もし時間を自由に旅行できたら。
もしも異次元が眼前に展けたなら……。
非現実の世界へと我々を飛翔させる11の翼。
All the Time in the World 
時間がいっぱいSir Arthur Charles Clarke 
アーサー・C・クラーク深町真理子 訳 And He Build the Crooked House 
歪んだ家Robert Anson Heinlein 
ロバート・A・ハインライン吉田誠一 訳 Time Patrol 
タイム・パトロールPoul William Anderson 
ポール・アンダースン稲葉明雄 訳 Tiger by the Tail 
虎の尾をつかんだらAlan Edward Nourse 
アラン・E・ナース中尾明 訳 Exile 
追放者Edmond Hamilton 
エドモンド・ハミルトン斎藤伯好 訳 What if …… 
もし万一……Isaac Asimov 
アイザック・アジモフ小笠原豊樹 訳 The Other Now 
もうひとつの今Murray Leinster 
マレイ・レンスター斎藤伯好 訳 Child's Play 
クリスマス・プレゼントWilliam Tenn 
ウィリアム・テン福島正実 訳 Tourist Trade 
観光案内Wilson Tucker 
ウィルスン・タッカー中上守 訳 Play Back 
プレイ・バックJ. T. McIntosh 
J・T・マッキントッシュ福島正実 訳 Castaway 
漂流者A. Bertram Chandler 
バートラム・チャンドラー南山宏 訳 2007/05/04 再読。
今(2007年)このようなアンソロジーを見ると、やはり、
グレッグ・イーガンの時間ものの短編が入っていて欲しい、という気になってくる。
特に、『プレイ・バック』とか『漂流者』のような、タイムパラドックス物を どのように処理するか読んでみたい。は、完全に中味を忘れていた。
- 『タイム・パトロール』ポール・アンダースン
- 『もし万一 ……』アイザック・アジモフ
- 『もうひとつの今』マレイ・レンスター
- 『クリスマス・プレゼント』ウィリアム・テン
- 『観光案内』ウィルスン・タッカー
『もし万一 ……』アイザック・アジモフは、星新一の作品のような感じ。
『歪んだ家』ロバート・A・ハインラインは、今出ている短編集に収録されていないとすれば
もったいない。
ある日ある時、この地球が大異変によって消滅する!
破滅の淵に立たされた人類の赤裸々な姿をSFの鬼才が描く7編
Rescue Party 
太陽系最後の日Sir Arthur Charles Clarke 
アーサー・C・クラーク宇野利泰 訳 Lot 
ロトWard Moore 
ウォード・ムーア浅倉久志 訳 The Year of Jackpot 
大当りの年Robert Anson Heinlein 
ロバート・A・ハインライン福島正実 訳 The Last Day 
終りの日Richard Matheson 
リチャード・マティスン福島正実 訳 Last 
夏は終りぬAlfred Coppel 
アルフレッド・コッペル小笠原豊樹 訳 The Leech 
ひるRobert Sheckley 
ロバート・シェクリイ宇野利泰 訳 On The Care And Breeding Of Pigs 
豚の飼育と交配についてRex Jatko 
レックス・ジャトコ斎藤伯好 訳 2007/05/25 再読。
『太陽系最後の日』は覚えていたが、後はほとんど記憶無し。
『ロト』は、最近この近くによく出張で行くので、道路の名前とか、 どの辺の場所か検討がつくので、独特の感慨がある。あんまり、SFという感じではない。 C.L.ムーアの別名とは知らなかった。
『大当りの年』は、全てが一致する、という基本のところは覚えているが、 どのような災厄が来るか、というところは覚えていなかった。読後の今でも、記憶が希薄である。 (それだけインパクトがない、ということか)。
『終りの日』は、気温がどんどん上がっていくが実は、という別の小説と勘違いしていた。 この話では、あくまでも気温が上がることが破滅につながる。
そして次の『夏は終わりぬ』もやはり気温が上がるので、これか、と思ったが違った。 「気温がどんどん上がっていくが実は」の話は、今後別の短編集で出てくるのだろう。
『ひる』は、最後の、太陽に飛ばす所だけは覚えていたが、後は全然記憶に無い。
『豚の飼育と交配について』についても全然覚えていない。
一応、目次の所に全部チェックマークがあるが、本当に読んだのだろうか?
これだけ忘れているということは、昔読んだ小説を読み返すと、いろいろ発見があるかも知れない。 例えば、夏目漱石なんかは、ほとんど中学生の時に読んだので、今読むと登場人物と年齢も近いので、 別な感じ方をするかも知れない。
凄まじい加速で先へ先へと突っ走る物質文明。
人類は果して未来の衝撃に耐えうるか。
ここに8つの戦慄すべき答がある。
The Road Must Roll ! 
