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amazon.co.jpでコニー・ウィリス『航路』(大森望訳/ソニー・マガジンズ/上下各1800円)の予約受付中。


装幀:大久保伸子/挿画:本村加代子
コニー・ウィリス宣伝サイト:To Say Nothing of the GOD(神は勘定に入れません)開設しました




【9月21日(土)】


 仕事から帰ってきて、ビデオ録画したアーセナル2-0ボルシア・ドルトムントを観る。アーセナル強し。すばらしいサッカーしてます。ワンタッチパスがどんどんつながる華麗なる世界。ブンデスリーガを制覇したドルトムントが二流のチームに見えるもんなあ。
 アンリ、ヴィルトールのフランス2トップにベルカンプとリュンベルクがからむ攻撃はド迫力。シーマンが手で投げたボールをヴィルトールが拾ってアンリからリュンベルクとつながってゴールの2点めなんか、ゴールからゴールまで10秒ぐらいじゃないですか。ベルカンプも今季初ゴールを決めてめでたしめでたし。しかしこれでピレスがもどってきたらどうなるんだアーセナルは。この出来ならレアルにも勝てそうです。

 きのう書き忘れてましたが、ブックナビ出演者ご一同様ってことで、慶応大学推理小説研究会の《推理小説論叢》第四十輯・創立五十周年記念号(トパーズ・プレス)を拝受。50周年に合わせてミステリ関連の各種ベスト50を選定するという特集。ぱらぱら読んでみたところ、霜月蒼「SAMURAI CRIME WAVE」が抜群に面白かった。時代小説特有の「じじいだらけの碁会所みたいな空気」を払拭し、サムライ・ミステリって観点からミステリ時代小説を読み直す試み。つまりアレですね、サム・ライミ的。「クイック&デッド」でサム・ライミが西部劇に対してやったことを時代小説に対してやるっていうか(←こじつけ)。『剣客商売』はパルプ・フィクションで、道中物はロード・ノベルと。最後のほうに出てくる《SF》って分類が弱すぎるのをべつにすれば、ほぼ完璧なブックガイド。これだけ現物を「読みたい」気にさせる原稿はなかなかない。とくに佐々木譲『北辰群盗録』とか。
 ちなみにこの号はISBNもついてて大書店には並んでるそうなので、どんなベスト50になってるかは自分の目でたしかめてください。ちなみに大森はこの50冊のうち3分の1ぐらいしか読んでませんが、50冊のうち「おそらく最強の傑作」とされてるのは半村良『どぶどろ』だったのでちょっと安心。『どぶどろ』に勝つ時代ミステリはやっぱりそうそうないらしい。

 夕方起きて家で晩ごはん食べてからユタ。雑破業から新刊の『エロボン』(ケイエスエス)と夏コミ合わせの同人誌拝受。amazonで『エロボン』がもう品切になっているのはどういうことでしょうか。そもそも扱ってないのか、ポルノは。ちなみにこのエロボンでは、「かたづけられない女」の恐怖のモデルとして旧・堺三保邸が利用されているので、そのへんの人も必読。

 週明けに店頭に並ぶラファティ『地球礁』(柳下毅一郎訳/河出書房新社)は、『航路』上巻の半分以下(というか4割以下)の長さなのに値段は同じなので、一文字あたりの単価は飛躍的に高く、したがって文学度も高いはずであるとか、表1の著者名が見づらいがどうせ棚差しで勝負する本なので背表紙で目立ってればノープロブレムだとか、主にそういう話。

 東浩紀×小川びいのセーラームーン論争往復書簡とか、笠井潔×東浩紀の決裂寸前哲学往復書簡とかの話も出たような。堺三保は小川びい史観を認めないらしい。ま、アニメおたくもいろいろだな。大森は小川びいの主張のほうが納得しやすい――というか、あの分類だったらセーラームーンを子供向けには入れないと思う。

 本日到着の本の雑誌編集部編『注文の多い活字相談 新 日本読書株式会社』もけっこう話のサカナになってました。

『犬』は遅々として進まない。山田風太郎の明治ものとか読んで頭をそういうモードにしたほうがいいのか。あと、19世紀のオックスフォードまたはオックスフォード大学に関するいい本(小説/ノンフィクション問わず)をご存じの人がいたら教えてください。

 鈴木輝一郎『何がなんでも作家になりたい!』(河出書房新社)は「職業としての小説家」の実践的ガイドブック。舞台裏の話が豊富で面白く、つるつる読んでしまう。「小説外執筆環境を整えなさい」あたりがなかなか。

