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【お知らせ】
コニー・ウィリス『航路』、全国書店で発売中(大森望訳/ソニー・マガジンズ/上下各1800円
→オンライン書店で購入:amazon | bk1 | 紀伊国屋 | JBOOK | 旭屋 | eS! Books | 本やタウン
●『SFが読みたい 2003年版』ベストSF海外篇で『航路』が第1位に輝きました。
『航路』ネタバレ感想・議論用掲示板を設置しました。あんなことやこんなことを心おきなく語りたい人はどうぞ。




【1月26日(日)】


 うちの両親が弟の結婚相手の両親と顔合わせの食事会(弟夫婦はホテル西洋銀座のフレンチを奮発したらしい)に日帰りで東京にやってきたので、食事会のあと銀座・木村屋で合流。

 昨日の話だけど、bk1で買った『網状言論F改』が届いたと思ったら、同日同時刻に東浩紀氏からの著者謹呈本が(笑)。書店で買ったあとに謹呈本とか書評本が届くケースはよくあるんだけど、なにもおなじ日に郵便で届かなくても。

「額に『あ』を書く話」が各所で話題になってますが、わたしの場合、これって「鏡文字を書く簡単な方法」として記憶してました。下敷きを自分の体にあてて字を書けば簡単に鏡文字が。ダイイングメッセージの解読とかに便利。って、この話を最初に知ったのはなんだろう。20年ぐらい前のような気がするが……。



【1月27日(月)】


 全日空ホテルで第三回ホラーサスペンス大賞授賞パーティ。大賞は佐藤ラギ『人形 ギニョル』、特別賞は牧村泉『邪光』。
 ラギさんはとてもあんな小説を書く人には見えませんね。若いから東京グランギニョルの芝居なんか見てないだろうと思ったら、学生のころ『ライチ光クラブ』を見てるらしい。そういう意味では筋金入り?
 牧村さんのほうは、オレと同い歳ぐらいなので、「大阪のおばはん」ぽい人を想像してたんだけど、若くてびっくりしました。

 二次会は例によって三原小路のワインバー、グレープ・ガンボ。過去二回の受賞者4人も合わせて、歴代受賞者がおなじテーブルに6人そろってるところは、最初のころのファンタジーノベル大賞二次会みたいだと思った。しばらくはどんどん増えて、それから諸事情でパーティに来ない人がぽつぽつ現れはじめるんだよな。




【1月28日(火)】


『青の炎』パンフレット用に原作者(貴志祐介)インタビューをしてくれっていう仕事が来たので、あわてて蜷川幸雄監督『青の炎』を見る。ものすごく原作に忠実ですが、原作のキモは主人公の心理描写なので、そのまま映画にしてもわかりにくいのでは。おかげで原作以上に青春映画っぽいテイストになってて、『青春の殺人者』とか『青春の蹉跌』とか『太陽を盗んだ男』とか、長谷川和彦(監督/脚本)の映画を思い出したり。しかし地味だなあ。キャストは派手だけど。松浦亜弥は綾波系の無表情芝居で意外とハマってました。妹役は鈴木杏で安心。曽根役はなんと山本寛斎なんだけど、なるほどねえ。千秋実に似てきた気がする。



【1月29日(水)】


 今日届いた「極東神泉會」からのジャンクメールは久々のヒット作。届いてない人のために全文を引用する。

From: 極東神泉會 
Date: Wed, 29 Jan 2003 06:11:14 +0900
Subject: 最終告知
X-Mailer: pakunmail

                       平成15年1月29日

通知人:極東神泉會(株)
    回収篝 担当 東


          << 最 終 告 知 >>

 あなたの利用した、インターネット・アダルトコンテンツ利用料が未だに確認できません。
 これまで、再三連絡を試みてきましたが、誠意ある回答も示されませんでした。
 当社としましては、これ以上入金をお待ちする訳にはいきません。つきましては、ここに最終的な和解案を示し、これでも尚、入金なき時は断固たる態度で望む所存です。

 その際は、メールアドレス、電話番号、IPアドレス、その他サーバーに保管されているログの開示請求を貴方がお使いのプロバイダに行い、住所、氏名(本名)、勤務先等を調査し、回収にうかがいます。

 当社は貸金業規制法の対象となる、いわゆる「金融業者」ではありません。従いまして、「夜21時から翌朝8時までの督促禁止」「威圧的態度の禁止」「大人数での自宅・勤務先への訪問の禁止」等々の法律的制限は一切ありません。
 よって、いかなる手段を持ってしても、利用代金・延滞利息・督促費用の回収を実行いたします。
 回収のため、あなたの自宅・勤務先に当社の回収担当が行った場合には、交通費・宿泊費も追加請求いたします。

 当社もそこまでするのは本意ではありませんので、期限までに入金されるように、お願いいたします。
 尚、これは最終的な勧告であり、また、当社人員の対応による時間的損失等の理由からメールでのお問い合わせは受け付けておりません。
 問題解決をお望みなら、至急下記要領にてお支払い願います。


○入金額 ¥74,500−

(上記内訳)
 サービス利用代金=¥65,000
 延滞利息======¥9,500
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 合計金額=====¥74,500

