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【お知らせ】
コニー・ウィリス『航路』、全国書店で発売中(大森望訳/ソニー・マガジンズ/上下各1800円
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『航路』ネタバレ感想・議論用掲示板を設置しました。あんなことやこんなことを心おきなく語りたい人はどうぞ。




【1月18日(土)〜19日(日)】


 去年1年間のamazon.co.jpアソシエートプログラムの売上をチェック。当サイト経由で合計431点を販売、売上トータルは¥1,264,028、アソシエート料は¥39,756でした。
 当店ベストセラーは『航路』で上下計30冊、あとは『地球礁』5冊と『アラビアの夜の種族』6冊が目立つぐらいかな。
 ついでにbk1のほうも毎月届く売上レポートを集計してみると、加算ポイントはだいたい60,000ポイントぐらい。bk1は一律3パーセントなので、売上トータルは200万円ぐらいですか。いまだにbk1利用者のほうが多数派らしい。『ジャングルの国のアリス』と『航路』(上下計)が各10点でトップ。
 bk1とamazonを合わせると、年間に10万円相当の収入があり、air H"とadslの契約料ぐらいは出ている計算。

 そういえば10万ポイントに到達したらポイント還元オフを開くと言ってたんだけど、ぼちぼちその季節が近づいてる模様。もうちょっとあったかくなったら考えよう。花見とかですかね。しかし溜まったbk1ポイントはいったいなにに使えばいいんだろう。DVDボックスまとめ買い?

 読書スタンドについて二、三人から問い合わせがあったので書いておきますが、大森が使ってるのは昨年2月にリザウンドのオンラインショップで購入した読書スタンド(L)ってやつ。布団でも使えます。
 1年間ずっと使ってたらこないだいきなり電球が破裂して、文句のメールを出したら翌々日に交換用の電球が到着。最近は割れるおそれのない蛍光灯タイプの電球に交換されているらしい。ので今から買う分にはだいじょうぶでしょう。
 角川書店書籍編集部K氏はおなじやつを買って使ってたところ、「元旦の日に、電話で飛び起きた際にそのスタンドでしたたか額を打ち、切り傷とたんこぶを拵えてしまい、かなり痛い思いをし」たそうで、「大森さんに責任をとって欲しい(笑)」というメールが。電気を消して寝るときは、安全のため、横へよけるようにしたほうがいいと思います。っていうか、顔の前にあんなのがあったら、うっとうしくて寝られないと思うのだが。



【1月20日(月)】


 朝から風邪で39度の熱が出て、これはトキオのインフルエンザがうつったにちがいないとあわせて近所のクリニックへ行ったところ、検査の結果インフルエンザ・ウイルスは陰性。けっきょくただの風邪だったらしい(笑)。
 ということでふつうの薬をもらってごはんを食べたら熱が下がる。なんなんだいったい。

 インフルエンザじゃなきゃ、そうそううつらないだろうってことで、当初の予定通り、ミステリチャンネル《ブックナビ》収録。今回は三人とも『終戦のローレライ』イチ押し。

 終了後、ふらふらしながらも新大久保の宗家ガムジャタンの新年会に参加。関口苑生夫妻があとから合流し、ガムジャタン鍋を食いまくる。ガムジャタン効果で風邪は多少よくなった模様。

 そのままフォーク縛りカラオケ@新宿パセラに雪崩れ込み、大森は「悲惨な戦い」(貴乃花引退記念)を皮切りに、「さんま焼けたか」「白雪姫の毒リンゴ」「ささやかなこの人生」「橋向こうの家」など。関口苑生の歌うフォーククルセイダーズの曲はさっぱりわかりませんでした。万里村なんとか&タイムセラーズってなに? '70年代フォークはある程度わかるんだけど、'60年代はなあ。はじめて歌うのを聞いた吉野さんの選曲に意表をつかれる。渋い。トヨザキ社長は基本の曲中心。香山二三郎は泣かせ系。関口夫人は中島みゆきとか。



