Powered by bk1(Online Bookstore) →詳細検索

Powered by amazon.co.jp
ジュンク堂書店新宿本店オープン記念トークセッション(メッタ斬り!チームも出動します)
●コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』(→amazon | bk1) | CW日本語サイト | CW特集@bk1
『文学賞メッタ斬り!』amazon | bk1 | ABC | eS! books公式サイト | bk1出張版 | interview | forum | 「ニュースな本棚」版 | 131回芥川賞、直木賞選考会 | 書評Wiki | blogmap | はてな
●シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』(河出書房新社1900円)発売中→bk1 | amazon



【9月28日(火)】


 GAINAXからの頂きもののOVA版ハニー『reキューティー・ハニー』第1巻を家族で視聴。フリクリっぽいお洒落系とガイナ的おたく系とハレンチ系お色気が入り混じり、どういうつもりで見ればいいのかよくわかりません。だんだん慣れてくるのか? OPはかなり好き。本篇のおっぱいはもうちょっと隠さないとありがたみがないなあ。
 いちばん熱心に見ていたのはトキオ社長(ハニー初体験)。布団で寝る段になって母親のおっぱいにタッチして
「おかあさん、ボインボインだからきゅーてぃーはにーみたいだね」
 三歳児はさすがにまだアニメのおっぱいには反応しないだろうと思ったらそれかよ。母親いわく、
「しっかり見るとこは見てたのね」
 ハニーみたいと言われるのは一生に一度の体験なので大切にしたいと語るさいとうよしこだった。



【9月29日(水)】


 トーレン社長来日。
 トキオは前に会ったのを忘れているらしく、巨大なガイジンに微妙にビビリ気味。



【9月30日(木)】


 うちの両親とスミス夫妻が来て、キリカ生誕100日記念のお喰い初め。料理はうちの母親が金沢の金茶楼に注文した豪華懐石弁当と、高知から持参した鯛。

 イベントの空間をつくるため、新刊定期処分。読み終わった本とぜったい読まない本とダブった本を箱に詰めて、駅前の古本屋に売りにいく。57冊で20,320円の査定。 ふだんよりやや高値なのはハリポタ5の威力か。



【10月1日(金)】


 第4回小松左京賞授賞パーティ@キャピトル東急。受賞作は有村とおる「闇のなかに虹を見る」。有村さんは1945年生まれ。これから定年を迎えた団塊の世代の新人が続々登場してくるのか? ってことで、いろんな媒体から取材が殺到したらしい。ホラサスの最終候補にも同年輩の女性が残ってるし。
 二次会の席なんか、どう見ても有村さんがいちばんえらい人。今日の宴会は特別に社長の臨席をたまわりました、みたいな。なにしろ山田正紀部長より5歳も上なのである。スーツの値段もたぶんいちばん上。

 小松左京賞授賞式はいつも角川春樹事務所創立●周年パーティと同時開催なんだけど、今回は春樹顧問出所後初ってことで、春樹さん大活躍。いちばん凄かったのは春樹事務所がこれから社運をかけてプロモートしてゆくらしい「ぎゃる侍」ファッションショー。《ポップティーン》ではなんと末松正博がコミック版を連載するらしい。いいなあ、ぎゃる侍。いわば自由度の高い和風コスプレなんで、ひょっとしたらけっこうはやるかも。

 パーティの最後は社員全員がステージに上がり、森山直太朗「生きとし生けるもの」を合唱。真ん中に春樹顧問、両側にメインボーカルの社員を従えてディナーショウ状態。しかし両脇の社員はめちゃめちゃうまい。春樹事務所おそるべし。
 春樹顧問が最後にステージから下りてきて、独唱で、「♪僕は人間じゃない〜」をリフレインするあたりはもう死にそうでした。そういうオチかい! 神様だからっ。

 あとで取材したところによると、メインボーカルの社員はハルキ様から直々にスカウトされ、「今から練習だ」と何度も呼び出されてたいへんだったらしい。

「奇想サスペンス!」の惹句に負けて、黒武洋『パンドラの火花』を読む。なにしろ版元の紹介がこれですよ。
凶悪殺人を犯す直前の自分を説得し、犯行を阻止せよ! 期限は72時間。成功すれば釈放、失敗なら死。過去へと送られた死刑囚は、その全てを知る青年に対峙した…。
ハリウッドにネタを売れるかも。しかしタイムパラドックスの処理もハリウッドレベル。SFおたくなら、「これはきっとタイムトラベルと見せかけて仮想空間ネタ」と思うはずですが違います。編集者は、小説の中で理屈に合わないことがいろいろ起きても平気なのか。ううむ。 いや、面白いんだけど。