走れ、走路Robert Anson Heinlein 
ロバート・A・ハインライン中上守 訳 The Deep Range 
海底牧場Sir Arthur Charles Clarke 
アーサー・C・クラーク高橋泰邦 訳 Veld 
草原Ray Bradbury 
レイ・ブラッドベリー小笠原豊樹 訳 Dreaming Is a Private Thing 
夢を売りますIsaac Asimov 
アイザック・アジモフ田中融二 訳 Crisis 1999 
1999年Fredric Brown 
フレドリック・ブラウン都筑道夫 訳 Skulking Permit 
徘徊許可書Robert Sheckley 
ロバート・シェクリイ伊藤典夫 訳 F …… 
ショク……Richard Matheson 
リチャード・マティスン中上守 訳 The Evitable Conflict 
災厄のときIsaac Asimov 
アイザック・アジモフ小尾美佐 訳 2007/06/08 再読。
『夢を売ります』『災厄のとき』は、全然覚えてなかった。
『1999年』がフレドリック・ブラウンの作品とは意外。
高度の知性をもつ宇宙人と地球人が遭遇すれば……。
SFの長い歴史で最も伝統を誇り輝ける作品群をうんだ宇宙SF。
Сердце Змеи 
宇宙翔けるものИван Ефремов 
イワン・エフレーモフ袋一平 訳 First Contact 
最初の接触Murray Leinster 
マレイ・レンスター伊藤典夫 訳 Odin 
宇宙の漂泊者Александр Колпаков 
アレクサンドル・コルパコフ袋一平 訳 Genesisi 
創世記Henry Beam Piper 
H・ビーム・パイパー浅倉久志 訳 Black Destroyer 
黒い破壊者Alfred Elton van Vogt 
A・E・ヴァン・ヴォクト浅倉久志 訳 Desertion 
逃亡者Clifford Donald Simak 
クリフォード・D・シマック福島正実 訳 2007/08/05 再読。
『宇宙の漂泊者』以外は全部覚えている。
『最初の接触』は、今読むと、何故解決になっているのかよくわからない。
機械と人間を対置させ現代文明における宿命的な両者の関係を
斬新な手法と独特の視点から抉り、文学的解明を試みる。
April 2026 : The Long Years 
長かりし年月Ray Bradbury 
レイ・ブラッドベリ小笠原豊樹 訳 House Dutiful 
生きている家William Tenn 
ウィリアム・テン小尾美佐 訳 Letter to Ellen 
エレンへの手紙チャン・デーヴィス 林克己 訳 Helen o'loy 
愛しのヘレンLester del Rey 
レスター・デル・リイ福島正実 訳 Liar ! 
うそつきIsaac Asimov 
アイザック・アジモフ小尾美佐 訳 Impostor 
にせ者Philip K. Dick 
フィリップ・K・ディック福島正実 訳 Journey's End 
旅路の果てPoul William Anderson 
ポール・アンダースン稲葉明雄 訳 Ararat 
アララテの山Zenna Henderson 
ゼナ・ヘンダースン深町真理子 訳 The Dark Angel 
黒い天使Lewis Padgett 
ルイス・パジェット福島正実 訳 Children of the Atom 
アトムの子らWilmar H. Shiras 
ウィリアム・H・シラス小笠原豊樹 訳 Report on the Barnhouse Effect 
バーンハウス効果Kurt Vonnegut, Jr. 
カート・ボネガット・ジュニア中尾明 訳 2007/09/07 再読。
『長かりし年月』『うそつき』『アララテの山』『アトムの子ら』『バーンハウス効果』 は良く覚えている。
『エレンへの手紙』と『愛しのヘレン』はタイトルが似ていて混同していたが、 覚えていたのは『愛しのヘレン』の方で、『エレンへの手紙』は覚えていなかった。
『にせ者』『黒い天使』は全然覚えていなかった。
『旅路の果て』は全然別の話と勘違いしていた。
現実の世界では決してあり得ない異常な出来事を、
あっと意表をつく発想で捉えSF独特の<奇妙な味>を伝える12編。
The Wall Around the World 
壁の中Theodore Rose Cogswell 
シオドア・R・コグスウェル南山宏 訳 Storm 
暴風雨警報Donald A. Wollheim 
ドナルド・A・ウォルハイム宇野輝雄 訳 Devolution 
反対進化Edmond Hamilton 
エドモンド・ハミルトン小尾美佐 訳 Dead City 
死都Murray Leinster 
マレイ・レンスター中上守 訳 That Hat Trick 
手品Fredric Brown 
フレデリック・ブラウン福島正実 訳 This is Earth 
ここは地球だWilson Tucker 
ウイルスン・タッカー福島正実 訳 The Midnight Sun 
真夜中の太陽Rod Serling 
ロッド・サーリング福島正実 訳 The Curious Child 
奇妙な子供Richard Matheson 
リチャード・マシスン石田善彦 訳 Doomsday Defered 
くりのべられた審判William Fitzgerald Jenkins 
ウイル・F・ジェンキンズ
(Murray Leinster マレイ・レンスターの別名)福島正実 訳 Hush ! 
