Angband は、UNIX 用の「ローグ」(Rogue)というゲームを拡張した「モリア」(Moria)から派生した、一人用の文字ベースのダンジョン・シミュレータです。 ルック&フィール(見た目や操作感)がローグに似ていることから、よく「ローグライク」(roguelike)ゲームの一つと説明されます。
Angband の特徴は、Moria に比べて多くの拡張が施されていることです。 例えば、ユニーク・モンスター、伝説のアイテム(アーティファクト)、モンスターの巣(ピット)や地下室(バルト)などです。 新しいモンスターやアイテムの多くは J.R.R.トールキン の著作から取り入れられましたが、ほかにも古典神話、ダンジョンズ&ドラゴンズ やロールマスターから取り入れられたモンスターや Angband の作者たちが作り出したオリジナルモンスターも存在します。
ゲームの最終的な目的は、キャラクターを成長させてダンジョンの地下 100 階に潜むモルゴスを打ち倒すことです。 モルゴスを倒すことができれば、「***勝利者***」という最高の称号を授けられ、その後キャラクターを引退させることも可能です。
Angband (アングバンド)はモルゴスの鉄の牢獄の呼び名です。
(訳注:日本では "angband" は「鉄獄」と訳されている。)
モルゴスは第一紀における「中つ国の暗黒の敵」です。 第一紀の終わりに、トールキンの世界における「唯一神」エルが創造したヴァラールによって退治されました。 そのため、第三紀を舞台とする指輪物語には登場しません。 指輪物語に登場するサウロンはモルゴスのもっとも強力なしもべでした。 中つ国の伝説についてより詳しくは、トールキンの「シルマリルの物語」を読んでください。
最も新しいバージョンの Angband は UNIX (Linux も含む、X Window に対応)、Acorn、Amiga、Macintosh、Power Macintosh、Mac OS X、Windows、DOS-8088、286、386 そして OS/2-386 で遊べます。 ほとんどのシステム用のコンパイル済みのバイナリ(実行ファイル)があります。 バージョン 2.7 からは、適切な C コンパイラをもったコンピュータへの移植がかなり簡単になりました。 詳しくはソースコードを見てください。
(訳注:日本語版AngbandのWindows用バイナリはhttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Bingo/8573/angband/zangbin.htmlにあります。)
(訳注:日本語版AngbandのMac用バイナリはhttp://www.boreas.dti.ne.jp/~xdd/ang/にあります。)
PocketPC用(以前はWindows CE)
<http://mirrors.mksecure.com/angbandce/>
PalmOS用ローグライクゲーム(PalmOS用の Angband はまだありません)
<http://roguelike-palm.sourceforge.net/>
Angband 3.0.3 が最新の安定したバージョンです。
(訳注:日本語版は JAngband 2.9.2-1.3.2 が最新です。)
この FAQ は両方(その1とその2)とも rec.games.roguelike.angband に隔週で投稿されます(その2は更新が保留されていますが)。 その1は公式の Usenet FAQ で、 rec.games.roguelike.announce、 rec.answers や news.answers にも投稿されます。
その1は公式の Usenet FAQ として次のところに保管されています。
<ftp://rtfm.mit.edu/pub/usenet/news.answers/games/roguelike/angband-faq>
<http://www.faqs.org/faqs/games/roguelike/angband-faq>
その1は次のFTPサイトでも手に入ります。
Robert Ruehlmann 氏 (rr9@angband.org) が Angband の現在のメンテナー(管理者)です。
(訳注:日本語版は現在管理されていない状態です。)
まずは、モリアの歴史を簡単に述べる必要があるでしょう。
モリアの最初のバージョンは 1983年 Robert Alan Koeneke と Jimmey Wayne Todd Jr によってVAX 上で作成されました。 そして 1987年に "Umoria" という名前で UNIX に移植され、以後、James E. Wilson が管理しています。
1990 年に、イギリスの Warwick 大学の学生であった Alex Cutler と Andy Astrand が Umoria 5.2.1 をベースとしてトールキンの世界を背景としたゲームを作成し、ここに Angband が誕生しました。 彼らはトールキンの世界を維持し充実させつつ、ゲームを拡張していきました。 オリジナルからの変更点としては、ユニーク・モンスターや伝説のアイテム(アーティファクト)などの新しいモンスターやアイテム、階の雰囲気、アイテムの感じ、始動コマンド、特別な部屋(ピット、バルト)、の追加などがありました。 こうして誕生した、大きく変更されたモリアは、一般に公開されず、単にモリアのローカル版として Warwick 大学の UNIX システム上のみで動作していました。 その後の改良によって、公開された UNIX コードには "Angband 2.4.Frog-knows" という変わったバージョン番号がつけられていました。
現在までに、Sean Marsh, Geoff Hill, Charles Teague, Charles Swiger といったさまざまな人々がさまざまな変更を Angband に行いました。 前メンテナーの Ben Harrison は、バージョン 2.7.0 のリリース開始から数年にわたってコードを広範囲に整理しました。
より詳細な歴史については、ヘルプファイル "version.txt" を見てください。
いくつかの方法で Angband を入手できます。
最も一般的な方法は、(2b) や (2c) で紹介されている FTP または WWW サイトからダウンロードすることです。
UNIX / Linux 以外のほとんどの機種・OS用には既にコンパイルされた実行ファイルが用意されています(実行するためには圧縮された書庫ファイルを解凍する必要があります)。また、ソースコードをダウンロードすることができます。自分でコンパイルする場合は(3d)を見てください。
CVS経由で Angband を入手することもできます。
CVSの使用法に関しては、(9j)を見てください。
Debian GNU/Linuxシステムならば、"angband" パッケージは non-free セクションにあります。
Angband は、多くのフリーのゲームを収録した CD-ROM として販売されることがあります。
この配布の方法は厳密にはライセンスに沿っていませんが、たいしたことではありません。
詳しくは、(11c)を見てください。
Angband の FTP サイトがいくつか存在します。 これらの FTP サイトには、Webブラウザの FTP 機能ではアクセスできないかもしれません。 もしうまくいかない場合は、ブラウザの FTP が passive モードに対応しているか確認するか、もしくはブラウザ以外の FTP クライアントを使用してください。 FTP の使い方は、「Roguelike Games FAQ」 <http://www.faqs.org/faqs/games/roguelike/info-ftp/index.html> を読んでください。 これは毎週 rec.games.roguelike.misc に投稿されます。
多くの Angband の WWW サイトが存在します。 特定のバリアント(変種)や特定の機種・OS用についてのサイトがあります。
ゲームプレイの情報源は、Chris Weisiger による「The Angband Newbie Guide (略してTANG)」(Angband 初心者ガイド) から得られます。
TANGは、オンランヘルプ、あるいは<http://www.thangorodrim.net/TANG/index.html>から利用できます。
(訳注:初心者ガイドの日本語訳はhttp://www.ceres.dti.ne.jp/%7Easaitoh/roguelike/zangband/guide.htmlにあります。)
配布されたアーカイブを解凍するときに「PKUNZIP」プログラムを用いる場合は、「lib」以下のサブディレクトリが作成されるように '-d' オプションを使うか、後でサブディレクトリを自分で作成してください。
「WinZip」プログラムで解凍する場合は不要です。
Linux または UNIX では、「unzip」のコマンドラインオプションに '-aL' オプションを使用して、テキストファイルが UNIX の (LF) 改行フォーマットに変換されるようにします。
(訳注:解凍ソフトはWindowsではLhasaや解凍レンジがおすすめです。)
(訳注:解凍ソフトはMacではStuffIt Expanderがおすすめです。)
3b. 古いバージョンのセーブファイルや別の種類のコンピュータのセーブファイルを使うには?