 石田衣良『ブルータワー』はもっと謎。意識だけのタイムトラベルなんで物質は運べない。情報は、頭の中に格納すれば運べる――ってネタは面白いんですが、これはギャグなのか? そこだけ読めと藤田香織に言われた理由がよくわかった。この機会に『宇宙アトム大戦争』じゃなくて『天界の王』じゃなくて『スターキング』の復刊なるか? 遠すぎて無理だろうなあ。石田衣良もどうせなら《キャプテン・フューチャー》トリビュートで書いてくれたらタイムリーだったのに(もっと無理です)。

 特殊歌人の人のmixi日記経由で恋愛頭脳やってみた。結果はコレ。枡野さんより下かよ!




【10月2日(土)】


 久美沙織『コバルト風雲録』、本の雑誌社より10/21発売決定。
「このライトノベルがすごい!」で久美さんが勝手に連載していた『創世記』の書籍化。本の雑誌社A木くんが考えた(推定)キャッチコピーは、

  よ〜くお聞き!
  ライトノベルにいたる少女小説の歴史を
  がむしゃらに駆け抜けた久美沙織が、
  激動のエンタメ文芸業界
  波瀾万丈の作家人生を
  裏の裏までぶっちゃけた!
  爆笑痛快ときどき毒舌、愛の青春一代記

 連載の最初のほうを読んで、これはぜったい面白いから単行本にしましょう!と力説して売り込んだコンテンツなので、めでたく単行本化されてひと安心。



【10月3日(日)】


 小松左京賞のパーティでお目にかかった折り、井家上隆幸さんから、「大森さんが小説NONに書いてたライトノベルの話、朝日の原稿に引用させてもらったから」
「え? なんの原稿ですか?」
「ベストセラー快読。『暗黒館の殺人』で」
「???」
 みたいな会話があり、どういうことだろうと首をひねってたんですが、いざ昨日の朝日新聞を見たら、コラムのタイトルが「長大重厚なライトノベル」。なんだそりゃ。暗黒館がラノベだと?
 いや、原稿をよく読むとそうは書いてないんですが(長いライトノベルが売れる時代だから、若い人も分厚い本を抵抗なく読むんだなあ、という趣旨らしい)、このタイトルじゃ、そう言ってるとしか見えないよねえ。
 実際、こんな反応もあります。
 頼むからオレのせいにしないで(笑)

 ちなみに井家上さんが引いてるのは、大森が《小説NON》に書いた「おじさんのためのライトノベル講座」。どんなことを書いたかというと、
 最も典型的な現在形ライトノベルは、文庫書き下ろし、シリーズ化が前提で、カバーはアニメ絵のイラストで口絵・挿絵・イラスト入り登場人物紹介つき、購買動機に占めるイラストの比重が高く(カバーに惹かれて購入するジャケ買い≠ェ珍しくない)、主人公は十代(成長しない)、会話が主体(口調によるキャラの描き分けがある)、著者あとがきあり(解説なし)。売れたらマンガ化/アニメ化/ゲーム化され、キャラクターグッズが発売される。
 マーケット的な特徴は、マンガと同様、レーベルの男の子向け/女の子向けが分かれていること(ただし、売れるものに関しては、読者の男女比が接近する傾向が強い)。二十巻、三十巻の長大なシリーズが大半を占め、刊行点数がものすごく多い。総出版点数は、一年間に千点以上。累計の刊行点数は、主要文庫だけでもおそらく二万点を超えるだろう。

 そのあと、講談社ノベルスにも触れてるけど、上遠野浩平と奈須きのこの話なので。新本格系の作品でライトノベル度高めっていうと、麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』『あいにくの雨で』あたりかなあ。《館》は全然ライトノベルじゃないです。
 そもそも『暗黒館』の読者はもうあんまり若くないだろうというのは内緒だ。



【10月4日(月)】


 録画されてた『ウルトラマンネクサス』第1話を視聴。映画のULTRAMAN(内容は無関係)よりはよけいなストレスなく見られる。佐藤康恵のナイトレイダー副隊長がかなりウザそうな予感。ネクサスは着ぐるみで怪獣はCGI。登場シーンはかっこよかったけど、あのデザインは……。
 清水崇監督『怪奇大家族』は「呪怨」ホームコメディ版? わりと脱力系。ほとんどセルフパロディ。笑えるかどうかは微妙ですが、まあしばらく見るでしょう。