静かに!Zenna Henderson 
ゼナ・ヘンダースン久保田幸子 訳 And Not Quite Human 
最後の地球人Joe L. Hensley 
ジョン・L・ヘンズレイ滝沢比佐子 訳 Disaster 
災厄Lawrence Sears 
ローレンス・シアーズ福島正実 訳 2007/12/01 再読。
『壁の中』は、今読み直すと、まるでハリーポッターの原作のように思える。
『死都』は傑作。昔は何回も読んだ。
『真夜中の太陽』は、太陽に近づいていく話。
『反対進化』は、エドモンド・ハミルトンっぽい(あまり読んだことはないが)
キャプテンフューチャーよりも、むしろこういう小説を書く人なのではないか。
現実の問題を未来に或いは宇宙空間に託し、
諷刺と諧謔で胸のすく爽快な笑いの発作を誘うユーモアSFのショート集。
もののかたち Ray Bradbur 
レイ・ブラッドベリ斎藤伯好 訳 ナンバー9 Cleve Cartmill 
クリーブ・カートミル宇野輝雄 訳 人類供応法 Damon Knight 
デーモン・ナイト矢野徹 訳 クレイジイ・プラセット Fredric Brown 
フレデリック・ブラウン三田村裕 訳 バスカヴィル家の宇宙犬 Poul William Anderson & Gordon R. Dickson 
アンダースン&ディクスン伊藤典夫 訳 時は金 Mack Reynolds 
マック・レナルズ浅倉久志 訳 旅する男 Henry Slesar 
ヘンリー・スレッサー福島正実 訳 怪獣の時代 Guy Endore 
ガイ・エンドア福島正実 訳 グレート・デーンになった男 Miriam allen deFord 
ミリアム・アレン・ドフォード福島正実 訳 四次元フープ John D. Macdonald 
ジョン・D・マクドナルド宇野輝雄 訳 不景気 Robert Sheckley 
ロバート・シェクリー常盤新平 訳 衝動 Eric Frank Russell 
エリック・フランク・ラッセル中上守 訳 2007/12/23 再読。
『クレージー・ユーモア』というタイトルとは裏腹に、 オーソドックスな作品、しかもそれぞれのジャンルを代表する傑作が多い。
『時は金』は時間物の傑作。ジュディス・メリル『SFベスト・オブ・ベスト』にも 収録されていたはず。『怪獣の時代』も終末物の傑作。 『旅する男』もテレポーテーション物の傑作。 『クレイジイ・プラセット』は『夜来る』の別バージョンのような感じ。 『バスカヴィル家の宇宙犬』はまさに傑作パロディ。 『衝動』は心を完璧に読むことのできる敵との戦いの話。 読んでいてどう解決がつくのか、本当に気が気でなくなる。
人間の奔放な想像力がうみだした壮大で絢爛たる幻想の世界。
現代SFの隆盛をもたらしたSFクラシック9篇を収録。
The New Accelerator 
新加速剤H. G. Wells 
H・G・ウェルズ宇野利泰 訳 In the Year 2889(Au XXIXme siecle) 
2889年Jules Verne 
ジュール・ヴェルヌ村上啓夫 訳 The Tree of Life 
生命の木C. L. Moore 
C・L・ムーア深町真理子 訳 The Revolt of the Pedestrians 
歩行者族の反乱D. H. Keller 
D・H・ケラー矢野徹 訳 The Shadow and the Flash 
影と閃光Jack London 
ジャック・ロンドン南山宏 訳 The Los Amigos Fiasco 
ロス・アミゴスの大失策Conan Doyle 
アーサー・コナン・ドイル福島正実 訳 Fessenden's World 
フェッセンデンの宇宙Edmond Hamilton 
エドモンド・ハミルトン稲葉明雄 訳 R.U.R.(Rossum's Universal Robots) 
RUR ロッサム万能ロボット会社Karel Čapek 
カレル・チャペック深町真理子 訳 A Descent into the Maelstrom 
メールシュトレームの大渦Edgar Allan Poe 
エドガー・A・ポー福島正実 訳 2008/02/03 再読。
ジュール・ヴェルヌ『2889年』以外はよく覚えている。
『生命の木』は、この海外SF傑作選の中ではめずらしい、ファンタジー色の濃い作品で、
最初に読んだとき強い印象を受け、いつかじっくり再読したいと思っていた。
今回、25年ぶりぐらいの再読(その間一度も読んでいない)となるが、
それでもよく中味を覚えている。
今回の収録作品はどれもビジュアル的にすばらしく、映画で見たい気がする。
特に『メールシュトレーム』。
茫漠たる宇宙に於ける人間という小さな存在。
その大いなる孤独をSFならではの手法で描くファンタジー13篇。
Come Lady Death 
死神よ来たれPeter S. Beagle 
ピーター・S・ビーグル伊藤典夫 訳 Intangibles, Inc. 