最新バージョンの Angband では、バージョン 2.9.0 以降のセーブファイルのみ使えます。 2.9.0 よりも前のバージョンのセーブファイルや、MacAngband 1.0 - 2.0.3、PC Angband 1.4 のセーブファイルを使用する場合はいったん Angband 2.9.3 で読み込み保存し直してから Angband 3.0.3 で使用してください。 ただし、古いバージョンのセーブファイルでは情報がいくらか失われます。(たとえば、2.7.8 以前のセーブファイルではモンスターやアイテムの記憶が失われます。)
セーブファイル自体はコンピュータの種類に依存しません。
FTP を使うときは「バイナリ」モードで転送してください。
Macintosh で適切な type ('SAVE') と creator ('A271') が欠けているセーブファイルを読み込むには、Import... メニューを用いてください。
(訳注:日本語版では「取り込む...」メニューです。)
パッチは、Angband ゲームへの変更・修正です。 ゲームプレイを便利にしたり、新しい要素を追加したりします。 パッチの多くは Thangorodrim から入手できます。 <http://www.thangorodrim.net/development/patches.html>
パッチをインストールする方法は、パッチによります。 例えば、LUA パッチは「lib/script」にいくつかのファイルを置くだけです。 多くの他のパッチは、再コンパイルが必要です。 再コンパイルが必要なパッチについては、パッチを当てられたコンパイル済みのバージョンが提供されることもあります。 多数のパッチを適用したければ、もちろん自分自身で Angband をコンパイルしなければならないでしょう。
Angband をコンパイルするには、C コンパイラと Angband のソースが必要です。
ソースは (9a) の FTP サイトから入手可能です。
多くの UNIX システム(Linux も含みます)には C コンパイラ(cc や gcc)が付属しています。
Windows では, 商用のCコンパイラを購入するかフリーのCコンパイラをダウンロードする必要があります。
商用のコンパイラには Microsoft Visual C++ や Borland C++ が、フリーのものは DJGPP (DOS版の Angband 作成のみ) や Cygwin があります。
Macintosh では、商用の C コンパイラの Metrowerks Codewarrior (最新バージョンの Angband をコンパイルするには バージョン5以降が必要)があります。他には Apple から Macintosh Programmer's Workshop を無償で入手できます(ただし最近のバージョンでは検証されていません)。
用意ができたら、ソースの "./src" ディレクトリに行き、システムに合った "makefile.???" (??? は Mac なら mac、Amiga なら ami 等)と config.h (compile-time オプションの設定)を編集します。 UNIX システムなら、"./configure" をタイプして autoconf を使います。 "make" コマンドやコンパイラのメニューなどからコンパイルします。
上記は一般的な説明です。 コンパイルに関する詳細については、Thangorodrim を見てください。 <http://www.thangorodrim.net/compiling.html>
すべてのキャラクターは種族と職業に応じてステータスが修正されます (ハーフトロルには「知能」が引かれるペナルティーがあり、プリーストには「賢さ」が加えられるボーナスがある、などなど)。 最大化モードかどうかで、この修正がキャラクターの実際のステータスにどのように反映されるかが変わります。 キャラクタ作成に影響することなので、最大化モードにするかどうかはキャラクタを作成する前に決めなければなりません。
具体例として、ハイエルフのメイジを考えます。 ハイエルフのメイジは種族と職業をあわせて「知能」に "+6" のボーナスがあります。説明のために、ルーレットの結果、知能が "17" になったとします(これは修正前としては最も高い値です)。
最大化モードでない場合、"+6" のボーナスは、あたかもキャラクターが知能の薬を 6 服 飲んだかのように扱われます。 この場合の有利な点は、"18" を超えるステータスに対して、それぞれの"薬"によるボーナスが、 100分の10 以上になることがあるため、スタート時の知能がおよそ 18/70 になることです。 不利な点は、この 18/70 がキャラクターの知能の基本値となり、能力を上げるアイテムを装備していないときの知能を 18/100 までしか上げられないことです。
最大化モードを選んだ場合、"+6" のボーナスは、あたかもキャラクターが「知能の指輪 (+6)」 を飲み込んだかのように扱われます。この場合の不利な点は、スタート時の知能が 18/50 (17 プラス "指輪"ボーナス +6) を超えることができないことです。有利な点は、有効な知能が 18/50 にもかかわらず知能の基本値はたった 17 ということです。知能の基本値を 18/100 まで上げれば、 能力を上昇させるアイテムを装備しなくても、有効な知能は 18/160 まで上がります!
