【5月4日(火)】


 途中一時間ほど起きただけで、午前10時まで爆睡。20時間以上寝たに違いない。風呂に入って目を覚まし、宇都宮に行くさいとうよしことともに、大雨の中を東京駅へ。

 大森は13:56発の新幹線のぞみ号でK村嬢@新潮社と落ち合い、名古屋へ。本日の目的は、
《波》の森博嗣インタビュー。お題は、新刊の『そして二人だけになった』について。
 初の単発長編、初の四六判小説で、しかも新潮ミステリー倶楽部の書き下ろし。発売前なので内容については言及しませんが、じつに森さんらしい作品。結末は『×××××』を連想したんですが、森さんも担当者も読んでない模様。

 名古屋駅から地下鉄とタクシーを乗り継ぎ、土砂降りの雨の中、名古屋大学の森助教授室へ。旧帝大系の大学の研究室はどこも似てるのか、京大文学部の研究室を思い出してなつかしい感じ。小説の描写を思い出すとさらになつかしい――ってことはないか。いちばん感動したのはサーバのマシンだったり(笑)。

 研究室でK村嬢に撮影してもらった写真はこんなのとか。森氏のインタビューなので、大森もKHを着ています(笑)。
 KHと言えば、SF者にも愛好者が多くて、先だってのSFセミナーでは、神林さんと古沢さんが同じ猫柄のKHシャツでバッティングする事件がありました。SF Onlineの坂口氏、糸納豆Expressの蛸井潔氏もKH愛好者ですね。

 準備不足であまり要領を得ないインタビューを終えてから、どこかお店で食事――という段取りだったんですが、森さんのご厚意で、森家に招待していただきました。話題のフルオプションな新車に載せていただいて感動です。
 森さんが設計したというお宅は、天井が高くて解放感があります。よそのお宅の写真を勝手に公開するのは不躾ですが、誘惑に負けて(笑)天井だけ公開します
 京極さんちはぎっしり本。本。本。ですが、こちらは模型模型。サトちゃん。模型。という感じでしょうか。そしてトーマ! とても美人です。すごくはしゃいでたので、思いきり抱きついたりしてきました(K村嬢は犬好きなのにアレルギーが出るとかで、帰りはたいへんだったみたいでした)。
 夕食は、ささきすばるさんの手料理。大森は、すばるさんの昔のマンガも好きですが、ご本人のファンなので感動しました。メニューは「名古屋名物のスパゲッティと天むす」にピザとかポテトとか。横井のスパゲッティは初めて食べましたが、ピリピリが効いて、意外とクセになりそうな味。思わずばくばく食べてしまったので、食べ終わった皿の写真しかありません(映っている両手はすばる氏です。冗談です)。

 同人誌の話とかビジュアル系の話とかしているうちにあっという間に時間が過ぎ、途中までまた森さんに送っていただいて、タクシーで名古屋駅。K村嬢と別れ、《のぞみ》で帰京しました。森様、すばる様、どうもありがとうございました。




【5月5日(水)】


 乱歩賞二次通過作19本の未読分をひたすら読む。なんか原稿読んでばっかりだなあ。書評用の本も読まなきゃいけないのに。




【5月6日(木)】


 乱歩賞が終わったので、小説すばるの残りをかたづける。とかやってるうちにファンタジーノベル大賞の箱も到着して、廊下がせまくてしょうがない。




【5月7日(金)】


 3時、講談社新社屋。4時から乱歩賞なんだけど、先に21階の文三編集部に遊びにいく。U山さんに案内されて、フロアの四隅を見学。外の景色はこんな感じ。とても仕事する気がしませんね。もっとも、編集部はこうなので、いずこも同じというか。

『黒猫の三角』ほか、今月の新刊を眺めたりして一時間ほど油を売り、編集者の仕事を邪魔したあと、4時から江戸川乱歩賞最終候補選出会議。乱歩賞の予備選考委員は公式に公開されてるので名前を挙げると、出版芸術社社長の原田さん、関口苑生、山前譲、池上冬樹、吉野仁の各氏。講談社の文芸第二からも編集者が3人参加しますが、この賞の場合、あくまでもオブザーバー。日本推理作家協会から立ち会い理事としてやってきた今野敏氏の司会のもと、予選委員六人の合議と投票で最終候補5本を絞るシステム。最後の一本をめぐって多少意見が分かれたものの、まあ順当な結果。
 メフィスト賞に出してればとれたのに……みたいなものもあったけど、講談社主催の賞じゃないからなあ。

 終了後は神楽坂の鳥茶屋で会食。どういうわけか、そのあとビッグ1に流れたものの、カラオケはなし。今野敏のガンダムな歌を聞けなかったのは残念でした。なんか一時間ぐらいしゃべったあと、ちょっとは歌おうかという話になったんだけど、機械が壊れててリクエストが通らなかった――つまり、歌えないボックスだったと判明(笑)。けっきょく部屋の移動はやめて、そのまま雑談がつづく。
 かつて今野敏の某作品を評して「小説をなめている」と書いた前科があるらしい池上さんがそれをネタに関口おやぢにいじめられて爆笑。いや、うかつなことは書けませんね。




【5月8日(土)】


 小説すばるの箱も返して下読み関係が一段落したので、猛然と「リメイク」のゲラを読みはじめる。編集部のK池さんも校閲の担当者も映画おたくなので、入稿時に調べるのをさぼっていた箇所に対するツッコミの嵐。いや恥ずかしい(笑)。まあ、どの編集者もこのぐらいチェックしてくれると安心なんですが。




【5月9日(日)】


 SFマガジンの水樹さんインタビューを起こしはじめたら、どうもテープの音がおかしい。だんだん早口になってゆく。後半は高速言語状態で、オレの耳では聞きとれないなり。テープ速度可変の安いプレーヤーを買ってきて試してみたんだけど、やっぱりダメ。
 とりあえず聞きとれる前半部分だけを起こしたらすでに行数オーバー。不幸中の幸いってやつですか。なんかしかし、こないだからインタビュー原稿のまとめばっかりやってる気が。




【5月10日(月)】


「リメイク」のゲラ直しを続行。作中に出てくる映画のビデオ素材集めと引用箇所の字幕チェックを添野知生に頼んでるので、恵比寿までビデオを見にいく。
『四十二番街』『ゴールド・ディガース』『ロバータ』『白い恐怖』『カサブランカ』『雨に唄えば』……とかそんなの。登場するすべての映画に注をつけることになったので、あとはその相談とか。
 家に帰って借りてきたビデオを見ながら、該当個所のゲラチェック。映画の画面と作中の描写が微妙に違ってたりして頭が痛い。それはベストじゃないだろ、とか。
 ウィリスの勘違いと思われる箇所については、著者に確認をとり、修整許可をもらってるんだけど、あとはどこまで徹底するかでしょう。
 朝までかかってゲラチェックを終えて寝る。


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