Starry Waltz
(西の善き魔女 OP主題歌)

kukui

2006年 日本

1. Starry Waltz
2. 闇の輪廻
3. Starry Waltz(off vocal)
4. 闇の輪廻(off vocal)


 今期のアニメ、数が多いだけあり主題歌チェックも大変でした。現状(5/26)ではまだCD全曲出そろってないので(全部買ってる訳ではありませんけど)最終的な評価は置いておきますが、僕の趣向であるシンフォニックなアレンジの曲が多くて(この事が沢山買ってしまう原因)嬉しい気分。そんな事を抜きにしても今期の1位は「西の善き魔女」OP、kukuiの「Starry Waltz」です。
 
 kukuiはその昔(でもないか)refioという名で活動していたmyuと霜月はるかが、アニメ「ローゼンメイデン」のエンディング主題歌「透明シェルター」で「refio+霜月はるか」としていたものがそのまま発展したユニット名。曲はストリングスとデジタルなリズムの緊張感と性急さの緊張感のあるエレ耽美な作品。 その後kukui名義となりミニアルバム「光の螺旋率」(ローゼンメイデントロイメントED主題歌+挿入歌)を出します。作品の挿入歌付きと言う事もありどちらかといえば「お披露目盤」。エレ耽美路線は堅持しつつ、よりユニットとしての融合が計られていきます。霜月はるかの主旋律メロディを歌うだけでなく、複雑な多重コーラスもまたこのユニットの魅力。
 次のシングル「鍵姫物語 永久アリス輪舞曲」の主題歌「Little Primrose」は所謂、現在のアニメソング的盛り上がりのするストリングスをフューチャーしたアップテンポの佳曲。ではあったのですが、少し類型的かな?なんて思ったりもしました。

 けれど、今作「Starry Waltz」を聴いて杞憂がふっとびました。これだけ開放的で広がるポップソングが描けるのは素晴らしい。シンフォニック度合いが大げさになり過ぎずポップに徹し、上に昇っていく様なストリングスアレンジが印象的。特に後半のベースラインの躍動感はゾクゾクとするものがあります。コーラスワークも魅力深い複雑さを聴かせてアニメソングの枠では納めておくにもったいない位の出来。
 でも、この手の凝ったプロダクションのポップソングはロック(といわれるもの)主導の音楽界の中、アニメ主題歌でなければ地味な存在へと追いやられてしまうのが現状。

 日本のアニメソング(タイアップ楽曲除く)のポップ度合いと音楽性の高さは相当なレベルで、ミュージシャン、アーティストの自由な裁量が相当認められている分、面白い作品が沢山出て来る。僕の様な人間にはとっても嬉しい。
シンフォニックなアニメソング名曲選(私撰)ではダンバインのOP/ED、天空のエスカフローネOPと同列に語られる名曲。アニメ枠に縛られなくても、日本的なソフトロック?オーケストラポップとして愛聴されていくべき曲だと思います。