【2月4日(金)】


 昼ごろ起きて、三村美衣、さいとうよしこと三人でパスタのランチ。

 食後、ひとりでミストラルに行って原稿。晶文社のオンライン読書本(『オンライン読書の誘惑』の姉妹篇みたいなやつらしい)用のコラム12枚。
 『現代のエスプリ』最新号が川浦康至編「日記コミュニケーション」特集なんで、それをネタにするつもりだったんだけど、通読してもあんまりネタにならない。
 巻末にはウェブ日記の歴史を要約したコラムがついてるんですが、HyperDiaryの提唱者が大森望になってたり(正しくは須藤玲司)、日記猿人設立当時の話に重要な固有名詞が抜けてたり、まだ5年も経ってないというのに歴史が歪み始めているのに驚く。
 参考文献でうちのサイトのurlも載ってるんですが、どうせならWWW日記原稿アーカイブの下にあるやつを通読していただけると、当時の状況はだいたいわかる仕組みだったんですが。
 ついでに赤尾さんとこの日本web日記学会とか、くりすさんの関連ページとか、有里さんの関連ブックマークとかを参考に、最近のウェブ日記状況を把握する。
 いちばん驚いたのは「さるさる日記」で、映画監督、佐藤嗣麻子さんの「かっぱ日記」がいつの間にか始まってたこと。掲示板はtcupだし、もはや自前のウェブサイトなんか持たなくていいってことか。htmlどころかftpも要らないなり。
 愛読ウェブ日記紹介で例に出したのは小田嶋隆「偉愚庵亭日乗」田中哲弥の仕事に明け暮れる日々について。引用しはじめたら止まらず、田中哲弥のとこなんか、原稿料が発生しそうなくらい大量にコピー&ペーストしてしまった。99年2月5日の「巨大な鼻糞」をまるごと収録予定。そのうちなにかおごるので許したまい。総原稿料の6分の1ぐらいかな(笑)。

 まだ眠いので家に帰って本を読む。ダニエル・F・ガロイ『模造世界』(創元SF文庫)とか。1964年にこれを書いたのは立派としかいいようがないが、もはや歴史的価値しかないかも。ていうか、『仮想空間計画』を先に出しちゃいかんよ。これでディックぐらいキャラが立ってれば傑作だったかもしれない。




【2月5日(土)】


 明け方起きて《本の雑誌》用の読書。《SIGHT》の原稿を書く。今号からスタイルが変わって、バイヤーズガイドじゃなくて注目作2冊(SFとホラー各1冊)の書評ってことになったので、『覚醒』と『忌まわしい匣』で書く。

 4時15分から、カールスバーグ杯の日本×メキシコ。点が入りそうな気配もない感じ。両サイドの上がりがなきゃダメでしょう。せめて中村俊輔。激しくつまらない試合だったなあ。
 終わったところで家を出てユタへ。林哲矢雑記の記録では、「参加者はSF人妻、大森望、小浜徹也、堺三保、志村弘之、白石朗、添野知生、高橋良平、林、深上鴻一、福井健太、藤元直樹、三村美衣、柳下毅一郎、山本和人(あいうえお順、敬称略)」だったらしい。
 珍しく夕食は鳥良だったのだが、最後の一個となった天むすの帰属先を山手線ゲームで決めるなりゆきになり、意外な事実が明るみに出る。『エラリー・クイーンの邦題(別題不可)』というお題に、柳下毅一郎が「オレ、クイーンなんて一冊も読んでないもん」と発言。添野知生がタイトルを覚えてるクイーンは、『三角形の第四辺』と『盤面の敵』だけとか(笑)。SFファンはみんな子供の頃にクイーンの10冊や20冊は読んでるもんだと思ったが、そうじゃないのね。
 ちなみにこの日、ご近所ではべつの宴会も開かれており、どんどんファイルが消えてゆくH田氏とかもいました。ナマH田氏を見たがってる人がたくさんいるのになあ。で、そのH田氏、「オレがここにいたことは内緒にしてくれ」だって。アイドルはつらいよ。

