【9月12日(火)】


 ドラクエのつづきと国産ミステリ/ホラー読書。WEB本の雑誌の読書相談室の回答とか。




【9月13日(水)】


 どうせつまんない試合に違いないとオーストラリア×イタリアは裏へまわし、ドラクエVII職業訓練のかたわら(スーパースターへの道はまだまだ遠い)、ナイジェリア×ホンジュラス戦をTV観戦。めちゃめちゃ面白い試合でした。ホンジュラスは意外といいチーム。ふつうにやってれば勝ってた試合なのに。やっぱり大舞台の経験がないチームは、大物相手にリードするととたんに浮き足立つのか。
 チェコ×アメリカも、アメリカが意外な善戦。オリンピックはなにが起きるかわかりません。しかしハンドもオフサイドもとらないレフリーって……。




【9月14日(木)】


 一仕事としてから17:30帰宅、職業訓練のかたわらサッカー。南アフリカはフォワードの二人とMFのフォーチュンぐらいなのに止まらない。一対一でどんどん勝負してくる相手にDFがたじたじ。中沢もあんなに簡単に突破されるとは。抜かれるのが怖くて下がってるうちに守備一辺倒の展開で、こりゃ危ないね。と思ったらやはり先制される。中村俊輔を先発させてる意味がない。しかしロスタイムにラッキーなゴールで同点。後半は比較的おちついて守ってましたね。
 しかしトルシエはやっぱり小心者では。失うものが大きいときは思い切った手が打てない。というか、負ける恐怖が大きすぎるのでは。勝つつもりなら、本山投入は15分ぐらい遅かった気が。まあ結果オーライですが。
 柳沢はいつもの柳沢。日本伝統の守備的フォワード? でもまあ勝ったからいいや。

 問題はブラジル。スロバキアに先制されてるようじゃ、守備は不安すね。南アに勝てなかったりする可能性もゼロとは言えない。アレックス、ロナウジーニョもそんなに調子がよさそうには見えなかったし。ポジティヴに考えると、日本に一位抜けの可能性だってわるわけですが。前回のことがあるからなあ。

 ブラジル×スロバキア戦を見ながら、Disk1ラスボスに突っ込む。ベホラマラー・インシャラー。ザオリク・インシャラー。賢者マスターがひとりいるとずいぶん楽でした。

 しかしその後の転職で、いまのうちにヒットポイントの少ない職業で修行させておこうと思ったのがまちがいのもと。魔法使いと吟遊詩人を連れたパーティで、Disk2冒頭の中ボスに苦戦。火の玉一発で主人公が即死するんだもんなあ。ザオリクもベホマラーもいません。しかたないのでまたお金を貯めて防火服を買うはめに。くー。




【9月15日(金)】


 ビデオ録画したオリンピック開会式を横目に見ながら(海中シーンのSFXは見事)、炎の精霊をようやく倒す。あとは一本道か。

 ハルキ・ホラー文庫の未読消化。朝松健『魔障』は、書き下ろしの表題作が国書刊行会時代の話。断片的にまた聞きで聞いていた実話がこういうふうに小説になってると不思議な感じ。ポップ・オカルティストっていうのはあの人か。でもだれなのかわからない登場人物もけっこういるので詳しい人に解説していただきたい。
 佐々木禎子『鬼石』は、思春期本格ホラー。町が歪んでいく感じは面白い。抜いた変化球が多いハルキ・ホラーの中ではかなりの力作。
 山田正紀『ナース』は文章とスタイルが話と合ってない感じ。くりかえしも多いし、もうちょっときちんと書いてほしいぞ山田正紀。そもそも長編になる小説じゃないという気もするけどさ。ディテールをきちんと押さえずに、イメージだけで走っても、この話の場合、ほとんどリアリティを感じない。ネタ的にはSFなんだけど、コミュニケーションが成立しちゃうのが問題。むしろスカトロ版ソラリスの海に翻弄される話にしたほうがよかったかも。
 それにくらべると、友成純一『ストーカーズ』は、プロットがこわれてるものの、一応は笑える仕上がり。これでストーカーたちの書き分けがもっとはっきりしていれば。
 各所で評判のいい鎌田敏夫『うしろのしょうめんだあれ』は、ミステリ的な趣向もよくできていて、いちばん工夫がある小説。短すぎて迫力不足だけど、文庫書き下ろしとしては悪くない。




【9月16日(土)】


 柔道の予選を見てから高田馬場。パチンコ屋のテレビ(無音)で軽量級の決勝を見てからユタ。オリンピックに関心のあるSFファンはいないらしい(あったら来てないって)。

 そそくさと帰宅し、ラストダンジョンをちょっと覗く。予想通りラスボス2形態めで全滅をくらったので、ゴールデンスライム倒しで金稼ぎと職業訓練をしつつ、NHK BSでA組とC組の予選リーグ4試合。C組はクェートが3-2でチェコに勝つ大波乱。アメリカは非常に好感の持てるチームだが決定力がない。日本のフル代表みたい。試合内容からすれば、2勝して勝点6あげててもおかしくないのに。
 しかし2試合終わってところで、なんとチェコがC組の最下位。この組はどこが出てくるのかまったくわかりません。
 A組はかろうじてホンジュラスにもチャンスがあるけど、イタリアとナイジェリアはインテンショナル・ドローで握手しそうだからなあ。
 それにしても、五輪代表はどこの国もそんなに力の差がない。負けないしぶとさではやっぱりイタリアか。試合は全然面白くないけど。




