【6月26日(土)〜28日(月)】


 いきなり風邪を引いて寝込む。スリランカ帰りの翌日から徹夜で遊んでたのが悪かったのか。寝込んでる場合じゃないんだけどなあ。

 しょうがないので咳き込みつつも週明け締切の原稿だけはなんとかかたづける。小説すばるは『蘆屋家の崩壊』、アニメージュは黒崎政男『となりのアンドロイド』がメインであとは瀬戸川猛資『夜明けの睡魔』、倉阪鬼一郎『死の影』。




【6月29日(火)】


 12:00、アトリエサード@高田馬場。ホビージャパン《ゲームぎゃざ》編集部の人とカメラマンとスザク・ゲームズT岡氏と軽く打ち合わせして、出勤してきた三村美衣(サードでアルバイト中/ヨーロッパ帰り)にスリランカ土産をわたし、フランス土産をもらう。

 一時から、正道会館で《ゲームぎゃざ》用の佐竹雅昭インタビュー。フィギュアのコレクターだけあって、M:TGに関しても堂々たるおたくぶり。最初から箱買いするひとも珍しいね。今日届けられたというBlack Rotusを手に記念写真とか(笑)
 おかげでインタビューのほうは順調。最後にウルザの構築済デッキで一戦する。これが佐竹×大森の対決現場だっ。




【6月30日(水)】


 7時に起きてコパ・アメリカ。アメリカ大陸選手権じゃなくて南米選手権と訳されるのはアメリカが弱すぎるから? でも辞退してくれたおかげで日本が出られるんだから足を向けては寝られませんね。
 前半は楢崎が神様に見えたけど、あのツキを生かせないところが弱い。望月の負傷退場までは引き分けられそうなムードだったのに。それにしても、極東から呼んでもらった弱小国がベストメンバーで組まないっていうのは失礼すぎるでしょう。失礼掲示板へ行って来いっていうか。違うか。南米の人はみんな、ナカタが見たくて呼んだやったのに……と思ってるに違いない。
 そう言えば、スリランカで見たESPNのコパ・アメリカ中継CMでは、ロナウド、バティストゥータの紹介につづいて、「そして日本からの特別ゲスト!」ってナレーションにかぶって中田の名前が。
 ヒロミチ・ナカタ!と思いきりまちがって呼ばれてたのはご愛敬ですが(テロップの字もまちがってた)、ロナウド、バティにつづくぐらい視聴者ニーズのある(と見なされている)タレントなのに。
 予選リーグ突破はともかく、せめてボリビアには引き分けてほしいものである。

 1時から浜松町のワーナーで『マトリックス』の試写。サンフランシスコで見てるので、プレスシートをもらいにいったというほうが近いかも。混んでたら見ないで帰ろうと思ってたのに、意外とすいてました。まあ公開は9月だからな。
 字幕の出来はいまいち。いくらなんでも「盗聴」はないでしょう。




【7月1日(木)】


 SF大会に行くためにひたすら仕事。《エスクァイア》のクラーク・インタビューをまとめてるんだけど、脱線部分の面白さにくらべて、本筋はあたりまえの話が多くてつらい感じ。




【7月2日(金)】


 グリーンプラザ白馬に前泊の予定なので、今日から長野。
 4時間睡眠で11時に起きて荷物をまとめ、風呂に入ってから東京駅へ。長野新幹線は意外と込んでますね。まあ5両編成とかだからな。自由席の喫煙車輌にすわり、大宮から乗ってきた小浜・三村夫婦とだらだらしゃべってるうちに長野到着。東京から一時間半とはなあ。おかげで本も読めない。

 ホテルにはやく着いてもすることがないので(五輪一次予選東京ラウンドの香港戦を見るぐらい)、白馬方面行きのバスへの乗り換えついでに長野観光。とりあえず善光寺でしょう。「善光寺ってなに? 有名なの?」と言い放った編集者がいたことはひみつだ。
 長野駅からタクシーで本堂の脇まで乗りつけ、中に入る。20年ぐらい前に一度来たことがあるはずだが、全然記憶がない。ま、長野の街は五輪効果で思いきり変貌しちゃってますが。
 善光寺の最大のポイントは戒壇めぐりですね。注意書きもなにも読まずにどんどん降りてったらほんとに真っ暗だったので仰天。あやめもわかぬ闇ってやつですか。消防法的には許されないタイプのアトラクションでしょう。目を閉じても開けても差がない。シンプルで意外性のあるトリック……って、ちゃんと看板読めよ。

