【5月25日(木)】


 第20回横溝正史賞授賞パーティ@東京會舘。「横溝正史賞」はこれが最後で、次回からは「横溝正史ミステリ大賞」なのだった。
 今回の受賞作は、小笠原慧『DZ』と、小川勝巳『葬列』。タイプは全然違うが、どちらも力作。綾辻名人イチ押しの真木武士『ヴィーナスの命題』もいずれ本になる模様。

 授賞式では、小笠原氏の挨拶が爆発的に長かった(10分は軽く超えてたと思った)のが印象的。すごくまじめな方のようです。あとで紹介されて、人類進化関係の話を少々。
 綾辻さんと「リヴァイアス」話。「『ヴィーナスの命題』を推す人が好きそうなアニメでは」とか言ってたら、綾辻名人はその真木武士氏に薦められて「リヴァイアス」を見たことが判明(笑)。
 皆川ゆか嬢のほうは、『今、そこにいる僕』を全話一気見して、いきなり『今僕』派に転向した模様。ハマる人はハマる作品でしょう。傑作には違いない。しかしつらすぎるので当分もう一度見る気はしないなり。『十兵衛ちゃん』のほうは中古のDVDをまとめて買ったので、そのうちまとめて見直そう。
 その皆川ゆか編著の巨大ガンダム辞典(講談社)はいよいよ完成間近とか。たいへんなものになりそうだが、宇宙世紀にはそんなに興味がないからなあ。

 ひさしぶりに茶木則雄氏登場。岩井志麻子%山本周五郎賞作家とは和解が成立した模様。ま、似たもの同士ですから。
 いわためぐみ夫妻の新居のすぐ近所に住む川又千秋氏は、最近、毎朝10キロ走っているらしい。フルマラソン出場も間近か。

 パーティ終了後は例によって東京會舘ティールーム。津原さんはウクレレ持参。いきなり頭が涼しくなっている。失恋でもしたんでしょうか。
 小林泰三氏はH" のopen net contents対応機を買って、30分置きに各所の掲示板をチェックしている模様。じつはウェブを読むだけならiモードより使いやすいかも。料金も安いし。オレもH"の端末買い換えようかなあ。

 ティールームが閉店になったところで東京會舘を出て、総勢十数人で銀座のDAM。
伝言板にも書きましたが、DAM128に、なんと斎藤哲夫が大量3曲も入ってて仰天。かの名曲、「さんま焼けたか」を歌えて感動しました(綾辻さんは「されど私の人生」を歌って満足していた模様)。あと一曲は「僕の古い友達」。しかも、3曲とも本人出演映像つきなのである(現在の本人)。なぜ斎藤哲夫? これまで通信カラオケには、「いまのきみはピカピカに光って」以外だと、セガカラに「バイバイグッバイサラバイ」が入ってるだけだったのに。もしかしてブームですか? どうせなら「吉祥寺」も入れてほしい。
 あとはやっぱり、なぎらけんいち(当時)の「悲惨な戦い」ですね。「葛飾にバッタを見た」でも可。友部正人「内向的なぼくは」とか「公園のD51」とかどうよ。

 しかし特筆すべきは小林泰三の邪悪な歌声。オクターブ下げて「ウルトラマン・ガイア」を歌ったあとが、「時には娼婦のように」と「さそり座の女」ですからね。いやもうクトゥルフの呼び声のようでした。しかもなにを歌ってもウェブ掲示板の歌に聞こえてしまうというこの人徳。岩井志麻子が角川書店から掲示板投稿を禁じられるのも無理はあるまい。
 ちなみにさいとうよしこは「サイボーグクロちゃん」歌ってました。
 竹本健治氏からは、金沢大学推理小説研究会〈森会〉掲示板を教えていただく。もうちょっと古いログが読みたいなり。

