古道から黄葉残る 京都北山・天童山へ          

 
中江橋から昼下がりの天童山 (左ピークの奥になる)
■目的地:天童山 (775m) <山域:北山・京都市京北町>
■日にち:2007年12月02日(日)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  中江橋 Ca260m 発(9:45)〜賀茂神社(10:00)〜舗装林道別れCa330m(10:05)〜竜ヶ坂〜二体石仏(10:50)〜
  鳴の堂跡(11:00)〜茶呑峠(11:30-11:40)〜Ca735mP(12:05)〜天童山(12:15)〜南東鞍部(12:20-12:50)〜
  天童山(12:55)〜Ca735mP(13:05)〜西尾根〜パラグライダ基地Ca640m(13:25-13:30)〜二体石仏(13:40)〜
  竜ヶ坂〜賀茂神社(14:10)〜中江橋 着(14:25)

 8時前に家を出る。知明湖は湯気が湧いている。歌垣山の里は霜が降りていた。亀岡は霧の朝である。
京北山国に着いても尾根は霧に隠れたまま。薄暗いため、遅い時間なのにまだ明け方に錯覚する。
 
中江集落の朝 (右の杉の木から林道へ入る)
 中江橋の近くに駐車。橋を渡って中江集落から林道に入る。獣除けのゲートは開いていた。
長い階段の賀茂神社の前を過ぎて、しばらく行くとコンクリートの舗装道が左に曲がる。小さな道標が
茶呑峠は植林へ直進を指す。コンクリート道は天童山から北西に下りる道に繋がるのかもしれないが、不明。
 
竜ヶ坂
 薄暗い植林の中に古道の面影残るしっかりした道が上っていく。ただの植林かと思っていたら、芦生杉のような
形の台杉があちこちに点在する。朽ちたものや若い真っ直ぐな幹を伸ばすものなど。昔は台杉の森だったのだろうかと
勝手に想像はふくらんでいく。上の方には、まだ残る霧が白く漂い薄暗い道を神秘的に演出してくれる。 
 
竜ヶ坂峠 (中央左の石垣の中に二体石仏)
 つづら折れになると雑木が出てきて、苔むした石垣が残っていた。尾根の北面を巻くような小径を左に
分かれて曲がり苔で覆われた道を緩く登ると明るい峠が見えてきた。しっかりした石室に二体の石仏がある。
驚いたことにその先は地道の車道でした。西側の尾根には落ち葉の細い道がついています。
車道はパラグライダ基地のものでしょう。二体石仏の前だけが往時を物語っているようです。
茶呑峠への古道は車道を10m程下りたところについていました。 
 
古道 1 (最初はいい感じ)
 古道に入ると雑木の影になっているものの落ち葉の敷き詰まった水平道です。MTBでも楽々かと思いきや
時々倒木があります。植林に入り、少し広がったところに石で囲った枠取りが残っています。たぷんここが鳴の堂跡
なのでしょう。緑のまま落ちた葉がたくさんありました。この古道の一つ残念なものは、時折聞こえる銃声です。
射撃場が茶呑峠の南の方にあるため、そこから聞こえているものと思われます。
 
古道 2 (植林も黄葉もあります)
 645mピークの南までは植林の中、北にカーブして深い谷を巻くようになると木々の間からCa735m西面と茶呑峠辺りが
望めます。この先の歩きへ誘う眺めです。谷が大きく入り込む辺りは道も崩壊しかけていますが紅葉がまだ綺麗。
崩壊地を過ぎるとまた植林に入ります。大きな岩の下を過ぎ、シダの茂る区間を過ぎるとまた少し崩壊地。
最後の尾根を巻いて、植林から南西が開けた所を過ぎたその先に峠が見えてきます。茶呑峠です。
 
茶呑峠
 峠は一本道ですが、その東西はそれぞれ二叉に道が分かれます。東側の谷を巻く道へ少し行くと谷を北へ上る
作業道があります。少し登って陽射しも暖かく小休止。ここから先の急登に備えておにぎりと水分補給。
作業道を登りきると峠から尾根伝いの道に合流、植林の中を少し登れば雑木の急登が続きます。軍手を出して両手で
幹を掴みながらの登りです。
 
