今年もやってきた、箱根駅伝。初日の今日は、東京大手町の読売新聞社前から箱根芦ノ湖までの往路が争われた。
今年は大波乱のレースとなった。1区から5区まで、先頭が全て違うという、今までにない展開。結局最後にゴールテープを先頭で切ったのは、4年振りとなる神奈川大。これも予想外の結末。
それにしても、今回の2区はものすごいドラマがあった。ドラマと言うにはあまりにも酷だが…。徳本(法政)が5.5km付近で肉離れを起こし、7km過ぎ、無念のリタイア。神谷(駒澤)もブレーキとなり、2区は波乱の前兆と言えた。
1区。ゆったりしたペースで展開し、20km手前まで15校がひとかたまりになる珍しい展開。各校が慎重になり、そこから抜け出そうという勇気のある選手がいなかったのが残念。最後は入船(順天堂)が区間賞を取ったが、15位までが46秒差という大混戦で2区へ。
2区。「花の2区」と言われ、各校のエース級が登場する区間だ。3km付近で、先頭が4人。5位集団に9人が集まるという波乱含みの展開で幕を開けた。この9人の中には、徳本や神谷も入っていた。その徳本、いきなりのアクシデントで足を引きずる痛々しい姿のまま、一旦は監督の制止を振り切って何とか走り続けようとしたが、7km過ぎ、監督の必死の制止で無念のリタイアとなった。法政の襷が途絶えた。結局2区は、モカンバ(山梨学院)がトップで3区の選手に襷を渡した。2位に早稲田が入るという予想外の展開。
3区。その早稲田が魅せた。1.4km付近で山梨学院を抜いた後、そのまま勢いに乗って独走態勢。後方では、神奈川が2位に上がり、駒澤も追い上げてきたが、今度は順天堂が遅れ始め、トップとは3分以上の差を付けられて4区へ。
4区。何と言っても駒澤の松下が素晴らしい走りを見せた。逃げる早稲田を必死に追い上げ、とうとう20km手前でトップに立った。このレースは見応えがあった。5区に襷を渡す時点で、以下早稲田、神奈川、帝京、山梨学院といった順位。順天堂は3分差を付けられ、完全にピンチに立たされた。が…。
5区。いよいよ箱根の山登り。往路もクライマックスを迎える。駒澤、早稲田と先頭があまり伸びない中、神奈川と順天堂が猛然と追い上げる。15km手前で神奈川が早稲田をかわすころ、順天堂の野口も快調に4位から3位へと確実に順位を押し上げ、気が付けばトップと40秒差まで迫っていた。16km過ぎに神奈川がトップに立つと、しばらく駒澤とデッドヒート。このデッドヒートは下りに入ってからもしばらく続き、これも見応えのあるレース。最後は駒澤が力つき、神奈川が歓喜のゴールテープを切った。以下、駒澤23秒差、順天堂46秒差、早稲田、大東文化、中央、帝京、山梨学院といった順位。野口の追い上げが素晴らしかった。
法政を含め、明日の繰り上げスタートは4校というまさに大接戦だった。
トップ通過、1区順天堂、2区山梨学院、3区早稲田、4区駒澤、そして最終5区神奈川。神奈川は取り立てて目立つ選手はいなかったが、総合力で勝ったのだろう。駒澤や順天堂はさすが優勝候補。途中のブレーキを松下や野口という実力派が救った格好だ。早稲田が予想外の健闘を見せ、久々に楽しませてくれた。
明日は復路。駒澤には揖斐がいるし、順天堂は復路が強い。神奈川、早稲田を含めた総合優勝争いも目が離せない展開になりそうだ。
しかし、それにしても、徳本のアクシデントが痛い。こんなことがあるとは…。 |