イントロのシンフォニックかつアグレッシブなストリングスとブラスのアレンジに心躍動せずにはいられないであろう、ジグソーが1975年に放った大名曲。
曲ほどにグループ名が知られていず、この曲を聴くと日本人的には「仮面貴族ミル・マスカラス」のテーマとの認識(あ…今の若い人は違うか…)であると思います。元々は豪・香港合作映画「THE
MAN FROM HONG KONG)(邦題スカイ・ハイ)の同名タイトル曲で、その際はビルボードのチャート3位まで行きました。
曲も素晴らしいのですが、何といっても一度聴いたらもう虜にしかならない様なアレンジの妙が僕にとってはドツボです。なにせビートルズ「LET
IT BE」の「THE LONG AND WINDING ROAD」やパイロットのストリングスアレンジ、現在再評価著しい(?)御自身のバンド、RAH
BANDのリチャード・アンソニー・ヒューソン先生(名前の英字頭文字を取るとまぁ、不思議。バンド名に早変わり)が担当ですよ、悪い訳ありません。
しかしながらこの曲がバンドの方向性を決定付けちゃった感も。他にも良い曲あるんですけどね、どうにも動きを縛られちゃったのもまた事実の様です。 本来はビートルズ〜ポール・マッカートニーのポップ系譜に位置する愛すべき英国B級(失礼!)ポップバンドで米国のバンド、ラズベリーズのリズムセクションを弱くした様な感じといえば分かりやすいかな?(全然解らないとの噂あり)
で、ここだけで終わっちゃうと当studio SUBLUNARYが紹介した意味がありません。ここからはこの曲が放った余波についてちょっと。
前述の「動きを縛られちゃった」っていうのは、その後の曲に表れていまして、現在流通しているベスト盤でなく上記画像の旧ベスト盤を御紹介した理由はその後の「どう考えてもこれって…」って曲が2曲(9曲目と10曲目)入っているからです。
9曲目はまさに「スカイ・ハイ」のアレンジにさらなる拍車をかけたダイナミックなストリングスとブラスでとても好感が持てます。所謂2番煎じの類いには入るのでしょうが、勢いに乗ってるんだからそれを利用しない手はありません。音楽の世界では往々にしてあることですよね。松村和子の「帰ってこいよ」の次の曲でも同じ様な感じだったしね。(例が悪いか?)
10曲目は「スカイ・ハイそのまんま」。いいですねぇ!こういうの大好きです。作者本人達はどう思っているのか知りませんが、僕的には大歓迎(また始まったとの声多数)です。タイトルを見れば解る様に今度は「空高く」ではなく「宇宙への旅」ですよ、あのメロディに今度は時代を感じさせるシンセサイザーの音が!あ〜!たまらない(笑)。
そしてこれだけでは終わりません、ジャンボ鶴田本人歌唱の大名曲「ローリング・ドリーマー」(作詞:喜多條忠/作曲:川口真/編曲:伊勢谷丈二)のイントロにもその余波が!
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このジャケは歌なしインスト版 |
現在歌唱版はこちら
「プロレス紅白」
で聴けます |
ちなみにこの曲はそんなイントロ抜きにして大名曲。まぁ、イントロは後付けで曲自体は全く別物ですし。
このラテン風味をちょっとプラスしたプロレス歌謡ロックは後生に歌い次がれるべき名曲。ジャンボ鶴田の人間味溢れる歌唱(音痴とか言っている訳で無し)と歌謡曲テイストの哀愁溢れる歌詞もまた魅力です。ぜひ一聴を。
まだまだ行くぞ最後の一曲!ジャッキー・チェン主演の映画「蛇鶴八拳」の日本版主題歌「蛇鶴八拳〜デンジャラス・アイズ〜」(作詞:GREGORY
STARR/作編曲:林哲司)はもう笑っちゃいます。
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日本公開時シングルジャケ |
現在歌唱版はこちら
「SONG FOR JACKIE CHAN」
で聴けます |
「スカイ・ハイ」全体をもったりさせて歌謡曲的哀愁メロを加えただけ、一聴して「パクり」と解る大名(迷)曲。林哲司、いいのか、おい(笑)。
こんな曲も出来ちゃうんだから、それだけ大本は名曲だと言うことではないでしょうか?ちょっと強引かな。
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