正月・冬枯れのシビレ山と丹生山        

 
丹生山系 (青葉台口から)
■目的地:シビレ山(465m)・丹生山(515m) <山域:丹生山系・神戸市北区>
■日にち:2008年1月03日(木)
■天気:晴れのち曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  サイクリングターミナル前 発(10:15)〜コウモリ谷〜なめ滝の上(11:05)〜山陽自然歩道の尾根道合流(11:20)〜
  シビレ山(11:40)〜朝日山512.8m(12:00)〜裏参道合流(12:05)〜本淡河町分岐(12:07)〜帝釈山北側分岐(12:09)〜
  帝釈山南側分岐(12:15)〜丹生山(12:20-13:00)〜千年家分岐(13:05)〜坂本分岐(13:25)〜サイクリングターミナル前 着(13:35)

 9時過ぎに家を出る。遅い時間だが三が日なのでお正月気分が残って静かな雰囲気。
箕谷のややこしい交差点をすぎてR428に入り志染川沿いに下っていくと西の青空に冬枯れの山並みが現れた。
今までの町中の景色が一変して、里の雰囲気が漂ってくる。神戸電鉄沿線も開発される前はこんな様子だったのだろうか。
変わっていくものの儚さと、まだこのような里が残っている嬉しを入り交じって感じる。
かわいらしいコブがポコポコと出ているが、どれがどの山かはわからない。

 突然サイクリングターミナルの看板が見えたので右折し橋を渡ると、すぐ右にサイクリングターミナル。今日は休み。
駐車場を借りられないかと思っていたがあてが外れた。それより、ここは貸自転車利用者のみ駐車可。みんなどこに
駐めるのかなと西へ進む。すぐに車止め。近くに数台駐めてあったのでここにする。どうもお寺の前のようだ。

 支度をして西の自転車路へ歩き出す。この間もランニングの人やサイクリングの人とすれ違ったり抜かれたり。でも静か。
事前にグーグルで調べたコウモリ谷の橋に着いた。2.5万図には尾根に上る破線道が谷の西に付いているので、もう少し
自転車路から様子を伺ってみる。しかし金網の張られた崖になっていて取り付きらしい雰囲気は見られない。
 
自転車路 (コウモリ谷手前)
 仕方ないので、谷は暗いからいやだなと敬遠していたコウモリ谷へ、橋の横から下りてみた。ロープがある。
谷に入るとすぐに立て札があった。コウモリ谷利用者のモラル低下を注意するものである。この辺りは私有地なので、
改善されなければ入山できなくなるかもしれないと記されている。ごもっともな話。
ここで引っかかったのは、車を住宅地に駐めていないかというくだり。ちょっと後ろめたいが今回はご容赦いただく。

 薄暗い谷は、いきなり岩壁に挟まれている。右岸に尾根に上るような高巻きがあるのでこちらへ。ここからそのまま
尾根に上ることができるかもしれない。そう思いつつも、谷の雰囲気に惹かれて少し偵察に入ってみる。
どんどん引き込まれていつの間にか谷の中を歩いていた。静かな中に、ちょろちょろと小さな水音、かさこそと何か動く気配。
よく見るとリスが近づいてきた。しばらくは私に気が付いていないようだが、あわてて逃げていった。
 
コウモリ谷下流側
 大きな岩や立ちはだかる岩壁の間を抜けていく。薄暗い。静か。岩の間に落ち葉がつもっている。
やがて大きな岩は影を潜め少し広くなった涸れ沢を上る。炭焼き跡が残っている。それもかなり原型のまま二つも。
赤い道標が木に括られ、つくはら400m シビレ山1500m を示す。まだそんなものか。この谷道はそのうち西の尾根にのるのは
下調べでわかっていたので、そんなものだろうと納得する。

 冬枯れ雑木林の上がだんだん明るくなってきた。そのうち枯れていた沢に水が流れ、広い一枚岩のナメが現れる。
へぇぇ、意外に見所が多いなぁ。今日は岩の表面が乾いていて靴のグリップが利くので、おもしろいように自由に歩ける。
しかし、雨で濡れたり凍ったりしていたら恐い所である。落差 数10cmの小さな滝の上に登ると、何の変哲もない雑木林。
ここから下流にあんなナメや大岩の谷があるとは想像できない。山は谷を下るなの典型例のひとつ。
 
コウモリ谷上流側
 さて、ここからは里山らしい雑木の道が続く。沢沿いの明るい道だ。MTBでも快適だろうなぁ。
沢が左へ曲がるころ、そこを渡って道が分かれている。気になるものだが、今日はこのまま道なりに左へ行く。
だんだん左に曲がってきて日陰となる。薄暗い雑木の谷。また、炭焼き跡あらわる。その先はすぐ尾根に出る。

