【4月26日(月)】
「ヴァイラス」を見ようと東宝東和まで出かけたら、一日まちがえていたことが判明。明日だってばよ。
しょうがないので神田に出て、天下一品で昼飯食ってから、早川書房一階のクリスティに立ち寄り、文庫編集部のK池さんから、コニー・ウィリス『リメイク』のゲラ(というかプリントアウト)を受領。調べものをすませる前にわたした原稿なのでぼろぼろな感じ。メインのネタに使われているBroadway Melody of 1940は、インターネット通販でビデオ買って見たんですが、ほかにも山ほど映画の引用があるからなあ。
【4月27日(火)】
6時起床。小説すばる新人賞の原稿を家でだらだら読み、午後から仕切り直しの「ヴァイラス」。同じ東宝東和の「ザ・グリード」と同じ話(笑)
謎の深海生物じゃなくて、謎の宇宙生物に船を乗っ取られるわけですね。情報生命体なので船のコンピュータシステムを支配し、船内のラボを使ってどんどんロボットを製作する。「ザ・グリード」のバイオ系に対して、こちらはメカニカル系のモンスター。親玉の造形はフィル・ティペットのスタジオが担当。「ロボコップ」のED209からここまで来たかって感じ。一見の価値ありでしょう。
新橋に移動して、徳間書店となりのフルハウスで、レッカ社のM氏とGameWatchのコラム連載の打ち合わせ。版元は双葉社で、とりあえず季刊とか。双葉社も、攻略本は山ほど出してるけど、やっぱり雑誌がないとやりにくいってことらしい。
ヤクルトホールのブラジリアに移動して、ヤクルト飲みつつ原稿を書き、6時から徳間書店O野氏とF.F.N.関連の打ち合わせ。
【4月28日(水)】
7時起床。
2時半、早川書房。3時から一階のクリスティで水樹和佳子インタビュー。『イティハーサ』完結記念……ってことですが、文庫版がハヤカワ文庫JAから出るんだそうで、豪華本を今から十五冊揃えるのはたいへんだと思ってる人は(ぶ〜けコミックス版で揃えるのはかなりむずかしい)文庫を待つ手もあるかも。豪華本の印刷はすばらしく美しいんですが……という両義的な書き方になるのは、JA版にもある程度売れてほしいからですね。
さて水樹さんと言うと、僕が少女マンガを読みはじめたころ(1977年)にはすでに《りぼん》で活躍中で、僕が最初に買ったりぼんマスコットコミックスは水樹さんの『褐色の童話』だったり。ぶ〜けに載った「樹魔」と「伝説」がKSFAで局所的に話題になったのもついこのあいだのような気がするが、すでに二十年。『イティハーサ』の連載が始まってからでも十三年の歳月が経過しているわけで、いやはやもう驚いちゃいますね。
諸般の事情で描き下ろしとなった十五巻は、十三年の大河連載を締めくくるにふさわしい怒濤のSF展開。あらためて最初から読み直して、どっぷり堪能させていただきました。
ってことで、憧れの巨匠を迎えてやや緊張気味だったインタビューの内容は、SFマガジン7月号参照。本題に関係ない通信関係の話や少女マンガ業界関係の話をえんえんとしていたような気も。
2時間半たっぷりお話を伺ったあと、神田駅前の《小鍛冶》でメンズ・ウォーカーのO田嬢と打ち合わせ。次号クロスレビュー用のソフトを受けとり、あとは四方山話。
【4月29日(木)】
午後2時、茗荷谷の茗渓会館で、御茶ノ水女子大SF研究会25周年記念&Cosmosセレクション刊行記念パーティ。現役お茶大生、OG、その夫の人たちなど周辺のSF者多数。
乾杯の挨拶は石川喬司氏で、テーマは「半村良とお茶大」(笑)。えんえん続く昔話は爆笑でした。
この25年間のSF史を語り倒した山岸真スピーチのあとを受けて、なぜか大森も壇上に呼ばれたんですが、わりと要領を得ないスピーチになった気が。「しゃべることはその場で考える」という方針に、すでに頭がついていかなくなっている気もする。
最初に買ったお茶大SF研出版物はなにか――ってのが思い出せなかったんだけど、スピーチが終わったあと、年表を見てようやく判明。『SFマガジンインデックス171-220』を高校のときに通販で買ってたんでした。当時はすごく重宝したんだよね。うちにあるやつはぼろぼろになってるぐらい。
このインデックスに関してはいろいろエピソードがあったんですが、終わってから思い出しても無駄(笑)
ひさしぶりの人々と歓談しているうちにクイズがはじまる。全十問のマルバツ式。8問正解の大森は三村美衣と並んで三位。ジャンケンの結果、ハードカバー版エリスン全集の第三巻を獲得。会費5000円なのに、3000円の洋書とコスモス・セレクションとコスモス・インデックスもらって大収穫。いや、申し訳ない。せめて全問正解したかったところである。
パーティ終了後、茗荷谷駅前のジョナサンになだれこむ。ぜんぶで30人以上いたのでは。青山さんもいたんだけど、梅原問題についてじっくり意見交換する機会がなくて残念。
【4月30日(金)】
連休明けに乱歩賞の予選会なので、一次通過原稿を猛然と読みはじめる。小説すばるの一次の箱もまだかたづいてないし、ファンタジーノベル大賞の一次の箱も玄関前に積み上がっているのだが。
『リメイク』のゲラは手つかずだし、読まなきゃいけないゲラがあと3本。さらに連休があけるとすぐ《本の雑誌》の締切。どうするんだいったい。水鏡子の長期滞在がないのがせめてもの救いかも(笑)