ミツマタに迎えられて弥十郎ヶ岳へ     

タムシバ  
シドロ北峰とシドロ大丸 725.9m (弥十郎ヶ岳北峰から)
■目的地:弥十郎ヶ岳(715.1m)<山域:丹波・篠山市>
■2.5万図:福住
■日にち:2001年4月8日(日)
■天気:晴れ 暑い
■同行者:佐竹さん
■コースタイム:

  大杉 発(9:35)〜したこ谷〜尾根に出る(10:05)〜481m山(10:20)〜
  展望岩(10:55-11:00)〜飛曽山 663m(11:05)〜シドロ北峰 723m(11:35)〜
  シドロ大丸(丈山北峰) 725.9m(11:45-12:25)〜農文塾分岐・大峠(12:35)〜
  籠坊温泉分岐(12:45)〜ハハカベ山石標(13:05)〜後川分岐(13:30)〜
  弥十郎ヶ岳(13:40-14:10)〜畑市分岐(14:20)〜弥十郎ヶ岳北峰(14:30)〜
  梅ノ木谷に出合う(15:00)〜大杉 着(15:25)

【辻の里】 いい天気。珍しく今日は登る山を何処にしようかと迷わない。
昨日半国山で会った佐竹さんに同行をお願いして、弥十郎ヶ岳の辻川環縦走へ。
妻恋地蔵さんが著書「低山趣味」で紹介されているルートを逆周りする計画である。
 福住で落ち合い、辻川へ入る。林道は丁度地元の方が獣害避けの柵を開けている
ところだった。念のためこの先に車を停めても良いか断る。橋を渡るとすぐに駐車地が
あった。本来は作業用だろう。春の日差しが谷間に降り注いでいる。
ミツマタ
ミツマタの谷
 
【したこ谷】 しばらく林道を歩いて東側の取り付きを探してみるが、辻川の堰堤と
地図とを見比べると駐車地に近い杉林の谷を登ったら良いようだ。広い谷がだんだんと
狭くなる。踏み跡がある。妻恋地蔵さんの調べでは「したこ谷」と言われているそうだ。
薄暗い。倒木あり。先の方に白い玉のようなものが空中に浮かんでいる。木漏れ日を
浴びてあっちもこっちも。ミツマタの群生。葉がないのでその情景には異様な雰囲気が
漂う。
 やがて谷も緩やかになる頃、雑木林がみえてきた。若葉がきれい。谷は二股になるの
で左へ登る。緩やかな上りの末、尾根に出た。左(北)には入山禁止の札が掛かっている
が、北東に向く巻き道もある。

【飛曽山へ】 尾根についたら後はこれを辿るだけだ。南へ進路をとり、ビニル紐が
ちょっと幻滅の雑木林を徐々に登っていく。481m山は低木に囲まれているが、西へ少し
だけ見晴らしがある。さらに尾根をいくと663m飛曽山の手前で右へ巻く道あり。尾根を
まっすぐの切り開きもあるが、緩やかな巻き道へ行ってみる。時々多紀アルプスが枝々
の向こうに姿を現す。途中の斜面には、道が流れて細くなり滑りそうなところあり。
雑木林が広がってきた。辻川の谷から上ってきた道が岩で合流。このま進むと飛曽山の
ピークを完全に巻いてしまいそうなので、上に向いて踏み跡を急登。低木を抜けたら
尾根に出る。立派な山道。
 しばらく行くと右手に二つほど岩がある。辻川の谷を見渡せる展望岩。この岩が前出
「低山趣味」に掲載の写真撮影地だろう。確かにいい眺めだ。さらに進むと飛曽山663m
のピーク、谷に岩が突き出していた。ここから東へ湾曲した尾根を行く。
展望岩からの眺め
展望岩から弥十郎ヶ岳 (中央。右は北峰)
 