 尾根には山陽自然歩道・太陽と緑の道の道標。日差しが明るい。コウモリ谷から90度以上方角が変わったのに、
方向感覚はまだコウモリ谷の延長である。明るい尾根の道が続く。ほどよく整備してあり、気持ちが良い。
道脇にシダが出てきた。ザレた斜面の滑りやすい所にはロープもある。至れり尽くせり。高度が上がってくると
雑木が低くなって周りの山が見えてきた。前方から右手に尾根が伸びてこんもりとしたピークがある。丹生山だ。
 
尾根道から丹生山
 前方に枝越しで見えるピークがシビレ山かなと思ったが何度も偽ピークのような登りが待っていた。
ひと月ぶりの歩きだが、意外と足は軽い。明るい斜面で汗もかいてきた。南の谷の向こうに見える山影は、六甲の菊水山、
高尾山あたりか。赤い道標がシビレ山500mを示す。まだそんなにあるのか。高度が上がると明石海峡まで見えてきた。
雄岡山・雌岡山も穏やかな姿をしている。

 右に巻き道を分けてピークに登り、シビレ古代祭祀跡の前をすぎて少し雑木がうるさくなった頃、シビレ山に着いた。
西にも道があり通過点のような所。周りは雑木が茂って展望なし。すぐに引き返して前のピークから東へ採る。
短い下りの後、巻き道と合流して上りに転ずる。背後の眺めがだんだんと良くなる。シビレ山も見える。その向こうに
鉄塔があった。あの下はひょっとしたら展望が得られたのかもしれない。
 
朝日山西からシビレ山 (右のコブ)
 坂を登ると気持ちの良い平坦尾根道。512.8m山(朝日山)は直登せず南側の巻き道に入る。こちらも展望が開ける。
明石大橋が霞の中にうっすら見える。そうすると512.8m山はもっとよく見えるかなと登り返してみるが、低木もあって
さほどではなかった。ここから東の下りは割と長かった。日陰になって裏参道のようなよく踏まれた道に合流する。
北面の薄暗い登りとなる。この後、本淡河町や帝釈山への分岐を左に分けて、山腹の巻き道が続く。南側なのに
木が高くてそんなに明るくない。

 鞍部に出ると今度は道標のある帝釈山分岐。こちらがメインルートのようだ。丹生山は直進。どちらに行くか一瞬迷うが
昼も過ぎて腹減ったので丹生山で昼にしたい。そのまままっすぐ行くと、コンクリート道が上がってきている。その先が
鳥居の前である。そのまま南は衝原への下山路のようなので、戻って神社の境内を目指す。昔は城も有ったようだ。
 立派な石垣に囲まれた社務所、その左の石垣の上が本殿。本殿から南に少し展望がある。摩耶山辺りまで見えている。
社務所前に戻ってベンチでごはん。先客の3人もそれぞれにお昼のようだが、静かである。
 
丹生山頂から六甲方面
 腹がふくれた。帝釈山を往復する予定だったがすでに13時近い。14時過ぎには帰宅して買い物に行く約束をしていたので
帝釈山はあきらめる。せっかくなので無線をつけてみよう。ひょっとしたらと思っていたが、ちゃんとたぬきさんが応答してくれた。
西光寺山でQSOパーティ、すでに20局は終わったそうである。父たぬきさんとも交信して下山に入る。ハイカーが増えてきた。

 竹林をすぎてすぐに千年家の分岐。下ってすぐ古い墓地。卵塔もある。松葉の混じる落ち葉道を下っていく。時々丁石が現れる。
林が開けて眺めの良い所もあり、冬枯れの雑木が紫色に広がっていた。坂本への分岐をすぎてしばらくするとササが出てくる。
コナラの林が広がりつつもササは背丈を増し竹林に入る。民家の裏に出たなと思ったら、サイクリングターミナルだった。
 
坂本分岐過ぎて
 さてさて、さっさと車を移動しないと。朝来た時よりも台数は増えている。釣りの人もいるようだ。いろんな目的で来ているので
必ずしもハイカーばかりとは限らない。県道に戻る途中に有料駐車場があった。500円のようだ。次回はここに駐めるべし。
午後から雲が広がり青空は少ないが日差しは残っている。名残惜しくて車を駐めて写真を撮ったが、朝に比べると雲ばかり。
やはり山は朝が勝負だねぇ。

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2008.1.13. BY M.KANE