【1月22日(火)】


 讀賣新聞夕刊の直木賞関連記事に「このミス」批判の話が出ていると聞いてさっそくチェック。
 問題の記事は「女子高生候補を気遣う・ミステリー業界批判 異例の芥川・直木賞選考会会見」という見出しで、関連する部分は以下の通り。
興味深いのは、大衆小説の大家が顔をそろえる選考会で異例のミステリー業界批判が聞かれたことだ。きっかけは、「このミステリーがすごい!2003年版」(宝島社)と「週刊文春’02ミステリーベスト10」でそれぞれ国内一位に輝き、候補作中一番の話題作だった横山秀夫さんの「半落ち」を巡る論議。
 選考後会見した林真理子委員によると、法律で禁止されている訳ではないが、〈ネタバレ〉受刑者の骨髄移植〈/ネタバレ〉が現実には認められていないという物語の根幹にかかわる事実をみのがしていると、ある委員から指摘があり、主催者側が関係機関に問い合わせ確認した。別の委員からは「各賞の対象となり、批評も出ているのに、これまで誰も見つけられなかったのは甘い」「ミステリー業界がよくない」などとの発言もあったという。
 執行猶予がついた場合どうなるかとの反論もありうるが、「このミス」「文春ベスト10」が評論家や推理作家らプロのアンケートであることを考えれば、ミステリー関係者には耳の痛い話ではないだろうか。(山内則史、佐藤憲一記者)
 ふうんと思ってちょっと調べてみると、すでに昨年9月、asahi.com の記事がこの点に言及したうえで、「この問題が著者の既に知るところであるとすれば,これは『半落ち』の隠れた主題であろう」と的確に指摘しているのだった(リンク先は要旨。ネタバレにつき『半落ち』未読の人は注意)。
 ほかにも漂泊旦那「平穏無事な日々を漂う」10月22日分に同様の指摘あり。
 現実に不可能かどうかはやってみないとわからないし(報じられている現実のケースと『半落ち』のケースではかなり意味合いが違う)、不退転の決意で弁護士を通じてメディアを動かせば、意外とすんなり通りそうな気がするが。〈ネタバレ〉適合して、手術をすれば人がひとり助かるとなれば、ドナーが受刑者だから手術はダメとは言いにくいでしょう。〈/ネタバレ〉作中でそれに言及しないのは不備と言えば不備だが、致命的な欠陥と呼ぶには当たらないのでは。『あした天気にしておくれ』が乱歩賞に落ちたときの選考会の話をちょっと思い出したり。それにしても、簡単にウラをとれる話なんだから、記事にする前にもうちょっと調べてもバチは当たるまい。



【1月23日(木)〜24日(金)】


 大森はこの20年ほど(つまり新潮社入社以来)『週刊新潮』を愛読してるんですが、(よくわからない女性コラムは別として)最近も楽しい記事が多い。
 2003年1月30日号のヒットは『中国のインターネットに書き込まれた「陛下手術」への冒涜メッセージ』ってやつですね。中国にも2ちゃんねるがあったとは。まあもちろん全方向じゃなくて、特定方向についてだけ規制されてないってことだろうけど、それでも天皇手術スレの翻訳を読むかぎりでは、2ch嫌韓系スレなんかとまるっきりような同じトーンで笑える。「中国のインターネット」(ってなに?)の翻訳というイクスキューズはあるものの、こういう文章が日本語の週刊誌に載るのは前代未聞では。
 しかし日本の2ちゃんねるにもこういうスレッドが立ってたりするのかなあ。するんだろうな、当然。
『週刊新潮』は中国政府に抗議しろとか息巻いてますが、こんなのに抗議してたら256倍の抗議が返ってくると思われ。ていうか、『ジェイ&サイレント・ボブの逆襲』でも見れば。

 こないだ鏡さんから聞いた話だと、いまでも中国在住の外国人は、当局から「先日のあなたの発言には反革命の疑いがある」みたいな電話がかかってくると口もきけないくらい動転するそうですが(反革命だと死刑の可能性があるから)、匿名掲示板への投稿もめちゃくちゃ気を遣うんだろうか。

『ドゥームズデイ・ブック』文庫版の訳者校正終了。うーん、こんなにたいへんだとは思わなかった。ハードカバー版で平井呈一訳の『ナイン・テイラーズ』を参考にした鳴鐘楽方面の訳語は、文庫版では主に門野集訳の集英社文庫版『ナイン・テイラーズ』を参照。転調鳴鐘が転座鳴鐘になりました。
 To Say Nothing of the Dogには1930年代英国ミステリおたくの女学生が登場し、ドロシー・セイヤーズ作品をひっきりなしに引用するので(結末のセリフは『学寮祭の夜』からの引用)、ウィリス自身も『ナイン・テイラーズ』へのオマージュでチェンジリンガー(鳴鐘者)を登場させたに違いない。
 もっとも、日本のハンドベル関係のサイトなんか見ると、いまはほとんどカタカナみたいですね。転座鳴鐘じゃなくてチェンジ・リンギング。だいたいこの手の専門用語は、必死に訳語を調べるとその筋の人は英語をそのままカタカナ化して使っていた――というケースが多いのだった。
 それにしても、1995年当時にくらべると、インターネット環境整備のおかげでものを調べるのが飛躍的に楽になってますね。当時はaltavistaが登場したかしないかぐらいの時期で、すでに隔世の感。



【1月25日(土)】


2002年のSF&ミステリーで何を読んだかアンケート(日本編)・正規版
2002年のSF&ミステリーで何を読んだかアンケート(翻訳編)・正規版
 日本編は283冊、翻訳編は63冊でした。もっとも日本編は、再刊を除くと(2002年の新刊で読んだ分は)おそらく半分ぐらいだと思う。
 こうやってリストを見ると、SFをぜんぶ読むのがいかに簡単で、ミステリをぜんぶ読むのがいかにたいへんかをあらためて実感しますね。

 《本の雑誌》編集部で「最強のサスペンス」座談会。書評家が事件に巻き込まれる話。けっこういい設定だと思うんだけどなあ。一次選考は通しますよ、ええ。



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