【7月13日(木)〜17日(月)】


【ソウル旅行メモ】

●ホテル
 ロッテ百貨店の真向かいの路地を入ったところにあるメトロホテル。地下鉄2号線の乙支路一駅から徒歩2分。最寄りの映画館まで徒歩1分。真向かいはカラオケボックスとカフェと食堂。午前2時まで人通りが絶えない。新宿でセントラルホテルに泊まるみたいな感じ? 値段も設備もセントラルホテル並みだが部屋はもうちょっと広い。

●明洞
 原宿みたいな雰囲気で、手をつないで歩く女子高生多数。全体に若い子が多い街。しかし屋台で売ってるのが揚げ物とスルメ。こんな暑いのになぜみんな揚げ物食うかなあ。
 おやつは海苔巻き。マクドナルド的内装の海苔巻きファーストフード店多数。女子高生がカクテキをつまみながら海苔巻き食べてます。あとはトッポキとか。
 日本型の洒落た喫茶店も多数。しかしコーヒー(ハングルではコピ)には期待できない。ヘーゼルナッツ珈琲のほうがまだ無難か。ソウルで最初に入った喫茶店のコーヒーは紅茶より色が薄く、ほとんど無味。
 あと、喫茶店によっては各テーブルに電話が置かれているんですが、あれはナンパ用?

●カラオケボックス
 DAM D.D.R.類似システムが大ヒット中(ゲーセンにはDDRのパチモン各種あり。ホテルの向かいのボックスは、TAIJINのシステム。マシンはやたら高機能で、キーとテンポの変更はもちろん、全曲に対してアレンジの変更が効く。音も悪くない。番号を入力すると、リアルタイムで画面に曲名が表示される(たとえば3498番なら、3を押すと0003の曲、次に4を押したところで0034の曲が……というふうにいちいち曲名が出るので入力ミスの心配がない)。
 日本の歌は数百曲入ってて、歌詞はハングルと日本語併記。S.E.S.は人気が高い模様。洋楽はアルファベットのみ。メタリカがたくさんあったりして、日本の通信カラオケとはかなりセレクションが違うのでソウルに行った人はチェックだ。

 となりの部屋では地元のおばさん二人がサムルノリ?系の歌を熱唱してました。若い子はs#arpとかH.O.TとかFin.K.Lを歌うのか?

●富川ファンタスティック映画祭
 詳細は、SFオンラインにいずれ掲載されるはずのレポートを参照。

 せっかくだから韓国ファンタスティック映画を見ようと思ったが、ほとんどはビデオが出ているタイトルだと判明したので意欲が減退。
 オレが行ったのは土曜日一日だけ。ソウル駅から国鉄で30分ぐらいかかるのでたいへん。事務局に行けばプレス用の一日パスが交付してもらえたらしいのだが、どうせ500円ぐらいなので切符を買ってはいるほうがはやい(パスがあっても予約してチケットを出してもらわなきゃいけないくてめんどくさい)。

 結局、素砂(sosa)という駅から徒歩5分のホールで、1968年の韓国映画「第三地帯」と、アレックス・コックスの日本未公開作「Three Buisnessmen」を見ただけ。
 スタッフは学生ボランティアがほとんどなんだけど、日本語通訳対策か、おじいさん二人が受付に配置されてて、コミュニケーションは無問題。字幕なしだった「第三地帯」に関しては、懇切丁寧に内容を解説してくれました。
 「Three Buisnessmen」は、筒井康隆か椎名誠原作みたいな不条理コメディ。コックス版「たどんとちくわ」だけど、もっと笑える。ラストは思いきり意表をつかれたし。そうか、だから三人なのか。バランス的には新宿のシーンがちょっと長すぎる。柳下夫妻登場場面とか(笑)。田口トモロヲの「へんなガイジン撃退法」は、東京ファンタでやれば大拍手でしょう。大林千茱萸はアップあり。年間ベストの9位あたりに入れたいキュートな小品。

 素砂の会場のすぐ前は、シンデレラ城みたいな建物。ファンタスティック映画祭にふさわしい会場だなあと思ったら、中に入ると市場でした。青物市場の一画を過ぎると肉の一画があり(犬は売ってません)、その向こうは水族館――じゃなくて魚市場。巨大なガラス水槽がいくつも並び、各種の魚が泳いでいます。

●散髪
 兵役があるせいか、ソウルの男性はみんなコリアンヘアスタイル。両サイド刈り上げのクルーカットで、若い子だと前髪だけ垂らしてたり。
 いかにも涼しそうなので、散髪作戦を決行。ソウルで髪を切るには百の方法がありますが、美容室を別にして、大きく分けると理髪店は二種類。ねじりんぼうが一個の店と二個の店である。一個の店は髪を切るだけ。二個の店はマッサージ+アルファがつくらしい。
 ――という話を知ったのは髪を切ったあとのことである。
 ホテルの向かいにある「りはつてん」と看板の出てる店にとびこんだら、奥の個室に寝そべるおっさん一名。出てきたおばちゃんは、カタコト日本語で、
「まっさーじ? まっさーじ?」とたずねてくる。マッサージまたはそれ以上のサービスを受けたくないというわけではないものの、午後から映画祭なので時間がない。
「散髪。カットだけ」と要求すると激しく驚かれる。散髪だけの客はおらんのか。なんとかカットだけであることを納得してもらい、散髪用の席につく。椅子は日本の古い理髪店とおんなじような感じで、前にちゃんと洗面台がある。と思ったら、店のおばちゃんが洗面台にマットをのせ、オレの太腿をぽんぽん叩く。さらにひっぱる。なにすんのおばちゃん。と思ったら、その上に脚をのせろということらしい。そりゃまあ脚はのばせるほうが楽ですけどね。
 ついで、ヒマそうにしていた散髪係のおっちゃんが奥から登場。
「まっさーじ? まっさーじしないか?」とまたすすめられるのを断って、ようやく髪を気ってもらうことに。
「チョットダケ?」
「ノー、ノー。たくさん。コリアンスタイル。ハンスク」と手まねで刈り上げを指示する。散髪屋のおっちゃんの髪を指さして、「あんなふうにしてくれ」といえば通じるよな計画はもろくも崩壊。おっちゃんは豪快な禿頭だったのである。
 さらにあと十回ぐらいマッサージや爪切りやあんなことやこんなことをすすめられるのをかいくぐり、ようやく散髪作戦終了。請求額は20,000ウォン。ちなみに全身マッサージつきだと50,000ウォンだそうです。

