【相対参照と絶対参照】
計算式や関数を使う前に、「相対参照」と「絶対参照」を理解しましょう。もう既に使っているという方も今一度確認を。
現在のセル位置を示す方法ふた通りあるのはご存知ですか?
◇ 列→ABCDEF…行123456 現在位置→A3 いつも見慣れた画面です
◇ 列→123456…行123456 現在位置→R3C1 列が数字…現在位置は「R3C1」って?
ツール→オプション→全般→「左上」の"R1C1参照形式を利用する"にチェックを入れると、列のABC…が123…に変わります。
ここで出てくる「R」と「C」は何かと言いますと「R」=Row(行)「C」=Column(列)つまり「R3C1」は行が3、列が1となり、A3と同じことになります。
DOSの時代からPCを使い始めた私にとっては"RowやColumn"は馴染みがありますが、大半の方はどうでしょう。初めて見る、聞く方も多いと思います。
余談になりますがEXCELの前身は「マルチプラン」というソフト。この頃は「R/C」の形式しかなかったようです。
その後「MAC(マッキントッシュ)」で初めてEXCELというソフトが誕生し、MS Windows にも移植されていきました。この時には「列」にはABC…登場していたのでしょう。
【相対参照】
さて参照の本題に戻りますが、下図は「B4」のセルに「A2」の値を参照するための計算式です。
実行すると問題なく「A2」の値が参照されています。でも実はこれが問題?
あたかも計算式は「=A2」なので直接A2を参照しているかのように思えますが、実はA2の記述は場所(道のり)を記憶しているだけなんです。行方向は2行手前、列方向は1列手前という感じで。
「B4」の計算式を「B5」にコピーしてみましょう。計算式が勝手に「=A3」になってしまいますね。これは上に書いたとおり、道のりを記憶しているだけだからです。EXCEL的には間違っていません。行-2/列-1をコピーしただけですから。
「A2」の値を参照したかった方は計算式を書き直す必要があります。二度手間です。
これらのセルの「道のり」の参照を相対参照といいます。
【絶対参照】
では直接セルの値を参照するためにはどうしたらよいのでしょう?
先ほどの計算式入力の場面で、「A2」を選択した際に[F4]キーを1回押してみましょう。Aの両サイドに$マークが付くと思います。これで、道のりの指定ではなく、直接番地を指定した形式になります。
これを一つ下の「B5」にコピーしてみましょう。今度はコピー先も同じ計算式になっているはずです。
これらのセルの「番地」の参照を絶対参照といいます。
【使用例】
これらを適材適所で使い分けて、計算式等を組み立てていくと、効率のよい作業が可能です。下は簡単な例題です。
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絶対参照(番地)には直接、RCそれぞれの数字で指定です。
私的には、$で絶対参照を書くよりはRC形式のほうが分かり良いです。ちなみにこちらも相対・絶対は[F4]キーで切り替え可能です。

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