【9月17日(日)】


 スロバキア戦。MVPは稲本でしょう。ゴール前の動きはいちばんフォワードらしいかも。枠ははずしたけど、トラップしてのシュートはワールドクラス。負けそうな気がしないチームである。
 2トップではじめて0−0で折り返し、後半にシステムを変更して得点――という黄金パターンができてるのが強い。柳沢がいるあいだはめったに点をとられない。もちろん日本も得点できないんだけど、それはそれで柳沢重要。このうえゴールまで望むのは酷かもね。2試合終わって勝ち点6なんだから、これ以上なにを望むのか。

 しかし前節の悪い予感は的中し、ブラジルはあっけなく敗戦。D組一位通過が現実味を帯びてきたのはいいんだが、そのためにはブラジルに引導をわたす必要が。
「(ブラジルの敗戦に)驚いてはいないが、がっかりしている」というトルシエのコメントはまったくその通り。まあスロバキアだって、日本がブラジルに勝てば、1勝2敗で3チーム並んで決勝トーナメント進出の目はあるんだから、あきらめずにがんばっていただきたい。フォーチュンが出られない南アは、意外にもろいかも。スロバキアががんばり、結局はブラジルと日本が順当に一次リーグ突破――というのがいちばん望ましいシナリオかなあ。だいたいC組の現状を見る限り、D組は1位通過でも2位通過でもあまり変わりはなさそうなので。

 スロバキア戦中継終了後、ラストダンジョンに突入。オリンピック横目にレベル上げに励んだ甲斐あって、ラスボスには楽勝。主人公はレベル37、トータルプレイ時間はちょうど100時間でした。ファミコン時代以来、RPGの最長プレイ時間を更新(「天外魔境」はクリアしてないので)。いやはや長い道のりだった。

 ミステリチャンネル用の本を読みつつ、合間にB組とD組のその他の試合をTV観戦。ブラジルはやっぱり怖さがない。ルシェンブルゴはとっととクビにしたほうがいいのでは。まあしかし、この敗戦で目が覚めるってこともあるよなあ。
 A組では、スペインがチリにまさかの1-3負け。モロッコに勝った韓国と勝ち点で並ぶ結果に。しかしそうは言っても、韓国は得失点差でマイナス2。最終戦でチリに勝つ可能性がゼロではないとは言っても、なおかつスペインがモロッコに負けるか引き分けるのが条件だからなあ。

 永井するみ『大いなる聴衆』(新潮社)は、テーマ的には「アマデウス」。農業から音楽にモチーフが変わっても、『枯れ蔵』なんかと印象がほとんど変わらない。話はよくできてるし、読んでるあいだは面白いが、すべてにおいて優等生的すぎる。
 新野剛志『もう君を探さない』(講談社)は、乱歩賞受賞作の『八月のマルクス』につづく第二作。古典的ハードボイルドですが、文章とか小説技術は飛躍的に向上。しかし、プロットを無駄に複雑にする癖は直ってない。ああいうレッドヘリングは無用だと思うんだけどどうですか。
 大沢在昌『新宿鮫 風化水脈』は、いきなり新宿の歴史にまつわる蘊蓄が炸裂して驚く。自動車窃盗団のアジトを探索するディテールはけっこう面白い。




【9月18日(月)】


 13:45、品川プリンスホテルのボウリング場で、日本推理作家協会のボウリング大会。
「参加しない場合は事務局に電話してください」みたいなファックスが届いてて、それは最初から数に入ってるってことですか?
 参加者は20人ぐらい。ボウリングはものすごくひさしぶりなので全然調子が出ない。シングルの1ゲーム目は109という悲惨なスコア。しかし100を越えない人が半分ぐらいいるというアットホームな集まりだったので(ひとりだけ167を出した別世界の人がいました)、これでも真ん中ぐらい。
 週刊小説T嬢と組んだダブルス1ゲーム目はさらに絶不調をひきずり、庄村さんと組んだ3ゲーム目でようやくストライクが出はじめる。スコアは137で、個人記録は総合5位。賞品は簡易エスプレッソマシン(スターバックスの豆つき)でした。

 ボウリング打ち上げ会場を途中で抜けて、竹橋でミステリチャンネル〈ベスト・ブックス〉の収録。日本編は、福井晴敏『川の深さは』vs麻耶雄嵩『木製の王子』対決。海外編は『Mr.クィン』のダントツ人気でした。トヨザキ社長のドラクエは聖風の谷で止まってるらしい。すでにレベル37とか。育て過ぎでしょう。

 8月奥付の国産ミステリ読破シリーズがやっと終わったので、9月奥付分に移行。ようやく講談社ノベルスの古泉迦十『火蛾』を読む。イスラム版『鉄鼠の檻』。新人のデビュー作としてはじゅうぶん魅力的なんだけど、ちょっと前評判が高すぎでした。なんかもっと凄いものを想像してたので。外枠の設定は変えたほうがよかったと思う。
 むしろ驚いたのは古処誠二の第二作『少年たちの密室』。ダークサイド系の西澤保彦作品に近い部分もあるが、非常に完成度が高い秀作。今年の国産本格ミステリではベストテン圏内でしょう。前作同様ミニマルな設定なんだけど、その中でこれだけ迫力を出せるのは立派。細かい傷はあるものの、『UNKNOWN』の次にこういうのを出してくるんだから、今年の新人王は決まり?


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