【シドロ大丸】 嬉しい雑木林の尾根が続くが、足元はしだいにササヤブに変わってい
く。道ははっきりとついているのだが、ほとんど人が通らないのだろう。
 再び歩きやすい雑木林に戻り、奥谷峠へ下りる道も気づかないまま、二つ岩。そのひ
とつに登ってみるが木々の間からの展望はさほど良くならない。深山が見える。やがて
雑木林の広いピークとなる。シドロ北峰・723m。このピークはのっぺりしていてシドロ
大丸(丈山北峰)725.9mへの踏み跡が薄くわかりにくい。私は二度目なので見覚えのある
方へ歩くと明瞭な踏み跡が現れてくる。
 引き続いていい林。シドロ大丸は林の中。ここで昼食にする。暑い日ざしが木々に
遮られ、冬枯れの向こうに弥十郎が薄く見える。のほほんのひととき。佐竹さんとの話
の合間に無線を呼んでみるが時間が早いか応答無し。
シドロ大丸
シドロ大丸から西
 
【峠】 農文塾分岐・大峠へカサカサに乾いた落ち葉の道を下りていく。落ち葉は春の
ぬるみより晩秋の張った空気に似合う。昨日弥十郎山行で迷ったというWMさんの噂。
丈山を示す小さな標識の向きがおかしいので直しておく。後で知ったのだがWMさんは
この標識に惑わされてしまったようだ。
 籠坊温泉からの道が着く峠へ進む。途中は植林から雑木林に変わる。峠の手前でシマ
ヘビに出遭った。今年初めて。峠は辻川の谷へも道が下りていて、南向きののどかな雰
囲気がいい。
巻き道
山頂手前の巻き道を振り返る
 
【弥十郎ヶ岳】 さらに尾根伝いに道を行く。ここから弥十郎へはメインストリート。
私は記録を辿ると9年ぶりだった。ほとんどはじめて歩くに等しい。林の中に道が
続いている。ハハカベ山の石標を過ぎて二回ほどアップダウンの末、後川の林道から
上がってきた道が合流。山頂はもうすぐ。コブを巻く道がまたいい雰囲気だ。
青空に白いタムシバの花が盛り。続く切り開きからは食事をとった丈山北峰が見える。
 山頂は誰も居ない。篠山盆地の方に眺めが広がる。陽射しは暑い。
佐竹さんにドリップのコーヒーを頂いてほっとひと息。のんびりした時間が流れる。
高城山が春霞の中にすらっとした姿を見せる。多紀アルプスも一望。
タムシバ
タムシバ満開 (弥十郎ヶ岳北峰の手前から辻川の谷)
 
【弥十郎ヶ岳北峰】 緩やかな時間の後にはまだ読図の要る尾根歩きが残っている。
畑市への道標にしたがって右が植林の道を下るとハイク道は左へ折れていく。
ここをまっすぐにヤブっぽい尾根を登っていくと、途中で辻川の谷が一望できた。
 上りきった弥十郎ヶ岳北峰は右手が植林で西日の入る雑木林が左。尾根が緩やかに
右へ曲がっていく。
尾根
尾根を下る (弥十郎ヶ岳北峰から東)
 
【梅ノ木谷】 広い尾根をゆるりと歩いていたら、地図を見るのをすっかり忘れていた。
目的の尾根を過ぎてしまった。気が付いた時は前方に辻富士とも呼ばれる飛曽山がきれ
いに聳え、東を向いて下りていた。まぁ丁度、車を置いた地点に辿り着くからこちらで
良いやとそのまま下る。雑木林の緩急尾根を下ると植林に変わって谷に入り、ソマ道が
出てきて沢音が徐々に大きくなる。梅ノ木谷。順調に林道へ飛び出たつもりだったが、
獣害避けの高圧柵がある。少し戻って柵のない上流側から林道へ降り立つ。
 懸案だった辻川環縦走。佐竹さんに同行頂いたお陰で冬枯れぎりぎりの雑木林を堪能、
無事に遂げることができました。ありがとうございました。
辻富士
辻富士 (飛曽山) 辻の里から
 


  弥十郎ヶ岳について / 妻恋地蔵さんの 弥十郎ヶ岳略図 (520KB )   

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2001.4.21. BY M.KANE