●D・バレンバウム脚本/大森望ノヴェライズ
『ホーンテッドマンション』(竹書房文庫620円)4/24発売即日重版!(→
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●コニー・ウィリス
『犬は勘定に入れません』、増刷御礼(→
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bk1)。ISBN:4-15-208553-3
●
コニー・ウィリス日本語サイト |
bk1「コニー・ウィリス特集」
●豊崎由美/大森望
『文学賞メッタ斬り!』、発売中(→
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ABC |
eS! books)。ISBN:4-89194-682-2
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●シオドア・スタージョン
『不思議のひと触れ』(河出書房新社1900円)発売中→
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【5月19日(水)】
堺邸でたこ焼き宴会。3年ぶりぐらいで
仙台エリ嬢と対面。あんまり大きくなってませんでした。
トキオは若いお嬢さんが珍しいのか、毎週プリキュアを見てるからか、声優おたくなのか、なんだか知らないけど、仙台エリの前でテレまくり。先週、だいたいおなじサイズでおなじ年ごろの女性書店員と会ったときには全然ふつうにしてたのに、いったいなぜ(笑)。あんなにでれでれしてるところを初めて見た。声優イベントとかに通う人になってしまうのか……。
各所で評判の
『電車男』まとめサイトをようやく読み、不覚にも感動。今年の――というか、ここ数年の――恋愛小説ベストワン(小説じゃないですが)。
世界の中心でなんちゃらが300万部なら、これは3億部ぐらい売れてもいいね。ていか、ぜひとも本にしてほしい。青春エンタだから講談社ノベルスかな。太田くんはいますぐ交渉を開始すること。もうしてるか。
【5月21日(金)】
ミステリチャンネル《ベストブックス》の収録。国内編、香山二三郎&豊崎由美のイチ押しは、順当に貴志祐介『硝子のハンマー』なんですが、大森はあえて
『天城一の密室犯罪学教程』をイチ押し。
おなじ密室殺人つながりっていうか、
「天城一なら、『硝子のハンマー』のネタなんか20枚で書くね」
ってことでもないんだけど、たまにはこういうのもね。あっちこっちのアンソロジーにやたら再録されてるから、主な作品(「高天原の犯罪」とか「ポツダム犯罪」とか)はだいたい読んでるし、『別冊シャレード』の天城特集も買ってるんですが、私家版は持ってなかったからちょうどよかった。
通して読むと、小説が評論に奉仕してるというか、言葉本来の意味で「作例」になってる点がいちばんユニーク。いちいち乱歩につっかかる密室論が最大の読みどころで、ここは抜群に面白い。来年の本格ミステリ大賞評論部門の有力候補。
【5月23日(日)】
朝日新聞の読書面に高橋源一郎氏による『文学賞メッタ斬り!』書評。「はっきり申し上げて、ぼくもほとんど同意見です」だって。本の中で、
源一郎氏が選考委員をつとめる朝日新人文学賞についてはわりとクソミソに言ってるんですが、太っ腹なことであります。いいのかそれで。ほんとにヤバそうな部分はあえて引用しない配慮もありがたい(笑)。
朝日新聞の読書面は出版界でほとんど唯一、本の売れ行きにダイレクトに反映すると言われてる書評媒体なんで、いよいよ5刷の声も。
【5月25日(火)】
横溝正史ミステリー大賞授賞パーティ@東京會舘。
大賞受賞者の村崎友氏とは、そのむかし某所で顔を会わせたことがあったらしい。そう言えばそんな気もする。
受賞作は宇宙SFなので(わりと梶尾真治系)その筋の人も読みましょう。推進システムはバサードラムジェットエンジン採用。ただしツッコミ禁止(笑)。バカミス的なトリックはさらっと読み流すのが吉。読みどころはそこじゃありませんよ。
北村薫氏から、『メッタ斬り!』本文中の、二〇〇三年度乱歩賞選考過程に関する発言について、事実誤認の指摘。プロレスに詳しい選考委員がひとりもいなったわけじゃないそうです。だったらどうして……という気もするけど、お詫びして訂正します。
