【6月5日(土)】


 サンフランシスコから帰ってくるといつも早起きになる。今日も9時起床。時差ボケって症状は一度も経験したことがないんですが、早起きになるはやっぱり時差ボケなのか。
 でもジェットラグで仕事にならないってことはないので、ミストラルに出かけて、本日締切の毎日中学生新聞のコラムをすばやく書く。

 見せびらかし用とお土産用のエピソード1グッズを抱えて夕方からユタ@高田馬場へ。添野が来たので心おきなくEP1の話ができる。TPMとかPMとか略すみたいですが(わたしはRoTJ派じゃなくてRoJ派なので、どちらかと言えばSWPM)、どうもあまりおさまりがよくない気が。というか、「エピソード1」と呼びつづけた期間が長かったせいか。じっさいには、アメリカの一般人はみんなただStar Warsと呼んでますね。コロネットなんか、チケットにもStar Warsとしか書いてないし(AMCのチケットはPhantom Menaceだった)。
 それはともかく、日本では7月10日公開の一週前が先行オールナイトなんだけど、その前の週にもやるかもしれないというウワサ。だとすると6月中に見られるわけですが、どうなることか。先行オールナイトにどのくらい並ぶかも注目していきたい。

 三村美衣へのお土産はアナキンのペプシ缶とアミダラの500mlペットボトルとレゴ。ペットボトルは空港のカフェにいた中年カップルの空き瓶を「すいません、集めてるんですけどもらっていいですか?」といってもらってきたものだったり(笑)。しかしこれは日本でもやるんじゃないすかね。




【6月6日(日)】


 10時ごろ起きて、ぼんやりテレビをながめ、そうか、今日は午後からキリンカップだから、昼飯は寿司でもとるかなと思いながらパソコンを立ち上げたら、カレンダー(WinCal95)が「SFセミナー打ち上げ」と主張している。
 をを、去年につづいて、また忘れてすっぽかすとこだったよとあわてて家を飛び出し新宿の老辺餃子館へ。なんだか知らないが20人以上いたような気が。しかし残念ながら渦中の人(当時)野田令子@のだなのだは欠席。それでも掲示板関係の話題で盛り上がってました。ま、あの議論も出発点はSFですから(笑)。

 中華をたらふく食ったあと、地下街の亜麻亭にぞろぞろ流れてお茶。解散後、7人ぐらいでカラオケ。田中香織嬢(小浜賞受賞)@東洋大SF研の歌を初めて聴く。ビジュアル系中心。途中で帰っちゃったコハマ君は残念なことでした(笑)。大森はペニシリンとかイエモンとか。machineはまだ入ってない。Dir en Greyの「ゆらめき」にくらべて、「hero」の入る速度が遅いのでは。ひさびさのSFユニットなのでがんばってほしいものである>machine。

 家に帰ってから《メンズ・ウォーカー》用のゲームを遊ぶ。サンフランシスコへ発つ日の朝に宅急便で到着した青ステと新作4本(サンプル1)。
 アーケード版はやったことなかったんだけど、DCの『ダイナマイト刑事2』はいいねえ。やっぱドリキャスはコレでしょう。PSの『ゲッP‐X』は怒り爆発。70年代アニメってそういうもんなの? みたいな。リアルタイムでゲッター見てた世代には許せないんじゃないかと思うけど、そうでもないのか。ゲキガンのあとにこれはないでしょう。挿入歌は豪華ですが、オレ的には主題歌もダメな感じ。