 酒見賢一『陋巷に在り 13 魯の巻』を拝受。『陋巷に在り』完結編。これが出るのはわかってたので、最初からまとめ読みしてる最中。めちゃめちゃ面白いんだけど、まだやっと10巻め。病気治療の話だけで3冊もかかるとは。最初の6冊は文庫で買えるのでこの機会にぜひ(amazon.co.jpで「陋巷に在り」を検索



【9月22日(日)】


 アニメ判定、大森は『フリクリ』でした。やっぱりというか当然というか。

 スカパーでレジーナ1-2インテル。中村俊輔はどう見てもレジーナの選手の中ではいちばんうまい。というかレジーナのチーム力はマリノス以下では。それにしてもいきなりPK蹴らせてもらうとは。すでに俊輔頼みなのか。中田だって最初は蹴らせてもらえなかったのに。日本人選手のセリエA初ゴールがPKっていう例は空前絶後になるかも。しかしあのPKでドローに持ち込めないのがレジーナ。惜しかったねえ。

 田波正氏からamazon.co.jpで『航路』の予約が可能になっているとの通報が(伝言板に)あったので、大あわて。ひと晩かけて、Connie Willisファンサイト開設しました。現状は『航路』関連コンテンツが大部分なので、事実上は『航路』営業サイトですが、とりあえずこれが売れれば、『わが愛しき娘たちよ』や『リメイク』の復刊(というか増刷)の道が開けるかもしれないし。しかし『リメイク』がもう品切ってことは、そこそこは(初版の在庫がなくなるぐらいは)売れたのか。

 ウィリス・サイトをつくりながら、横目でスカパー、ローマ1-2モデナ。まさかホームで四十何試合負け知らずのローマが、こないだまでセリエCにいたチームにスタディオ・オリンピコで敗れるとは。



【9月23日(月)】


 小川勝己『まどろむベイビーキッス』(角川書店)は史上初の2ちゃんねるノワール。キャバ嬢個人サイトの掲示板とか、雰囲気は非常によく出てるんだけど、問題は、本物のWWW匿名掲示板のほうがお笑い度においてもノワール度においても勝っているような気がするところ(「気がする」だけで実際には違うんだけどさ)。むしろ掲示板における荒らしの攻防戦を活劇小説のように書くとか……ってそれもウェブ上には先例があるか。こういう小説の場合、自分がリアルタイムで体験したいちばんスリリングなスレッドと比較されてしまう運命なので、ネットワーカーにウケるのは非常にむずかしいのでは。
 ところでこの小説の中に、「ファミレスで注文したカツカレーがなぜか出てこなくてキレる」というエピソードがあり、どっかで読んだ話だなあとしばらく考えてたら、SF人妻日記だった。そう、ファミレスでカツカレーがあるチェーンはけっこう珍しいと思う。ロイホの夏カレーでズッキーニのフライが載ってるやつはカツカレーじゃないよね。ジョナにもデニにもないと思うが。

 翻訳SFファン度調査 。大森の成績は、「既読は250作品中 236 作品です(平均は 53.55 作品)。136 人中 2 位でした」。《パーン》読んでないのが痛い。シリーズ物の扱いはやや疑問。オリジナル(本格ミステリファン度調査)のほうはぜんぶ個別作品だったから、シリーズで入れるのはやめたほうがよかったのでは。
 それにしても、本格ミステリファン度調査では300冊中17冊が未読だったので、オレの読破率は、海外SFより国産本格ミステリのほうが高いってこと? ううむ。

 フラム0-0チェルシーのウェストロンドン・ダービー。ものすごいスピードの試合。十秒で自刃ゴール前から相手ゴール前まで殺到する、そのくりかえし。Inamotoは惜しいシュートが一本あったものの、前2試合にくらべるといまいちの出来。マルブランクのほうが目立ってました。それにしてもスタジアムの応援は凄いね。副音声のイギリス英語アナウンスで見てるとかなり雰囲気が盛り上がります。

 Amazon.co.jp の売上ランキングをチェック。最初見たとき3330位だった『航路』は640位まで上昇。ご予約くださった方、ありがとうございます。amazonのランキングなんて気にしたこともなかったけど、こういうのがあると妙に燃えるね。燃えてもしょうがないが、がんばって順位を上げていきたい。


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