「評論家と名乗るには何作観る/読む必要があるか」っていうのは、「映画評論家なんか、年に100本も観れば映画評論家と名乗れる」発言が発端なんですが、本の場合は年に100冊? 国産ミステリならたぶん100冊でじゅうぶんだけど、海外もフォローするミステリ評論家の場合は200冊でしょう。SF評論家の場合は内外合わせて50冊ぐらいでOKかも。
 ちなみに活字倶楽部では、福井健太がインタビューに答えて、「ミステリ系ライターになるには(ちゃんと吟味したラインナップで)最低1000冊は読んでないと」みたいなことを言ってますが、まあそんなもんかな。
 しかし活字倶楽部のインタビューはトヨザキ社長がかっこよかったすね。惚れる。とくにインタビューのテープ起こしの話とか。年間総括号としてはデータ的にもっとも充実している雑誌なので、今出てる活字倶楽部(雑草社)はお買いのがしなく。

 12時過ぎに帰宅。
 各所から「検索エンジンで探したけど見つからないので二階堂さんのホームページのurlを教えてほしい」との問い合わせが相次ぐ(笑)。もうミステリ系サイト各所で公表されてるんだけど、ふだんウェブをマメに見てない人はわからないらしい。
 あっという間に鎮静化するのではという予測もあったので、この日記や伝言板では触れずにいたんだけど、二階堂サイトはどんどん充実してるし、掲示板も開設されてるし、各所で散発的に言及されてるので、こりゃまだまだ続きそうだなと判断して(それがまちがいだったことはのちに判明する)うちの伝言板に告知。




【2月6日(日)】


 午前3時ぐらいに寝て、朝いったん起きてだらだら寝床で本を読んでたんだけど、また眠くなりそのまま寝てしまう。いったいどれだけ寝たら気が済むんだっ。




【2月7日(月)】


 起きたら真夜中でした。おれの日曜日はどこ。
 寝てるあいだに伝言板には茶木さんと二階堂さんが登場している。二階堂さんに連絡しないうちに茶木さんのポストが出ちゃって、二階堂さんには申し訳ないことをしました。
 しかし結局「電流金網デス・マッチ」にはなりそうもない気配。両者断固戦うつもりなら、
「それでは、両者合意とみてよろしいですね」((C)メダロット)
 ってのをやりたかったのに。
 関係ないですが、最近の「メダロット」は絶好調。仙台エリ嬢の新掲示板の山口亮太氏のポストによれば、「ファンの皆様の応援があればあるだけ続く可能性があります」ってことなので、強力に応援してゆきたい。高千穂遥先生も応援しているぞっ。

 ちなみに、ウェブ上に書いたことに対してウェブ上で反論があれば、ウェブ上で議論を継続するのが筋だというのが大森の立場ですが、まあこのへんは人それぞれ。無駄なことにエネルギーを使わないという考えかたは正しい。

 午前1時から、マラガ×バリャドリード戦とローマ×ベネチア戦を同時視聴。断片的にしか見てないけど、今日のバリャドリードはカールスバーグ杯メキシコ戦の日本代表みたい(笑)。
 かわりに格下相手のローマが爆発。相手が弱いと、デルベッキオ、モンテッラ、トッティの三人はかさにかかって攻めますね。ここに中田が入る余地はないでしょう。やっぱり右のボランチが正解だと思う。トマージと並べるより、ディフランチェスコと並ぶほうがバランスがいい感じ。あるいは4バックにして、ダイヤモンド型の中盤の底でもいいかも。無理か。
 といっても、インテル戦のときとは比較になりませんね。インテル戦ではサネッティに完璧に抑えられてたカフーがやりたい放題だもんなあ。中田は自分を追い越して上がってくカフーにパスを出す係。ボランチらしい仕事はちゃんとしてました。今日みたいに、基本はボランチでトッティの控えにも使えるってぐらいがちょうどいいのでは。
 まあしかし一方的な試合すぎて今後の参考にはならないのだった。

 だらだらビデオ見て本を読んで、朝からミストラル。文春ベストテン問題の背景と私見を1時間かけて日記に追加してftpしたらリトル東京が落ちてるし(笑)。
 だいたいこういうときに限って事態は進展するもので、二階堂×茶木論争はあっという間に手打ちになった模様。前述の通り、隔離解放戦線中の発言には一方的すぎる部分があったのはたしかだと思うので、二階堂さんもなにもまるごとひっこめなくてもなあ。まあこのへんは考えかたの違いか。

 えーと、大森の場合は、「日記・掲示板を問わず、いったんウェブ上に上げたものはめったなことでは削除しない」って立場なので、このままにしておこうと思うんですがどうですか。

 夕方、某社編集者が来訪、まだ内密らしい件で打ち合わせ。いっしょに飯食ってから帰宅。


top | link | board | articles | other days