 午前3時にお開きになり、ぶらぶら歩いて銀座七丁目の椿屋珈琲店。なぜかみんなでカレーを食う。はじめて食べましたが、意外とうまくてびっくり。ボンディぐらいのレベルでは。古炉奈や東洋よりずっと上だぞ。ってくらべるなよ。

 午前5時帰宅。毎日中学生新聞の原稿を書いて寝る。




【5月26日(金)】


 仕事をする気力がないので、小松左京賞の箱を開ける。枚数制限なしなので、2000枚クラスの長編がゴロゴロしてたり。なんか6000枚の原稿もあったらしいが、さいわいウチには来てない模様。いままで読んだ応募原稿で最長は、ホラー大賞の2800枚と3200枚ですが、6000枚っていうと、乱歩賞の原稿10本分以上。おそろしいことである。

 『メダロット』世界大会編をまとめて見る。「アイドルにご用心!」は傑作。スウェーデン代表のメダロッター三人組がアイドル・ユニット〈チャーミング娘〉を結成し、イッキくんが思いきりハマってしまう話。写真集は三冊ずつ購入、部屋の中はグッズだらけ。怒り心頭に発した甘酒アリカはひと言、
「それを世間じゃおたくっていうのよ!」
 なんかめちゃめちゃ気持ち入ってましたね。仙台エリ嬢にこうやって罵倒されたい人はたくさんいそうである。野尻抱介とか日下三蔵とか須藤玲司とか。
 ちなみにアリカとキクヒメとカリンは、チャーミング娘に対抗すべく、メガネっ娘(メダロット社のカラスミ博士))を仲間に加えて四人組の「エンジェル・フォー」(仮名)を結成する。
イワノイ「アイドル四人組にメガネっ娘は不可欠っす!」
アリカ「……それっていつの話?」
 とか。この回にはアリカの名セリフがもう一個。チャーミング娘の正体がロボロボ団であることをアリカが暴露。
アリカ「あなたたちはだまされてたのよ。さあ立って、イッキ。あいつらをたたきのめすのよ」(中略)
イッキ「だからなんだ。アイドルだろうとロボロボ団であろうと、チャーミング娘にかわりはないっ」
「言ってることは正しいけど、人としてどうなのよ、それ」
 こちらもかなり応用範囲は広そうである。




【5月27日(土)】


 ゆうべ来日したトーレン・スミス社長@スタジオ・プロテウスと食事。お好み焼きとか。社長は順調に体重を増やしている。もう40歳だし。すっかりおっさんです。斉藤友子はreactorで、control rodの国樹由香嬢がいるおかげで助かってるとか、英語だと思ってひどいこと言ってたので告げ口。まあサンフランシスコでcriticality accidentが起きる分には、こちらに被害はないので。

 chocoaでひさしぶりにirc。#にっきチャンネルでだらだらしながら設定いじってたら、いきなりすべての日本語が縦書きになってしまう。横倒しの縦書き。なぜだ。

 月刊アスキー6月号のコラムに書いた2ちゃんねる小金井市議スレッドネタに反応が。
「今月のアスキーの大森望のコラムにはあきれた。以前から馬鹿だと知ってはいたが、馬鹿さ加減を再認識させられた。誹謗や脅迫的言辞は「温度差」で片付けられる問題ではない」などなど。めったに反応のないコラムなので、たまに反応があるとしみじみとうれしいことである。
 もっとも、ここで言ってる「温度差」ってのはもっと単純な話。朝日の記事中では、「300件を超す発言のほとんどが市議を個人攻撃する内容で、『輪姦(りんかん)したい』など性暴力的な書き込みも多かった」となってるけど、300件中の2件を「多かった」というのは違うんじゃないの――という疑問の婉曲表現でしかない。もちろん、「性暴力的な書き込み」の数え方に、「認識の食い違い」が発生する可能性は残されるが、少なくとも「当事者間」(被害者と加害者)の解釈の温度差ではないので。ま、ネット上での誹謗中傷その他に関して比較的寛容な立場であることは認めますが。