不可視配給株式会社Brian Aldiss 
ブライアン・W・オールディス深町真理子 訳 The Big Trek 
大いなる旅Fritz Leiber 
フリッツ・ライバー伊藤典夫 訳 Upon the Dull Earth 
この卑しい地上にPhilip K. Dick 
フィリップ・K・ディック浅倉久志 訳 Far from Home 
ふるさと遠くWalter S. Tevis 
ウォルター・S・テヴィス伊藤典夫 訳 The Tenants 
13階William Tenn 
ウィリアム・テン福島正実 訳 The Dark Music 
闇の旋律Charles Beaumont 
チャールズ・ボーモント酒匂真理子 訳 Adapted 
順応性Carol Emshwiller 
キャロル・エムシュウィラー小尾美佐 訳 The Goddess on the Street Corner 
街角の女神Margaret St. Clair 
マーガレット・セント・クレア伊藤典夫 訳 The Ugly Sea 
みにくい海R. A. Lafferty 
R・A・ラファティ伊藤典夫 訳 The Rule of Names 
名前の掟Ursula K. Le Guin 
アーシュラ・K・ル・グウィン酒匂真理子 訳 It's a Good Life 
きょうも上天気Jerome Bixby 
ジェローム・ビクスビィ浅倉久志 訳 I Love Galesburg in the Spring Time 
ゲイルズバーグの春を愛すJack Finney 
ジャック・フィニィ福島正実 訳 2008/04/29 再読。
相変わらず記憶に残っていない作品がいくつかあり、 フィリップ・K・ディック『この卑しい地上に』、 キャロル・エムシュウィラー『順応性』、 ウォルター・S・テヴィス『ふるさと遠く』 は、初めて読んだと思えるぐらい、完全に忘れていた。
あとは、どれもよく覚えている。
- ル・グウィン『名前の掟』は、巻頭に来てもいいぐらいの王道のファンタジー
- ウィリアム・テン『13階』は、『クレイジーユーモア』の方に収録されていてもいいような気がする。 これと同じ「存在しないフロア」というモチーフを扱った作品としては、 ゲゲゲの鬼太郎の『だるま』というエピソードがある。日本には絶対存在しないと思われるレンガ造りの 円柱形の「アパート」のビジュアルが強烈
- ラファティ『みにくい海』、これもやっぱり収録するなら『クレイジーユーモア』の方が相応しい。 当時は「何これ」と思ったが、ラファティの作品を何冊も読んだ今では、ラファティらしい作品と思える。
- オールディス『不可視配給株式会社』、日本の文豪の晩年の作、と思えるような、重い哲学的な作品。 小川国夫の初期の短編のような感じ。
- ピーター・S・ビーグル『死神よ来たれ』、「死神」らしくないイメージがさわやか。 自分なら、この作品をラストに置きたい。
2007年5月から始めて約1年、全巻の再読が終わった。
当初の目的は、タイトルを見ても中味を思い出せない作品の再読と、 自分の好きな作品を再読して感動を新たにする、ということにあったが、 覚えていない作品は再読してもすぐ印象が薄れていき、また好きな作品はよく覚えているので、 結局どちらの目的も、あまり果たせなかった。また全体を通して読むのは何年も先のことになると思われるので、
後々のために再読のためのガイドを残しておく。
読んでおくべき(知っておくべき)作品(SFの古典)
- ロバート・A・ハインライン 『歪んだ家』
- アーサー・C・クラーク 『太陽系最後の日』
- A・E・ヴァン・ヴォクト 『黒い破壊者(宇宙船ビーグル号)』
- レイ・ブラッドベリ 『長かりし年月(火星年代記)』
- シオドア・R・コグスウェル 『壁の中』
- マレイ・レンスター 『死都』
- ガイ・エンドア 『怪獣の時代』
- エドモンド・ハミルトン 『フェッセンデンの宇宙』
- エドガー・A・ポー 『メールシュトレームの大渦』
好きな作品
- ゼナ・ヘンダースン 『アララテの山(果しなき旅路)』
- ウィリアム・H・シラス 『アトムの子ら』
- カート・ボネガット・ジュニア 『バーンハウス効果』
- ピーター・S・ビーグル 『死神よ来たれ』
つまり、自分が選者となるなら、このような作品集になる。
| 『枕草子*砂の本』 | 
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