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【4月1日(木)】


 秋葉にTAを見にいく。うちはまだアナログ回線なんですね。TP535はシリアルポートが殺してあるとか、PCカードスロットに空きがないとか、PHS端末を子機に使ってるとか、もろもろの理由があるんですが。
 データのやりとりが存在しないノートPCが2台という自宅の環境では、ダイアルアップルータはあまり意味がなさそうなので、現在検討中なのはAtermのワイヤレスTA、IW60HS DSU。でも現物はRS10を1台つけたワイヤレスセットしかないみたい。
 これだとホームステーションなしでPHS端末をつなぎ、どの部屋からでもPHSカードでISDNテレホーダイ接続が可能になる(32kbpsしか出ないけど)ので便利かも。
 しかしマシンを買い換えれば必然的にUSBポートつきの機種になるから、USBポート3個とかのTAにして、PHSをあきらめたほうが最終的に便利なのだろうか。
 アナログポートにPHSのホームステーションつないでも、たぶんPHSを子機としては使えないんだろうと理解してるんですが、どうもよくわからないので、知ってるひとがいたら教えてください。

 ノートPCも買い換え検討中。次の仕事用にXGAサブノートが欲しいんだけど、希望スペックはHDD6.4G以上で重量1.7キロ以下、スティックポイント(タッチパッド不可)つきなので、買いたいものがない。
 レッツノートかメビウスがスティックポイント・モデルを出してくれればいいんだけどなあ。シャープの反射型液晶はかなりそそられますね。昼間、喫茶店の窓側の席で心おきなく仕事ができる。
 IBMはTP535のXGA版を出さないんだろうか。使い勝手はベストに近いのだが。




【4月2日(金)】


 同席するだけでいいという条件で、シド・ミード、富野由悠季、石上三登志の座談会(キネ旬用)に立ち会うべく、ふたたび赤坂プリンス新館のスイート。
 石上さん、キネ旬の青木編集長とはひさしぶり。高橋良平さん、バンダイ・ビジュアルの渡辺繁社長も同席してて、スイートルームは大にぎわい。
 座談会は、主に富野さんと石上さんの掛け合いが面白かった。
「石上さん、いくらSF的な絵がよくても、ああいうダメな作品を誉めちゃだめだよ。映画としてダメなものはきちんとダメだと言わないと。シェイクスピアの映画とおなじ基準で評価すべきなんだ」
 とか、富野さんの攻撃に石上さんはたじたじ(笑)。ガンダムの話はほとんど出なくて、「月世界征服」以降のSF映画の話題に終始してました。プロの通訳の女性がついてくれたので、わたしはときどき固有名詞をフォローするだけ。楽しく聞かせていただきました。

 途中、座談会を中断して、∀ガンダム放映直前特番をスイートの全員で見る。西条秀樹の主題歌がすばらしい。アニソン的熱さはGガン以来かも。
 過去のガンダムをふりかえるコーナーがあって、富野ガンダム以外はほぼ一瞬しか画面に映らないんだけど、Wはちょっとだけ長かったりして、微妙に差があるのがおかしい。
 とりあえず一話めは無事に放映されそうですが、第二話はまだできてないそうで、だいじょうぶなのか。

 座談会終了後、石上さんとキネ旬組が引き上げ、残ったメンバーで食事。
「店はどこにしますかねえ」
「このあたりよく知らないんだけど……今日は金曜日だし」
 とか相談してると、
「わかりました。ぼくが捜してきます。見つかったら電話しますよ」と言ってすっくと立ち上がったのは渡辺社長。
「そ、そんな、社長がみずから斥候に出なくても」
「いや、僕はプライベート・ライアンですから」
 と突撃してゆく渡辺社長。やはり行動の人である。

 プライベート・ライアン・ワタナベ社長の斥候で無事に発見された居酒屋に落ち着いたのは、富野夫妻、シド・ミード、ミードのマネージャーの市川さん、高橋良平、オレ、あとサンライズのU田さんと渡辺さん。
 サンライズの渡辺さんは、きのう入社したばかり。渡辺繁社長の実弟なので市川さんが招集し、無理やり連れてこられてしまったらしい(笑)
 わたしは富野さんの隣の席だったので緊張しましたが、今は全精力を∀ガンダムに注いでいるせいか、超絶的ハイテンションになることもなく、ふつうに話ができたことでした。

 渡辺社長は、座談会を見学に来る直前、東映に寄ったら「ガンドレス」が今日までと書いてあったので、あわてて見てきたそうで、ガンドレス話で異様に盛り上がる。
「現場がかわいそうだよ。あんなものを公開しちゃいかん」と力説する社長。このへんからがんがんボルテージが上がりはじめ、富野夫妻とミード組が引き上げたあとはもう独壇場。
 伊藤和典脚本・押井守監督の某作品(現在進行中)に関する驚天動地の新情報はじめ、どう考えてもオフレコに違いない話が次から次へと披露される。
 焼酎の杯を重ねるに連れてさらに愚痴モードに突入、まるで絵に描いたような「サラリーマンの酔っぱらい」ぶりでしたが、これで社長だからなあ。現場から離れるんじゃなくて、社長プロデューサーとしてがんばっていただきたいものである。