○入金期限
 平成15年1月31日(金) 午後2時

 いちばんのポイントはjingi.comってドメイン名かな。芸が細かい。74,500円っていう金額も妙にリアル。1万人に出して100人が振り込めば濡れ手で粟の700万ですか。しかし31日が納付期限では、あっという間に指定口座が凍結されてしまうのでは――と思ったら、それを狙って(つまり、相手の口座を使えなくするために)ジャンクメールを撒くケースもあるらしい。
 ぐぐるしても出てこないので悪徳商法マニアックス見に行ったら、掲示板にすでに数件の報告あり。午前6時前後にいっせいに送られている模様。



【1月31日(金)】


 さいとうよしこがNHKのTV放送50周年番組をまとめて録画したいというので、近所のDEODEOでHDD/DVDレコーダーを購入。機種は東芝のRD-XS40。ハードディスク120GBで、インターネットにつながってるルータを介してPCとLAN接続すればiEPGを利用できるタイプ。とりあえずHDDレコーダーとしては使いやすそう。問題は、DVD-RAMが標準メディアなので(DVD-Rも焼けるけど、いったんHDに落とす必要がある)ディスク代が高いことかな。
 XS-40は店によっては10万円切ってるらしいけど、西葛西ではDVD-RAM10枚つきで11万8000円。即日配送と配線・設定サービスを重視したのでしかたがない。



【2月1日(土)】


 夕方から馬場。極東神泉會メールは韓国海苔メール的なサーキュレーションらしく、ルノワールに集まった人々のアドレスにはほとんど届いてました。

 時代劇専門チャンネルで『初笑い寛永御前試合』をつい見てしまう。いまとなってはどこがおかしいのかさっぱりわからないギャグ満載。
 関係ないけど、杉良太郎「新吾捕物帳」祭りの番宣BGMが「スパイ大作戦」だったのは笑った。この番宣は秀逸。



【2月2日(日)】


 今日は楽しい誕生日。
 天気が悪いので市川妙典のSATYへ。寿司屋のとなりはゲームセンターで、トキオ社長はパラダイス状態。ひとりで遊びつづけてまったく戻ってこないのだった。
 食事のあと時間が空いたので、ひとりでワーナーマイカルへ上がり、『黄泉がえり』を見る。脚色は完璧に近い仕上がりでじつに素晴らしいんだけど、役者の芝居と演出はちょっとなあ……。このキャストではこれが限界なのか。もうちょっとちゃんとやれば傑作になった気がするのでもったいない。
 もっとも客はたくさん入ってて、終わったあとの反応も上々だった模様。

 家に帰ってラピュタのケーキと宅配のピザでバースデー夕食。



【2月3日(月)】


 妙典で買ってきたプラネックスのブロードバンド・ルータをYahoo! BBのトリオモデムとRD-XS40に接続。IEの入力窓から「http://rd-xs40/」を叩くとビデオレコーダー内蔵HDのhtmlメニューが開き、録画済みのタイトル一覧を眺めたり、iEPGのクリックで番組予約できたりする仕組み。タイトル入力は飛躍的に楽になりますね。まあしかし、いちばん感動するのは、ビデオデッキの中身をInternet Explorerで見ることかな。



【2月4日(火)】


 渋谷ロッキンオン本社で《SIGHT》書評対談with北上次郎。
今回の大森推薦作は恩田陸『ねじの回転』、福井晴敏『終戦のローレライ』、ジョージ・R・R・マーティン『七王国の玉座』という布陣。厚い本ばっかりだけど、最初の二冊は北上次郎も当然読んでるだろうし……と思ったら、どっちも未読だったらしい。この対談のために総計6000枚ぐらい読ませたわけで、申し訳ないことをしました。
 と言いつつ、『七王国の玉座』は予想通りものすごく気に入った模様。のっけから「AAAってのはあり?」とか「A+++かな」とか言ってるし。
 北上推薦作は、広谷鏡子『花狂い』(角川春樹事務所)、エディー・ミューラー『拳よ、闇を払え』(ハヤカワ文庫)、唯川恵『今夜誰のとなりで眠る』(集英社)の3冊。いちばん面白かったのは『花狂い』かな。68歳の大学教授が還暦間近の妻にとつぜん色気を感じてなんとかセックスに持ち込もうとする話。
 編集部推薦は、横山秀夫『半落ち』、橘玲『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』、川浦良枝『しばわんこの和のこころ』。
 『黄金の羽根の拾い方』は、《ゴミ投資家》シリーズ総集編・ベストセラー狙いバージョン。『ゴミ投資家のための人生設計入門』を一般サラリーマン向けに書き直し、『金持ち父さん』的な化粧を施した感じですが、けっこう楽しく読めます。
 横山秀夫は、近作で言うと、『第三の時効』>『半落ち』=『顔』>>『深追い』かな。



【2月6日(水)】


 ヘラルド試写室で『二つの塔』。いや、すばらしい。原作マニアは怒りそうだけど、いいじゃん、原作と違ったって。しかし画面で見ると『指輪』ってやっぱり時代劇だよね。eiga.comの原稿にも書いたけど、白のガンダルフが水戸黄門で、フロドとサムは弥次喜多(もちろんゴクリがごまのはい)。クライマックスのヘルム砦は黒澤明だし。三国志翻案バージョンを中国でつくったらどうか。





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