●おたくショップ
 ソウルの秋葉原、竜山電子街の一画にあるCHBのビル地下がまるごとCD屋。ディーラーズルームというかコミケ電源系というか、屋台をこぎれいにして一カ所に集めた感じ。
 ビデオCDとPC用CD‐ROMゲームが大半を占め、あとはPS用とかSFC/メガドラ用のROMカセットとDVDが少々。
 日本のアニメはだいたいVCD一枚500円。二枚組だと1000円。最近のTVアニメはほとんど海賊VCD化されている模様。lainとかダイ・ガードとか。供給元は一カ所らしく、どこも品ぞろえはいっしょ(バインダー式のカタログがあって、これをくれというと奥から出してくれる)。逆に、ものすごく珍しいタイトルはそんなにない。多少なりとも手間をかけて制作された海賊版は、FF VIIIのCGIムービーだけを一枚に焼いたやつとか、いろんなゲームのムービーを集めたやつとか。
 DVDはタイトル数が少なく、韓国製は「Ring Virus」「女高怪談」「シュリ」あたりのメジャータイトルだけ。「テコンV」など有名TVアニメも、ビデオテープで買うしかない模様。
 しかしこのへんの街を歩いてるとハングル以外は日本と区別がつかない。

 ソウルおたく情報に強い日本語サイトとしては、Maison de otakuがなくなっちゃった今、コリアニメがいちばん。アイドル関係ならコリアあんどカラオケがおすすめです。

●ハングル
 ハングルは15世紀につくられた比較的新しい文字なので、非常に規則的。母音14個×子音10個の組み合わせで140音。ローマ字みたいなもんですね。したがって字と読みの対応を覚えるのはそんなに難しくないんだけど、読めても意味がわからない。中国語がみんなカタカナで表記されてるような状態。漢字ハングル混じり文ならよかったのに。ハングルの文字列を見て漢字が想像できるようになれば、文法は日本語といっしょだから、すごく簡単に読めるようになると思いますが、四泊ぐらいじゃ無理。

●映画館
 行ったのは明洞のコリアシネマと、新村の二館。
 上映方法でいちばん驚くのは、エンドクレジットの処理。エンドクレジットがはじまったところで客電がつくのはまあ理解できる範囲ですが、それどころじゃない。メインキャストの表示も終わらないうちにぶった切られて幕が下りたり、場合によっては途中からCMに切り替わっちゃったりするのである。おかげで『Dinosaur』なんか、だれが声当ててたのかも不明(笑)。スクリーンサイズも無頓着で、シネスコサイズの映画がビスタサイズ(よりさらにスタンダードに近いぐらいだった気がする)で上映されてたり。おおらかというかなんというか。

 ソウルで大ヒット中だったのは、時代物カンフーアクション大作の「飛天舞」(ピチョンム)。新村駅前の映画館は二館ともチケット売り切れで入れず、梨大前の映画館で見ました。韓国版「風雲」みたいな話で、80年代香港映画ノリなんだけど、アクションシーンでメタル系の劇伴がかかったり、ロックな衣裳だったりするあたりが00年風。ドシリアスなはずのシーンで観客がゲラゲラ笑ってたのはなぜでしょう。言葉がさっぱりわからないので2時間は長く感じたけど、「梟の城」なんかよりはるかに大作感があるりっぱな時代劇だったな。

 もう一本見た韓国映画は、H.O.T主演の3Dアニメ、「Age of Peace 2000」。アニメージュのコラムのネタにしたので、くわしくはそっちを参照。青色7のプロモーションビデオが、嵐の主演で立体になったような映画。CGのレベルは、5年ぐらい前の感じ。むかし、歌舞伎町の映画館でこういうアトラクション系の国産SF物3D映画を見たような気がする。話は「コスモホッケー・イレブン」のサッカー版。圧倒的にすごかったのは客席ですね。いや驚いた。

●食べもの
 屋台で圧倒的にうまかったのは焼き鳥ですね。揚げ物関係はどうということのない味。
 豚カルビはふつうにおいしい。炭焼き牛カルビは店しだい。最後の夜はWALKのK嬢から推薦された《田園》ってとこで、いわゆるふつうの焼肉を食べたんだけど、東京並みの値段だけあって味は上々。ミノとユッケはとくに絶品でした。しかし高級化すればするほど日本の焼肉屋に近づく気が。

●携帯
 韓国の携帯電話はやたらかっこいい。とくにi-book(ほんとにそういう名前なのである)。ストラップで首から吊したり、むきだしで手に持ったりするのが流行りらしい。携帯マニアは韓国へGOだ。グローバルパスポート対応端末なら日本でも使えるぞ。高いけど。
 さいとうよしこは必死にプリペイド携帯をさがしてたけど発見できず。売ってる場所の情報を希望している模様。


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