反対に、ハイエルフのメイジは、腕力に "-4" のペナルティーがあります。最大化モードでない場合、 脆弱の薬を 4 服 飲んだかのように扱われますが、ゲーム中に 18/100 まで上げることが可能です。 最大化モードの場合、体の脆弱さ (-4) によって、能力を上昇させるアイテムの装備無しでは、 有効な腕力は 18/60 (基本値 18/100 プラス ペナルティー -4) までしか上がりません。
まとめると、最大化モードでない場合、キャラクターはスタート時により高いステータス が得られ、すべてのステータスは 18/100 が上限となります。一般に、ゲームの序盤がやさしくなります。 一方最大化モードを選んだ場合、スタート時のステータスは高くなりませんが、メインのステータスの上限は 18/100 を超え、 弱いステータスの上限は 18/100 以下になります。一般に、ゲームの終盤がすこしやさしくなります。
[Contributed by Scott Bigham]
保存モードを選択していないキャラクターは、階の「特別な」雰囲気を感じることがあります。 「特別な」雰囲気はその階にモンスターの巣(ピット)や地下室(バルト)、伝説のアイテム(アーティファクト)が存在することを意味します。 プレイヤーがその階を去ると落ちていた伝説のアイテム(アーティファクト)は永久に失われます。
保存モードを選択して作成したキャラクターでは、階の「特別な」雰囲気を感じません。 しかし、鑑定されていない伝説のアイテム(アーティファクト)を一度取り逃しても、失われることなく後でまた出現します。
階の雰囲気についての詳細は (5f) と (5g) を見てください。
[Contributed by Chris Kern]
キャラクターの性別・種族・職業を選択すると、ステータスが生成されます。 初期オプション(4d)の設定によりステータス設定の方法が変わります。
初期オプションは、キャラクターを作成するときにのみ変更できる(5a)ゲームオプションです。 キャラクターの作成時にオプションを変更するか尋ねられ、このときのみ初期オプションを変更できます。 いくつかのバリアント(変種)ではキャラクター作成時の間に "=" キーを押すと初期オプション変更画面になります。 初期オプションの詳細は、(4a)「最大化モード」、(4b)「保存モード」(7b)鉄人、(4c)ステータスの最小値を設定(オートローラー)・ポイントによるステータス設定、(5e)「詐欺オプション」を見てください。
5a. ゲームオプションを設定するには? オプションの意味は?
"=" コマンドでオプション設定画面になります。 それぞれのゲームオプションがどのような意味を持っているかは、"?" コマンドのヘルプメニュー「オプションの一覧」を見てください。 オプション設定メニューでヘルプコマンドを入力すると、現在選択しているオプションのヘルプが表示されます。
5b. 「店で値切り交渉をしない」オプションを 'YES' にするとアイテムの値段はどうなるの?
「店で値切り交渉をしない」オプションを 'YES' にするとすべての価格は、値切り交渉で達成できる 「ベスト」の値にさらに 10 %の「消費税」を加えた値になります。 そもそも値切り交渉が必要でないとき (アイテムが非常に安価か非常に高価な場合や店主が値切り交渉の腕を認めている場合など) は、税がかかりません。 そのため、一般には、店主と時間をかけて値切り交渉をした方が、よりうまい取り引きができます。
店主が変わるまでには非常に長い時間がかかります。辛抱強く待ってください。 店主が変わるときには、すべてのアイテムが値引きされ(10〜90%割り引き)、前の店主との交渉の履歴などがリセットされます。
店主が変わると、さまざまな理由でアイテムの価格が変わります。 店主は 1つのアイテムに対して 「商品一覧」の先頭行に示された値(店主により5000〜30000)以上支払うことはありません。
「階の雰囲気自動選り好み」オプションを 'YES' にすると、「良い」とみなされる階になるまでダンジョン生成をやり直します。 深い階層では判定基準が厳しくなり、「より良い」ダンジョンが生成されるようになります。 階の雰囲気の詳細については (5f) を見てください。
保存モードではない場合、「特別な」階になったら繰り返しを中断します。
「詐欺オプション」のいずれかを 'YES' にするとセーブファイルに「詐欺師」のマークがつけられ、そのキャラクターがハイスコアリストにのることができなくなります。 オプションはそれぞれ何らかの方法でゲームを簡単にします。
"xxx の生成をのぞき見る" オプションを 'YES' にすると、それに関連する「重要な」ことがおきたときに、メッセージが表示されます。 "その他の事をのぞき見る" オプションを 'YES' にすると、店の変化も含め、変化が起きたときにメッセージが表示されます。
"完全なモンスターの思い出を知る" オプションを 'YES' にすると、全てのモンスターに関する完全な情報を得ることができます。
"死を回避することを可能にする" オプションを 'YES' にすると、キャラクターが死亡したときに "死を回避する" ことができます。 キャラクターは完全に回復して即座に町にテレポートします。
そのメッセージは「階の雰囲気」として知られ、その階の全体的な評価を示しています。 階の雰囲気を感じることができるのは、前の階に十分長くいたときだけで、そうでなければ「この階の雰囲気を感じとれなかった...」というメッセージになります。 「十分長く」とは、1000 ゲームターンです。 通常のスピードのキャラクターでは、1000 ゲームターンは 100 プレイヤーターンに相当します。 多くの人は、探索する価値があるがあるのは「良い感じ」、「とても良い感じ」、「素晴らしい感じ」、「この上なく素晴らしい感じ」そして「何か特別なものがあるような気がする」という雰囲気のする階だけと考えていますが、もちろんいろいろな意見があります。
階の「評価」に影響を与えるのは、価値のあるアイテム、伝説のアイテム(アーティファクト)、モンスターの巣(ピット)、地下室(バルト)、本来もっと深い階層に存在するはずのモンスター・呪われていないアイテムです。これらすべてが考慮されてその階の「雰囲気」が決まります。
「特別」な雰囲気は、その階が生成されたときに、伝説のアイテム(アーティファクト)かモンスターの巣(ピット)、地下室(バルト)を含んでいる場合だけ感じます。 より深い階層では、モンスターの巣(ピット)、地下室(バルト)によって「特別」な雰囲気を感じる可能性は低くなります。 詳しくはスポイラー "dungeon.spo" を見てください。 保存モードでプレイしているときは「特別」な雰囲気を感じることはありません。
デフォルトのマクロを使用すると、武器の持ち替えは簡単になります。 '{' コマンドでメインの武器に "@1@0" 予備の武器に "@2@0" と銘を刻みます。 すると、'X' コマンドで 2つの武器の持ち替えができるようになります。 また、'w1' 'w2' のように、数字で指定して、それぞれメインおよび予備の武器を装備することもできます。
重くて動きにくい防具を身につけていることによる、命中率に対するペナルティーを表しています。 もし鑑定されていなければこの値は表示されませんが、実際にはペナルティーの効果が現れます。
5j. 「学習」と表示されているのに新しい呪文を学べないのはなぜ?