【5月28日(日)】



 新宿三丁目からてくてく歩いて、午後3時、新宿パセラ。途中、テアトル新宿の前を通ると、「人狼」の初日イベントの告知が。なんか沖浦監督が来るらしい。
 今日の昼カラのメンバーは、さいとうよしこ、大森と、最近、2ちゃんねんる方面でドッペルゲンガーが出没しているらしい堺三保(本物)、および「人狼」の阿川七生こと仙台エリ、あとから合流の日下三蔵。
 某所から発掘されたモーニング娘。の'99冬コンサートパンフをエリちゃんにもらったので、かわりに冬コミで買った18禁メダロット本をプレゼントする。もう大学生だからだいじょうぶさっ。
 今日のエリ嬢は、エスニック系のファッション。ちゃんとメガネかけてました。おたく商売の基本に忠実。しかしデジカメを忘れたのでお見せできないのが残念です。とくに野尻さんに。
 今日の流行語は、「それを世間じゃおたくっていうのよっ」by甘酒アリカ(本物)。そのたびに、「わっ、本物だ」と反応するのが正しいらしい。
 前半は市井紗耶香さようなら記念の娘縛り――と略すと緊縛系のようですが、青とか黄色とかプッチモニとか。「後藤真希真ん中は許せん」という点で仙台嬢と見解が一致。
「ゴマキなんてゆってちゃだめっ! ゴマでいいのよ」と甘酒アリカ。いや、べつにそこまでゆわなくても……。
 ほかにはTHE BOOM「いつもと違う場所で」(←手塚治虫の言葉が引用される珍しい楽曲)とか、電気グルーヴ「電気ビリビリ」とか、ブリーフ&トランクスの「ペチャパイ」(no harm intended)とか。でも日下三蔵が来ちゃったので後半はマンガの歌中心。「White Album」とか「To Heart」とか、すでにマンガの歌でさえない(笑)。しかし「サイボーグクロちゃん」のOPはDAM128に入ったのに、「メダロット」のOPはなぜカラオケに入らないのか。かわりにこっそり「ジャングルDEいこう!」を入れる日下三蔵。
「そういうのがおたくっていうのよっ」
 4時間歌ってから、インドネシア・ラヤへ移動。仕事を終えた小林治氏が合流。さらにアニメ業界のおたくな話とネット方面のおたくな話がつづく。
 2ちゃんねるアニメ板に「あいかわしょう」スレッドがあると聞いてその場でPHS接続。
「ここにもワシの名前を騙ってるやつがいるんですよ」と堺三保。
 読んでみると、「俺の親友をバカにするな! 」とか「それは、彼の実力をひがんでいる寂しい人たちが 流しているやっかみです」とか書いてるのがニセモノらしい。そこに本人(さかいみつやす名義)が出ていって、「あんた、誰?」とニセさかいに質問しているではないか(笑)。それに第三者の「なんとなく本物っぽい」ってコメントがついてるんですが、さらにそのあと、別人のトドメのひと言が。
「いや、本物はもっと太っているはず・・・ 」
 今日の第二のキメゼリフはこれで決定(使用例:「やっぱり本場のサテはうまいね」「いや、本物はもっと太っているはず」)。
 しかしもっと驚いたのは、同じスレッド、今日の午後1時38分のタイムスタンプで、「さかいみつやす」名義のポストがあったこと。堺三保恐るべし。都営新宿線で新宿三丁目に向かってる最中にも投稿していたのかっ。
 しかしニセモノを見分けるのは簡単。本物はもっと太っているからね。ニセモノの人はもっと精進して、堺三保ホームページとかつくっていただきたい。メールをいただければ、堺三保(本物)の部屋の写真を送ります。しかし堺三保に同化してなにかいいことがあるのだろうか。謎。激ヤセで困ってるとか?


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