【10月5日(火)】


有川浩『空の中』をゲラで読む。
『塩の街』で電撃ゲーム小説大賞とった人の二作目。いきなりハードカバー。
http://www.mediaworks.co.jp/topics/040917_soranonaka/index.php
 えらい気合い入ってるなあと思ったんだけど、ゲラで読んだら傑作でした。バルンガというかスカイドンというか、そういう怪獣SFをちゃんとやってます。
 著者いわく、「怪獣物と青春物足しっぱなしで空自で和えてる」話。劇場版ULTRAMANやネクサスに感じる「違うだろうそれは」感が払拭されて、そうそう、こういうふうにやればいいんだよ!って感じ。
 青春小説パートでは土佐弁が乱舞するんで、同郷だけにいまいち冷静に読めないところがあるんですが(いくら伊野町でも、いまどきの高校生があそこまでベタな土佐弁を使うのか?)、『イリヤ』にハマったひとはぜひ。『塩の街』もよかったけど、はるかに向上してます。
 今年の日本SFベストワンに推したいぐらい。

 しかしこれ、橋本大二郎推薦なのか。田中康夫パターンで辞職しちゃったから、肩書きどうするんだろう。前知事? さすがに立派な推薦文を書いてるので侮れませんが、土佐弁ネイティヴじゃないだろうきみは。



【10月6日(水)】


 讀賣新聞文化部のS記者がやってきて『電車男』コメント取材。発売前なのになんだかたいへんな盛り上がり。2ちゃんねる方面も祭りになってますが、新潮社営業部も電車男祭り開催中らしく、どんどん部数が増えている。最初に聞いた初版部数のすでに4倍(笑)。
 週刊文春ではネタ割っちゃってるし、amazonランキングも急上昇(一時は2位まで上がったらしい)。
 電車男捏造疑惑方面もがんがん盛り上がってますが、べつにノンフィクションと謳ってるわけじゃないしなあ。小説なら「エルメスは脳内彼女だった!」オチがふつう。というかどんでん返しがないと。
 週刊実話とか東スポとかに、「『電車男』はでっちあげだった!」「告白手記! 私は電車男にナンパされた!」「実はモテモテ男だった『電車男』の正体」みたいな記事が出るようになればブームも本物か。
 来年はTVドラマ化、映画は年末かな。



【10月7日(木)】


 本の雑誌・浜本発行人がやってきてパパが読む絵本対談。オレは保守派なので、自分が子供のときに存在しなかった絵本は信用しません(特撮系除く)。でもさいとうが買ってくるんだよなあ。浜本氏は新作派。しかしその恐竜は科学的にどうか。

 夜は新宿・海森2号店で北上次郎を囲む女子の宴会。男子は隅のほうで小さくなってました。なぜか妙齢のご婦人がたからmixi招待を強要される。



【10月9日(土)〜10日(日)】


 台風を逃れて栃木に出かけ、さいとう実家でおばあちゃんとおばちゃんの法事。
 さいとう弟の娘は9カ月なのに髪の毛ふさふさで、顔だけ見ると2歳児みたい。老け顔? それにくらべるとうちの娘は毛がなくてだれかに似てると思ったら、瀬戸内寂聴そっくり。とくに笑った顔が。

 ひとりで先に東京にもどって、明日帰国するトーレン社長と沖縄料理屋で食事。




【10月11日(月)】


 NHKのスタジオでBSアニメ夜話の収録(劇パト1、2)。岡田斗司夫ホストで、ゲストは宮台真司、国生さゆり、出渕裕にオレ。国生さゆりの隣の席だったんで、もうぜんぜん収録どころじゃなかったよ。パトレイバーの話なんかしてる場合ですか!
 いやしかし収録中の国生さんもすばらしかった。宮台真司につっこめるのは国生さゆりだけ、みたいな。カリ城の回の飛ばしっぷりもすばらしかったし、ぜひ国生さんをレギュラーにしてください。
 話がややこしくなりがちだったせいか、1時間番組の収録に2時間半もかかりぐったり。いや、オレも悪いんだけど。しかし用意したネタは全然しゃべれなかったな。

 アニメ夜話は二本撮りで、このあとさらにファーストガンダム編の収録があるらしい。岡田さんも体力あるなあ。

 ブックファースト渋谷店に寄って『美少女ゲームの臨界点』を買い、一階喫茶店で食事と仕事。ハヤシさんに挨拶して帰宅。




top | link | bbs | articles | other days