キャラクターは学ぶことができる呪文(または祈り)の存在するより高度な呪文書(または祈祷書)を必要としています。 詳しくは (11a) を見てください。
このゲーム世界の中では、「ゲームターン」と呼ばれる単位で時間が流れていきます。 そして、「ゲームターン」ごとにすべてのモンスターやキャラクターはその「速度」値に応じた「エネルギー」ポイントを得ます。 エネルギーポイントが 100 以上貯まると、移動や攻撃や休息などエネルギーポイントを消費する行動を行うことができます。 「速度」値が高いほど、たくさんの「エネルギー」ポイントが得られるため、ある一定の「ゲームターン」数の間により多く行動することができます。
「標準」の速度値は 110 で、このときゲームターンごとにエネルギーポイントを 10 得て、10 ゲームターンごとに行動を行えます。 110 より小さな速度値では、ゲームターンごとのエネルギーポイントは 1 から 9 の間になります。 110 より大きな速度値では、ゲームターンごとのエネルギーポイントは 11 から 49 の間になります。 ゲームターンごとに得られるエネルギーポイントは、速度値から 110 を引いた値に近いものになりますが、実際の計算式はより漸近的です。 キャラクターの速度値が標準の 110 と異なるとき、標準との差が "減速 (-N)" または "加速 (+N)" と画面に表示されます。
速度の効果は戦闘のときに顕著に現れますが、食べ物の消化速度 (極めて加速されたキャラクターは飢死しないように注意しなければなりません) や次の階で雰囲気を感じるために必要な「プレイヤーターン」数にも影響があります。
自動的に拾い上げたいアイテムに "=g" という銘を刻みましょう(銘を刻むコマンドは "{" です)。 "=g" という銘が刻まれたアイテムのある場所に移動するだけで拾い上げるようになります。 他の便利な銘(シャベルで戦うことを止める等)については、「the Really Quick Guide to Magic Inscriptions」を見てください。 <http://www.fragment.com/~jl8e/angband/inscriptions.html>
ヘルプの "playing.txt" にマクロに関する記述があるので目を通してください。 マクロの保存先はセーブファイルではなく、ユーザー設定ファイルなので、新しいマクロを作成した時、ユーザー設定ファイルに保存せずにゲームを終えるとそのマクロは失われます。
Angband では、キャラクターをロードしたときにいくつかのユーザー設定ファイルが自動的に読み込まれます。
たとえば Macintosh 上のグラフィックモードで「Fearless」という名前のキャラクターのとき、ユーザー設定ファイル "pref.prf", "graf.prf", "user.prf", そして "Fearless.prf" が自動的に読み込まれ、さらにそれらの設定ファイルから "pref-mac.prf", "graf-mac.prf", "graf-xxx.prf", そして "user-mac.prf" が読み込まれます。
この例では、新しいマクロは "user-mac.prf" または "Fearless.prf" に保存すべきです。
(訳注:これらのファイルは lib/user ディレクトリにあります。)
マクロの詳細は「the Angband Macro FAQ」を見てください。 <http://www.thangorodrim.net/help/macrofaq.txt>
'@' コマンドの "(2) ファイルにマクロを追加" を選択すると、すべてのマクロをユーザー設定ファイルに保存します。 今のところ、新規に追加したマクロだけを保存する方法はありません。 マルチユーザ・システムを使用しているのなら、prefファイルはすべて "~/.angband/Angband" に、そうでなければ "lib/user" に保存されます。
アングバンドでは、キャラクターが死亡したとき、他の多くのローグライクゲームと同じように、ゲームが終わります。 キャラクターが獲得したモンスターの思い出は残りますが、再びはじめからスタートしなければなりません。 これは、死亡したときにセーブファイルからもう一度やり直せる多くのコンピュータ RPG ゲームとは対照的です。 アングバンドはこの点で多くの商用ゲームと異なりますが、この問題を回避するのは難しくありません。
あらかじめセーブファイルをコピーしておき、不幸にもキャラクターが死亡したとき、そのコピーをオリジナルと同じ場所に戻し、ゲームを再開するのです。
ほとんどの人が始めはセーブファイルのバックアップを使用しているのですが、死亡する頻度が低くなったらバックアップを使うのを止めるべきかもしれません。 その方が、プレイの経験がより実り多いものになるでしょう。 もちろんセーブファイルのバックアップを禁止するわけではありません。 実際、多くの人がバックアップを利用しているのですから。 ゲームを楽しむ限り、他人にとやかく言われる問題ではありません。 しかし ニュースグループ に*勝利*の投稿をする場合は、セーブファイルをバックアップしたことを記すべきです。
コンパイルする時のいろいろなオプションによって、セーブファイルのバックアップを防止するような対策を講じることもできますが、これらはほとんど UNIX 版のみで有効です。
主に伝説のアイテムを含む階を生成するため、階段を上下するテクニックがあります。 「特別ではない階」で必要なターンだけ階段のまわりをうろつき、そして階段を下って (上って) 新しい階を生成させるのです。もし新しい階が「特別」でなければ、また同じことを行います。
このテクニックは、欲しいアイテムが店にないときに、10000 ゲームターン(通常の速度で 1000 プレイヤーターン)ごとのアイテムの入れ替えを無理矢理行わせることにも応用されます。 これは "town scumming" として知られています。
問題としては、最初のほうがより深刻です。
ニュースグループにおいても、この種のいかさまをどうやって制限するかについて活発に議論されてきました。 この問題は「この種のいかさまをするべきではない」とプレイヤーが考えるかどうかの問題でもあるので、今後も未解決のまま残るでしょう。
良いアイテムを落とす可能性のあるモンスターなどをクローンしてアイテムや経験値を得ようとすることも含みます。 古代ドラゴン、ワイアーム、ドルジなどが効果的ですが、モンスターの力を考えると危険かもしれません。 「イモムシ増殖」も、低いレベルで手っ取り早く経験値を稼ぐ簡単な (かつ退屈な) 方法として知られています。