 参道近くの蕎麦屋で信州蕎麦を食べ、駅までぶらぶら歩くと古本屋が。20年前からタイムスリップしてきたような品揃えで、平台にはノンノベルの荒巻《空白》シリーズや山田正紀がずらり。隅には化石化した岩崎のジュブナイルSFとか。JAでは石原藤夫『画像文明』なんかもちらほら。
 荷物が重くなるのでオレは購入を断念したけど、三村美衣は5冊もって帳場へ。

三村「いくらですか?」
おやじ「古い本ばっかりだねえ。ええと……。これが500円で、あとは1000円。ぜんぶで4500円かなあ」
三村「え……。これが1000円?」
おやじ「あ、高いですかね。じゃ、ぜんぶ500円ってことで、合計2500円」
三村「……」(あまりにおおざっぱな値づけに言葉もない)
小浜(とつぜん口を出し)「まとめて2000円!」
おやじ「あ、じゃあそうしましょう」(とにこにこ笑う)

 長野の古本屋は豪快である。ま、いい買い物と言えよう。

 長野駅前から路線バスに乗り、一時間後に白馬到着。冬の白馬は毎年のようにきてるけど、夏は全然違いますね。店はほとんど閉まってて、閑散としたムード。しょうがないのでジャンプの写真を撮る(笑)

 JRで4駅の南小谷からさらにタクシーに乗って、午後8時前にグリーンプラザ到着。ほとんどオーヴァルックホテルである。
 ツインの部屋は奧が和室で、じっさいには四人部屋かも。広くてありがたい。とりあえずテレビをつけ、香港戦を30分見てから夕食へ。

 まんがカルテットの四人と合流し、くだらない話を聞く。朝十時からずっと四人いっしょなんだそうで、この四人は月曜のホラー大賞に出て火曜日に帰るまでずっといっしょらしい。四人でひとりなのかも。おそろしいことである。ただし、ホテルの部屋は牧野修だけべつで、田中啓文・田中哲弥・小林泰三が同室(ガイナックス勢五人と同室の8人部屋)。
哲也「なんかめちゃめちゃ広い、二階建ての部屋なんですわ」
大森「二階建て?」
五代ゆう「メゾネットタイプですか」
哲也「なんですかそれは? 中くらいの強さで、いうやつですかね」
「それはメゾフォルテ」
「いやだから、ちょうどいい歯ごたえの……」
「それはアルデンテ」
「うちの部屋はアルデンテですか」
 などなど。

 というわけで、バイキングの食事のあとはアルデンテの部屋へ。SFファン連合会議事務局長・今岡氏提供のビール1ケースがたちまち消費されていく。小林泰三の邪悪さが主な話題。冬樹蛉と小林泰三ではどちらがより邪悪であるか、とか。掲示板ジャンキー状態に突入している作家はジャンルを問わず多いらしい。

 今日は風呂が12時までらしいので、アルデンテ部屋を抜け出し、タオルを持って大浴場へ。ガラガラと戸を開けて入ると、まんがカルテットの三人が仲良く並んで寝湯に浸かっている。
 ということで、三人のオールヌード姿を初公開してみました。中央が邪悪なひとで、眼鏡をかけてるのが田中啓文。この写真はオヤジノウミと名づけるしか。

 風呂を出て、ラウンジで煙草を吸っていると米沢嘉博氏ご一行がやってくる。大会における喫煙問題についてしゃべってると、釣り対決を終えてやってきた野尻抱介氏と浅暮三文氏が登場。釣り対決は野尻さんに軍配が上がったらしい。

 そのへんにいた人でうちの部屋に上がり、またしても掲示板関係の話題でだらだら。野尻さんはどうしてもその話がしたくてしょうがないらしく、アルデンテ部屋に電話をかけて、すでに寝ていた小林泰三をたたき起こす。
 しかし、「もう寝てたんですよ」と言ってたわりに、3分後にはもうやってくる小林泰三。

 朝までしゃべり倒しそうな勢いの人々を2時半ごろ無理やり追い出して、『マイノリティ・リポート』を読みつつ寝る。以下次号。



K&Tの伝言板が復旧しないので、新・大森なんでも伝言板を新設しました。ご利用ください。

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