GARDEN SHED
(枯葉が落ちる庭園)

ENGLAND

1977年 イギリス

1. 狂気に満ちた夜 MIDNIGHT MADNESS
2. ひとりきり ALL ALONE (INTRODUCING)
3. 三編の組曲 THREE PIECE SUITE
4. パラフィナレア PARAFFINALEA
5. イエロー YELLOW
6. 毒された青春期 POISOND YOUTH

(BONUS TRACK)
7. ナナグラム NANAGRAM
(「THE LAST OF JUBBLIES」では「NANOGRAM」表記)


未発表曲集
THE LAST OF THE JUBBLIES

1. CREEPIN INSTRUMENTAL
2. A ONE-LEGGED DAY TALE
3. SAUSAGE PIE
4. TOOTING BEC RAPE CASE
5. MISTER MEENER
6. NANOGRAM

 

 英国における1977年という時代が彼らの評価を不当にしました。今僕らのこの作品に対する評価はまさに超A級(言い過ぎか?)なのですが、前述の時代において英国のプログレシーンはまさに熟し過ぎ、パンクシーンも勃興してこれだけの作品にもかかかわらず話題にもならずにこの作品一枚限りで消えてしまいました。
 しかしその事が伝説のグループとして長きに渡り伝え、聴かれ継がれる元になるのですから世の中皮肉なものです、といっても一部の間ですけどね。その一部の大部分が日本のリスナーなんじゃないかなぁ?その伝説が今回のCD化によって開帳されました
 1988年にはレコード起こしのCDも作られました。僕はそれを持ってるのですが、これでやっとジリパチを気にせず(CDなのにね、発売当初買った時にはビックリしましたね、機械の故障かと思いましたもん)聴けます。韓国のレーベルからも再発されたのですが、ジリパチ入りに 愛着があって聴く時はもっぱらそっちを聴いてました。(1995年には未発表曲集「THE LAST OF JUBBLIES」なるものも出ています。未発表曲集ながら曲も割と良く、音も悪くありません。アレンジ面は…まぁ未発表曲集ですからねぇ。)
 今回は原盤会社からのマスター起こしのリマスタリングということで「これでやっと…」って感じなのですが、何故か邦題が無い!てなわけで、邦題載せておきます。
 
「プログレ同好会」とは僕の友人の弁。確かにイエスやジェネシスの影響バシバシな音作り、特にドラムのスネアのチューニングがビル・ブラッフォードまんま(笑)。ベースのゴリッてるところもクリス・スクワイアっぽかったりします。プログレといわれるスタイルへの愛情がとってもこもった楽曲作り。
 こう書いちゃうとただのフォロアーっぽくオリジナリティがない様にも思えちゃうんですけど、そこで終わっていないのが彼らの凄い所で、影響下にありながらも曲展開や楽器の配置も上手く消化して独自のモノを築き上げています、特にキーボード、メロトロンの使い方は一聴に値するところでしょう。(メロトロンファン必聴!)
 そして何といっても重要なのはメロディが起ってるというか、イイんですよ。作曲者が才能のあるメロディメイカーだからこそ歌唱・各楽器共に良く歌えるんですね。再終曲の大曲(16分23秒)を聴いてもメロディが頭の中にしっかりと残ります。
 今回の紙ジャケCD化で初めて解った歌詞を見ても、プログレの「難解」イメージからは遠く、美しい叙情性溢れる物語が綴られていて、親しみやすさが湧いてきます。
 以上の事から彼らは「イングランド」なんです。けっしてフォロアー奈度では無く彼ら独自の音を出し、曲を作っています。それらの事が彼らを伝説で埋もれさせるには惜しいと皆がリスペクトした理由なのでしょう。これだけの音は好事家(僕もか?)だけの耳に留めていては残念ですもんね。プログレというジャンルに偏見を持っておられる方はぜひ聴いてみて下さい。