Introduction

HP-963を作った理由

30才も半ばを過ぎた頃、身近なところでガンで急死する人や、突然の急病で入院する人たちが目立って増えたような気がしていました。それまで、幸いなことに大病もせずに、健康的には問題無く過ごしてきていた自分でしたが、そのような状況を見るたびに、自分もいつかは大きな病気に罹るのではないかなあ、このくらいの年齢になれば何かの病気に罹るのは避けれられないだろうなあ、なんて漠然と思っていました。

そして、1998年の2月に、会社の集団検診で白血球が多いことを指摘されました。二度の採血の結果、白血球が2万〜4万もあり、これはもしかしたら白血病?と思い、あれこれ調べ始めた時に頭の中に浮かんできたのはやはり「死」でした。もうこの先長くないのだな。と自分では勝手に思いこんでしまい不安な気持で一杯でした。

そんなときにインターネットの検索サイト(yahoogoogle)で「白血病」というキーワードで検索すると、白血病と闘病中だったり、病気を克服するまでの記録を公開されている個人のWebサイトがいくつか見つかりました(リンク集をご覧ください)。中には自分と同じ慢性骨髄性白血病の先輩患者さんのWebサイトもありました。どんな励ましの言葉を貰うよりも、元気に暮らして、Webサイトまで作っておられるこのような先輩患者さんの存在が自分にとってどんな心の支えになったことか。

と、いうわけで、このWebサイトを立ち上げたのは恩返しなのです。不運にして白血病になってしまった患者さん達の励みになればというのが、目的です。このWebサイトの更新が励みになっている、という患者さんや患者さんの家族の方からのメールを時々いただきます。全く嬉しい限りです。幸いなことに移植後は健康に生活しています(2004年現在)ので、生存確認の意味でもこのWebサイトの更新は続けて行くつもりです。

白血病になって思うこと

こんな病気にでもならなければ分からなかったこと、見えなかったこと、気づかなかったことがたくさんあることがわかりました。それで十分です。もし生まれ変わったら、もう一度この病気になってもいいかと問われたら、イヤですが。不運であったが、不幸ではないぞ、というところでしょうか。

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