【6月7日(月)】


 起きてぼうっとしてたら、エスクァイア編集部のS氏から電話。
「サンフランシスコから帰ったばかりのところで恐縮なんですが、来週スリランカ行きませんか?」
 わははは。なんですかそれは。って聞かなくてもわかるよな。オレのところにセイロン紅茶の取材依頼があるわけないもん。
「次号が宇宙SFの特集なんですよ。ええ、『スター・ウォーズ』に合わせて。で、クラークのインタビューがとれそうなもんですから……」
 だからオレはクラークが苦手なんだって。『3001年』も読んでないし。クラークだったらほかにいくらでも会いたい人がいるのでは。オレなんかがインタビューしたんじゃ石投げられるよ。そりゃ、スリランカには行ってみたいけど……と縷々説明するも、敵もさるもの。
「まあ、わたしがSFマガジンの編集者だったら大森さんには頼まないかもしれませんが、うちは一般誌ですから……」
 そりゃそうじゃ(笑)。
「それに、予算がなくて、編集者は同行できないんですよ。申し訳ないんですが、カメラマンと二人だけで、現地コーディーターも通訳もなしということで」
 なるほど、この条件だと頼める人が限られてくるわけですね。ううむ。インタビュー時間は一時間ぽっきり、内容も作品についてじゃなくて宇宙と未来についてだと。いやまあ不可能じゃないですが……。
 とかぐだぐだ言ってるうちに、詳細が決まったらまた連絡しますのでという話に。いやはやどうなることやら。

 午後2時、仕事場で週刊アスキーの取材。オンラインショッピングの特集関連。買った古本その他を並べて撮影。もう全然ウソ写真。年に一回ぐらいしかすわらない仕事場のコタツの前だもんな。まあいいけど。

 6時、東京會舘で横溝正史賞の授賞パーティ。今回の候補作はやたら評判がよかったらしい。三つも受賞作が出てめでたいことである。『化して荒波』は『T.R.Y.』と改題されるとか。ううむ、もうちょっといいタイトルがあったのでは。

 ダース・モールのTシャツを着ていったので、SWおたくな人の識別にべんり。しかしどうしてだれもかれも「シナリオの出来が悪いんだって?」と言うかなあ。
「エピソード1」どうでした? とたずねない人の第一声はだいたい二種類。
「掲示板、たいへんなことになってますね」か、「ホームページが見られないんだけど」か(笑)。
 なんにも言わずに伝言板を読んでる人がやたらに多いらしい。青山掲示板やのだなのだNEOやこだまのあとだままで熟読している作家も数人。みんな好きだなあ。

 正賞受賞者が構成作家だった関係で、芸能人もちらほら。傑作だったのは笑福亭鶴光師匠と北村薫氏のツーショット
「いやあ、せんせ、落語のことよう知ってはりまんなあ。せやけど噺家を探偵にするゆうのんはアイデアでんなあ。あんなおもろい小説ないでっせ」などなど。
 わたしは鶴光というと反射的にオールナイトニッポンを思い出す世代なので、横で聞いてて笑いをこらえるのに必死でした。しかし鶴光師匠がミステリ読者だったとは。

 一次会終了後は、東京會舘ティールームでお茶。竹本健治、河内実加野間美由紀、千織さんとタクシー二台で新宿に出て珈琲貴族。河内さんの大江千里話とか、深夜放送談議とか。竹本さんはチャチャヤング・ショートショートで投稿を読まれたことがあるらしい。知ってましたか、岡本さん? オレの年齢だとチャチャヤングは一回も聞いたことがないのだった。

 我孫子さんから野間さんの携帯に電話が入り、珈琲貴族で合流したさいとうよしこを含む六人で、E社の某企画打ち合わせ終了後のカラオケボックスに合流。
 前半は、津原さんの「オレは三枝派だ」発言で盛り上がる。
「どうせわたしはマイナーよ」とすねる高瀬美恵嬢とか。ぶんか社Horror Wave叢書関係者で大森伝言板を読んでいるのは東さんだけではないのだった。
 途中から邪悪なアニカラに突入し、しょうがないので皆川ゆか嬢と『愛国戦隊大日本』を歌うも、すでに二番の歌詞が思い出せない。しかし皆川嬢も意外とアニメおたく系ですね。しかも∀派(笑)。しかし「十兵衛ちゃん」は不支持らしい。あ、細田さんの評価はきっちり読んでて感謝してました。

