原先生!
観察会、晴れてよかったですね!!

星野 フサ


 原先生、観察会の準備と実施を、大変ご苦労さまでした。天国でも観察会のバスや汽車の出発時刻や帰りの時間の調整など、苦労しておられるのではないでしょうか?
 私も加藤さんも、先生をお風呂に入れてあげる予定を実施できなかったことが残念で仕方ないのです。
 1995年9月10日実施の村野さんが主催した野幌観察会は、日本の植物をヨーロッパの植物との比較で見る最初の機会で、私にとっては見るもの全てが新鮮でした。その時、笈田さんが、先生の入院している病院を教えてくれました。加藤さんが私を乗せて先生の病院に着いたのは2時を過ぎていたと思います。
 先生はにっこり笑って歓迎してくれました。そして、とても辛そうでしたね。そこで私たち、お風呂の相談になったのですよ。
 先生は、いつも前向きで、真面目できちんとした観察眼をもって植物を説明されており、私は、観察会の度に感激したのでした。『札幌の植物』の出版記念の祝賀会の時、私は先生の観察会に参加させていただいてどんなにありがたかったか、心の一端を述べましたがお礼にみあった適当な言葉がみつからないのです。
 先生は、私のために色々協力してくださいましたね。それから、暑い日のことでしたが、私がカメラを持って、数分ほどで撮影を完了しようとしているのを知って、先生はとても驚いて、「植物写真はじっくり時間をかけて撮影することが大事だ」と教えてくれましたね。私は、その後、先生の写真の一枚一枚にその苦労を知ったのですよ。
 先生! 私は、1995年8月7日にベルリンで開催された国際会議で発表してきたんですよ。村上先生が助手として参加してくれました。
 4年前のウルムチNo.1氷河の見学以来、2度目の外国旅行でしたが、植物友の会の巡検に参加していたので日本の植物と比較して外国の植物を観察することができました。
 今回、わかったいろいろのことを、先生にお話ししたかったのだけれど、かなわず残念でなりません。天国の巡検の準備が忙しくない時に、心の中で、私の話を聞いてくださいね。先生! 本当にどうもありがとう!!

ボタニカ12号

北海道植物友の会