狂乱西葛西日記96年12月13日〜24日


【12月25日(水)】

 ジョン・クルートのIllustrated SF Encyclopediaの担当分をようやく仕上げ(最後から二番め(^^;))メールで送る。たった20ページなのにずいぶん時間がかかったなあ。とはいえ総計98,887バイト。四百字で150枚あるもんなあ。手間から言えば薄目の長編の半分くらいの仕事量だった気がする。SFに操をたてるのもたいへんです。
 つづいてアクティヴ・イングリッシュのインターネットコラム最終回とゲームウォーカーの原稿を送って、今年の雑誌原稿はだいたいおしまい。やれやれ、と一息ついてマリオカート64(笑)


【12月26日(木)】

 今年最後のWOWOWネットワーク会議。添野は風邪でぶっ倒れて欠席。今年の風邪はたちが悪いらしい。
 家に帰って、ずーっとほっぽらかしてあった講談社クロニックの原稿についに着手。締切は半年前だったり(笑) これがいちばんめんどくさい仕事なんだよなあ。なんで引き受けたんだろうなあ。
 とか難航しているあいだに、サンフランシスコから斉藤友子が到着。当然、冬コミのための来日である。といっても、今回出す新刊はアダム・ウォレンのスケッチ集。いやあ、英語版オリジナルのダーティ・ペアはじめたころからするとめちゃくちゃうまくなってますね。ボンデージ系のイラストが特にマル。綾波はバンデージ系だって。をい。しかしアダムの画集同人誌が1000部も売れるんだろうか。まあ園田さんとこのブースで売るらしいからだいじょうぶかな。


【12月27日(金)】

 どうも調子が悪いと思ったら風邪でダウン。添野にうつされた――わけじゃないんだけどなあ。病院に行って喘息のクスリといっしょに抗生物質とか咳止めとかもらって貪り食ったら速攻で眠くなり、夕方からベッドに入ってだらだら。しょうがないのでホラーノベル大賞2次の箱を開けてぼちぼち読みはじめる。


【12月28日(土)】

 午前三時に起きてだらだら。どうも緊張感のない年末である。しかし今日、明日とコミケに行ってその足で京都行って合宿忘年会やって我孫子さんち泊まって高知に行くんだから、かたづけることはかたづけておかないと。
 と思うのだが風邪の後遺症であまり動けない。東京にもどってくるのは1月6日になってしまったので(そこしか飛行機がとれなかった)高知にいるあいだにする仕事の材料を宅急便で送る。ホラー大賞の原稿とかビル・ゲイツの原稿とか「ざべ」の連載の資料とか。

 2時半、さいとうとタクシーで東京ビッグサイト。湾岸使って15分、近いもんです。会場に着いて、とりあえず河内さんのブース。白城るた先生というか、あらきりつこさんとこのスペースもすぐ近くで便利。まわりを見まわすとすでに撤収してるとこも多い状況なので、あいさつもそこそこにあわててミステリ系サークルをひとまわり。麻耶雄嵩本、森博嗣本を中心に10数冊ゲット。もはや京極本の蒐集はあきらめました。聞いた話では、京極堂本舗は行列だったらしい。いやはや。河内さんにもらった個人誌を別にすると、収穫はやっぱり法月警視ラブリー友の会の「すごいよあびこさん」と「夢がMori森博嗣」かな。あと別冊シャレードの麻耶雄嵩特集パート2。コズミック本も出てたのに売り切れで買い損ねました。鮎川賞評論部門の今年の受賞者・鷹城宏氏に見せてもらったやつは、竜宮×氷姫宮のカップリング(笑) なるほど、ぽん。
 カタログに出てた清水義範本も買えなくて残念。うーん、やっぱりあと1時間はやく来るべきだったか。
 朝イチで出かけた斉藤友子はカベのURABOROSで売り子手伝い。左足薬指骨折のさいとうよしこは妹のところにやってきて、ガイナックスのてんちょさんとなごんでいる。ナデシコ本をちょっと見ようかと思ったけどすでに気力がないので、シャレードのスペース前で千街くんとかとうだうだ。そしたら北大ミステリ研OBで「日本のミステリなリンクはここだ」をつくってる人がいて、インターネットな話を少々。卒業して東京にいるのに、更新したリンクページをFTPで送ってるそうである。まああそこまで行ってしまうとおいそれとは後輩に引き継げまい。ありがたいことである。
 とかやってるうちに四時になり、本日の販売は終了。斉藤姉妹あんど河内さんあんど匿名希望さんと5人でお茶飲んでから、タクシーで銀座に出る。河内さんの希望でホテル・アルシオン(って、ホテル熱海山荘が改名しただけだったとわ)のスイスレストランに行ったんだけど満員で入れず、あとから合流した小浜夫妻と6人(斉藤友子は明日の搬入のためビッグサイトに居残り)で東銀座のカジュアル系フランス料理屋で食事。三村美衣にウルトラゲートのスターターを一個もらう(初代ウルトラマンの怪獣その他のキャラを使ったトレーディングカードゲーム)。このイラストはなかなか雰囲気があってよい。カード名も凝ってるしね(「あざ笑う残像」とか「イデが戦車でやってきた!」とか)。これでゲームシステムさえよければハマりそうなんだけどなあ。
 食事のあと、河内さん&匿名希望の人と別れ、不二家でお茶。ちょっとデュエルして11時帰宅。