 しかしいちばん驚いたのは『クロノログ』に投じた予算の話。そりゃどう考えたって元がとれるわけないでしょ。『オネアミス』なんか、十年がかりで投下資本を回収したあとはどんどん黒字が増えるばかりなわけで、やっぱり映像ソフトはお金かけていいものつくっておくと長期的には財産になると。

 解散は午後11時。そのあとも渡辺兄弟は、「兄ちゃん、どうする? ひさしぶりに二人で呑む?」「おう、兄弟仁義か。よしわかった」というような会話のあと、韓国料理屋に消えていきました。




【4月3日(土)】


 9時起床。九段下で乗り換えて、京王線の稲城。
 大河原邦男さんのお宅で、シド・ミード接待シリーズの最終回、大河原×ミード対談の司会のお仕事。大河原さん、五十は越してるはずなのにすごく若々しい。ガッチャマンからガオガイガーまでずっと現役っていうのも考えたらすごいね。∀ガンダムもメインのメカデザインは大河原さん。シド・ミードはゲスト・メカデザイナーで、花を持たせてもらったって感じ?
 大河原さんはメカデザインはじめたころからシド・ミードのファンだったそうで、対談は和気藹々。さすがにシド・ミードは疲れた感じだったけど、あれは二日酔いでは。

 オレはコスパのザクTシャツを着ていったので(笑)、大河原さん、ミードさんといっしょに記念写真撮ってもらいました。ふふ。


 帰りは南部線で立川に出て、中央線経由で高田馬場。
 ビッグボックスの古本市を覗いたら、ハヤカワ文庫JAの山が。それも二桁台。JA版の『アルファルファ作戦』が100円ってのはラッキーだね。あと、福島正実、石川喬司、かんべむさしあたりもとりあえずおさえて……とか選んでたんだけど、途中で考えるのがめんどくさくなり、あるだけぜんぶ購入。45冊で4500円。ぜんぶ持ってる本なんだけど(笑)。
 そのとなりには創元のバロウズ(ぜんぶ初版)が山をなしてたんだけど、さすがにもう持てないのであきらめる。ま、だれか買うでしょう。

 本の山を抱えてユタに行き、戦果をチェック。おなじ人の蔵書から出たものらしく、JAはほぼすべて、本文最終ページに購入日、購入書店、読了時刻と読了番号(71年No.31とか)万年筆で書き込まれている。芳林堂、紀伊国屋、未来堂などが大半で、どうも東京の学生らしい。
 整理してみると、星新一、小松左京がごそっと抜けている。
「けっこう好みが渋いかもね、この人」
 とか言ってると、本の袋を抱えた藤元くんが登場。中身は火星シリーズ(笑)。古い創元推理文庫の山も、出してたのはおなじ古本屋で、こっちはすべて、広島の佐々木さんという人の蔵書印が押してある。
 問題は、東京在住のJAコレクターと、広島のバロウズ・コレクターが果たして同一人物なのかどうか。
「広島生まれなんだけど、早稲田に入学して東京に来たんだよ」
「大学に入ってから、蔵書印が万年筆に変わるっていうのは納得できないなあ。蔵書管理システムが全然違ってるじゃん」
「蔵書印って言っても、名前と住所のハンコだろ。それ、中学生のとき学校かなんかでつくってもらったやつで、東京に引っ越すとき実家に忘れてきちゃったんだよ」
「あ、ほら、ここ見て! 12月27日に読み終わったJAに、「新幹線車中にて」って書いてある! 広島に帰省する途中に読んだんだよ」
「このころの新幹線はまだ岡山止まりだろう」
「だから在来線に乗り継いで……」
「しかしこの時刻に岡山についても接続が……」
 とか、えんえん無駄な議論をする人々。オレは別人説を唱えてたんだけど、はたしてこの真相は? 《本の雑誌》なら見開き埋まるネタですな。

 一方、『火星のプリンセス』の初版がまだ残っていると藤元くんから聞いて、東京創元社の編集者が入れ替わりにとびだしていく。
 帰ってきた小浜徹也いわく、「JAまだ十冊ぐらい残ってたよ」
 ぜんぶ買い占めたはずなのに。そんなバカな。
 しょうがないのでもう一度見にいく。さっき抜いた場所に、今度はJAの小松左京が十冊ばかり(笑)。
「次に行くと星新一が出てるよ、きっと」
 とか言われましたが、けっきょくJA55冊を5500円で買ったオレ。おなじころの角川文庫(『ウィンク』とか『虎は暗闇より』とか)や講談社文庫(『彼らの中の海』とか)の日本SFもどさどさあって、他人とは思えない感じ。万年筆のメモがなかったら、実家に置いてある文庫ボックスの中の本をうちの親が売り飛ばしたんじゃないかと疑いたくなるくらいである。




【4月4日(日)】


 家を一歩も出ず、ピザーラの宅配ピザを食いつつチョンクオを読みつづける。ようやく15巻まで到達。あと1冊だ。


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