「ゴルフボール」トリックを説明しましょう(ゴルフボールはマクロを制御するキーに置きます)。これで「イモムシ増殖」実行するマクロが繰り返されます。この方法の詳細については、「the Angband Macro FAQ」を見てください。 <http://www.thangorodrim.net/help/macrofaq.txt>
最後に、ブラックマーケットでスピードの指輪を購入するお金が足りない場合、町の人々を殺して(少ない)お金を拾う "townperson scumming" があります。町の人々のうち何人かは、レベルの低いキャラクターには危険またはお金をあまり落とさないので、この種のスカミングは高レベルで行うか忍耐強く行いましょう。
低いレベルのキャラクターにとって、モンスターの召喚やチェンジ・モンスターは、手におえないモンスターが出現することがあり、危険です。 ダンジョンの深い階層での召喚は、モンスターの寝込みを襲うという戦略がとれない分、どんなキャラクターにも危険です。
このニュースグループは、ゲームの開発とプレイに関する議論をサポートするという 2つの役割を果たしてします。
もし、ゲームのためのプログラムコードを書いたなら、(ごく短いものを除いて)直接投稿せずに、 FTP サイトにアップしてそこへのポインタを示してください。
アングバンドは現在も開発が続けられており、ニュースグループも活況です。
(訳注:もちろん、「rec.games.roguelike.angband」はすべて英語です。)
(訳注:日本語のニュースグループは「fj.rec.games.roguelike」です。こちらは閑散としていますが…。)
一般的な略語:
C?W - 軽傷の治癒/重傷の治癒/致命傷の治癒 (Cure (Light/Serious/Critical) Wounds)
DSM - ドラゴン・スケイルメイル (Dragon Scale Mail)
FA - 麻痺知らず (Free Action)
GCV - 巨大な格子状のバルト(Greater Checkerboard Vault)
GoI - 無傷の球 (Globe of Invulnerability
HA - 聖戦者 (Holy Avenger)
OoD - 吸収のオーブ (Orb of Draining)
OOD - 通常は現在の深さの階層に存在しないもの (Out Of Depth)
PDSM - パワードラゴン・スケイルメイル (Power Dragon Scale Mail)
Phial - ガラドリエルの玻璃瓶 (Phial of Galadriel)
RGRA - rec.games.roguelike.angband
RLL - 生命力復活の薬 (Potion of Restore Life Levels)
RNG - 乱数発生ルーチン(Random Number Generator/Random Number God)
RoS - スピードの指輪 (Ring of Speed)
WoR - 帰還の詔 (Word of Recall)
YAAD - かつてない腹立たしい死に方 (Yet Another Annoying Death)
YABWP - かつてないボーグ勝利者 (Yet Another Borg Winner Post / Yet Another Borg Winning Player)
YACD - かつてないキャラクターの詳細(ダンプ) (Yet Another Character Dump)
YAFM - かつてない面白いメッセージ (Yet Another Funny Message)
YASD - かつてない愚かな死に方 (Yet Another Stupid Death / Yet Another Silly Death)
YASM - かつてない愚かな移動/奇妙なメッセージ/ばかばかしいメッセージ (Yet Another Stupid Move / Yet Another Strange Message / Yet Another Silly Message)
YAWP - かつてない勝利者 (Yet Another Winning Player / Yet Another Winning Post)
技術的な事柄についての議論が多くても、質問をためらう必要はありません。 でも、質問の前には、この FAQ (と、"Part 2" の目次) を必ず見て、さらに最近の投稿にも目を通してください。 戦略に関する質問や、バグ報告、提案、ゲームに関する驚くべき話など歓迎されます。
人にヒントを与えるときには、それが正確な情報であるか確かめてください。 (あるいは、不正確かもしれないというコメントを付け加えてください。) スポイラーになるときは、それがわかるようにサブジェクトに "SPOILER" をつけてください。
「勝利」の投稿は、モルゴスを倒すという究極の目的を達成したことを自慢する場です。 「勝利」の投稿には、通常、装備の一覧、 'C' コマンドの画面と、とてつもない宝物を 発見したとか、九死に一生を得たといったプレイの山場についてまとめた簡単なコメントが含まれます。
どのバージョンの Angband であるか、セーブファイルのバックアップ、 詐欺オプション、ウィザードモードを使用したかについて述べておくとよいでしょう。 もし自分自身に制約を課して(たとえば伝説のアイテムを使用しないなど)勝利をおさめたなら そのことを書いておけば、より大きな栄光を得られるでしょう。
あなたの悲しい話を投稿する場です。ほかの人々が同情したり慰めてくれるかもしれませし、再び同じ罠に飛び込まないように助言してくれるかもしれません。 また、自分の経験がほかの人々の役に立つかもしれません。 短くまとめられた驚くべきストーリーは、人々から好意的な反応を受けるでしょう。
NetHack の雰囲気は Angband ほどシリアスではなく、まれに滑稽に見えることもあります。 もちろん、多くの人が両方のゲームを楽しんでいます。 Angband とは異なる背景の哲学が NetHack にはあるということです。
(訳注:NetHack もローグライクゲームのひとつです。)
(訳注:NetHack の日本語版は NetHack Portal からどうぞ。)
7g. シグネチャに変な記号を使ってる人がいるんだけど、あれって何?