 午前5時、野間さんとタクシーで帰宅。




【6月8日(火)】


 週刊ポストから『エピソード1』の原稿依頼。あと2本ぐらい原稿書けばサンフランシスコ往復の元がとれるのではないか。と思ったが、日劇の試写を見ていれば書ける話なのでその理屈は成立しないのだった。ちぇ。

 メンズ・ウォーカー用のゲームのつづき。『せがれいじり』はいかにもすぎる気はするが言葉のギャグセンスはかなりいい。3回に1回は笑えますね。アニメはいまいちなんだけど。『エースコンバット3』は全然よくわからない。どこが面白いんだろう……。

 本の雑誌も締切を過ぎているのだが本が読めない。すぐ眠くなっちゃうのが問題。とかいいつつ『エピソード1』のノベライズを読んでたり(笑)。ナブーの女王は選挙で選ばれるそうです。ふうん。

 だらだら原稿書いてたら、朱鷺田祐介師範から電話。こないだの《RPGマガジン》用の対談の写真を撮り直したい――って連絡が入ってたんだけど、「今日の夕方、アトリエ・サードで」って話になってたらしい。オレのほうは写真撮りにくるのか、たいへんだなあとぼんやり思ってたんですが。
 朱鷺田師範が待ってるというので、馬場まで出かける。ウルザブロックの構築済デッキで遊んでいるところを鈴木孝社長に撮影される。おそれおおいことである。

 2時間ほど遊んでから(青白エンチャンターなプレコンストラクトデッキは凶悪)、朱鷺田祐介と飯食って帰宅。ゲームと読書。




【6月9日(水)】


 さらにゲームをつづけ、泥縄で《メンズ・ウォーカー》の原稿を書く。

《エスクァイア》編集部からはファックスで旅程表が到着。21日の朝、エアランカの直行便で成田発。22日がインタビューで、23日の深夜にコロンボを発ち、24日の朝に帰ってくるらしい。しかし直行便があるとは知りませんでしたね。ひまな時期ならマレーシアかシンガポール航空使ってクアラルンプルかシンガポールあたりにストップオーバーしたいところだが。スリランカってなにがありますか。謎過ぎ。

《本の雑誌》原稿に着手するも不調。




【6月10日(木)】


《本の雑誌》を仕上げてから、《SFマガジン》のSF映画ベスト100特集の原稿にかかる。大森の担当は「オリジナル脚本のSF映画」。




【6月11日(金)】


 SFM原稿のためにビデオを見直す作業。『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』『ゾンビ』『インデペンデンス・デイ』……とか。いや、見なくても書けるんだけど、一応。
 BOX東中野の人から電話がかかってきて、『ダーク・スター』をエピソード1にぶつけて7月10日からやりますのでよろしく、試写に来てくださいね、とのこと。
 さすがに今さら『ダーク・スター』入れるのもなあと思ってベストテンからはずしたんだけど、そういうことならしょうがない。『ET』をはずして『ダーク・スター』とさしかえる(笑)。おかげで『ET』のないベスト100になっちゃいました。申し訳ない。




【6月12日(土)】


 ピザーラのピザを食べつつ五輪一次予選香港ラウンド第一試合。こういう景気のいい試合が見られるのもいまのうちだからなあ。最終予選の組み合わせはどうやって決めるんでしょうね。

 SFMの原稿が進まない。「理想のSF映画」ってコラムもあるんだけど、これもなあ。悩んでいるうちに時間が過ぎてゆく。もう12日なのに。

『南海奇皇』第二シーズンLDのライナー原稿のために、未放映分も含めて第二シーズンのビデオを見直す。大阪編はいまいち。大阪人は大阪のどこがおもしろいかよくわかってないのではないか。いやまあ、九州だって九州ネタが爆発してたわけじゃないですが。しかし作画の質のばらつきが激しい。話はこれから後半にかけて盛り上がってくるみたいなので期待。



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