終了後は、竹本健治、津原泰水、倉阪鬼一郎、奥田哲也など各氏と東京會舘ティーラウンジ。主に図書館問題を語る部屋でした。
『暗黒館の殺人』の《インポケット》連載をついに完結させ、現在、入稿に向けてひたすら直している(2500枚ぐらいあるらしい)綾辻行人氏と、『水の時計』の初野晴氏、角川書店編集者各氏と合流し、帝国ホテルのラウンジへ移動。あとから杉江松恋、福井健太がやってくるも、午前0時で解散。タクシー帰宅。
【5月26日(水)〜29日(土)】
河出から出た鈴木輝一郎『時代小説が書きたい!』(→
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bk1)をぱらぱらめくってたら、つい最後まで読んでしまう。このジャンルに関しては基礎知識が大幅に不足しているため、知らないことだらけ。値段までことこまかに書いたうえで重要度ランク付けしてある資料の話がとくに面白い。時代小説を書きはじめたらあっという間に資料貧乏になっちゃうって話は聞くんだけど、ちゃんと新刊書店で買えるのがすごい。ジュンク堂池袋店4Fのカフェの手前に『群書類従』がずらっと並んでるのを見て、だれが買うんだろうと思ってたけど、そういう需要もあるわけですね。
あとは、三津田信三『シェルター』、加納朋子『スペース』、麻耶雄嵩『名探偵 木更津悠也』など、ミステリの新刊を消化。
『シェルター』は三津田作品とは思えない設定なんだけど、最後まで読むと完璧に三津田信三。原書房ミステリーリーグの某作品とややネタかぶり。『木更津』は、パズラー的には高レベルなんだけど、助詞の誤用(たとえば「動かせられる」みたいなの)ほか、文章レベルでやや気になる点がいくつか。『スペース』は駒子シリーズの第三弾。いい話ですが、前二作を読み返してから読めばよかったとあとで思った。
あともう一冊、戸松淳矩22年ぶりの単行本、『剣と薔薇の夏』(→
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bk1)は、15年がかりで書いたというだけのことはある歴史ミステリの傑作。聖書の見立て殺人とか、密室殺人とか、本格ミステリのモチーフも大量投入されてるのに、本格歴史小説になってるという変り種。名探偵の推理プロセスが提示されない(ワトスン役との事件をめぐるディスカッションがない)点がパズラーとしてはちょっと弱いか。すばらしいのは文体とディテール。堪能しました。
こないだ応急修理したばっかりのDynabook SS 電源部がまたしてもいかれる。やはり基盤交換しかないらしい。そろそろ買い換える時期ってことですか。
しょうがないので、
Panasonic Let's note R3をamazonでワンクリック注文(笑)。
税込199,200円のお値段は大手ディスカウントショップと遜色がないし、最大15パーセントのポイント還元(R3の場合は2万円)プラス1000円バック、さらにアフィリエイト分(契約変更してないので3000円分)まで入れると、ヨドバシとかより安いかもしれない。
油断してる間に入荷待ちになっちゃったんだけど、よそで見つけてもamazonならすぐキャンセルできるし――と思ったら、翌日は発送しましたメールが。
結局、27日にワンクリック注文して、29日には到着。スタージョン全集のハードカバー1冊分より箱が軽い(笑)。ま、990グラムですからね。取扱説明書なんか、どう見ても家電。しかも最近のテレビの取説よりよっぽど薄いぞ。
【5月30日(日)】
さいとう妹2号の一家5人と葛西臨海公園。ものすごい陽射しと暑さに負けて、早々に水族園に避難する。r3持参で設定作業。ひさしぶりに小さいキーボードなのでまだ全然慣れません。Windows XPにも慣れない。
しかし、9時間保つというバッテリーの威力は絶大。実際は7〜8時間ってとこだと思うけど、これなら予備バッテリーもACアダプタも要らないので、持ち歩く合計重量はDynabookの半分ぐらいになるかも。ずっと使っててもあんまり熱くならないのもマル。欠点は、好みよりちょい小さすぎることと、平べったくない(断面が三角形)こと、まるいタッチパッドにまだ慣れないこと。うーん、実用レベルに達するまで、機械と人間の両方を適応させるのにしばらく時間がかかりそう。
朝日新聞読書面、先週の
『文学賞メッタ斬り!』書評に続いて、今日は
