【4月1日(火)〜3日(木)】

 天候不順のおかげで体調が悪い。ので寝て暮らす。ベッドの友はどっと届いた講談社ノベルス。
 森博嗣『封印再度』は、シリーズ完結編。これはやっぱり4月1日に読まないとね。舞台設定の年代は不特定なんだけど、季節は初版の刊行の月日に合わせてあるので。
 あーでも感想を書こうとするとネタバレになるのだった。うーん困った。ミステリ的には『F』の驚きがいちばんなんだけど、小説としてはこれがいちばん好きかも。ま、とにかく、いままでの四冊に対してある種の居心地の悪さを感じていた本格ファンも、この一冊で納得するでしょう。納得しない人は読み方をまちがえている可能性大(笑) いや、ドキドキしました、ほんとに。しかし最初から出てくるわりに儀堂せつらの影が薄いのはいかん。すっかり萌絵のおばさんに食われてしまっている。ううむ。
 西澤保彦『瞬間移動死体』は、ニーヴンの短編「テレポーテーションの理論と実際」が下敷き。ミステリ版「郵性省」(って筒井康隆の短編があるのね。マスターベーションでテレポートするやつ。十万円だかで友だちからアイデアを買い取ったというやつ)。
 瞬間移動能力で本格をやるという、例によってアクロバティックなワザが炸裂するわけですが、そのために相当な無理をしてて、いまいちエレガンスに欠けるのが欠点。ここまで話を複雑にしなくてもよかったような気がする。ネタ自体はじゅうぶんにシンプルなんですけど、意外性はちょっと弱い。話の構造的には『彼女が死んだ夜』に近いんですが。
 篠田真由美『』は建築探偵・桜井京介シリーズの第一部完結編。予告通り今回は蒼の話で、めちゃめちゃ力が入ってます。シリーズ中でも最高作でしょう。ただし、シリーズの読者には最終的な結論が見えちゃうので、前4作を未読の人は、いきなりこの作品か、『灰色の砦』から読むのが正解かも。なんかでも、今回の桜井には綸太郎が入ってる気がするな(笑)


【4月4日(金)】

 昼からさいとうと東京ゲームショウ@東京ビッグサイト。LOVE&PlayStationの金木さんと軽く打ち合わせしてから、アスク講談社のブース。一時から、綾辻行人原作・脚本のPS用RPG、「YAKATA」の発表会。アスクの広報体制に業を煮やした綾辻さんが知り合いにがんがん声をかけ、自分で招待券を送ったりしたおかげで、ミステリ関係者が大集合。
〈館〉シリーズ原作でRPGという、意表をつくソフトなんですが、なにしろ『暗黒館』そっちのけで綾辻さんが全力投球したくらいで、秋の発売に向けて期待が高まる。もっともシナリオが上がったばかりの状態なんで、まだ開発中画面もほとんどなく、とりあえず綾辻氏を含むメインスタッフの話を聞いて終わり。
 しばらく他のブースをぶらついたあと、アスクでリザーブしている会議室に行ってLOVE&PS用の取材。なんかムービーでインタビュー流すとかって話で、その撮影。会議室の隅にセッティングして、綾辻さん、舞阪洸さん(レッド・カンパニー)、松本慈之さん(チャイム)に各10分ぐらいずつ話を聞く。その模様は月末くらいにSCEのLOVE&PSページにアップされるでしょう。リアルプレイヤー使うのかな。

 取材のあと、また会場にもどる気力がなくて、集まってきた関係者の人々とうだうだ。水玉さんに無理やり買わされた(笑)ポケモンのトレーディングカードゲームでとりあえず一個だけデッキを組んだので、最近すっかりハマっている吉田さん@アスキー(水玉夫のひと)とデュエル(とは言わないかもしれない)。スターター2個とブースター3個買っただけなので全然エネルギーカードも足りないんだけど、現有勢力だけでなんとかつくったのは青緑+無色。インスタント、インタラプトが存在しないので、相手のターンにはなにもできない。その分、ルーリングは単純で、MTGが麻雀ならポケモンはポンジャンとかドンジャラとか、そんな感じですか。システムはわりとよくできてるような気がする。
 1デュエル目は惨敗したものの、2デュエル目は吉田さんがエネルギー事故だったのでなんとか勝つ。MTG知ってればすぐ遊べる感じですね。

 そのうち大沢在昌氏や宮部みゆき嬢までやってきたので何事かと思ったら、セサ大賞の審査員らしい。山口雅也氏原作のAVG(トンキンハウス)の発表も今日なので、山口さん、竹本さんも合流。けっきょくタクシー3台に分かれ、新橋第一ホテルの樓外樓になだれ込む。
 篠山紀信に週刊朝日のグラビア用の写真を撮影されていたばかりの京極さんもスタジオから合流。メンバーは最終的に、竹本健治、山口雅也、綾辻行人、宮部みゆき、京極夏彦、水玉螢之丞、貫井徳郎、喜国雅彦、国樹由香、C嬢@小説すばる、宇山日出臣@講談社文三、野村武士@Vジャンプ、『ウロボロス』でもおなじみの乾さん@トンキンハウス、さいとう、大森……の大所帯にふくれあがる。東京ゲームショウでなぜこんなに集まる(笑)
 個室に二卓で三時間ぐらいかけて食事して、さらに十数人で新橋の喫茶店でお茶。それからさらに十人で銀座ファゼンダまでてくてく歩き、やたら広いパーティルームでカラオケ。
 宮部さんとカラオケ来たのはすごくひさしぶりな気がする。体の調子もすっかりよくなったそうで、めでたいことである。あーと、京極さんはなんだっけ、すっかりアニソンに目覚めてデビルマンとか歌ってました。さいとうに「メモしないといけないんでしょ」と言われたけどあとは忘れました。すいません(笑)
 大森選択曲で爆笑だったのは「涙のキッス」琴アレンジバージョンですね。ほとんどアカペラ。あとはVジャンプの野村さんがジャニーズ系の声でV6とか歌ってたのが意外……ってオレが言うことじゃないな(笑)
 午前3時半ぐらいで解散になり、宮部さんとゲーム話をしつつタクシー帰り。


日記の目次にもどる
ホームページにもどる
リトル東京ページにもどる