ディスクレビュウ・ライト #21




GROOVY NEIGHBORHOOD

PIANOSAURUS


1987年 アメリカ

1. THRIFTSHOPPIN'
2. READY TO ROCK
3. SUN WILL FOLLOW
4. THE SPEAKEASY SONG
5. CHERRY STREET
6. MEMPHIS
7. GOING DOWNTOWN
8. LOVE IS A TWO-WAY STREET
9. CENTER OF THE UNIVERSE
10. LET IT GROW
11. A LITTLE LOVE (NEVER HURT)
12. BUBBLE GUM MUSIC
13. BARBIE
14. (A FUNNY THING HAPPENED ON
  THE WAY TO THE) TOYSTORE
15. ELEANOR DAY
16. DIMPLES
17. THE LETTER

 
 シンプルな楽器を手にし、演奏した時にやっぱりその国の人間の血が出るのでしょうか?ピアノサウルスのアルバムを聴いた時、日本人ががおもちゃの楽器を手にして演奏した時、こんなグルーヴ、リズム感は出ないだろうなぁと思ってしまいました。
 
 ギター、ピアノ、ドラムス、ホーンは全ておもちゃ、 "All sounds produced on real toys"とのただし書きがあるのもミソ。ゲストミュージシャンもいるのでその人達もきっとおもちゃの楽器を演奏したのかと思うととっても微笑ましいスタジオ風景が目の前に広がってきます。
 おもちゃで演奏していると侮るなかれ、ネタ一歩手前のこのプロダクションを素晴らしい演奏と曲がしっかりした物に留めています。全曲(ホント全曲)すっごい良いんですよ、僕がこれだけほめるのも珍しいので逆に嘘臭く聴こえますけど。
 低音の響きがほとんどないだけで演奏はとっても御機嫌。特にトイ・ピアノはやっぱりそれっぽいおもちゃの音なんですけど、それが不思議とロックンロールやフォークっぽさを漂わせる各曲が凄い活き活きして聴こえます。ロックンロールな曲ではトイ・ドラムが大暴れ、っていってもおもちゃなんでタッタカタッタカと小気味良く軽い打撃音ですけどね、またそれがとってもカッコ良く決まっています。
 バンド自身の力量なのでしょうね、それとおもちゃで演奏する事で自分達もかなり楽しんでやっているのでしょう。そんな空気を感じさせるこの作品、音楽の原初体験、音を楽しむと言う意味において名盤です。