Angband code をシグネチャにしている人がいます。 「The Angband code」は Geek code に似たもので、現在のキャラクターに関すること、プレイスタイルおよび Angband についての様々な様相、を記述しています。 「the Angband Code page」に Angband code の解説があります。 <http://www.harris.ukgateway.net/angband/code.html>
Angband code の例:
A(2.9.1) DS "Niehao" HEM L:41 DL:2200' A+ R- Sp w:Ringil(+20,+23) A L H- D- ?c f- PV+ s- TT? d- P++ M+ C? S- I+ So- B-- ac !GHB SQ? !RQ V?
Angband についてリアルタイムに語りたいのなら、「the WorldIRC network」の #angband に参加してください。
<http://www.worldirc.org/>.
いつでも世界中のアクティブな人達がいます。
チャンネルの infobot「Gandalf」(ガンダルフ) は、主なバリアントのアーティファクトスポイラー検索などいろいろな機能を持っています。There's also a stats page
<http://everything.vaevictus.net/index.pl?node_id=424>
and a gallery of some of the regulars
<http://angband.oook.cz/gallery/>.
(訳注:日本語の RogueLike 系 IRC チャンネルは #ぐりっどばぐ です。)
8a. Angband への良いアイディアを思いついたんだけど...
あなたが rgra で Angband に関するどのような提案をしても構いませんが、以前に何度も議論されたトピックが多くあります。 よって、投稿する前に <http://groups.google.com/> の rgra archives で、以前に議論されていないか検索してください。
また、Angband と Angband のバリアントはそれぞれ独特の特徴があり、個人的な意見の問題はどれが「正しい」ということはありません。 どのような場合でも、重要なのはそのバリアントのメンテナーの見解です。 したがって、バリアントのメンテナーが提案を拒んだ場合は、議論するよりも自分のバリアントを始めることを考えてください。
提案が採用されない理由は、Angband の本質を変更してしまうからかもしれません。 Angband は長い歴史を持っており、長年に渡ってある特徴が作られました。 いくつかの変更は、よりよいゲーム、Angband よりもよいゲームさえ作られるかもしれません。しかしそれは Angband でないゲームになるでしょう。 ある程度まで、バリアントはこれを提言するために存在します。しかし、それでもバリアントは Angband たる法則を厳守する傾向にあります。
これは、お金を盗む攻撃の脅威を減らします。
Omega には銀行があります。 NetHack では袋に入れたものは盗まれませんが、袋ごと盗まれることがあります!
(訳注:Omega もローグライクゲームのひとつです。)
アイテムのスロット数を増やすとか、「保存の鞄」などのアイテムを作ることが考えられています。
もし、アイテムをほぼ無制限に運べるようにしてしまうと、装備やアイテムの慎重な選択という、このゲームにとってきわめて重要な戦略部分を失わせてしまうため、無制限に運搬できるようにはならないでしょう。
8d. ほかのプレイヤーにアイテムを与えたり売ったりできるようにしよう
低いレベルのときにゲームがつまらなくなったり、希少価値の高いアイテムが手軽に手に入ったりする可能性が生じるかもしれません。 町に「質屋」をつくるというアイデアもあります。
NetHack では、「bone」ファイルに死亡したプレイヤーの装備が記録されるので、間接的にこのことができます。 「ローグライク FAQ」にはマルチ・プレイヤーのローグライクゲームのリストがあり、それらのゲームでは可能かもしれません。
8e. リアルタイムでマルチプレイヤーなアングバンドが欲しい!
ふたつのバリアントを紹介します。
MAngband
<http://www.mangband.org/>
バニラを元に作成されました。
ToMENet
<http://www.tomenet.net/>
バニラと ToME を元に作成されました。
これらの詳細は (10a) Angband Variants FAQ を見てください。
家の大きさの制限は Angband のゲームバランスの一部です。 家に何を置いていくか、何を持って行くかの選択をプレーヤーは強いられます。 町の中に博物館を建てる提案があります。良くないゴミアーティファクトなどを飾ることができるのです(博物館に納めたものは取り出すことは出来ません)。これを実現するパッチがニュースグループに投稿されたことがあります。
やはり、プレーヤーがたった2つの指輪しか装備できないのはゲームバランスのためです。 プレーヤーは現在の状況ではどれが最善か考えることを強いられます。また、10個の指輪を装備したプレーヤーは強力すぎます。
ToMEの憑依術師 (ToME の職業のひとつ)では、憑依している身体に依存しますがより多くの指輪を着用することが可能です。 ただし、指輪スロットが多い肉体は武器や防具を装備できない傾向にあります。
(訳注:ToME は Angband のバリアントのひとつです。)
これは Angband (と他の多くのローグライクゲーム) の約束事に反します: 「死んだらおしまい」。 しかしながら、ウィザードモードでプレイすると死を回避することができます。 代わりにハイスコアリストに載ることができなくなりますが。 (6a) save-scumming でこの制限を回避することもできるのですが、save-scum 機能がこのゲームに加えられる見込みはありません。
逆に言えば、Angband では死んだ後に保存していたセーブファイルをロードすることは難しくありません。 不便はありますが、ゲームの外で容易にバックアップを取ることができるのですから。 ADOM の場合はロードした後にセーブファイルが(ゲーム中にバックアップできないように)破壊されますが、(プログラムまたはコンピュータの)クラッシュによるキャラクターの消滅を防ぐためのセーブファイルバックアップユーティリティは数多く存在します。
(訳注:ADOM はローグライクゲームのひとつです。)
Angband ではモルゴスを倒すのに必要な経験値および装備を得るため多くのモンスターを倒さなければいけないのですが、制覇した階ではモンスターはあまり生成されません。 それに、全てのダンジョンを保存するには多くのメモリが必要になるため、まだ人々が使い続けているローエンドなシステム上で動かすことができなくなるでしょう。 ダンジョンレイアウトと変化を保存してはどうかと議論されましたが、結論は出ていません。
GSNband のように、ダンジョン保存を試みているバリアントもあります。 NetHack と ADOM もまたダンジョンを保存します。
8j. OAngband の戦闘システムは Angband にも欲しい
(少なくとも近い将来には)導入されないでしょう。 ゲーム全体にかかわる根本的な変更はバニラではなく、バリアントでなされるべきであるからです。 (このことは荒野、ランダムクエスト、新しい種族・職業、複数のダンジョンなどにも当てはまります)
[Contributed by Chris Kern]
最新バージョンのソースコードは anonymous FTP 経由で入手できます。
9b. どの程度ソースの改造や、改造したバージョンの公開ができますか?
