がオープンしました。
 はやくトレードを成立させたいのにっ。
 とかお困りのかたは、こちらをご利用ください。と、オレが勧めるのもへんですが、「贋物として自由に利用してやって下さい。」とのことなので。くろきさんにはたいへんお世話さまです。
 大森自身は新が落ちたままでも、しばらく新新伝言板を開設する予定はありません。

 あ、新伝言板、サイファイ伝言板のログは大森伝言板アーカイブのほうに格納しました。

……と思ったら、月曜の朝の時点で直ってました>virtualave。まあ、また落ちることもあると思うんで、そういうときは大杜へどうぞ、ということでひとつ。

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