【3月26日(日)】


 3380Vの環境がだいたい整ったので、ウェブに復帰。しばらく見ていなかった掲示板とか日記とかを見て回ると、知らないうちにさまざまな事件が起きている。MYSCONオークションのとき、あとからこっそりオレが相対取引で買った本のことがこんなに話題になっていようとは。
ミステリ系更新されてますリンクからぱらでぁすかふぇに飛び、そこから
アレクセイの花園に飛び、議論関係のログを読み始めたら止まらなくなり、バックナンバーから「アレクセイ狂人伝説」接触編発動編と熟読。すごすぎる。ぜひ愛蔵太さんと意見交換していただきたいものである。

 PONTOONで読んでた恩田陸『月の裏側』(幻冬舎)を再読。『盗まれた街』だというのは伏せたほうがいいのではって気もするがどうですか。『屍鬼』だって(《波》はべつにして、単行本自体では)伏せてたわけだし。しかし考えてみると『盗まれた街』と『呪われた町』の構造は、タイトルが似てるのとおなじぐらいよく似ている。したがって『月の裏側』と『屍鬼』も似てますが、アプローチの方法は全然違うのだった。恩田陸のほうはめちゃくちゃへんである。ふつう、こういう小説にはしないよな。携帯電話が市外にかけると圏外になるとか、明らかにおかしい説明のまま通しちゃうのがすごい。
 新聞記者のアレはクーパー捜査官というより、『ビューティフル・ドリーマー』のメガネでしょう。というわけで後半の柳川はすっかり友引町化している。つくづくへんな小説。いちばんへんなのは主人公。いや、好きだけど。




【3月27日(月)】


 SFオンライン賞発表。投票総数は増えているのに、1位の票は延びてない。ぎりぎりのところで順当な結果になってるのはさすがというべきか。カプコン岡本本部長のコメントが傑作。




【3月28日(火)】


 今月中にかたづける約束だった(でも確約はしてない)長編の翻訳が今月中にぜったいかたづかないことが確実になったので、そちらを一時中断し、4月売りSFマガジンのディック特集に載るディック短編の翻訳に着手。




【3月29日(水)】


 午前7時半に寝たのに午前10時半ごろ目が覚めてしまい、テレビをつけたら高校野球選抜大会一回戦、明徳義塾×上宮太子をやってたので途中から見る。清水はどうして一塁ベースまわったところでわざとコケないのか。9対3で勝ってる試合の9回表だよ。あのツーベースをシングルで止めておけばサイクルヒット。サイクルを超えても歴史に残らないが、サイクル打てば甲子園の歴史に残るのである。98年の夏には藤本も達成してるから、サイクルの明徳の名をほしいままにできたのに。うちの高校(土佐)の先輩の玉川も夏にはサイクルヒット打ってるけど、春のセンバツでサイクル達成したのは過去ひとりしかいないのに。
「せっかくのサイクルヒットを捨てて全力疾走でひとつでも先の塁へ走る高校生らしいスポーツマンシップ」なんていうのは三日で忘れられてしまうのである。今頃後悔してると思うね。ていうか、監督がちゃんと指示しとくべきだよな。星稜時代の松井に対して「5打席連続敬遠」という快挙をなしとげたチームなんだから、しっかり自覚を持っていただきたい。ああでも、松坂の横浜高校と準決勝でやったときだって、結局たんなる引き立て役に終わったわけだから、明徳はつまりそういうチームなのかも。

 試合終了後、もう一回寝て、夕方起きてちょっと仕事してから、メトロセンターにオープンした24時間営業の弁当・総菜屋、オリジンで食料を買って帰宅。日本×ニュージーランドの五輪代表強化試合(笑)に備える。
 が、しかしニュージーランドは弱すぎ。こんなチームで南アフリカと戦うのは無理なのでは。アウェイでチェコと試合するほうがよっぽど強化試合になったと思う。
 中村俊輔は、相手が弱いとやりたい放題な感じ。この相手だと、左のアウトサイドは本山で問題ないような気もするが、あんなとこでポカやってちゃね。フォワードは高原と小島? 北島は全然見せ場がなかったのでよくわからない。4−0になってからは全体に激しく攻め疲れ。
 それにしてもどうしてこういう試合が組まれたのかよくわからん。

 MAG TIMEで仕事。ディック短編の片方の第一稿が終了。前後編みたいな構成なのである。ところでもう一本のほうには、Ito Yasumiって名前の東京郊外に住む精神分析医が登場する。伊藤泰水か、それとも伊藤泰三か……とぼんやり思ってたんだけど、よく考えたら、ヤスミが姓なんだよね。八角維人? 安見伊都? 日本人や中国人の名前は漢字表記する主義なんだけど、この名前は悩ましい。




【3月30日(木)】


『文芸年鑑』の年間SF回顧原稿をひさしぶりに書く。前に何回かつづけて書いてたのはたしか昭和の時代の話だから、十年以上ぶり。すっかり書き方を忘れているが、『SFが読みたい!』とか出たあとなのでらくちん。
 さらに毎日中学生新聞と月刊アスキーのコラムをかたづけ、明日に備えて『∀ガンダム』の録画ビデオを最初から見直す。一話には則定検事長スキャンダル辞任のニュース速報が入って、いま見ると笑えます。
 なぜ明日に備えてかというと、『ニュータイプ』で富野監督と対談することになってて、「どうせなら最終回のオンエアをいっしょに見て、そのあと対談ってのはどうすか」みたいなことを言ったら、そのプランがそのまま採用されてしまったわけである。ネタとしては面白いけど、しかし監督といっしょではゲラゲラ笑ったり寝っ転がったりできないのでは。

 と思ってたら『ニュータイプ』編集部のM氏からファックス。有珠山が噴火したら明日の放送は飛ぶかもしれないので、最終回のビデオを用意しておきますとのこと。『∀』は実社会とシンクロ率が高いので(JOCの臨界事故だけだけど)ありうるかも。




【3月31日(金)】


 午前8時までビデオを見て寝る
 午後1時半、さいとうよしこの声にに起こされる。
「有珠山、噴火したよ」
 ……。
 やっぱり番組は飛んだらしい。

 5時、駅前で買った花束を持って角川本社ビル会議室。サンライズのA嬢が用意してくれた『∀ガンダム』最終回「黄金の秋」のビデオを、富野監督といっしょに視聴。

 オンエアが飛んじゃった(かわりの放送日時もまだ決まってないらしい)のは残念ですが、この企画がなければいつ見られるかわからなかった最終回を見られたわけで、とりあえずDASACON3に向けて自慢のタネかも(笑)。
 いやもう驚愕の最終回。まさかあの人があんなことを。そうですかレット隊が。それにしてもソシエの×××××は感動的。しかし×××が××××とは思わなかったなあ。いやはや。と日記には書いておこう。緊張しながら見てたので細かいところをよく覚えてなかったり。

 対談(ていうかほぼインタビュー)は2時間におよび、富野節炸裂。詳細は今度の『ニュータイプ』参照。大森的にはたいへん面白かったんですが、どうまとまることか。

 終了後は、角川勢とサンライズA嬢と富野さんとでラムラ20階の摩天楼飯店。対談では聞けなかった重箱の隅つつき質問を重ねる。



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