ゲームコードを部分的に書き換えたり、それを公開することは、著作権表示をそのまま残し、適切なクレジットを表示し、いかなる利益をも得ない限りにおいては自由にできます。 ライセンスの詳細は (11c) を見てください。
9c. プログラマではない人がゲームをハックする簡単な方法は?
"lib/edit/*_info.txt" のファイルの書式を理解して、それらを編集して、対応する "lib/data/*_info.raw" ファイルを削除して(最近のバージョンでは削除する必要はありません)、ゲームを起動してください。 (訳注:日本語版では "lib/edit/*_info_j.txt" と "lib/data/*_info_j.raw"、または "lib/edit/jp/*_info.txt" と "lib/data/jp/*_info.raw" です。) 何をしているのか理解できない場合は、手をつけてはいけません。 警告します! これらのファイルは、「ソースコード」と同様に扱われるべきで、この意味が理解できない人は、これらのファイルの変更によってセーブファイルが異常になったり、予期しないクラッシュが起きたりするかもしれないことを了承してください。
この警告にびくびくしないでください。(全てではないにしても)ほとんどの "lib/edit/*.txt" ファイルは、ファイルのはじめにそのフォーマットについての解説がなされています。 各項目の数値の変更はゲームをだいなしにすることはないでしょう。 ただし、項目の順序やアイテムの内容を変更することは、まだ多数の決め打ちされている処理が存在するため、Angband 本体についての知識が必要です。
どのような場合でも、これからモルゴスと相対するキャラクターのセーブファイルをだいなしにしないためにも、元の "lib/edit/*.txt" ファイルを別に分けて(あるいはゲームの完全な別のコピーを用意して)管理するべきです。
ゲームを改造する別の方法は、LUA スクリプトを書くことです。 LUA とは、Angband (バージョン 3.0.0 以降)、ToME および ZAngband (最近の開発版) が内蔵している小さなスクリプト言語です。 バリアントにもよりますが、新しい種族・職業、アイテムや店を加えることができます。 この方法は LUA スクリプトの読解が容易であること以外は、上の "lib/edit/*.txt" ファイルを編集することと同様です。
LUA の主な利点は、実際に小さなプログラムを書くことができるということです。 例えば、新しい呪文を導入するとき、呪文の効果を他の呪文と組み合わせて定義すること、呪文書と呪文のコストを加えることが、LUA で完全にできるのです。 あるイベントを発生させるために LUA プログラムを実行させることも可能です。 LUA スクリプトは、Cを知らない人が以前よりも大規模にゲームをカスタマイズすることを可能にしました。
"lib/edit/*.txt" ファイルを「*_info.txt」ファイルと言います。
a_info.txt にはアーティファクト、r_info.txt にはモンスターの定義情報が書かれています。
現在のバージョンではそれぞれ artifact.txt、monster.txt などに変更されていますが、
この変更は最近のことなのでほとんどのバリアント(とニュースグループの人達)はまだこれらを *_info.txt ファイルと呼びます。
9e. C プログラミング方法を知りたい。Angband プログラミング入門はありませんか?
まずはここ
<http://www.thangorodrim.net/development/index.html>
"Angband coding style" は必見
<http://www.thangorodrim.net/development/coding_style.html>
そしてここ "The Caveman Guide to Angband Programming"
<http://www.thangorodrim.net/development/caveman-programming-guide.html>
これらのページは Angband コードの基本およびプログラミングスタイル入門があります。
これらを読んだならば、学習を始める最良の方法は自分の変更を加えることです! ウィザードモードでテストして(変更が正しくなされているかの確認のために)、バグを取ります。 洗濯してはすすぎを繰り返してください。 単純な変更から始め、コードがどのように働くか理解するまで、サブシステムを加えるまたは書き直すことはしないほうが良いでしょう。
できます。 LAngband <http://langband.org/> は Common Lisp で実装された Angband です。 現在は(不完全な)バニラプラグインだけですが、バリアントをプラグインで提供できるように設計されています。 また、新しい SDL ベースのインターフェースで、ASCII あるいはグラフィックタイルを表示できます。
デバッグコマンドは、プログラマー向けのデバッグツールとして使われるものです。 通常は機能が有効になっていますが、マルチユーザシステムではシステム管理者がスペース上の問題あるいは他の理由のために機能を無効にしたかもしれません。 Angband を自分自身でコンパイルする(あるいは人からもらう)ことで、いつでもデバッグコマンドが使えます。 デバッグコマンドを使うと、セーブファイルに「マーク」され、そのキャラクターがハイスコアリストに記録されることはなくなります。 詳細はソースコードを見てください。
「ボーグ」コマンドは、あなたのキャラクターを自動的に操作します。 余分のメモリやディスク容量が必要になるのを避けるため、ほとんどのコンパイル済みのアングバンドで使用できません。 しかし、ボーグコマンドを含んだ特別なコンパイル済みのバージョンも存在します。 自分自身でコンパイルする(あるいは人からもらう)ことで、いつでもボーグコマンドが使えます。 ボーグコマンドを使うと、セーブファイルに「マーク」され、コンパイル時に SCORE_BORGS が定義されていなければそのキャラクターがハイスコアリストに記録されることはなくなります。 詳細はソースコードを見てください。
「ボーグ」コマンドが有効にされているバージョンなら、"control-z" がボーグコマンドです。 プロンプトが現れたところで "z" キーを押すと始まり、何かキーを押すと終わります。詳細はソースコードを見てください。ボーグはバグを持っているかもしれないので、注意してください!