【12月29日(日)】

 起きてコミケ……のつもりだったけど体調悪くて起きられず、さいとうだけビッグサイトに行かせ、荷物を持ってあとから東京駅。クスリをむさぼり食って新幹線で寝る。が、寝ぼけて荷物を一個、ひかりの車内に置き忘れて茫然(あとで駅に電話して確認してもらったら岡山で保護されてたので、明後日取りに行きますと連絡して一安心。ま、荷物だけ先に送ったようなもんだね)。
 六時前にSF忘年会(キタとミナミでそれぞれ20年以上前からやってるSF例会の合同忘年会。母体は関西海外SF研究会と関西大学SF研かな。歴史を遡ると超人類とかパンパカ集団とかにたどりつくらしいけどよく知らない)会場のいろは旅館(京阪三条駅徒歩1分)に投宿。今年の参加者は子どもを含めて30人くらいですか。恒例の宴会後ビンゴでは夫婦そろってハズレたものの、終了後のトレードでたまごっちをゲットしてさいとうは有頂天。なんかこの景品のために青心社の小笠原氏は30分並んだらしい。恐るべし、たまごっち人気。
 宴会のあとは、水鏡子、佐脇洋平、岡田靖史と四人でブースタードラフト。佐脇のC.o.Pデッキ相手に1デュエル落としたものの、マッチはまたも全勝で優勝。戦果もまずまず。やっぱり赤のXダメージ呪文は圧倒的に強いっす。多色の遅いデッキ組んでる人が多かったしね。直接攻撃の意味を知らなかった水鏡子師匠(SFマガジン2月号参照)は岡田靖史に2勝し大喜び。まあタイガースだって優勝することがあるんだからさ。
 しかし、ドラフトで余った日本語版4THのうち5パックを佐脇が買ったんだけど、開けたとたんに凄腕の暗殺者は出るわ動く壁は出るわで水鏡子師匠は悔しがることしきり。
 じゃあわしも開けるって言って開けても、当然出るのは魔力貯蔵器ばかりなり。まあそういうもんです。


