ディスクレビュウ・ライト #10



PSYCHEDELIC PERCUSSION
サイケデリック・パーカッション

HAL BLAINE
ハル・ブレイン
UICY-3367
1967年 アメリカ
2002年 初CD化

1. LOVE-IN (DECEMBER)
2. FREAKY (JANUARY)
3. FLASHES (FEBRUARY)
4. KALEIDESCOPE (MARCH)
5. HALLUCINATIONS (APRIL)
6. FLOWER SOCIETY (MAY)
7. TRIPPIN' OUT (JUNE)
8. TUNE IN-TURN ON (JULY)
9. VIBRATIONS (AUGUST)
10. SOULFUL (SEPTEMBER)
11. INNER-SPACE (OCTOBER)
12. WIGGY (NOVEMBER)

 

飛び交う電子音、パーカッション。それを統率する迫力のドラミング。

 アルバムにお題をつけるとしたらこんな感じです。60年代を代表するセッションドラマー(*1)である彼の3rdアルバム。
 彼の特徴あるドラムを中心としながら、各曲を彩る54種のパーカッションと電子楽器がアルバム内を縦横無尽に駆け巡り、30分にも満たないアルバムを濃密で奥深い物にしています。
 へたをすると、この手の実験的な作品は『どよ〜ん』とした感じになっちゃって、聴きにくそうなアルバムとも取られちゃいますが、決してそんな事はありません。その理由は、全てを統率する彼のドラムにあります。
 派手で切れが良い彼のドラムが完全に主役になってるからこそ、その他の効果が生きて、このアルバムを良い物にしています。
 まぁ、今の時代だからこそ発掘され再評価されたアルバムなんですが、帯にも書いてある様な「DJ御用達!」とかそんな感じで評価されているとしたらちょっと哀しいとこではあります。「DJ〜」を抜きにしても良いアルバムである事に変わりはありません。「真夏の夜の1人ステレオ耳の前」にぜひ。

*1)有名どころでは、フィル・スペクターの一連の作品、ビーチ・ボーイズ、エルヴィス・プレスリー、フランク・シナトラ等の作品に参加。一説によると参加曲数35,000(ほんとか?)以上とも言われてます。まさに60年代を代表するセッションドラマーです。