コンパイルするときに、ALLOW_WIZARD と ALLOW_SPOILERS を定義したバージョンが必要です。 ウィザードモードに入って、"control-a" そして " とタイプしてください。
CVS は複数の開発者が同じプロジェクトで同時に作業する手段です。 また、非開発者(つまり私たちのほとんど)が公式リリースを待たずに、完全に最新のバージョンをダウンロードすることもできます。 これにはいくつかの長所と短所があります。 もしバグに苦しんでいるのなら、最新のCVSバージョンにアップグレードするべきです。 よくバグは「CVS で修正済み」と言われます。 しかし開発版なので、使用できない機能があったり不備があるかもしれません。
Angband CVS へのアクセスは <http://angband.oook.cz/cvs.php>。 自身でコンパイルするには (3d) を見てください。 Scott Holder が Windows 用の最新版を毎日コンパイルしています。 <http://angbandcvs.homedns.org/> CVS 使用ガイドは「the CVS HOWTO」 <http://www.tldp.org/HOWTO/CVS-RCS-HOWTO.html>。
Julian Lighton が、既知の Angband バリアントを網羅した FAQ を保守しています。 これはニュースグループに定期的に投稿され、また <http://www.fragment.com/~jl8e/angband/faq.txt> から利用できます。 各バリアントについて、簡潔な特徴と、最新のバージョン、開発ステータス(活発か不活発か)、著作者/メンテナー、ウェブサイトとダウンロード場所が記されています。
バニラでは小さく軽い武器の方が有利でしたが、OAngband では重い武器が強力になっています。 このアイディアは、ZAngband (バージョン 2.4 以降) や DrAngband (2.9.3 以降) に採用されました。 ダメージにどのように影響するかの詳細については、Angband FAQ その2を(その2が更新されたら)参照してください。
JLE パッチ(Jonathan Ellis による)は、モンスター、アイテム、アーティファクト等を変更するファイル(*_info.txt とヘルプ)です。 ゲームのルールは変わりありませんが、通常の Angband とは違ったプレイになるでしょう。 これは Thangorodrim のパッチページから入手できます。 <http://www.thangorodrim.net/development/patches.html>
JLE パッチはバージョン 3.0.0 からバニラに統合されました。
11a. 新しい呪文を学ぼうとしたときに「読める本がない」と表示されるのはなぜ?
あなたが学ぶことができる呪文を含んでいる本がないのです。 たいていの場合、ブラックマーケットか、ダンジョンの奥でしか見つからない本を必要としています。 町で簡単に手に入るのは、9 種類ある呪文書(祈祷書)のうちの 4種類だけです。
プレーヤーゴーストは、Angband 2.7.9 で当時のメンテナー(Ben Harrision)によって削除されました。 元に戻す提案もありましたが、採用されていません。 いくつかのバリアント (OAngband、 PernAngband) ではプレーヤーゴーストが実装されています。
11c. Angband はどのようなライセンスの下に配布されますか?
(訳注:ライセンスの日本語訳は参考程度にして、原文を読んでください。)
Angband は以下のライセンスに従います:
Copyright (c) 1997 Ben Harrison, James E. Wilson, Robert A. Koenekeさらに:このソフトウェアは教育や研究のためならば、そして利益を目的としないのならばコピーおよび配布してよろしい。 ただし、この著作権と文章は記載しておくこと。
Ben Harrison と Robert Ruehlmann、そして他の多くの Angband 開発者によってなされた変更部分は GNU GENERAL PUBLIC LICENSE のもとで利用可能である。 一部のコードは今でも古い Moria/Angband license でしか利用可能でないため、現在配布されているバージョンには影響はない。 Angband のすべての部分が GPL で配布されるようになるまでは元の Moria/Angband license のみが有効なライセンスである。この第二のライセンスはソースコードをGPLとのデュアルライセンスへと移行させるためのものですが、多くの初期の寄稿家達からこの変更への許可を得ることは難しいことです。 詳しくは「Angband and the GPL」を見てください。 <http://www.thangorodrim.net/development/opensource.html>
このライセンスがどういう意味かというと。 基本的には、誰にでも Angband を与えることができますが、代金を請求することは認められません。 理屈上は、誰かに Angband を含む CD を売ることができないのです。 しかし、実際にはブランクの CD-R メディアを売り、それからその CD-R に Angband のコピーを無料で焼き付けることができます。 インターネットなどからダウンロードすることは全て、同じ様に認められます。
あなたがバリアントを作成したとしても、ライセンスはソースを公開することを強制しません。 しかし、ソースを公開しないのは Angband コミュニティーは不満に思います。 また大勢の人が、主義のためや、自分のシステムのためにコンパイルするべきソースが必要なので、プレイしないことはありそうです。
ライセンスに関して言及することはまだありますが、この FAQ を法律用語で埋め尽くしてしまうだけでしょう。 さらに詳しい情報は、上に挙げたウェブページと <http://groups.google.com> の rgra archives を見てください。 Angband ライセンスについての討論は激しいもののほとんど得るものが無い傾向にあります。 ライセンスについての提起を検討しているなら注意してください(特に「私は GPL が好きではない」の類のものは)。