処女的衝撃
作詞/三浦徳子 作曲/井上大輔 編曲/水谷公夫

Zokkon命
作詞/森雪之丞 作・編曲/水谷龍緒

シブがき隊

1983年 日本



 ハードロック歌謡(と言われているジャンル)の名作中の名作。「100%…SOかもね」あたりからサウンドにハードさが目立つ感じになってきていたのですが、その路線をさらに突き進めたのがこの2作。

 処女的衝撃!(「ヴァージンショック!」なんて素晴らしいタイトル!!)は丸っきりリッチー・ブラックモアなギターが炸裂。特に間奏部分のソロパートとエンディング部分はもう!って感じです。
 Zokkon命(「ぞっこんラブ」これもまた素晴らしいタイトル!!)はイントロがナイトレンジャーのある曲のパクリっぽいアレンジらしい(未聴)です。これもまた素晴らしいハードロック歌謡でギターが唸る唸る、ドラムのノリもハードロックです。
 どちらもギターはFENCE OF DEFENCEのギタリストの北島健二。同じビーイング系列のギタリストB'Zの松本と双璧っぽいハードロックギタリストなのですが、売れるバンドにいるのといないのとではこれだけ知名度が違います。でも僕のレコードコレクション的には松本の知名度皆無だったんですけどね、ハハハ…。
 そしてこの2曲に絡んでいる水谷公夫(龍緒)は日本ロック黎明期の名ギタリストで、彼の絡む歌謡曲作品ってなんか妙にかっこいいギターが入ってる曲が多いんですよね。
 ちなみにZokkon命のB面「ヴァージンショック」(作詞/三浦徳子 作曲/井上大輔 編曲/馬飼野康二)も全編に渡ってギターバリバリでカッコいいです。
 
 歌詞に関しては… 何も言いません。タイトルからも想像出来ますように、この当時の中高生の「ヤリたい」衝動とでも言えばよろしいでしょうか、そっちの方の初期衝動全開です。
 実際の所、洋邦のハードロックも多くはそんな衝動を表現する曲ばっかであるので…。まぁ、そんな高尚に捕らえるようなもんじゃありません。
 スナック菓子・菓子パンをむさぼり食い、連れ立って自転車でどこへでも出かけ、たまの都会(この時代は原宿がメインですかね)は男同士で行き、そこでナンパをしたくても「お前行けよ!」「いや、お前行けよ!」という会話をするだけでナンパが出来ない、そんな平凡な東京、もしくは地方都市近郊の中高生達が夢に見る、多分にヤンキー属性の入った男性上位的な女性との愛のカタチが歌われています。でも曲を聴いて熱狂しているのはそんな男性を夢見ていない、シブがき隊の3名を夢見る女性ファンなんですよね(笑)。

 余談ですが、時代のせいでしょうか、このところのジャニーズ歌謡には見る事の出来ない世界なんですよね、この手のライン。
 最近のジャニーズ歌謡はどうも「スカシた」感じの歌詞ばっかで面白くありません、というより嫌いです。「世界にひとつだけの〜」とかキンキの最近の曲等、どれを聴いても歌詞がスカシてます。 また、一時期、特にスポーツイベントがある時、妙に「日本」を意識させる様なプチライト右翼っぽい時期もありましたね。(こっちの方が僕は面白かったです)
 そんな中唯一、タッキー&翼が従来のジャニーズ路線(ゴージャスな少年隊路線。これもまたジャニーズの王道)を継承してるかなってところですか。セカンドシングル「夢物語」なんかもろに少年隊路線。でも収録されているお互いのソロはやっぱスカシてます。従来路線復活大希望!


「夢物語」
作詞・作曲/羽場仁志 編曲阿部潤