新緑ふりそそぐ夜久野の深山     


 
東屋から深山の尾根を見る      
■目的地:夜久野の深山(780m)
■2.5万図:直見    <山域:丹波・京都府夜久野町>
■日にち:2003年5月4日(日)
■天気:晴れ
■同行者:しまださん、たぬきさん夫妻、OAPさん、是兼さん家族
■コースタイム:
  
  天谷峠南 313m地点 発(10:10)〜現世スキー場(10:40)〜東屋Ca555m(11:15-11:25)〜
  763m山(12:00-12:45)〜栗尾山760.1m(13:05-13:15)〜深山780m(14:00-14:10)〜
  県境尾根〜天谷峠南 313m地点 着(15:25)

【山並み】 家から新緑溢れる山々を見ていると緑の中に入りたいなと思う。
ML仲間のしまださんに甘えて少し遠出の夜久野町・深山へ連れて行ってもらうことに
なった。しまださんはつい5日前にも他のメンバーを案内されたばかりなのである。
そのしまださんや貴公子さんから、県境尾根付近に私好みの素晴らしい谷があると吹き
込まれたので期待は大きい。前夜に「京都丹波の山」を申し訳程度に読んで出発。

【谷の里】 集合場所はR9沿いにあるドライブイン。ここからは北東に居母山が端座して
見える。久しく会うメンバーが揃い、しまだ車の先導で府道を北上。新緑の尾根に挟まれた
明るく広い谷筋に里がある。田植えの頃。天谷峠南の広い路側に駐車。地図の写しも配布さ
れて至れり尽せり。足元整えて出発、府道を少し戻る。陽射しが眩しい。左に見上げる尾根
上は新緑よりも薄紫に近い色があり、登る前から雑木の林に期待が膨らむ。
現世の里から望む
【田植え】 現世の集落が見える頃、左手へ田んぼの仕事道に入る。橋を渡って近所総出の
田植えに会う。我が里も前はそうだったという話で盛り上がる。ひと休みのおじさんから、
学生さんかいなと言われてしまった。えらいふけた学生達である。つい先日も登っとったで
とも言われて、それは私ですとしまださん。
 青草の伸びた小道はスキー場の倉庫の間を抜けコンクリ道に出会う。少しきつい上りが
続く。両側から草が伸びて荒れた感じのする道だが、草木が元気ならそれも良し。

【つづら折れ】 コンクリ道の終点で左に小川を跨ぎ、金網柵と斜面の間に地道がくねくねと
上る。『緑の里交流センター』の一環として整備されたそうだが、鹿除けの金網柵が続いてい
るので景色は少し残念。それでも新緑の木々や向いの鉄鈷山東面と青空、響き渡るウグイスの
声に満足。しまださんの駄洒落も健在。途中に平坦が少しあるも、汗を拭き拭きつづら折れを
上り詰める。遊歩道が下に向くようになる肩に観察用と思われる立派な東屋がある。小休止。
東屋から鉄鈷山東面
【斜面】 ここの肩は少し切り開かれているが、山桜やコナラなどの雑木林が穏やかに広がっ
ていていい雰囲気。深山への尾根も若葉越しに見えている。谷の向かいは鉄鈷山東面が大きい。
この先、尾根上までは明瞭な道がないが、植林の縁の急登をエイエイと稼いでいく。
汗が噴く。よく足元を見ている人にはうすいピンクのイカリソウが迎えてくれたりする。
下草もササもほとんどない。斜面にのびた木々に飾られたような緑のランプは上りを誘う。
  斜面の木々  
【眺望】 尾根に出るとムシカリが白い花で待ってくれていた。763m山の少し南手前の
日影で昼食モード。食事もいいが、ここから南に広がる山々の眺めが何ともいえない。
丹波の山が並ぶ。しまださん、たぬきさんに同定していただく。粟鹿山から千ヶ峰への山塊を
真北から眺めている感じ。遠く霞んで五台山も見えるが多紀アルプスは靄の向こうのよう。
763m山南望 (右 粟鹿山)
【尾根の上】 食事しながら鉄人・笹倉さんの話題も出た。さて尾根歩きを始めようとした時、
ピークのほうから人影。こんなマイナーなルートにと思って近くで見ると笹倉さんご本人。
いつもの事ながら神出鬼没。今日はこの谷を鉄鈷山の南・三谷から周回してきたとのこと。
既に3/4を過ぎてなお飄々とした風貌は確かに鉄人か。私なら3日分ほどの山行である。
先があるのでお互い気をつけてと分かれる。噂の笹倉さんに再会して皆、興奮冷め遣らぬまま
なだらかな尾根を歩く。居母山クラブの山名プレート「栗尾山」がかかる760.1mから「深山」
780mは、左側がほぼ植林だが右半分の新緑はいい。「栗尾山」の少し北で大江山方面の眺め、
「深山」の少し北では金鈷山の後に西東の床尾山が背伸びしているように見える。
 
       
東床尾山を望む  深山への尾根道
【噂の谷】 県境の約755mピーク付近は植林も果てて雑木の緑が天を覆うよう。時に紅の若葉が
青空に映えて楽しませてくれる。かすかにツツドリの声。ピークを越えて新緑はかなり堪能。
少し小枝がうるさくなると足元にも枯れたササの茎が少し出てきて下りになる。足元に落ちる
斜面の緑に目を奪われながらも馬の背のような尾根を行く。しまだ隊長に右寄りの尾根筋へ誘わ
れないようにと言われても、読図をしてきていないのでただ付いていくのみ。(^^;
評判の激下りな谷になる。期待外れになるといけないので思いは抑えて来たのだが、谷の源頭を
下りその懐に入り込むともう出られなくなるほどのいい感じ。下草のない落ち葉とすっくと伸び
た木々につく葉っぱ。いいねぇ、噂どおり。振り返りつつ下る。ブナの古木も脇で見守っている。
谷を振り返る
【花たち】 ブナの古木下辺りで谷から小尾根に乗って下る。上の尾根筋にもちらちらあったが、
こちらにもイワカガミが咲いている。ピークは少し過ぎた頃のようである。ツツジの落花もある。
小さな鞍部の二つ目を左にとり植林から谷筋へ。仕事道の脇にもイカリソウが少し。
小さなコンクリ橋を渡って青草の小道を上がると府道に出た。車へ戻る。しばし歩いた尾根から
落ち来る斜面の色を楽しむ。いやぁ、いい山でした。みなさん、ありがとうございました。
府道から


  深山(夜久野)について   

  山のリストへ  / ホームページへもどる


2003.5.25. BY M.KANE