【8月18日(土)】


 企画終了後、20人ぐらいでニューオータニに流れて夕食。さすがに疲れて、幕張プリンスのパーティまで遠征する気力がない。
 夜中は知り合いのスタッフからキックボードを借りてSF広場をぶらぶら。これは快適。端から端まであっというまに往復できるもんなあ。




【8月19日(日)】


 10時起床。荷物をまとめ、チェックアウトの手配をすませてから、高橋良平司会のSF翻訳企画に終わりのほうだけ顔を出す。パネリストもたくさんいましたが、お客さんもけこう入ってました。こっちは、「人はどうやってSF翻訳者になるか?」みたいな話が中心だったらしい。ハヤカワ文庫SFのラインナップがなんとなく1980年前後の雰囲気になってきたので、ペーパーバック・マニアが増産されているかも。そのわりに、「なんでこれが翻訳されないんだ?」みたいな声があんまり聞こえてきませんが、それはオレの耳が遠くなってるだけ?

 初日から数えて6コマめ、最後の企画は、「三人のゴーストハンター大暴れ」。暴れるどころか、我孫子さんは寝てます。まあ、いつもの調子でだらだらと――とか三人ともいってるのはどういうことですか。この人たちに向上心はないのか。「田中啓文いじり」は完成の域に達しかけているが、そんなもんが完成してもなあ。バンドのメンバーの人がどう思ったのか、それが知りたい。途中から、藤原ヨウコウ、C塚K子も登壇。C塚嬢は前に出るといきなりおとなしい。歌って踊れる編集者としてはもっとはじけていただきたいものである。それともSFファンが嫌いとか……。

 企画終了後はロビーで休憩。庵野秀明にあやされるトキオ社長。初対面の安野モヨ子さんと正しく名刺交換。考えてみると、名刺が名刺としてきちんと役立ったのは、これ以外だと、やはり初対面の鶴田謙二氏と交換したときぐらいかも。鶴田さんには「ケーブルTVでときどき見ますよ」と言われてのけぞる。なぜミステリチャンネルを。
 あ、15年振りぐらいにお目にかかった星野之宣氏に挨拶するときも名刺は役立ちましたね。いま、自分の名刺が切れてるので意外と便利。

 絵柄合わせは、ゆうべホテルでチェックしてみたところ、コンプリートまで3枚欠けと判明。うち1枚は森岡浩之とのトレーディングで入手するも、結局2枚足りないまま終了。家族3人で400枚近く集めたのに……でも同じ人のが多いからなあ。

 そうこうするうちにホールのほうもめでたくエンディングを迎え、ぞろぞろ出てきた知り合いと適当に集まって、ニューオータニのティールームで休憩。トキオ社長は爆裂泣きでどうなるかと思ったけど、腹が減ってただけでした。

 なぜかスタッフ打ち上げに誘われたので(まあ6コマも担当すれば半分スタッフみたいなもんだよな)、疲れた体に鞭打って覗きにいく。なんか、二十年に一度の武田さん号泣あいさつがあったらしく、ぎりぎりのところで見逃したのは返す返すも惜しまれることである。

 なんだかんだで8時ぐらいになり、あまりにも疲れたので幕張からタクシー帰宅。でも新宿から夜中にタクシーで帰るより安かったような。
 企画に出演していただいたゲストの皆様、見に来ていただいた皆様、お世話になったスタッフの皆様、どうもありがとうございました。

 なお、大森が交換したゲスト(およびその周辺)名刺を裏の絵柄の順番でソートした結果はこれ。カッコの中は絵柄に入ってる文字(イラストレーターのクレジットとか)です。同じ絵柄グループでおかしいのは、辻真先、米沢嘉博、内田昌之、金澤尚子とか、森岡浩之、外薗昌也、南智子、いしかわじゅんとか。オレの絵柄は林哲矢とも共通。




【8月20日(月)】


 FFスニーカー版を入稿。
 竹橋パレスサイドビルでミステリチャンネル《ベストブックス》の収録。対象は6月、7月刊行の新刊。ラインナップはこんな感じ。『なぎら☆ツイスター』に3人が◎◎◎ってのはどこかまちがってる気がするがまあオレが文句を言う筋合いではない。黒田研二『硝子細工のマトリョーシカ』はよくできてます。って、その手の短評は「次回はどうなる!?」参照。これ以外にも山ほど読んでいるんだけど、読んだ端から忘れてしまうので日記に書けない。




【8月21日(火)〜29日(水)】


 SF大会疲れの虚脱状態でだらだら原稿を書き、だらだら本を読み、だらだらサッカーを見る。家にいる時間が長くなると必然的に仕事をする時間が減少する。アルゼンチンとかオランダとかのリーグ戦まで生中継されてしまうのが最大の問題かもなあ。いや、アルゼンチン・リーグの試合は新鮮で面白いんですけど。あのリーグにはバックパスという概念が存在しない。陣形を建て直してからゆっくり攻めるという戦術も存在しない。前へ、なにがあろうと前へ。矢印の向きが凄い速度で反転をくりかえす。交流試合?

 小説すばるの書評で『なぎら☆ツイスター』と『湾岸リベンジャー』の読者プレゼントに言及し、「著者自作のTシャツが当たる特典つき。ほしい。ほしすぎる。」と書いたところ、戸梶圭太氏からいきなり「増刷しました」(笑)と、湾岸リベンジャーTシャツが送られてきました。いやあ、書いてみるもんだなあ。もらってこんなにうれしいプレゼントはひさしぶりかも。もうちょっと早かったら、これ着てベストブックスの収録に出たのに。ユニクロのTシャツに自筆のカラーイラストをアイロンプリントしたやつ。これからは作家も自分でノベルティグッズつくって販促につとめる時代では。




【8月30日(木)】


 幻冬舎本社で日本ホラーサスペンス大賞の最終候補決定会議にオブザーバー参加。今度呼ぶときは一週間前まで教えてね、と言ってたのに今回呼ばれたのは前日でした(笑)。候補作は自分が残したやつしか読んでないので、今日はほんとにただのオブザーバー。




【8月31日(金)】


 小説すばるの書評。今回は編集部からの依頼で、西澤保彦『Fusion 異邦人』のゲラ書評。SF大会のとき、西澤さんが言及していたタイムトラベル物。SFとしても壊れてるし、ミステリとしても壊れてるという著者コメントは、実物を読んでみるとたいへん納得できます。面白いんだけど、これを面白がれる人はそんなに多くない気が。どうでもいいけど、タイムスリップ後に残存する硬貨の数は、確率的に見てちょっと多すぎるのでは。あなたの財布に昭和40年代以前の硬貨は何枚入っていますか?

 今月は、ほんとは小川勝己『眩暈を愛して夢を見よ』(新潮社)をやろうと思ってたんだけどこっちは来月回し。SFとアニメと新本格が好きな人は読んだほうがいいと思う。ネタバレしないでこの小説に言及するのはたいへん困難なので、一カ月ぐらい時間を置いてちょうどいいかも。今年のミステリは舞城王太郎と小川勝己がマイブームだな。



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