【12月30日(月)】

 2時間ほど寝て、泣きながら朝御飯を食べる。眠い。例年通り、10時ごろぶらぶらみんなで宿を出て、三条通りの喫茶店に入る。佐脇・水鏡子とデュエル&トレード。極楽鳥を出してハルマゲドンをもらう。ちょっと損かな。ううむ、極楽鳥は4枚欲しいのだが、ハルマゲドン一枚しかないからなあ。まあ極楽鳥はまた海外注文しよう。
 佐脇・細美一家と別れて、さいとうよしこ、水鏡子とぶらぶら歩いて、カードショップのギルド京都店。寺町通り商店街の蛸薬師を下がったところにある喜久屋書店っていう大きくて新しいマンガ専門店の二階の階段を上がっていくと、つきあたりに非常口があって、そのドアを開けるととなりのマンションに通じてて、正面のドアを開けるとそこにギルドがあるんですね。まるで大阪の裏ビデオ屋みたいな立地(笑)
 神戸のギルドでは、逆輸入した日本語版4thをなんと1パック300円で売ってるそうですが(水鏡子師匠はそれでワンボックス買ったとか)、京都店のほうはさすがに英語版300円だけ。TRPG関係、トレカゲ関係の品ぞろえはかなり立派。スポーン、ID4関係のグッズも多数。店長らしい人としゃべってるうちにゼノファイルの話になり、ふたたび、「斉藤友子さんのカードならけっこう集めましたよ。今度サインもらってください」とサンフランシスコの会話が再現されたのだった(笑)
 けっきょくおみやげ用にウルトラゲートのスターターを3個買って店を出る。水鏡子氏はミラージュ12パック。
 お茶飲んでおみやげ買って3時ぐらいになったので、3人でタクシーに乗り我孫子邸。4THの残りにミラージュ混ぜ、我孫子・水鏡子・大森でまたもブースタードラフト。あれだけ言ってるのに水鏡子氏は赤のXダメージ呪文を抜かない。しょうがないので赤単デッキをつくる。当然無敗。水鏡子氏は3ターン目に赤の防御円出して、それでも負ける謎。星界からの恐怖とか呼ぶかね、ふつう。水鏡子の百分の一もカネを使っていない我孫子武丸4色デッキには二連敗するし。ドラフトで十字軍引いて狂喜乱舞してた水鏡子師匠は、2デュエル目にその十字軍がアンティに出て、「こ、これは絶対勝たねば」とか言っててあっさり負けちゃって、あとで我孫子さんを拝み倒してトレードでとりかえしたり(笑)
 わたしは白ウィニーのキーカードが一枚もないので(Crusade、Outpost、Angelic Voiceはどれもゼロ枚)、まあどうでもいいや。Sacred Mesaは1枚だしなあ。

 そのうち綾辻、麻耶、法月といつものメンバーがやってきて、近所のロッソ・ペリカーノ(もとカプリチョーザ)で食事。それから2時間カラオケして、1時間お茶して、我孫子邸にもどって朝までマリオカート64の4人対戦プレイ。一位にならないとやめない人が二人(綾辻・麻耶)混じっていると、このゲームはけっして終わらないという事実が確認されたのだった(笑) まあしかし、河原町でコントローラを二個、おみやげに買っていった甲斐がありましたね。
 5時ぐらいにみんなが引き上げたあと、我孫子さんのカードをチェックしてトレードを申し入れ、それからちょっとデュエル。千織さんが「わたしのカードあげる」と部屋から箱を持ってきたので、それを見せてもらうと、いやはや、大地の刃が3枚も入ってるじゃありませんか。5000円くらいしか買ってないのになぜ。我孫子武丸黒デッキ用のキーカードを何枚か出して、大地の刃を2枚ゲット。しかし土地税がない現状では使いにくいかも。ま、マナ・コントロール系のデッキに凝りつつあるから、一応ね。


【12月31日(火)】

 起きたら4時。体調激悪。岡山発の6時12分の南風の指定券をとってあったんだけど、ほとんどあきらめ状態。ま、大晦日だから自由席でもだいじょぶでしょ。
 例によって北大路駅まで送ってもらい、京都駅のみどりの窓口で一本あとの南風に指定券を切り替えて、高知到着は10時過ぎ。ああ、また紅白の前半が見られない(;_;)
 家に帰り着いたらちょうど小林幸子の出番でわりとラッキー(笑) なんかフラクタルな衣裳で、自己相似図形が使われていました。びっくり。
 さすがに思い切り疲れたので、初詣に出る気力もなく、1時過ぎにダウン。

 ということで、旧年中はみなさまいろいろお世話になりました。今年もよろしくね。


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