コニー・ウィリス『犬は勘定入れません』書評が掲載。評者元・朝日新聞の栗田亘氏。
「読んでさわやかなのは、おおらかで落ち着いた時代を、ゆったりとした筆致で描いたことにあるのだろう。恋模様一つとっても、品がよく優しいのだ。もちろん筋書きもなかなかに巧みで楽しめる。」とのことです。
2刷が決まったところなので、いいタイミングでした。
【5月31日(月)】
Let's note R3への環境移行作業。いままでMEだったんで、XPのフォルダ構成がよくわからない。atokのユーザー辞書はいったいどこにあるんですか。みたいな。
外付HDDのインターフェースがIEEE1394とUSB1.1で、Let's note R3にはIEEE1394端子がない(USB2.0×2)ので、有楽町に出たついでにインターフェースカードを購入。
その後、丸の内ピカデリーで『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』試写。原作の3巻目はホラーなんで、映画のほうもかなりホラー系。ディメンターとか、小学生はトラウマになりそう。話は相当はしょってるんだけど、映画の出来はいままでで一番いいんじゃないですか。渡辺麻紀はルーピン先生に萌えまくり、リポタ父時代の交友関係に妄想の翼を広げて目をキラキラさせてました(笑)。お母さま向けの映画かも。
【6月1日(水)〜4日(金)】
佐世保市の小6女児殺害事件のネット関連の報道があまりに謎めいているので情報収集。
ホームページって、ブロッコリーがやってる
カフェスタだったのね。だからアバター使ってるのか。
サルベージされたコンテンツを某所から入手して読んでみたところ、「うぜークラス」みたいなこと書いてるのは最後の一日だけ。メインは小学生らしい詩(文章的には中学生ぐらいだけど)。
「聞いて欲しい、人間の生活が豊かになるのはいいが/私たち、生き物・自然に迷惑をかけないで、/この地球に住んでいるのは、人間だけではないのだから。」とか、いたって優等生的な内容のポエムもあります。あとはバスケの試合結果報告とか、ごくふつう。
メディア側も、おんなじエントリばっかり引用して、ステロタイプな「ネットでキレる小学生」イメージに押し込めるのは、いいかげんにしたらどうですかね。
BR外伝と銘打たれた「BATTLE ROYALE ―囁き― 」は、新人賞に投稿されてくる小学生の原稿と比べてもあまり高く評価できませんが、ヒロインの名前が杉江真耶ってところがポイントかも。
『文学賞メッタ斬り!』はめでたく5刷が決まり、渋谷で打ち上げ宴会。しかしDynabookで使ってたカレンダーソフトのデータをちゃんと移してなかったんで、日にちをすっかり勘違い。M川さんから電話をもらって、大あわてで飛び出し、1時間遅れで合流。
トヨザキ社長の沖縄時代の話とか、宮尾登美子先生の話とか。
【6月5日(土)】
馬場で某社から出るライトノベル本の打ち合わせ。話を聞いている範囲でも、今年後半には6社ぐらいからライトノベル本/ムックの刊行が予定されているらしく、時ならぬブーム。
「このライトノベルがすごい!」でも、久美さんの連載はじめ、いろんな人の無料原稿投稿が相次ぎ、なんだかたいへんな盛り上がりです。大森も、小説版『MOTHER』の思い出話を書いたんで、そのうち載るでしょう。
打ち合わせのあと、行こう行こうと思いつつ忘れつづけていた洋書専門古本屋
Blue Parrotを覗く。品揃えはまあまあなんですが、値段が高い。100円均一もあるけど、ペーパーバックで400円〜700円が主流。オクタヴィア・バトラーとかイアン・バンクスとかの持ってないやつを買おうかと思ったけど、結局やめて、350円の中古ビデオだけ買いました。それも劇場版『カクレンジャー』(笑)。
わりと珍しい本もあるんで、洋書探求者はどうぞ。パチンコ屋エスパスのとなりのビルの3階です。
SFの例会では、佐世保の話と電車男の話。ルノワールでYahoo! BBの無線LAN接続に成功。1Mbpsぐらい出てます。三村美衣はその場で電車男まとめサイトを読みはじめ、止まらなくなった模様。だから家に帰ってゆっくり読みたまい。
【6月6日(日)】
今度は
讀賣新聞に『犬は勘定に入れません』書評掲載。評者はなんと深町眞理子さん。光栄のいたりというか汗顔のいたりというか、こんな長いものを読んでいただいて恐縮至極。ありがたいことです。