西尾根
 やっと平坦になるところに出ると北に天童山頂からの西尾根が望めます。下りに使うかもしれないルートなので気にして
見てみると、まずまずの雑木尾根です。細い尾根を北へ進み、東に桟敷ヶ岳がのっぺり、間近には植林の天童山と
黄葉した雑木の反射板山が見えます。岩を巻いて登れば低い雑木のCa735m。西尾根に踏み跡があるのを確認。
陽射しもあるし植林の天童山よりここで昼食にしようかと思いましたが、飯森山まで行きたいのでもう少し頑張ることにします。
 
桟敷ヶ岳
 すぐに植林、それも手入れのほとんどない真っ暗な林。鞍部を登り返して小さなコブから今度こそ山頂への登り。
ずっと暗い植林の中なので味も素っ気もない。やっと着いた山頂はたくさんのプレートがあり。東側は雑木で明るい。
緩やかなピークの北西側に中江集落へ下りる道を確認しに行く。植林の中に判りにくい踏み跡と古いテープあり。
怪しい雰囲気です。
 
天童山山頂
 さて、こんな山頂より反射板山の方が雑木が茂っているので、そちらへ下る。斜面は低木雑木。鞍部に出てみると、
すごい谷が広がった。北側は植林だが、南側は天国のような黄葉のU字谷。思わず引き込まれていき、
ここで昼食に決定。
 
天童山南東鞍部 1
 谷なので無線は無理と思いつつ一応は波を出してみる。やはり応答無し。静かにこの雰囲気に浸りましょう。
陽射しがあるものの少し風がとおって冷える。ジャンパーを着てラーメンを待つ。山頭火である。お湯が少なかった。
食事が済むと落ち葉を踏みしめ辺りを散策してみる。いいなぁ。まだ赤や黄のカエデが残っている。きれい。
今年最後の黄葉かもしれないなぁ。ありがたいものです。
 
天童山南東鞍部 2
 ここから先、飯森山まで行きたかったのですが、時間も押してきているし日も短い。下りはピストンでなく、別ルートなら
余裕も持ちたいということで、ここで引き返すことにした。天童山山頂から直接中江集落へ下りる手もあるが、
先の調べで踏み跡が薄かったのと植林尾根が続いているようなので敬遠。薄暗い植林を下って上ってCa735mピークへ
もどる。往きでは気づかなかったが赤いテープに竜ヶ坂と書いてある。これに元気づけられた。道はある。

 雑木の西尾根に入る。最初は低木が五月蠅い雰囲気だったが段々と歩きやすくなる。踏み跡は薄い。
植林に変わる。南に黄葉が残る。ここは往きで歩いた古道の険しい巻き道の上かと思うと感慨深い。
地図を見ながら二つめのコブを過ぎると急坂を下りて長い平坦が続く。落ち葉に覆われた雑木の尾根です。
 
雑木の尾根
 踏み跡も太くなってきて、いにしえの道を彷彿とさせます。紅葉が残っています。落ち葉と黄葉に気をよくして、
現在地があやふやになりました。この長い平坦地の先は、北側に寄るように気をつけないといけないなと思いつつ
どんどん歩いていきます。古い道は落ち葉に覆われながらも少しずつ深くなってきました。

 前が明るくなってきたのでいよいよ北寄りの斜面かと思って進めばなんと、伐採地のような展望がある。
たぶんあるかなと思っていたパラグライダーの基地です。今日は誰も使っていないようなので斜面の端まで
出て見ます。いい眺めです。望外の展望。山国の家並みや田畑が手に取るようです。
 
パラグライダー基地からの展望
 ジュースでひと息ついて、パラグライダー用の地道車道を歩いて西進します。時々尾根に上がってみますが踏み跡は
残っているものの風情が薄れている感じ。峠には二体石仏が静かに待っておいでです。あとは少し明るくなった
竜ヶ坂を下るのみ。
 
賀茂神社の石段
 予定より早く下りてこれたので賀茂神社にお参りしていきましょう。苔むした石段を登ると左右と中央に3つの祠が
祀ってあります。中央は少し小さい。すぐ脇に車が着けられる道も来ています。無事下山を感謝して石段を戻ります。
ここで事件は起きました。といえば大袈裟ですが、無事下山のお礼をした直後なのに、ぬめった石段に滑って尻餅を
着きそうになりました。右手で受けて事なきを得ましたが、これは何のお印かと考えます。気を抜くなよとのお告げか、
尻餅さえ着かずに無事だったろうというのか、いずれにも受け取れるのです。うーん、最後に考えさせられます。(^^;

 里に下りると朝霧から一変、晴れた西日を受けた天童山やその尾根、パラグライダーがひとつ舞い上がっていました。

 天童山について 
 
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2007.12.29. BY M.KANE